痛快と墓穴の狭間で

2015年6月15日
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衆議院憲法審査会が、参考人として招いた憲法学者3名全員が、政府提出のいわゆる安全保障法案は、憲法に違反すると意見を述べました。

 

従前の政府見解の基本的枠内では説明がつかない、

憲法9条2項では、軍隊の保持と国の交戦権は認められていない、

仲間の国を助けるために国外に戦争に行くことになる、

従来の政府答弁はガラス細工でギリギリ保ってきたが、

集団的自衛権は違憲等等、

明快に意見が述べられました。

 

 

これに対しては、自由民主党推薦?の憲法学者さえ、憲法違反を言うので、一部野党議員からは「痛快!」、また、一部大新聞では、「自民党の人選ミス」なんて声が上がっています。

 

早速内閣官房長官は、憲法前文(平和的生存権?)、13条(幸福追求権?)を挙げて、いわゆる安全保障法案が違憲であるとの意見は、「全く当たらない」と記者会しました。

全く違憲ではないと言う著名な憲法学者は「たくさんいる」のだそうです。

 

民主主義が多様な意見を広く集め、また、決して少数意見を無視するものではないことからすると、官房長官の仰ることはそのとおりでしょう。

こらから弱小野党の意見主張と、しっかり聞いていただけるでしょう。

 

 

あるいは、本当は、国民は、政府与党と同じ考えの方が大多数なのかわかりませんね。自由民主党に絶対安定多数の議席を与えた国民の中にも、実は反対!が「たくさんいる」かもれません。

 

 

それはそれとして、『野党痛快!」とか、「与党墓穴」なんて見出しで論じることなのでしょうか?

新聞社の使命ってなんでしょうかね。

 

本当に、野党は笑い転げ、政府与党は、しまった!としか感 じていないならば、こんな国会で、安全保障法案なるものを審議してもらうことってなんなんでしょうと考えざるを得ません。
因みに、政府の重鎮が、憲法前文と13条を読んでいたことは安心しました。

 

ポツダム宣言を詳らかに読んでいないなんて答弁が以前あって、ちょっと 心配でしたから。しかし、その文言を読んでも、私のように解釈する人が、「たくさんいる」ことも、理解していただきたいものです。