春は新学期、シーズンの開始、別れと出会い等の季節です。JRをはじめ、鉄道会社では、この時期大きなダイヤ改正が行われます。
特にJRは、昨年北陸新幹線が開通、今年は、いよいよ北海道に新幹線が入ります。2020年には、中央快速線に、グリーン車が登場することが予告されています。この春気付いた鉄道のことをしゃべります。 北海道新幹線が、青函トンネルを通って、新函館北斗駅まで伸長することで、青函トンネルを通過する在来線にも影響が出ます。上野駅と札幌駅を結ぶ寝台特急の廃止は、東京でもよく報道されましたが、日本で最後のブルートレイン、しかも急行列車が消えることは、鉄道ファンでなければご存知ないと思います。
青森駅から札幌駅を結ぶ夜行急行『はまなす』が、今月21日で廃止されました。 この列車は、夜間青函トンネルを通過することで、青函連絡船を懐かしむオールドファンや、列車乗り継ぎの旅を好む若者らに愛され、東北地方から道内への帰省にも利用されていたと聞きます。私も1回だけ青函トンネルを通過したことがありましたが、今となって新幹線以外で通ったことは、ひとつの思い出になると感じます。
3月15日未明、埼玉県熊谷市のJR籠原駅構内で、火災が発生しました。
これは、電車に電気を供給する『き電線』を吊り下げていた絶縁体が腐食によって破損、架線を支える金属製のはりに接触、これにより1.500ボルトの電流が漏電して火災が発生したのだと説明がありました。なんとまる2日間籠原駅を挟んでJR高崎線は運転できず、東京方面からは、熊谷駅までしか行くことができない事態が生じたのでした。
私が関心を持ったのは、この事故により不通となった区間の振替輸送のことです。首都圏では、毎日のように何処かで起こる列車遅延による振替輸送、一般的には、並行して走る別会社の路線等を利用することになります。例えば、東海道本線川崎駅あたりで事故があると京急が、総武快速線津田沼駅あたりで事故があると京成が、京王線調布駅あたりで事故があると中央快速線や小田急線が、振替輸送の対象とされます。振替輸送の券を交付され、料金は無料です。 鉄道網が首都圏とは異なる地域では、不通区間は、たいてい代行バスの運行によるのです。
ところで今回の熊谷駅岡部駅間の振替輸送として、新幹線の利用が認めれております。この区間、大宮、熊谷、本庄早稲田、高崎と新幹線の駅があります。熊谷駅と高崎駅の間の通勤定期券を所持してある乗客は、新幹線が、特急料金なしで利用できると言うわけです。これは地方そして地形が影響して、可能となった面もあると思います。
この『ひとりごと』でも、在来線の駅の横を新幹線が通過していると、やがて新幹線駅が開業される可能性について触れました。熊谷駅はもともとあったわけですが、在来線と新幹線は、あまり離れていないことが便利の一面でした。 首都圏では、通勤時必ず座れる列車が登場しています。JR東日本では、『湘南ライナー』と言う通勤時着席券を利用して乗車する列車が昔から走っていて、ロマンスカーを運行する小田急線では、『ホームライナー』が多数運転されています。京成や京急でも、続々登場しています。
新宿小田原とか、品川久里浜等は、特急電車でもかなり時間がかかるので、通勤客からは、重宝されているようです。 ところで今月京王電鉄が、2018年春から、必ず座れる座席指定列車を導入すると発表しました。帰宅ラッシュ時にあわせて、新宿から八王子と橋本までの区間で、定期券とは別に数百円プラスして乗車する仕組みです。京王電鉄は、このため新型車両5.000系を5編成入れるのですが、この車両、座席指定で走るときは、進行方向を向けて2人かけシートで、通常の通勤電車として走るときは、シートが回転してロングシートに切り替わる構造で、車内には空気清浄機やコンセントを備えるとのことです。
画期的とは言えるでしょう。 京王電鉄は、新宿と八王子または相模原市の橋本を結ぶ路線で、その間40分くらいです。現在の特急は停車駅が多く、準特急までできて、慣れない人には、決して優しくない路線だと思います。最近見た統計では、京王線は、通勤時間帯に、列車遅延が起きるワーストになっていました。通勤時間帯、特急に乗車していても、必ず駅間で停車してしまいます。特に新宿駅は、ホームが3線しかなく、しかも特急用のホームは狭いので、混雑に拍車をかけているように感じます。
新設される通勤特急?を優先すると、他の特急等のダイヤはどうなるのか気になります。先に申しましたとおり、京王線は、特急停車駅が増え、準特急なる列車が特急より多く、急行停車駅も増えています。この政策と整合性はあるのか、どこに向かい、何を目的にしているのか見えません。むしろ、休日高尾山口に向かう観光列車にでもすれば良いのにと思います。私は、かつて雪や震災に強いとして名を馳せた京王線こそ、この鉄道会社の持ち味と考えています。
北海道とか新幹線、まして青函トンネル等私からすると遠い話、遠い場所です。関心はやはり『日常』、日々の通勤電車となりましょうか。首都圏は、鉄道網が発達していて便利、しかし、これをどう利用するかは乗客それぞれです。
新しい電車には乗ってみたい子どものような気持ちと、鉄道は、利用者のためにある、公共交通機関の役割を考えされられるこの春の報道です。