今月スカイマークの機内誌に、1万羽を超えるツルの渡来地、鹿児島県出水市が紹介されていました。
熊本県との県境に位置する出水市は、世界有数のツルの渡来地として知られています。世界にいるマナヅルの約半分、ナベヅル約9割が含まれ、その総数は、1万羽を超えると言われています。鹿児島県出水市以外では、初代内閣総理大臣伊藤博文の生家、現内閣総理大臣安倍晋三氏の祖父、元内閣総理大臣の岸信介氏の出身地近くの山口県周南市の『八代のツル』が有名ですね。こんなところで『薩長』ですか。 出水市に最初のツルがやって来るの秋、だいたい10月半ばです。
ツルたちは、遠くシベリアの地から中国大陸を南下し、朝鮮半島、壱岐そして九州に入り、八代海を通って出水の地まで長い旅をして来るのです。その数次第に増えて、12月をピークに、翌年3月最後の1羽が飛び立つまで、約1万羽がこの地で越冬するのです。 ま出水市の土地が、ツルの渡来地になったのは、薩摩藩がこの地を1600年代に干拓し、後に出水平野と呼ばれる広大な田畑が出来上がったことが契機だとされます。既に1700年ころには、薩摩藩にはツルの渡来のことが記されており、吉兆の鳥として尊ばれていたのでした。
山口県周南市のツルのほうは、江戸時代後半に、村人が傷ついたツルを癒したと言う民話が残っているだけで、明治になって山口県令が、その保護を告知したので、こちらは主として地域の人々が、ツルを守り、保護した歴史となるようです。 ツルは、南極と南アメリカ大陸を除く4大陸に2亜科、4属、15種が分布しており、どのツルもくちばし、首、足が長く、体長は1mに達する大型の鳥です。羽毛は赤、白、黒等あり、体が大きいので、特に飛び立つときは目立ちます。
湿地や草原、沼等に生息し、いろいろなものを食べるとされますが、ツルが生き延びるには、豊かな生態系が必要で、越冬も生きるた
めに必要な行動とされます。
優雅な長い首に美しい羽根を持つツルは、古来から日本の長寿の象徴です。『鶴は千年、亀は万年』とは、万葉の時代から歌われております。また、『鶴の恩返し』のように、昔話として伝えられてもおります。何かの祈りを込めるとき、千羽鶴が飾られます。こうして日本人には、ツルは馴染みの深い鳥となっているのです。 日本には、渡り鳥としてのツルだけではなく、留鳥、すなわちその場所から動かないとツルとして、して、『タンチョウ』がおります。北海道釧路湿原に生息していることは、よく知られていると思います。このタンチョウツルの絵柄で、『雪鶴』と言う名の菓子を出しているのは、千歳市の菓子工房『もりもと』です。以前この『ひとりごと』でも、紹介しました。 同じスカイマークの機内誌に、『もりもと』の『ゆきむしスフレ』が紹介されていました。これは、ふわっとした食感かわ楽しみなクリームチーズを使ったスフレで冷蔵品です。ですから、持ち時間の関係から、新千歳空港から、滅多に買って帰ることはありません。もちらも、『雪鶴』に負けず劣らずとても美味しい商品です。 航空機内に置いてある機内誌を見ると、新しい知識が得られますし、「あっ、知ってる!」と感じるのも嬉しいものです。さて、来週は、鹿児島空港と新千歳空港空港を利用します。機内誌で束の間のくつろぎを得たいと思います。