人の命や男女の関係をダシにする試みには、私は強く反対します!

2016年3月8日
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私は、地理に明るく、旅行好きです。

最近は、実際旅行することは滅多にありませんが、旅行計画を練ることは好きです。ただ個人で動くことがほとんどですから、ツアーに参加したことは、あまりないのです。


そんな私ですが、最近のニュースで、『???』と思えるツアーが行われたこと知りました。これは、ツアーの内容が問題だと言うわけではありません。

青森県は、日本一の短命県なのだそうです。


厚生労働省が発表した全国平均寿命で、青森県は、女性85.34歳、男性約77.28歳で、ともに全国最下位と言うことです。でも、厚生労働省は、こんなこと!あえて発表しているのでしょうか?国民の健康に関する調査検証をしている過程で、現れた統計を並べたところ、これを見た人が、何かしらの目的を持って、下から
の順位を公表したのではないでしょうか。


こんなことが明らかにされると、決して面白おかしくではないのだと信じますが、これを裏付ける統計を取りたくなる人がいるものです。


青森県は、11年連続がん死1位であり、脳卒中での死亡率も、最近まで2位だったと書いてありました。なんでこんなことになっているかと言えば、濃い味が好きと言う県民性が挙げられます。

例えば、中華麺カップ麺の購入数量は1位、ソーセージ、ウイスキーの購入量も1位なのだそうです。ラーメンのスープを飲み干し、焦げた焼き魚にドバドバ醤油をぶっかけるいっぼうで、寒さで外に出られず、行動範囲が減って加工品をツマミに、部屋でウイスキーをストレートでグイグイやる印象があるらしいです。

そうなんでしょうか?

私が大好きなイカーー九州の剣先イカですがーーは、脳の老化を防ぐタウリンが含まれています。

イカは、函館そして八戸がライバル?ではなかったでしょうか。青森県の代表リンゴ、ニンニクが、健康を維持するのに有効であることは、つとに言われます。

そもそも青森県は、海に囲まれている海産物の宝庫、欧米文化により、戦後の食生活では、大腸がんや肺がんが増えたと言われる中、肉より魚の代表的な県だと思うのですが。


私は医師ではありませんし、統計自体好きではありませんので、事の信憑性を論じたいのではありません。ここで言いたいのは、こんな1位を名にしたツアーの存在です。

弘前大学の学生が中心となって、『短命県体験ツアー~ 青森県がお前をKiLL』なるツアーが企画され、すぐに満員となったそうです。このツアーは、短命県1位を逆手に取り、青森県の暮らしを経験してもらって、より広く青森県を知らせるアピールを狙ったものであることはわかります。

1泊2日のこのツアー、朝から複数の酒蔵で地酒の飲み比べ、昼は煮干しぎっしりのラーメンをハシゴし、夜は全ての食べ物に醤油をぶっかけるのだそうです。この間に、太宰治を学び、雪かきをするなど、青森県を知ってもらうツアーです。

ネット上では、『自虐過ぎる』との評価とあったとのことですが、多くのメディアが取材に訪れたようです。特に青森県人の参加者が少なくなく、郷土愛を感じたとの意見が多く寄せられたそうです。郷土を愛する若者たちの発案を、行政や企業が取り入れたのはよいことだと思います。


でも、なんで『短命』なんて名付けるのでしょう。それをウリにして、人を集めることには、どうにも違和感があります。実際体験しながら普段の生活を見直そうの意図も含まれていたと、主催者は言われます。

先にも申しましたが、私は、専門家ではありませんので、統計上とは言え、青森県民の平均寿命がワーストの理由はわかりません。確かに気候や生活習慣は影響がないと言えないかもしれません。


ですが、その生活習慣を身につける健康教育、医療や介護機関の充実、安心安全な就業環境の確保等、公私一体となって人はいかようにも人生を送ることになるのではないでしょうか。それよりも私が気になるのは、人を呼び、故郷を知ってもらう方法として、こんな名称のツアーを行う必要があったのかと言う疑問です。

今、このとき、短命なんてイヤだ、また、何としても生きたいと願う人が確実におられます。私は、人の生死や男女の関係をテーマに、あるいはそれをネタ、ダシにして盛り上がることは大嫌いです。

確かにこのツアーに参加した1日くらい、不健康と言われることを経験したからと言って、短命になることはあり得ないでしょう。本当にそんなふうになる危険があるなら、そんなツアーは挙行できるはずがありません。


つまり、みんな『短命』をダシに、また、これに釣られて楽しんでいるわけです。心ならずも青森県内で、命ながら得なかった方が、こんなツアーの話を聞いたらどのように思われるでしょうか。


言葉やキャッチフレーズとは異なる内容が、巷にあまた存在すること、良しも悪しきも人はそれに釣られるのだと考えさせられたニュースでした。

私が、青森県や青森県ご出身の方に、他意を持つものではないこと、申すまでもありません。