今年の流行語になりそうな『センテンススプリング』こと、週間文春は、今、自民党から警戒されているようです。特に「保育園落ちたの誰だ」「私だ!」を巡って、世論、特に子育て世代から、政府与党に対する批判が起きていると認識しての『注意』です。
これは自民党の総裁が、内閣総理大臣として、衆議院予算委員会で、この保育園落ちたとブログに書いた人について、「匿名である以上、本当に起きているか確かめようがない」と答弁し、これを援護したかったのか、褒められたかったのか、予算委員会に出席していた自民党議員が、「出典は!!」「誰が書いたんだ!」「誰の言葉だ!」等とヤジを飛ばしたことが機縁です。
週間文春は、『保育園落ちた!日本死ね!』と題するブログは、ヘイトスピーチだと発言した与党重鎮や、自分の息子夫婦も保育園入園に苦労した、別の区の月額200.000円以上する保育園にようやく入れたと説明して、保育園ママさんたちからの署名を受け取った安倍内閣の閣僚等、また、総理大臣と答弁中にヤジを飛ばした議員らの情報を集めて、それを記事にしようとしているからなのだそうです。
そう言えば、父親の育休を推進しようとし、安倍晋三総裁から、結婚披露宴で激励された自民党議員が、妻の出産入院中に、不貞をして議員を辞職したことがありましたが、あれも週間文春の記事が契機でした。 確かに新聞紙と週刊誌は、報道目的は違うのかもしれませんが、通勤電車内の吊り広告で知る限り、芸能人どおしが不倫したとか、私からするとどーでもよいことばかり記事にしているようで、週刊誌の情報を真摯に受け取っている人はどれくらいいるのでしょうか?
そもそも不倫だとか失言とかは、それを行ったのは事実ならばどーしようもないことであり、変に弁明することこそおかしいと思っています。バレなければよいとの考えが見え隠れします。
そんな活躍目覚ましい週間文春ですが、今週の吊り広告には、ある経営コンサルタントの男性の学歴詐称を記事にしていました。
この方、彫りの深い少し褐色の顔で、低音できれいな声でしゃべるので、その横文字で表記されるお名前とともに、まあ、同姓の私からしても、『カッコイイ』人だと思います。この人、朝のバラエティ番組にも出ていますが、政府与党から、何かと目の敵にされる報道番組にも出ています。この報道番組では、ゲスト出演される学者先生や新聞社の主幹たちとは、チョッと違うコメントをされます。それで私は、報道番組では、バランスも大事と思い、この方の特に格差や福祉に関するご意見を、拝聴していたわけです。
今回の週間文春の記事では、この方のアメリカ合衆国での学歴が、虚偽だったとするものです。卒業したとされる大学については、世界各国を遊学していて戻らなかった、取得したとされる経営学修士(MBA)の学位も、経営大学院には、セミナーを受講したくらいで、学位、修了証が発行されるようなプログラムへの参加は一切ないと述べられました。
そして、経営コンサルタントの仕事には、これまで学歴が関係したことはなかった、確かにホームページには、事実と異なる記載がされていたが、ホームページを見て集客することはなかったので、そのままにしていたとのことであります。
ところでこの経営コンサルタントの方、この虚偽記載ーーの状態が放置されていたことーーの責任を強く自覚して、今後報道番組等への出演は自粛すると発表されました。これはひとつの責任の取り方であり、変に弁明して騒ぎ?が大きくなる前に収めたのは賢いと思います。この点、どこかの政治家たちとは違いますね。
もっとも、あちらは、不合理な弁明をしても、そのまま通るようですが。落選したなんて聞きませんから。 ただ、この経営コンサルタントの先生、なんでホームページに間違った学歴が掲載されたのか、説明されていなかったようです。そのまま放置したとされるのは、もう、ホームページからお客様が来ることはない、そんな必要がないところまでご自身上り詰められましたから、そのことは本当なのでしょうね。
私は弁護士ですが、学歴が仕事に影響することはありません。ただ、弁護士に相談しよう、依頼しようとお考えの方には、『経歴』は、気になられるようです。よく、「何が専門ですか」と尋ねられることがありますが、経験は、弁護士選択のひとつのポイントになっていると感じます。
きさらぎ法律事務所ホームページの中でも、『福本悟の経歴』が、アクセス回数が多いことがわかります。であれば、この箇所について、もし、事実と異なる事柄が掲載されていたら、どうなるでしょう。 こちらは、経歴、特に学歴をポイントにして、依頼する動機となったとは考えていないわけですが、それは仕事を行う人間の目線でしかないのかもしれません。週間文春で、虚偽の経歴掲載が暴露されたこの経営コンサルタントの方、もしかしたら、そう思っているのは当人だけであり、顧客側は、掲載された経歴に惹かれて諸々を依頼する動機となったのかもしれません。
例え経歴は関係ないお仕事であったとしても、あえて事実と異なる経歴を掲載する必要があったのでしょうか。最初のホームページは、誰が、なぜ間違った経歴を掲載したのでしょうか。顧客はホームページから来ないとわかっていたら、そんな紛らわしいホームページ、閉鎖してしまえば良いように思うのですが。
この方、報道番組の出演を辞退され、また、来月からメインMCに起用される予定の番組にも、出演辞退を告げたそうです。
このいち早い行動決断は、評価に値しますが、急な幕引き?なんかドタバタし過ぎな感じがします。ただ、嘘が発覚したときの対応に関しては、最近の国会議員や企業の経営陣にも見本となっていただけたらと思いました。
何か釈然としないセンテンススプリングに迫られたケースの対処です。