北陸新幹線が3月14日に開業して3ヶ月が過ぎました。
これまで首都圏から鉄道で北陸地方に行く場合、新幹線と在来線特急を乗り継ぐ必要があり、新幹線の開業により、時間の短縮と大幅な便宜が図られたことになります。
昨年の同期間と対比して、鉄道は、3倍の乗車率だそうです。 予想されていたとは言え、これであおりを受けたのは富山きときと空港、小松空港です。両空港は、主力線は羽田便ですが、小松空港で33.7%.、富山空港で28.7%の減だそうです。
富山県、石川県にしてみれば、北陸新幹線の開業を声高に言って、実際両県を訪れる人が増えたのだから良いではないか、航空会社ならともかく、県が空港利用者の減少を憂うる必要はないのではとも思われました。
しかし、事情があるようです。石川県によれば、もともと石川県は、羽田乗り継ぎ客をかなり当て込んでいたのだそうです。すなわち、羽田空港利用客のうち、乗継客は6%に過ぎず、福井県にも近く、金沢の入り口としての小松空港は、羽田空港を経由しての観光客の需要はかなりあると見ていたこと、富山県によれば、現在韓国、中国からの国際線乗り入れに力を入れているところ、富山空港を使う国内線はANA1社であり、国際線各会社のハンドリングをANAが担当しているため、もし、ANAが富山空港から撤退などしたら、国際線利用客、海外からのお客さんが、富山県に来なくなると言うわけであります。
首都圏、東京で暮らす人間の悪いところ、驕りとも言えるのは、なんでも東京を起点に捉えることだと思います。新幹線が繋がったから経済効果があったなんて言うのは、その地方の立場からの発言ではありませんね。
北陸3県は、東京だけを向いているのではありません。全国各地、そしてアジア世界からのお客様を受け入れたいと考えているのです。 ハンドリング、航空業界の場合、グランドハンドリングと呼ぶようですが、空港内での航空機の発着に伴う航空機誘導、貨物搭載、給油等を担当する仕事ですが、これを自前で全て行うのは経費的にも困難で、かつてのエァドゥ、スカイマークでも、他社に委託したことがありました。
私は福岡から帰るとき、福岡空港の搭乗便カウンターで、しばしばお魚を預けるのですが、昼間の時間帯は、「本日羽田からのお乗り継ぎはありませんね」と尋ねられることがあります。
九州から、羽田空港を乗り継ぎに使う利用客はいるのだなと実感いたします。
特に小松空港の近くには、名所旧跡があります。安宅の関、松井秀喜記念館しかり、片山津温泉、山中温泉、山代温泉は北陸の名湯で知られ、金沢市の反対には、東尋坊、永平寺等のある福井県です。
私自身も、福井県に出張したときには、小松空港を使いました。これもかつて利用したことのある富山きときと空港は、富山市内から20分の距離に位置します。
特に海外からのお客さんには、立山連峰の勇姿、黒部立山アルペンルートなどは、ぜひ見ていただきたい日本の風景ですね。
一口に地方空港と言ってしまいますが、その意義は、その地域だけが考えればよいのではないですね。日本各地との交流、そして世界に発信するには、国民全体でいろいろ考えなければならないと思いました。
そう考えると、『地方創生』なんて言葉自体が、上から目線と感じてしまいます。いつか申したかもしれませんが、与党のあのポスター、なんとかならないですかね。。。