先月、北海道のある都市で開催が予定されていた道内の視覚障害者らの卓球交流会が、盲導犬同伴で宿泊できるホテルが見つからないとして中止となったことが明らかになりました。
なんでも、会場近くの3軒のホテルは、盲導犬同伴の宿泊について、これを拒否または即答を避けるなどしたため、主催者側が宿泊先確保を断念したからとのことであります。
2002年に施行された身体障害者補助犬法は、公共施設や不特定多数の人が利用するホテルなど民間施設に対して、盲導犬の同伴を拒むことができないことを明記しています。
実際に、『犬』が宿泊したら著しい損害が発生すると予想できるものでもないのに、ホテルの対応については、批判的な意見が多い感じです。 都会におりますと、駅構内、電車の中、さらには百貨店等でも、目の不自由な方が、盲導犬と一緒にいる姿を見かけます。我が家にもわんこがおりますので、盲導犬『偉いな』と思います。
でも、犬に慣れない人が少なくないこと、また、アレルギー体質の方がおられることも事実です。ちなみに、家族の一員としてわんこ3頭と一緒に暮らしている私ですが、誠に恥ずかしながら、『ネコアレルギー』なのです。喘息のような症状がでるので、ネコの居る家には行くことができません。 大会が中止に追い込まれたこの都市には、ホテルが3軒しかなかったのかどうかわかりませんが、ホテルの対応を非難するだけでは、なんかおかしいのでは?と感じます。
この交流会は、今年が初めてではなく、道内の都市を巡回してこれまで開催されてきたと言うのですから、こんなことになったのは、何かしら他の要因もあったのではないでしょうか。
ホテル業を営む側は、全く補助犬法を知らないはずがありません。
私が気に入らないのは、『こんなこと』が発覚して全国ニュースになった途端、この自治体は、市内にある宿泊施設に対して、補助犬法等を説明し、理解を求め、盲導犬に関する冊子を配布するなどして、再発防止に努めると発表したことです。
要するに、『こんなこと』が起きて、ニュースになると、「真面目にやっております」とアピールするがごときであります。
いつか福岡市の教職員について、外での飲酒自粛の話題にも触れましたが、なんか自治体って、人気取り、わざとらしいところがあるなと感じるのです。 そんな人間界の意図目論見に関係なく、盲導犬は、主のため黙々とその務めを果たすのです。
犬は、人間の言葉はしゃべりませんが、人間の話、感情は理解できています。自分が愛され、大切にされているのか、単に体面や何かの駆け引きに使われているのか、見抜くことができます。
厚生労働省の記録では、この交流会が行わらるはずだった自治体を含む地域管内にいる盲導犬は、2頭だそうです。
この2頭が、ホテルに宿泊できなかったのかもしれませんが、当該自治体としては、『もっと地元に盲導犬を増やそう!』と、盲導犬に関する理解を深める活動をされてはいかがかと思いました。あらゆる場面で、福祉は重要課題です。