『雪鶴』そして『サッポロクラシック』に詰まった福本悟の思い。

2015年12月3日
テーマ 
最近『限定販売』の商品が多いことに気づきませんか?よく、『○○限定』として、並べられているやつです。特に買う物を決めていない状態で店舗に入ると、何と無く興味を唆られて買ってしまうことがあるのではないでしょうか。店員さんも、「ここだけでしか買えません」を連呼して、呼び込みに懸命なことがあります。

酒、特に焼酎が好きな私は、鹿児島に出張したときには、必ず『鹿児島限定焼酎』を複数購入します。また、普段のビールの銘柄は決まっておりますが、北海道で飲む時は、『サッポロクラシック』です。札幌の帰り、新千歳空港のとあるお店で、北の生ものをつまみにして飲み干すサッポロクラシックの美味しいこと……。今日もアルコールの話題から入ってしまいました。


『限定販売』とは、企業が、商品を期間や地域などに区切って販売する方法を言います。当該商品が、全国に通用するか、マーケティング調査の目的で行われる場合、『限定』をうたうことで、消費者の購買意欲を高める目的で行なわれるとされます。


この中で、『地域限定』とされるのは、その地域の名産品を素材にしたものや、交通手段等の関係で、全国販売が難しいものが対象とされるようであります。こうしてスタートした限定商品ですが、近頃では、この地域をウリに、独自性を打ち出して販売展開される例となっているようです。

ところで、北海道限定商品については、チョット異なる歴史があります。北海道限定商品の販売は、今では、北海道以外の地域を本社とし、あるいは拠点として商品販売している企業が、特に販売地域を北海道内に限定して、販売しているのが実情です。それは北海道の特性からやむなく『地域限定』となった過去の経験から学んだことが出発点と言われます。


北海道は、古くは蝦夷地と言われ、アイヌ民族が歴史を刻んで来ましたが、明治になって開発が始まり、人は増えても、やはり本州から離れた寒冷地で、物流網が整備されず、本州でヒットした商品が道内に出回るころには、既にブームは下火となっていることもままあったようです。
それで北海道内では、道内の企業が、本州でヒットした商品を模して、独自の商品を道内で販売するようになり、これが道内では、『本物』として定着してしまい、それが道外の人たちからは、『北海道限定商品』となってしまったと言うもののようであります。


そして今度は、道外に本拠地を置く企業が、北海道の農作物や乳製品の豊富さを強調して、反対に本州との差異を打ち出すことで収益を上げる展開となっているものです。
この例は、先の『サッポロクラシック』がそうですし、私が好物としているカルビーポテトの『じゃがポックル』が典型だと思っています。また、もはや北海道限定ではなくても、「北海道に行かなければ買えない」と思われている、思わせている?宣伝効果も大きいでしょう。

新千歳空港で、4大銘柄と言われているのは、六花亭、石屋製菓、ロイズ、北菓楼ですが、次々に親戚品を打ち出して、『北海道限定』をうたっている反面、これら企業のメイン商品は、日本国中どこでも手に入る現状です。それでも『白い恋人は北海道で買う』意識は強いと思います。
『白い恋人』が、北海道土産の定番となっているのと、有る意味同じような感じで、福本悟が新千歳空港で、また、京王百貨店新宿店等の物産展で買う商品があります。それは、千歳市の企業『もりもと』が販売する『雪鶴』です。それは私が20年前、初めて北海道の依頼者となった当時千歳市にいらっしゃった方からいただいたのが『雪鶴』だったからです。
写真 4 H27.12.01
当時は、道内の牧場でとれたバター、チーズを使ったバタークリームと、千歳市苫小牧市が産地のハスカップを入れた2種類の菓子でした。その後『もりもと』では、様々な商品が販売されていて、いろいろ買いましたが、やはり初心忘るべからずではありませんが、私には雪鶴なのです。

この20年間、何回買い、人に勧めたことでしょう。雪鶴のパッケージであるつがいの鶴と羽ばたく鶴を眺めると、「またおいで。待っているよ」と話しかけられているように思えます。新千歳空港内の『もりもと』の店舗で買う雪鶴、今日もまた、思い出が詰まったいつも変わらぬ美味でした。