きさらぎ法律事務所は、事務所内での初回の相談は無料で、相談時間の制限は設けておりません。 このシステムは、多くの方々に理解を得られ、事務所に相談にお越しになって、その後の法的対応を弁護士福本悟にご依頼される方が少なくありません。なぜこのようなシステムを執っているのかは、きさらぎ法律事務所のホームページにご説明してございます。この『ひとりごと』では、顔を会わすことの大切さをお話しさせてください。 ここ数年は、携帯電話の普及からスマホまで、通信機器が発達して顔を会わすことなく、他人とやり取りすることが可能となり、また多くなりました。スマホ等に自分の顔写真を貼付して送受信することはあるでしょうが、見ず知らずの人どおしでも、すぐに友だちとなり、親しい感覚を覚えるでしょう。 簡単に人の懐に入り込むことを可能とするこれら通信機器の功罪はつとに言われることです。全然面識がない人が、初めて通信していた相手に会って、犯罪被害に巻き込まれたケースがあります。 きさらぎ法律事務所にいらっしゃる方に、しばしば申し上げることがあります。住所と氏名がわからない人とは繋がりを持つなです。まして、あったことがない人は、会うまでは信頼できないと言うことです。 法律事務所にいらっしゃる方は、何かしらの法的問題に見舞われ、それを抱えている方であります。トラブルの相手に何か主張、要求したいと考えても、相手がどこの誰だかわからなければ、対処のしようがありません。より具体的に言えば、裁判所から、確実に文書が届かない人とは、関わりを持ってはなりませんと言うことです。 人と関わりを持つとき、将来その人との裁判を予想する人はいないでしょう。でも、連絡が取れなくなった、逃げられた等の『被害』を仰る方はおられます。そのようなケースでは、携帯番号しかわからない、会ったことはないし、通称で呼んでいた等言われることがほとんどです。そんなとき思うのは、あなたは、その人をどの程度知っていたか、どれくらい信頼していたかのでしょう、信用していたのはスマホ等の機械の機能ではありませんかと言うことです。 確かにネット社会であるように、手間暇掛けず、知りたい情報にアクセスすることは可能です。でも、機械の向こう側まで、信用性が担保されたものではないはずです。実際会って、互いの氏名住所を交換し合う中になれば、逃げることは難しいです。つまり、悪さをされる危険性は相当低くなります。 人は、実際会うことにより信頼関係が構築されるとは、昔から言われることです。昨年サッカーJリーグ第2ディビジョンからJ1へ昇格したアビスパ福岡株式会社の代表取締役川森敬史氏は、もとアパマングループの取締役で、主として営業を担当されていました。昨年川森氏がアビスパ福岡の社長に就任したときには、スポンサーの数は二桁行くか行かないかだったとされます。 それが昨年のシーズンホーム最終戦前に、スポンサーは、1.000社を越えたことが明らかにされました。川森社長はいわゆる叩き上げ、自分の足と言葉で営業を続け、信頼を得たのでありましょう。アビスパ福岡株式会社でも営業担当を増やし、ひとりひとり各企業個人宅を回り、顔を合わせて言葉で説明することを徹底されたそうです。 その川森社長の座右の銘は、『謙のみそれを成す』だそうです。物事を成し遂げるにはいろいろなやり方があるけれども、結局は自分の目で純粋に捉え、謙虚に当たって行くことが唯一の近道だと言う意味だそうです。私にとりまして、今年の目標であり、自分が常に心しなければならないことだと思うものです。 よく、きさらぎ法律事務所のホームページをご覧になった上で、それでもどうしても電話で相談したい!お金は払います!との申し出を受けます。誠に僭越ながら、お断りしております。もちろん出張相談、訪問相談はお受けします。電話で済ませようとまでは思っておられないでしょうが、電話の向こう側にいる私福本悟をどうして信用できたのでしょうか。 電話で『解決』まで至る法律問題はありません。知りたいと思う知識を得たこと自体では、解決しません。また、弁護士と面談しても、わずかな時間で、聞きたいことだけ尋ねてその答えを貰うのも、それとほとんど同じです。面談し、お話ししつつ、互いを知り、やがて信頼が生まれるのだと考えております。 弁護士が法律問題の処理を依頼され、その解決を齎すのは、依頼者と弁護士との信頼関係が絶対だと思います。顔を付き合わすことが、最初の一歩です。法律事務所に足を運ぶ勇気があれば、弁護士と一体一のやりとりから生まれる信頼関係が出来上がれば、解決できない法律問題はございません。 これは弁護士的目線であり、また事務所に相談に見えられる方々からお聞きする実社会の有様から感じたことではあります。紛争解決の最後の砦は裁判所、住所氏名がわかり、 裁判所から書類を受け取る環境にある人は逃げられません、逃げません。そんな人とは、そもそも将来トラブルになる可能性自体少ないでしょう。 これを反対から見れば、携帯番号しかわからない人は、本当の姿かたちを見せることなく、悪さをして逃げることが可能です。顔を合わせて相手を知る、これが信頼関係の第一歩であり、トラブルに巻き込まれない基本だと考えるものです。