ボーイング737型機に搭した経験から。

2016年2月29日
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よく似たことがあるなと思うことはありませんか?

 

私は新千歳、福岡によく行き来しますが、スカイマークと一部のエァドウの航空機は、ボーイング737型機ですが、JALとANAはほとんどがボーイング777型機が使用されています。ジャンボ機と呼ばれたボーイング747型機が、日本の民間航空機としては姿を消した後は、この777型機が幹線の主力となっています。

 

搭乗客数が100人台の737型機は、主として地方路線で使用されていると思っていました。 先日新千歳空港で、日本航空福岡行きボーイング737型機の事故がありましたが、大きな事故とはならなかったところ、荷物を持ってシューターで脱出した人や、騒ぎながら動画を撮っている人、緊急脱出時の援助がなされていない様子が映し出され、ネット上で意見が寄せられています。

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ちょうどこの日私は、ボーイング737型機で鹿児島空港に向かいました。機内が狭く、座席の上の荷物棚も狭いので、航空会社の呼びかけもあるのかもしれませんが、手荷物預けが多いようです。それで、出発時刻を過ぎ、また、航空機のドアが閉まっても、貨物室への荷物の収納が進まず、出発と到着が遅れてました。

 

これは、ボーイング777や787型機が基本の幹線ではあまり経験しないことです。 同じ週に、新千歳空港行きに搭乗しました。幹線では珍しいボーイング737型機でありました。数日前のあの新千歳空港発福岡行きのあの便と同じ機体です。ボーイング737型機からですと、到着口搭乗口とはかなりボーディングブリッジの高低差があります。ところで、また『一部』同じ経験をしました。それは、貨物室への荷物の収納が進まず、出発と到着が遅れたことです。 出発時刻が経過しても、また、貨物室への収納作業をしている音と揺れが感じました。確かに係員が慌ただしく外で機械を操作していました。

 

ドアが閉まって10分以上経過して、羽田空港をJAL501 便定刻6時30分発札幌新千歳空港行きは出発したのです。ただし、出発が10分以上遅れたのに、珍しく?客室乗務員から、説明はありませんでした。満席の乗客の室への荷物預けには、かなり時間がかかると言うことでしょう。

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私は、これはやむを得ないと思っています。ただ、遅れの原因は、貨物室への想定外の搬入によるものてあることはわかっていたので、CAさんは、そのとおり機内アナウンスすれば良いのにと思いました。たとえ5分でも、出発が遅れた場合、あるいは到着が遅れた場合であっても、皆さんご存知の大手2社は、お詫びのアナウンスがあります。でも、不思議なことがありました。 なんとこのシーン、私は、前夜夢の中に出てきたのです。どこかに行くため航空機の中にいて、貨物室への荷物の搬入作業を見ている自分がいたのです。

 

そして「遅れておりますが……」のCAさんのアナウンスがなされたところで、目が覚めたのでした。そのまま家を出て、羽田空港で6時30分発新千歳空港行きのJALの737型機に搭乗したところ、現実の世界ではアナウンスはなかったのでした。 ある人が言っていたこととして、日頃頭の中で気にしていることが夢の中に出てくる、しかし、現実の世界ではそれは存在しないのだそうです。

 

例えば、みっともない自分と決別してダンディなおじさんになりたいと願っても、現実の世界では起こり得ないが故に、寝ているときに出てくるのです。だけど、航空機内への荷物の搬入作業がたいへんで航空機の出発が遅れ、しかもその理由のアナウンスがないのはあまり経験しないのではないでしょうか。

 

このところ私の頭の中で、『ボーイング737型機』『荷物』がひっかかっていたと言うことです。でもやはり夢は現実にならないことが明らかとなった実にくだらないここ数日の経験でした。

 

非常時の説明ビデオは、必ずご覧ください。

2016年2月26日
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羽田空港から鹿児島空港に向かった日、北海道新千歳空港で、離陸前に降り積もった雪を下ろすために、再度駐機場に戻ろうとした福岡空港行きJAL機が、機内に煙が立ち込め、臭いもきつくなり、爆発音も聞こえたとかで、機長の判断により、搭乗者が緊急脱出した『事故』がありました。
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重いボタン雪が、エンジン口に取り付いて、エンジンが不完全燃焼状態になったのではないかと報じられています。機内に煙や臭いが蔓延したら、たとえボーディングブリッジを離れた雪の中であっても、いち早く乗客を下ろした機長の判断は、正しいと思います。脱出の際、数名軽い怪我をされたようですが、不謹慎かもしれませんが、この程度ですんで良かったのではないでしょうか。

