北海道日本ハムファイターズ、栗山英樹監督から学ぶ。

2016年10月31日
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プロ野球日本シリーズが終わりました。セリーグの覇者広島東洋カープとパリーグの覇者北海道日本ハムファイターズの対戦となった2016年のシリーズ、第6戦で日本ハムが4勝目を挙げ、日本一になりました。

 

まず両チームの選手スタッフ、さらにチームを支えたファンのみなさんたちへ、良い試合ありがとうと言いたいです。そして広島東洋カープのみなさん、少し残念かもしれせんが、全力プレーで見ていて気持ちよかったです。お疲れ様でした。

 

さて、日本ハムのみなさん、おめでとうございます。凄かった。全員野球素晴らしいです。お疲れ様でした。 私のように、あまりプロ野球に関心がない人の間でも、今年の日本シリーズは、かなりの盛り上がりを見せたと思います。

それは両チームの力が拮抗していて、勝敗はどう転がるかわからない、本当に名勝負が続いたことが大きいと思います。また、広島東洋カープも、北海道日本ハムファイターズも、かたや黒田投手、かたや二刀流大谷選手が注目を浴びることはありましたが、若い選手やチーム生え抜きの選手が多く、チーム一体感があり、ファンも球場も一緒にやり遂げた感じを受けました。

 

広島市の市民球団、北海道の期待の星、よく似たバックボーンがあったと感じました。 野球に詳しいわけではありませんし、その瞬間をテレビで見てのは、第6戦の8回の表二死一塁からでしたから、試合の評価に関しては、評論家の意見の引用や、ネット上の厳しい投稿?から私なりの受け取り方になってしまいます。全ゲームを通して勝負は紙一重、どっちに転ぶかわからない緊張感ある好試合が続けられたと思います。

 

ネット上の投稿では、両監督の経験の差だとの指摘が結構あるようです。しかし、監督2年目でリーグを制覇して日本シリーズに出場させた緒方監督のチーム作りは凄いですし、栗山監督にしても、評論家から転身していきなりリーグ制覇したものの、臨んだ日本シリーズでは、読売巨人軍に跳ね返され、翌年リーグ最下位を低迷するなど、辛苦の数年だったと思います。

 

この両チームの監督さん、とても好感を持てる方であり、選手も信じてついていけると感じました。 経験と言うことからすると、この先緒方監督には、さらに指揮をとる期間があるでしょう。緒方監督、この先も是非見て見たい監督さんです。さて栗山監督はどうでしょう。この先のことは、ご本人が決められることですが、その異色の経歴は、誰もが知るところであり、栗山英樹氏の人柄が出ているようです。

 

東京都ご出身で、国立大学を卒業、教員資格をお持ちのところ、ヤクルトスワローズにテストを受けて入団、一軍に定着したものの怪我と病氣のため6年で引退し、スポーツジャーナリストを経て、大学教授にもなられた栗山英樹氏、転機は、北海道夕張郡栗山町の観光大使になられたことにあるかもしれません。

 

私財を投じて天然芝の野球場『栗の樹ファーム』を2002年に建設開業したことから、北海道と縁ができ、2012年のシーズンから、北海道日本ハムファイターズの監督となったのです。栗山英樹氏、ご自宅はこの『栗の樹ファーム』のすぐ隣のログハウスで、札幌ドームまでは、1時間以上かけて、自動車通勤をなさっているとお聞きします。

 

日本シリーズには、数々の名場面、勝負を分けた瞬間、流れを読んだプレーや関係者の発言などありました。子どものころに遡って、私もいくつか思い出すことはあります。ただここ数年は、『巨人、大鵬、卵焼き』に反発してきた自分が幾分丸くなり、また、読売巨人軍が、喜ぶべきことなのかはわかりませんが、常勝軍団ではなくなって、次第に野球には関心が無くなりました。

 

ただ、この日本シリーズの栗山監督の言動を見て、日本シリーズの常連、名監督とされた野村克也氏や森祗晶氏が述べていたことを思い出しました。

 

それは短期決戦であると同時に、日本シリーズでは4つ勝てば良い、つまり、3つ負けてもよいのだと言うことでした。 野球評論家と言われる方々は、大谷翔平投手が2勝するかどうか、どちらのチームが第1戦を勝つかが、シリーズ制覇のポイントのように言われました。結果は、大谷投手は0勝、初戦の勝者は広島カープでした。2敗して本拠地札幌ドームに戻ることになった栗山監督、こう言われました。

 

『3つ負けられるシリーズで、先に2つ負けた』。これを聞いたとき、監督もチームも、全然動揺していないなと思いました。4つ勝てばよいのであって、誰で勝つとか、いつ勝つなんて関係ない、また予定が崩れたら、そこは『短期決戦』、7試合の中で、どのように修正していくかが大事と言うのことです。札幌ドームで3連勝して、その勢いのままにと思いきや、第6戦には、もともと2勝が期待されていた大谷翔平選手を出場させませんでした。

 

これは、相手チームにとっては、7戦までやる気だと受け取ったわけで、第6戦の試合前から、かなりのプレッシャーになっていたのではないでしょうか。同点で迎えた第6戦の8回表の二死満塁の場面、4番バッターの後方ネクストバッターズサークルに、大谷翔平選手を立たせてバットの素振りをさせていたのも、無言のプレッシャーを相手投手に与えたでしょう。

 

このチーム、大谷翔平選手だけではありません。しかし、野球評論家を含めて、大谷翔平選手に怯えた結末でした。 第6戦試合終了後の監督インタビューも良かったですね。まず勝った感覚がないと述べられた後、広島カープの健闘、カープファンのマナーに感謝を述べておられました。私もカープファンの素晴らしさを思いました。

 

試合が終わっても、ほとんど席を立つことをせず、日本ハムファイターズの日本一に拍手を送っていました。広島カープ、来年はきっと雪辱するのではと思わせた瞬間でした。やはりスポーツっていいなと思うのです。栗山監督、初年度でリーグ優勝して翌年最下位に、そしてクライマックスシリーズでは、2年続けて敗退しました。今年のレギュラーシーズンでは、首位と11.5ゲーム差あったのをひっくり返して優勝しました。

 

シーズンを通して、シリーズを通してどうするかをよく研究なさった思います。目先の1勝に拘らず、何が目標なのか、何を獲得したいのか、ブレなかったですね。 目先の1勝ではなく、何を目標にし、何を獲得したいのかの点は、私の仕事にも当てはまります。

 

よく、相手からこのように言われた、どうするかを論じる方がおられます。それはほとんど意味ないことです。相手のために解決してあげるのではありません。自分は何を目標にし、獲得したいのかが大切です。最初ひとつ言い勝っても、それでおしまい、紛争解決ではありません。相手が動くと気になるのは分からなくありません。しかし、結局は、自分はどうするかなのです。

 

例えば、7回の裁判期日の中で、何回か嫌な思いをしても、また、相手方に流れが行ったように思えても、最後に予定とおり、希望したとおりの落し処に収まり、解決すればよいのです。私たちは、いつもそのように捉え、計画し、進めております。日本ハムファイターズの選手たちが、栗山英樹監督について行ったように、ぜひとも信頼すべき弁護士に、ついて来て欲しいと思います。

 

日本ハムファイターズ、2016年プロ野球日本一おめでとうございます。