再び根室本線富良野新得間廃止報道から思う北の国からの思い出。

2016年10月28日
テーマ 

大学生だったころ、何回か東京駅から、『大垣行』普通電車に乗りました。

 

この電車、当時は153系または165系と言う車両が使用されていて、4人向かい合わせ、いわゆるボックス席でした。あるときは友人と、あるときはひとり旅を楽しみました。東京駅を23時台に出て、名古屋を経て、終点の東海道線大垣駅には、確か翌朝7時前に到着したと記憶しています。

 

この電車、東京駅を出て横浜駅を通りしばらくの間は、通勤客も乗車しています。小田原駅を過ぎてからは快速運転となり、深夜の時間帯は、停車駅は少なくなります。やはり若者が多く、ほとんどの乗客が、名古屋もしくは終点大垣まで行きます。

 

鉄道ファン、暇人、変わり者、バカとか言われながらも、この電車を愛する人は少なくありませんでした。

 

その後指定席の『ムーンライトながら』となり、やがて廃止となりました。

 

この『大垣行』、当時は、普通列車としては、相当の走行距離を運行されていたことになります。東京と名古屋の間がおよそ360km、新幹線のぞみで約1時間40分の現在では、昔日の感にたえないです。大垣行に乗車したとき、どこまで普通列車で行けるかを実践しようとしたことがありました。

 

つまり、翌朝7時ころに岐阜県の大垣駅に到着しますので、その後西に進むと、その日のうちにどこまで行けるかです。大学1年生の冬、折から実家の用で、広島県に行くことがありましたので、実践してみました。 東京駅から乗車して、翌朝終点大垣駅に到着すると、隣のホームに、『西明石行』普通電車が入線していました。そのままこれに乗車して、米原、京都、大阪、三ノ宮と通過して、終点兵庫県の西明石駅に到着したのは、午後になっていました。ところがこの先は、うまい具合乗り継ぎ電車がありません。

 

後続の電車で姫路か網干まで、さらに後続の電車で岡山まで、そこから広島行き直通電車を待つか、糸崎か三原まで先に行って、そこから広島方面の接続電車に乗り換えるか思案を要しました。何れにしても、広島駅到着は、夜遅くなることが時刻表上わかったので、計画を断念したのでした。西明石駅は、山陽新幹線の停車駅、新幹線に乗り換えて広島駅まで行ったのです。

 

ヤワでだらしないですね。 この経験から、それでは早朝東京駅から乗車して、その日のうちにどこまで行けるか調べてみました。その当時で、確か山口県の下関の手前までは到達することが可能とわかりました。2016年現在で、日本一運行距離が長い普通列車は、山陽本線岡山駅発下関行き369M列車です。岡山駅を16時17分に出て、終点下関駅には23時50分に到着します。384kmを7時間33分かけて運行されます。また、運転時間が最長なのは、根室本線滝川駅発釧路駅行き2427D列車です。

 

これは函館本線から分岐する滝川駅を9時40分に発車し、富良野、新得、帯広を経由して、終点釧路駅には18時01分に到着します。その運行時間、なんと8時間21分となります。 なぜこんな暇そうな記録を書いたかですって。私が昔鉄道少年であって、地理に詳しい、そして今でも出張地方が少なくなく、時効表を見る機会が多いことはあります。でも最近、JR北海道の富良野新得間が廃止される見通しとの報道を知ったことが大きいです。

 

先日も、この『ひとりごと』でも書きました。『北の国から』の思い出、それは、私を北海道に誘ったきっかけ、それこそ昔日の思い出なのです。この根室本線富良野新得間の廃止は、確かに輸送密度や営業係数からそうなったのは間違いないでしょう。

 

ただし、この夏、相次いで北海道を襲った台風により、この区間が壊滅的被害を受けて、現在運行できない状態になっていることが大きいと思います。どんなに早くても、運転再開は来年春以降となり、それに要する復旧費用は、相当な金額となることが見積もられています。

 

そうなのです。現在は、滝川釧路間の『あの列車』は、全線での運行はなされていないのです。もしこのまま廃線となると、富良野新得間は、現在なされてるバスによる代行運転が、本当の『バス路線』となるのでしょうか。 現在時刻表の上では、日本一運行時間が長い普通列車、滝川釧路間の2427D列車、かつて『北の国から』が放映されていたころは、この区間、長い急行列車が運転されていました。その名は『急行狩勝』。確か釧路か帯広あたりから、新得を経由して富良野へ、そして滝川に抜けて終点は札幌駅だったと思います。

 

その後も、旭川から美瑛を経由して、富良野から根室本線には入って、確か帯広までだったと思いますが、『快速狩勝』が運行されていたと思います。急行と言い、快速と言っても、単線で駅区間が長いので、決して早くはありません。この急行狩勝』と言えば、『北の国から』で、名シーンがあります。 黒板五郎さんが、純と蛍を連れて富良野麓郷に来たのは、いしだあゆみさん演じる妻令子の不倫がひとつの理由となったわけですが、いよいよ父と母との離婚が決まって、富良野に来た母に対しては、純はともかく、蛍は心を開きません。

 

ところが、東京に帰るため、母が富良野から乗車した『急行狩勝』に向かって、岩城滉一さん演じる草太兄ちゃんに連れらて、空知川島ノ下あたりで列車を待っていた蛍は、涙を流しながら大きく手を振って、列車とともに走り出す姿がありました。このシーン、我が家の子どもたちも、繰り返し録画を見ていました。純粋だったですね(笑)。

 

あのときの急行狩勝、ずいぶん長い編成でした。そしてかなりの距離を運転されていたのです。その後私は、折からラベンダーの時期、札幌地裁岩見沢支部に出張する機会があり、富良野に立ち寄りました。

 

そのときは、『ラベンダーエクスプレス』と言うリゾート車?でしたが、滝川から空知川を望むあの名シーンの場所を通過して、富良野駅に到着しました。幾つになっても、『北の国から』に魅せられ、また、鉄道への郷愁を感じるのでした。地方都市での各駅停車の旅、童心に帰って、いつかやってみたいです。