先日は、福岡空港で、離陸のため滑走路を走行中のJAL機が、おそらくバードストライクと思われる事態に見舞われてエンジンから発火し、急遽離陸を取り止める事態があったばかりです。飛行機は、空中にあるのが仕事で、鳥や雪とは共存していかなければなりません。自然が相手ですから、想定外の事態に見舞われることもあるでしょう。そんなとき、どのような対応をするかで、プロの真価が問われます。
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後で映像を見て気になることがあります。それは、脱出の際、荷物を持って降りた人、緊急脱出の際、ダッシュ口の下で、手助けが行われていないことです。こんなときにも、動画を撮る人が後を絶たない現象には、もう慣れましたが。航空機内では、離陸前に、緊急の場合の対応が必ず説明されます。


必ずご覧くださいとCAさんから言われるのですが、けしからないことに、私は見ていません。たぶんこんな具合だろうと思っていて、そもそも『弾は当たらない』と思っているからです。

そんな私が言えることではありませんが、なんで荷物を持って降りるのでしょうね。緊急なのですよ。お土産か何か知りませんが、命あってのなんとかではありませんか。また、荷物は、緊急脱出の妨げになるゆえに、禁止されているものです。特にボーイング737型機は、通路は1本です。人や脱出用具に当たったらなんとしますか。


それと、非常口の座席は、広くなっていて、ビジネスマンの特等席と言われます。それは、非常の際に手伝いをする約束のもと、座ることが許されているのです。

この事故自体は仕方ないと思われますし、操縦室の判断、客室乗務員の指示誘導も、さすがと思わせます。特に寒さの中、CAさんは、自分たちの暖房用衣類を乗客に与えたと報じられてもおります。それなのに、脱出後30分も、乗客たちが外に残されたことはなんなのでしょう。まさか雪が酷くて視界不良で救出に迎えに行けなかったとでも言うのでしょうか?


寒さの中、病人が出ないことが幸いでした。でも、その救出を待っている間、少し落ち着かれたのか?動画を撮っている余裕も出たようです。

いつも何も考えないで機内にいたのですが、本当に非常時はあるんだとわかったので、鹿児島空港からの帰りのJAL便では、真面目に?非常時の案内を見ました。


いつものことですが、CAさんは、「必ずご覧ください」とアナウンスします。この日は、新千歳空港で事故になった737型機でした。久しぶりに、初心に帰って機上の人となったのでした。

 

雨の中の五代友厚像の下で考えてみました。

2016年2月25日
昨年は、『まさロス』と言う言葉が流行りました。マッサン?ではなくて、福山雅治さんです。

そして今年早々、『五代さまロス』です。NHK朝ドラ『あさがきた』で、ディーンフジオカさん演じる五代友厚氏が画面から消えたからです。ところが主人公白岡あさの夢の中に、『五代さま』が現れたのです。

五代さまが朝ドラに『再登場』した翌日、私は鹿児島市に来ました。写真

五代友厚は、薩摩藩出身の武士でしたが、明治維新後実業家として、特に大阪経済の恩人と言われております。この辺り、『あさがきた』をご覧になっている方ひはお分かりのことです。大阪証券取引所の前に大阪経済の恩人として、また、大阪経済の顔として凛々しい銅像があるそうです。こちら鹿児島市には、中心街からほんの少し入った公園の入口に、銅像はありました。地元の人もあまり知らないようで、雨だったせいもあり、私以外足を止めた人間はなかったです。


出身地と別の場所が、その人にとって、縁深い土地とされることがあります。例えば、豊臣秀吉は、現在の愛知県出身ですが、天下統一した後、大阪城にあり、秀吉と言えば大阪のイメージがあります。でも、東京で生活する私は、江戸幕府を開いた徳川家康は、東京のイメージはありません。それは江戸から東京となったからでしょうか。


五代友厚と同じ薩摩藩出身の黒田清隆は、例の官営物払下げ事件で思い出されるように、北海道札幌にはなくてはならない人となっています。この点、西郷隆盛、『せごどん』は、城山の西郷さんと言われるごとく、根っからの薩摩鹿児島の人ですね。

