上野発の夜行列車降りたときから……。今月、ある航空会社の機内オーディオのあるチャンネルで、最初に流れてきた昭和の名曲です。今月21日、上野発の夜行列車は、21日上野駅に到着した札幌駅発『カシオペア』をもって、全ての運行を終えました。そして、国内最後の急行列車であり、ブルートレイン札幌駅と青森駅を結ぶ『はまなす』も、運行を終了しました。昔鉄道少年だった私は、ひとつの時代が終わったなと思いました。 上野発の夜行列車が役目を終えたのは、新幹線が、青函トンネルを通過して北海道に繋がったことによるものです。東京駅から九州に向うブルートレインが廃止されたのも、新幹線そして航空機に取って代わられたことが大きいです。ブルートレインと言えば『夜』の駅がテーマですね。ところで、有る意味ブルートレインに取って変わった航空機も、その出発地である空港、これは夜のイメージがあるように思います。そして、空港のイメージ、コレって私は『雨』が似合うと思います。 この『ひとりごと』でも書きましたが、私がいちばん好きな空港、それは新千歳空港です。ここには、『北空港の記念碑』があります。「夜の札幌…」で始まるこのデュエットの名曲、やはり空港は夜が映えるようです。それは、別れと合うからでしょうか。空港を歌った曲は、たいてい夜ですね。 古くは、フランク永井さんの『羽田発7時50分』青江三奈さんの『国際線待合室』、私の司法修習生時代によく聞いた中森明菜さんの『北ウイング』もそうでした。それと、空港は、雨が似合うようです。なぜでしょう。
私が好きな歌手として、アジアの歌姫こと、テレサテンさんがおりました。このテレサテンさんが、日本レコード大賞新人賞を受賞した曲が、『空港』でした。「何も知らずにあなたは言ったわ。たまには、ひとりの旅もいいよと。雨の空港……。」また、テレサテンさんと同じ台湾出身の先輩歌手、欧陽菲菲さんの『雨のエアポート』は、名前そのものですね。雨は、別れに似合うのでしょうか?涙雨なんて言われますね。 昔鉄道少年だった私は、今では、毎月羽田空港から、何処かに行きます。テレサテンさんは、たまにはひとりの旅もいいよと歌われましたが、私は毎回ひとりで機内の人となります。そして、私が旅立つ?のは、夜ではなく、だいたい早朝です。そして、出張先から帰って来るのは夜です。ただ、なぜか雨の日が多い気がします。それは、私の仕事上、あまり嬉々とした場面はないからなのかもしれません。 空港では、特に羽田空港は、ありとあらゆる方面に向かう人が集まります。そして機内には、さまざまな事情を抱えた人が搭乗しています。以前新宿駅から、箱根に向かう小田急ロマンスカーの車内について、この『ひとりごと』でも書いたことがあります。 航空機の 中には、今、空港で、大切な人と別れたばかりの人もいるでしょう。また、これから大切な人との最後の別れの場に行くため、搭乗した人もいるでしょう。もちろん航空機を利用する人は、楽しい旅行のためが少なくないでしょう。でも、やはりブルートレインで、のんびりとはいかない人生模様がそこには有るのだと思います。 演歌は、涙そして別れが付き物です。空港をテーマにした歌は、自ずから明るいものではないのでしょう。この日私は、雨のエアポートを行き来しました。日頃仕事に追われて、空港は、別れと雨が似合うなんて、あまり意識したことはなかったです。夜羽田空港に戻り、1日行き来した事情を振り返り、空港は、人生の縮図、やはり演歌が似合うと思った次第です。