福本悟には、『立川高松間』と『三島沼津間』に違いがあるのです。

2016年9月16日
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昔鉄道少年だった私は、時刻表を眺めるのが好きでした。


地理も好きで、良く地図を見ていました。その経験が、大人になって役に立っているのです。事務所で依頼者とお話しするとき、出身地等の地名が出ると、だいたいわかるので会話が続き、リラックスしていただけます。また、出張先で交通機関にアクシデントが起きたときでも、臨機応変に対応できます。



例えば数点前、除雪が追いつかず、滑走路が閉鎖されて新千歳空港に着陸できず、函館空港に連れて行かれたとき、航空会社は、函館札幌を結ぶ特急『スーパー北斗』を案内しました。しかし、私は函館空港から、札幌市内にある丘珠空港に向かいました。
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いつかこの『ひとりごと』で、ひと駅の面倒をお話ししたかもしれません。それはしばしば行き来する立川の裁判所の場合に感じることです。東京都内の地方家庭裁判所は、23区と島嶼部は霞が関にある本庁、それ以外の地域、つまり三多摩地域を管轄するのは、東京地方家庭裁判所立川支部なのです。



JR立川駅から、多摩モノレールで1駅行った『高松』で下車します。1駅乗るために、10分間隔のモノレールを立川で待つことになります。ところで、鉄道では現在も、『1駅』しか運行されない列車がいくつかあるのです。


このうち、始発駅と終着駅が隣り合わせの路線もあります。例えば、兵庫駅と和田岬駅、鳳駅と東羽衣駅は、1駅間を結ぶ路線です。線路は続くよどこまでもではありませんが、まだ先があるのに、1駅行ったら終点になる電車があるのです。今日は、そのお話です。これは、時刻表に詳しい人は、すぐにいくつかピックアップできるでしょう。


なぜひと駅だけ運行させるのか、いろいろ事情はあるのでしょう。典型的なのは、車庫に入れるために行われる場合です。常磐線の水戸駅と勝田駅間なんか、この例ですね。


新幹線が1駅と言うのもあります。福岡県の方ならよくご存知の博多駅と南博多駅間の博多南線と言う新幹線車両を使用した在来線は有名ですね。これは、車両基地に回送する車両を、福岡市内中心部への住民の足として使用したケースです。


新幹線そのものの『1駅』の運行は、山陽新幹線の小倉駅と博多駅間、九州新幹線の川内駅と鹿児島中央駅間がよく知られています。

その路線としては、始発と終点ではないのに、時刻表を見ると、いくつか『1駅』間のみ運転される電車に気づきます。先の常磐線水戸駅と勝田駅のほかにも、中央本線の茅野駅と上諏訪駅、鹿児島本線の下関駅と門司駅、日豊本線の宮崎駅と南宮崎駅、奥羽本線の青森駅と新青森駅等あります。なるほどねーと納得された方もおられるでしょう。


この形態の『1駅』の運転は、比較的大きな駅、起点となるような駅間で行われていることと言えましょう。

この観点から、特徴的な『1駅』の運転が見られる路線があります。それは東海道本線の三島駅と沼津駅の運転です。1日に何本も運行されています。この『ひとりごと』でも、いつかお話したと記憶していますが、人口が多く、古くから静岡県東部の商業物流の中心となっていた沼津市、その玄関口JR沼津駅には、新幹線は停車しません。そもそも沼津駅近くを新幹線は通りません。



それは、レールを沼津駅方向に伸ばすと、新幹線の速度はかなり落ちることと、その名のとおり湿地帯があって、新幹線を通過させるには、難工事が予想されたので、東京オリンピック前の東京新大阪間全面開通が急務であったことから、新幹線は、沼津を通らない結論となったのです。新幹線が開業して何年か経って、近くに新幹線車両基地がある三島駅に、新駅がつくられました。三島は、西伊豆への入口で、箱根や富士五湖方面にもバスがありますが、沼津の代わりとなったことは、否定できないと思います。

私は、沼津市に用があるときには、新幹線で三島駅を利用します。三島駅で新幹線を降り、東海道本線に乗り換えするとき、『沼津行き』に当たることがあります。そんなとき、三島駅発沼津駅行き電車は、また、その逆は、『新幹線リレー号』のような感じがするのです。新幹線リレー号とは、東北上越新幹線が大宮駅発だった時代、上野駅から大宮駅まで、新幹線に乗車する人のために、新幹線につながると言う意味で走行していたのでした。


立川の裁判所に行くときの『1駅』は面倒だなと感じますが、三島駅沼津駅間の『1駅』は、私のような利用をする人がかなりいて、悪い気がいたしません。

そして今日も、三島駅から、沼津駅行きに乗車しました。車掌さんが、「この電車は、東海道本線下り沼津行きです。当駅を発車しますと、次は終点の沼津です。」とアナウンスするのが、なんとも貴重な経験をしたように思えます。



沼津での用が終わって三島駅からの帰りは、新幹線ホームで、沼津市に本社がある桃中軒の駅弁『港あじ鮨』を買いました。三島も沼津も、私からするとあまり変わらないです。そして昼間、帰りの新幹線の中で口に入ったのは、港あじ鮨だけではありません。これだから新幹線はチョットなのです。無論悪いのは私です。