2015年も残るところあと少し。今年もたいへんお世話になりました。
きさらぎ法律事務所をご愛顧くださり、また、この『福本悟のひとりご と』を愛読されましたこと、厚く御礼申し上げます。
きさらぎ法律事務所のホームページがリニューアルしたのは昨年10月でした。事務所の存在を知ってもららう、弁護士福本悟の基本的な視点、理 念を感じ取っていただく機会として、この『ひとりごと』のコーナーを設けました。
私どもの業務は、人との関係、つながりが中心です、それは生の世界であり、法律や判例を当てはめれば『解決』となるものではありません。人そ れぞれの人生、あなただけの人生であり、そんな方々のためにお仕事をさせていただくには、私も現実の社会を知り、学び、体得しなければなりま せん。日々感じたこと、経験したこと、これを仕事に溶け込ませることはできないか、ご依頼者のために活かすことはできないかと思い、その都度 感じたところを書き留め残す場所として、この『ひとりごと』を書き始めました。やり始めると、いささか癖になりますね。
通勤の時間、出張先等 で書き出しているのです。
今年2015年を振り返りますと、『ひとりごと』で書いた、喋った内容は、まさに今年の福本悟の経験、感じたところを現わしているように感じ ました。年明けから春ころまでは、NHK朝ドラ『マッサン』の話題、そこから感じ、学んだ事柄がいくつかあったと思います。初夏から夏を挟ん で秋までは、安全保障関連法案に関する事柄が多かったと思います。そして秋からこの師走にかけては、アビスパ福岡でしたね。
今年の文字は 『安』が選ばれたましたが、『ひとりごと』でも、『安○』『○安』は確かに多く出た単語だったかもしれません。今年個人的にいちばん嬉しかっ たのは、アビスパ福岡J1昇格でした。このチーム、井原正巳監督、アビスパ福岡株式会社、これを応援する多くの方々からたくさんの事柄を学 び、多くの感動をいただきました。
最後12月になり、本当は、いちばん言いたかったこと、この『ひとりごと』に挙げたかったことを書きました。それは、82歳になられた天皇陛 下のお言葉と願いです。
憲法上天皇は日本国民統合の象徴であって、天皇陛下は、国政に携わることはありません。とは言え歴史を振り返れば、天 皇に関する話題はタブーではないかの意見もあり得ます。最近の、特に今年現にこの国で行われたことを考えると、今上陛下の国民に向けられた メッセージを、畏れ多くも有難く拝聴し、実践しなければならないと思います。この『ひとりごと』を書いた日のある新聞社のコラムにも、同じ論 評が出ております、
天皇陛下は、2015年のはじまりにあたり、『今年は、満州事変に始まった先の大戦が終結して70年、国民ひとりひとりが歴史に学び、今後の 日本を考えることが必要』と述べられ、8月15日の全国戦没者追悼式では、天皇として初めて、『先の大戦に対する深い反省』なるお言葉があり ました。そして12月23日、お誕生日を迎えられた陛下は、『今年は、先の大戦が終結して70年』を言われ、戦争を知らない世代が多くなる現 状で大切なことは、国民が、この歴史を学び承継していくことだとの想いを述べられています。
ある新聞紙上では、8月15日安倍晋三内閣 総理大臣は、『反省』『侵略』について主語がない談話を発表したこと、巣鴨プリズンに収容されたA級戦犯が、「大東亜戦争は侵略戦争ではな い。正しかった」と述べていたことを書いておりました。
国民は、歴史に学ぶことが大切との件は、政府与党や一部大手新聞社は、ノーコメント のようです。
最近何か勘違いした風潮があります。
強くならなければやられる!本当でしょうか?今高視聴率で推移しているNHK朝ドラ『あさがきた』でこん なシーンがありました。明治維新を成し遂げ、日本の近代化に務めた『嫌われ者』大久保利通が、親友五代友厚が引き合わせた主人公あさを前にし て、
「この国は強くならなければならない。強いと言うことは戦争をしないことだ」と述べたのです。コレって、先に成立した安全保障関連法案の 審議?の際の政府与党の答弁と同じように感じられたでしょうか。私は違うと受け取りました。
私は、大久保利通は、戦争をしない、準備しない者こそが強いのだと言いたかったのだと思います。この場面、大久保利通は、親友西郷隆盛を、最 後の内戦で故郷薩摩の城山で亡くして1年も経過していないときでした。あさがきたは、「女だから……。」と言われ続けて社会で活躍する場がな かったそれまでの女性の生き方、そんな社会に疑問を持った主人公あさが、女性が、社会に進出する過程が描かれるドラマです。女性こそが戦争を させない、子どもを守るとの反戦運動は、歴史が証明しています。
この朝ドラでは、五代友厚も、大久保利通も、福沢諭吉も、主人公あさの生き方 を支持しています。男は度胸女は愛嬌なんて言われますが、優しさを本質に持つ、これを母性と言うのかもしれませんが、女性の進出を通して、 『強い国より優しい国』を歴史は求めていることを言いたいのだと、私は理解いたします。
今年は、例の安保法案での怒りもありました。でも私は、多くの優しさを見て、体得してきました。日本国の象徴であられる天皇陛下がお優しい。 陛下が述べられるように、災害が起きたときには、多くの人たちが助け合う姿は、心の豊かさを感じます。また、私が今年感謝してもしきれないア ビスパ福岡井原正巳監督は、絶対に怒らない。
決してニコニコしているわけではありません。その存在に、優しいが漲っているのです。
今年は、空前の好景気だそうです。円安株高に加え、法人税は上げられず、余程嬉しかったのか、銀行は、自民党に献金したとのことです。大手企 業、お金持ちには良い時代になりましたね。そんな方々にひとつお願いがあります。
『金持ち喧嘩せず』を貫いていただきたい。余裕のある人たち は、争いを起こさない、争い事に関わらないはずですね。何処かの国に協力するなんて言い出す政治家が出てきたら、「そんなことをするなら献金 しない!」と声を出してください。
喧嘩しないことは、優しいの象徴ですから。
そんなことを思いながら、まとまりはないけれども、『今年のまと め』といたします。
2016年が、皆様にとりまして幸多き1年となりますよう祈念いたします。ありがとうございました。