山梨県人のうち4分の3の方は、尊敬する人物として武田信玄をあげると聞いたことがあります(何かの統計を取ったわけではないようで、真偽はわかりません)。甲斐信濃の盟主で、信玄公亡き後武田家が滅亡したこともインパクトが強いのかもしれません。


武田信玄の好敵手上杉謙信の上杉家は、謙信公の後を継いだ上杉景勝の代に、米沢に移りましたから、上杉家と言えば、新潟よりも米沢の印象でしょうか。もともと上杉家は、関東管領の名家でしたし。

私の世代は、プロ野球は巨人が強かったこともあり、東京の早稲田実業高校から、読売巨人軍に入った王貞治氏は、どう考えても東京の人でした。ところが20代の息子たちに言わせると、王貞治氏は、福岡の人なのです。


世界のホームラン王王貞治氏は、1994年にダイエーホークスの監督になって以来、チームが福岡ソフトバンクホークスに変わり、自身が球団会長に就任した現在も、『福岡』が本拠地です。確かに、もう、20年以上経ったのかの思いです。王会長のお気持ちはわかりませんが、東京生まれで福岡がふるさとと言って憚らぬ私にとって、王貞治氏が福岡に定着?したことは、とても嬉しいことなのです。

五代友厚氏は、鹿児島県出身で、最後は東京で療養生活をされましたが、大阪の顔なのです。人間どの場所ボディションにいるときが最も力を発揮できるか、自分とその場所に何を残せたかが重要な気がいたします。


そういう意味では、『五代さま』は、まさしく大阪時代が輝いていたことは疑う人はおられないのではないでしょうか。鹿児島市の公園にある五代友厚像は、大阪の方向を向いています。きっと大阪に心を残しておられたのでしょう。飛んでいけ!と願っておられるかのように。

 

航空機の出発時刻をご存知ですか?

2016年2月24日

春が近づき、プロ野球、プロサッカーチームのキャンプやオープンゲームが盛んです。

 

特に南国と言われる沖縄、鹿児島、宮崎、高知には、関係者マスコミが入ってきて、空港ターミナルは賑やかです。そんな沖縄那覇空港で、プロ野球パリーグに今年入団したばかりのドミニカ共和国出身の選手が、バッグ内に実包1個を入れていたことが手荷物検査所で発覚して、銃砲刀剣類法違反の被疑事実で逮捕されたと報じられています。

 

ちなみに、この選手の母国では、この所持が許される場合があるそうです。 この選手、件の実包は、自分の物に間違いないと認めた上で、ドミニカ共和国の自宅にあったものだが、これがバッグに紛れ込んでいたことには気づかなかったと述べているそうです。もし、これが事実なら、実包を所持していた認識はなかったので犯罪は成立しないことになります。日本で野球をするために入国したのですから、実包を持つことが許されないことは、知らされていたでしょう。

 

そうであれば、なんでわざわざこんなもの持ち込む必要があるのでしょう。拳銃があったとは聞いておりません。

 

それにしても不可解なのは、この選手、成田空港から入国し、羽田空港→新石垣空港→那覇空港と経由して、逮捕された日は、那覇空港から鹿児島空港に搭乗する際の手荷物検査で『発見』されたと言うことです。本当に、母国から持ち込んだならーーたとえ本人にその認識がなかったとしてもーーこの日の那覇空港までに、国内の空港で何回か手荷物検査を受けているのに、なぜ発見されなかったのでしょう。

 

沖縄県警は、入手経路慎重に調べているとのことです。あるいは、日本国内で、何人かから入手したと疑っているのでしょうか? 最近は、もうなんとも思わなくなりましたが、私は、空港での手荷物検査所、アレ嫌いでした。なんでかと言うと、きちんと検査しているとは思われないからです。なんとなれば、金属類のみならず、およそ何も持たない、ただ服を着用しているだけのとき、行きと帰りと全く同じ物を持ち歩いたときに『ブー』となったからです。

 

