異常気象と民主主義ーーどちらも『極端』を受け入れます。

2015年12月29日
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この冬は、世界各地は記録的な暖冬になると予想されているそうです。12月下旬のある日、ドイツでは桜の花が咲き、ロシアでは73年ぶりの暖 冬になり、名物赤の広場前の氷の滑り台が溶け、屋外アイスリンクは使用不能となったとのことです。日本でも、沖縄県は最低気温が連日20℃を 超え、日中は、26℃にもなったそうです。

日本列島は、北から南西に細長い地形をしておりますから、端と端はそれでも気温差はあります。沖縄県那覇市の最低気温は21℃、北海道富良野 市は氷点下21℃でした。かたや半袖、かたや防寒具、同じ国とは思えない自然の力ですね。そして冬至を過ぎれば、日毎に日照時間が延びます。

 

異常気象がニュースになる今年の冬ですが、これもちょっと異常では?と私には思えてしまう現象があります。またそれは、先の那覇市と富良野市 の気温差42℃のような正反対の評価でもあるのです。

 

アメリカ合衆国共和党次期大統領候補者ドナルド・トランプ氏の言いたい放題の発言と言うか、主義主張です。イスラム教徒のアメリカ入国禁止に 続いて、クリスマスの少し前には、民主党次期大統領候補者のヒラリー・クリントン氏に対して、性的に露骨な表現を使って罵倒したとのことで す。

 

少し前には、同じ共和党の女性候補者の『顔』を嘲る発言をしたばかりでした。

アメリカの世論調査では、トランプ氏を「恥ずかしい」と感じる人が50%に達しているそうです。ところが、当のトランプ氏、批判なんてどこ吹 く風、さらにボルテージを上げる気配です。

それもそのはず、共和党支持者に限っては、40%以上の人がトランプ氏を支持しており、共和党次期 大統領候補者の中では、さらに他の候補者を引き離しているのだそうです。
この『両極端』、悪いことだとは思いません。
まさに多種多様な思想、主義主張があるのは当然であり、これを言論で闘わせることは、民主主義が 健全である証左です。ただ、気になるのは現状の不満不安を利用して、政策ではない感情に訴えるやり方ではないかと言う危惧です。ナチスのユダ ヤ人しかり、何処かに敵もしくは悪を作り、徹底的にこれを批判することにより、民衆が狂喜乱舞することであります。
もちろん私は、トランプ氏 は支持いたしません。
異常気象は、天の差配なのかもしれませんが、このトランプ氏をめぐる両極端の評価、これも民主主義と言えばそれまでですが、現象面ではなく、 その経緯や理由を考える必要があるのではないでしょうか。アメリカ合衆国は、2大政党制で極端な小選挙区制です。
YesNoの二者択一の論点 しかなく、政党が、それぞれ別の主張をしていればそれもわかりやすいです。
しかし、同一人に対する評価がこれほど分かれるのは、単に主義主張 の是非ではないですね。

でも、日本より『マシ』かもしれません。日本では、政策や主義主張が対立して選挙が行われ、議席が決まる現実にはありませんから。

あれだけ安 全保障関連法案に対する反対!の声が上がっているのに、これを無視して採決されたのも驚きですが、あのとき政府与党の要人が言っていたとお り、そのとき底突いた政府与党に対する支持率は、その後どんどん上がっていて、これこそ驚きです。

こちらは、『天の差配』なのでしょうか?