アレは、単なるこけおどしなのでは?と思えました。本当に危険物が持ち込まれたら大丈夫かなと思いました。まあ、気の弱い『犯罪者』なら、たとえこけおどしでも、一般予防にはなるでしょうが。 そんなふうに考えた昔を思い出させる今回の一件であります。 この選手は、その場で逮捕されたので、この選手が搭乗予定の便は出発遅れはなかったでしょう。

 

でも、厳しい手荷物検査の影響で、搭乗機の出発が遅れることは多いです。特に羽田空港は、これが慢性的に起きていると感じます。そんなこともあってか、航空各社では、手荷物は1個にするよう、大きな荷物は機内貨物室に預けるよ呼びかけしています。ところが、今日は、これが原因で出発が遅れました。

 

私は、この日朝一便、鹿児島6時25分発のJAL鹿児島空港行きに搭乗するため、ギリギリ6時05分に手荷物検査所を通過し、機内にほとんど最後の客として入りました。ところが、搭乗予定客が揃っても、なかなかドアは閉まりません。なんと航空機に搭載する手荷物がまだ搬入作業中とこことでした。私の座席からその様子が見れました。

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荷物が全て機内に入ったときには出発時刻を過ぎていました。小さい航空機でしたかは、人間対荷物のバランスが悪かったのかもしれません。 航空機の出発時刻をご存知ですか。例えば、時刻表に午前9時と書いてある場合、何を持って9時とするのかのでしょう。

 

 

 

 

正解は、航空機が動き出すときを指します。つまり、搭乗手続締切でも、離陸時でも、また、航空機のドアがしまつたときでもないのです。

 

正確には、『航空機が、止まっている位置から動いたとき』と言うのですが、具体的には、航空機を誘導路に出すために、トーイングカーによって、プッシュバックされる瞬間であります。

ですから、プッシュバックして誘導路に出たものの、混雑その他でなかなか離陸許可が出ないときなどは、公式記録上出発してから随分時間がかかるなと感じられることがあるのです。

 

福岡空港から羽田空港までの所用時間がら2時間くらいになるのは、世界一離発着間隔が短い福岡空港と羽田空港の混雑が影響しているのです。福岡空港から羽田空港まで、冬季でしたら、ジェット気流に乗りますので、離陸後1時間10分くらいの飛行時間なのですが。 今日は、手荷物検査で往生せず、航空会社の定時出発に皆さん協力したにも関わらず、出発および到着時刻が遅れた経験をお話ししました。航空機に乗ると、いろいろな発見がありますよ。

全然縁もゆかりも無い土地にある裁判所から、呼び出しを受けるのはなぜでしょう?

2016年2月23日
東京で仕事をしていると、出頭する裁判所は、東京地裁、東京家裁が多いです。


いずれも千代田区霞が関にあります。どの裁判所で審理されるかは、管轄と言う問題で、基本は、裁判所法に規定があります。その規定に、理論と実務を当てはめるのが、民事訴訟法であり、刑事訴訟法です。刑事の場合は、『事物管轄』つまり、どの罪名で起訴されたかで、地裁か簡裁かは分かれますが、基本的に犯罪が起きた場所、捜査を担した警察署が送致した検察庁がある裁判所で審理される実務です。


民事の場合は、事案によって、いろいろです。これも地裁か簡裁か、また家裁なのかーー一部高裁が第一審となるものもありますーーの区分はありますが、民事事件では、『土地管轄』により、アレつて思う場所で、裁判が係属することがあります。今日は、神奈川県平塚市に所用があって、湘南電車に揺られてまいりました。車内で管轄のことを考えましたので、私たちの経験から、管轄、特に、『土地管轄』について、お話したいと思います。


きさらぎ法律事務所は、時間を制限しない初回無料相談を実施しております。


これは、私福本悟が、ホームページほか、あらゆるところでお話しており、ご好評を得ていると自負するものです。その延長上に、『出張相談』『訪問相談』も行いますので、私の場合、依頼者が、東京から離れた地域におられて、その関係で、管轄裁判所が地方となることは珍しくありません。ここでお話することは、依頼者の関係で、裁判所が遠方になったのではないケース、『遠方』ではないけれども、依頼者が、普段行き来することが少ない『関係ない土地』にある裁判所に出向くケースについてです。


調停は、相手となった側が、話し合いを行うために裁判所に来やすいようにとの建前で、相手方の住所地が、管轄裁判所とされます。また、民事訴訟の基本中の基本は、被告すなわち訴えの相手方の住所地を管轄としていることです。もっともこちらは、他の要素を利用して、必ずしも被告の住所地ではない地域の裁判所に係属することが多く、後でまとめてお話します。きさらぎ法律事務所弁護士福本悟は、家裁に行くことが多いので、『またか』と思う事態にしばしば見舞われます。

依頼者には、『えっ』のようですが。

常磐線快速電車の終点が、茨城県取手駅となったのは、いつからだったでしょうか。取手市そしてその先の牛久市や、つくばライナーの開通で発展する守谷市の事案は、竜ケ崎の裁判所が担当します。おそらく取手市等にお住まいの方は、竜ケ崎にはほとんど縁がないのではと推測されます。


ご依頼者にこのことをお話しますと『えっ』であります。


東京ディズニーランドのある浦安市のご夫婦が、離婚調停を行う場合、千葉家裁、つまり千葉市に出向かなければなりません。市川市、船橋市、習志野市等にお住まいの方は、おそらく都内にお仕事を持たれていることが多いかと思います。都内、例えば霞が関や新宿に出勤している方が、千葉市に出向いて調停裁判を行うのは、「面倒だな」と仰ることがままございます。


これは、人々の実際の活動に対して、司法の容量が追いついていないことを示すひとつの例かと思います。そうではなく、事案の性質と原告の都合で、被告とされた方には縁がない土地に裁判が係属することがあります。これは、お金の請求に関する事案で、民法の『持参債務』と民事訴訟法の『義務履行地』から求めれた帰結です。お金を借りてお返しするとき、『ありがとうございました』と言ってお持ちし、自分の不注意で損害を与えた方に賠償金をお支払いするとき、『ご迷惑おかけし、すみませんでした』と言ってお持ちするのが通常でしょう。つまり、お金は、相手のところに持って行くものです。この便宜から、銀行送金が使われます。



この義務履行地にも、民事訴訟の土地管轄が認められます。お金を支払ってもらう側、要するに相手にお金を請求する側、つまり『債権者』は、自分の住所地を管轄する裁判所に訴訟を提起するのです。そのため被告、すなわちお金を支払えと求められた側は、自分の住所から遠い地の裁判所から、呼び出しを受けることになります。


これが代理人として弁護士が地方に出るひとつの理由となっているのです。私は、依頼者と弁護士は、地理的よりも心理的な繋がりが大切と思っております。裁判所が遠くても、依頼者と弁護士の距離が近ければ、信頼関係に綻びはありません。ですから私は、「地方の事件だからやらない」はないのです。要は信頼関係です。


今日訪問した平塚市の土地管轄は、横浜地方裁判所小田原支部です。隣の茅ヶ崎市は、横浜地方裁判所、すなわち本庁となります。同じく相模川を隔てた厚木市は小田原、海老名市は横浜となります。この点、横浜地方家庭裁判所川崎支部ははっきりしています。土地管轄は、川崎市のみだからです。しかし、『川崎都民』と言われるごとく、縦に長い川崎市の住民のほとんどは、都内に通勤します。私も一時期川崎市内に住みましたし、息子は、川崎市内の学校に通いました。それが川崎市民が通う裁判所は、JR川崎駅からさらに海に向かった南にあるので、ほとんどの方は、それまで縁がなかったと思われます。


東京は、23区と島嶼部を除く全地域、すなわち、かつて『三多摩地域』と呼ばれた地域の管轄は、東京地方家庭裁判所立川支部となります。私の住所も、立川支部が管轄なのですが、立川市には、弁護士として仕事で行く以外、全く用がありません。ちなみに、東京都町田市は、神奈川県相模原市と県境ですが、町田市民が、立川支部に行くとき、隣町の相模原市を管轄とする横浜地方家庭裁判所相模原支部の最寄駅相模原は、電車で5~10分で到着するのです。

さて、相模川を渡りました。もうすぐ平塚駅です。小田原はさらに先、東京駅からは新幹線、新宿駅からはロマンスカー、何か物見遊山のようですね。でも、これが弁護士のストレスの発散になっているとの意見もあります。


全然知らない土地に行くのは、私たち法律実務家だけではなく、依頼者の皆さんにも、新たな発見となることがあるかと思います。それぞれの街の空気を吸って、またひとつ経験をしていくのです。
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