内閣が衆議院を解散できる理由を考えたことありますか?

2017年1月13日

昨年来2017年は、衆議院選挙があるだろうとあちらこちらで語られています。

 

ちょっと待って!衆議院議員の任期は4年では?

 

そうなんです!!

 

ただ任期中に内閣により衆議院が解散されると任期満了、衆議院議員総選挙が行われるのです。 衆議院解散とは、要は衆議院議員の資格を失わせる行為、衆議院議員は内閣によりクビにさせられたことを意味します。それがなんで衆議院議長が解散詔書を読み上げたら議員さん、『バンザイ!』するんですかね。クビになって嬉しいなら、なんでまた選挙に出てくるのでしょう。

 

後に行われる衆議院選挙により大幅な議席増が見込まれる政党に属する議員は、解散権を行使した人に対して、『ありがとう!』の気持ちから、『バンザイ!』してるのでしょうか。

 

憲法には、天皇の国事行為として衆議院解散が規定されています。もとより国政に関する権能を有しない天皇が衆議院解散を決めるのではなく、解散権を持つとされる内閣が決めて、衆議院議長が宣言する解散詔書に天皇陛下が御名御璽されるものです。細かいことですが原本は内閣官房に保存され、副本が衆議院議長のもとに届けられます。 さて日本国憲法には、69条で内閣不信任案が可決された場合の内閣による衆議院解散が明記されていますが、仮にそのようなケースであっても、日本国憲法第7条による解散と扱われてきました。

 

この憲法7条に衆議院解散が規定されていることで、内閣は、憲法69条のときに限らず衆議院を解散できると言うのが政治の世界の見解であり、これは憲法学会でも多数説となっています。 それではいつでも内閣は、解散権を行使できるのでしょうか。なぜ衆議院解散が認められているかを考える必要があります。日本国憲法では、三権分立が確固として構築されています。そんな中で国会は、国権の最高機関と規定されています。これは単に政治的美称であるにしても、内閣は、国会に対して責任を持つと言う議院内閣制が採用されていることにも、留意されなければなりません。

 

すなわち、内閣総理大臣は国会が指名します。

 

つまり国会の多数派から内閣総理大臣が誕生し、内閣が組閣されます。内閣は、国会から託された行政を行うに当たっては、国会に対して説明を果たすなど、責任を負います。ただし、行政を執るにあたり、国会と対立して動きがとれない、つまり、行政の停滞が起きると国民生活に影響が出てきます。そんなときの調整が、衆議院の解散と考えるべきです。

 

よく『選挙の争点』と言われます。ここ数年の国政選挙、いつも経済、具体的には『アベノミクスを前進させる。さらにエンジンを蒸す』であります。アベノミクスは道半ば、さらに強い経済を、それともあのころに後戻りするのか!ってなかなかのもんです。道半ばっていつ終点なの?中学校でも3年で卒業だけどと言いたいですが、それが争点なんだそうです。 だけどこれおかしくないですか。道半ばでさらにギアを上げたいが、それを阻止されたとか、国政が議会と行政の対立で停滞し、にっちもさっちもいかなくなる現実があるのですか。衆参両議院で3分の2以上の議席を与党は持っています。内閣と国会の意見が異なることがあるとは思えません。実際内閣提出の法案等は、反対する少数者を無視して、『強行採決』しています。もっとも、与党の総裁は、未だかつて強行採決をしようと考えたことはないと述べられましたが。 よく『国民に信を問う』と言われることがあります。

 

ある問題について、内閣と国会、どっちが正しいの?ってことです。例えば、小泉純一郎首相が行なった『郵政解散』は、総裁の政党からも造反者がでたり、衆参両議院で異なる議決がなされるなどしたので、まさに内閣と国会が対立したと評価できるので、国民の信を問うと言う選択は、おかしなことではありません。 そうしてみると、絶対的安定多数の議席を与党が有しているのに、従って国会運営と内閣の行動がバラバラのはずがないのに 衆議院を解散する、国民に聞いてみるなんて理屈立たないと考えられるのです。

 

内閣の衆議院解散権、これは時として政権与党の政争の具に利用される危険があります。つまり、内閣が何らかの政策・出来事でポイントを挙げたとき、国民受けする出来事が起きたときには、ときの政権に国民は靡くからです。かつて沖縄返還を実現したときの佐藤内閣がそうでした。さらに与党は数を伸ばせると踏んで解散するのです。

 

だから与党議員、『バンザイ!』なんでしょうか。 そんな現実があるので、昨年来『プーチン解散』とか、『真珠湾解散』とか、その可能性が指摘されたのでした。ロシアのプーチン大統領を、安倍晋三内閣総理大臣、故郷と言われるご自身の選挙区山口県長門市に招きました。そして年末には、任期満了近いアメリカ合衆国オバマ大統領と一緒に、ハワイ真珠湾のアリゾナ記念館に献花しました。真珠湾を訪ねた直後、内閣支持率が60%を超えました。解散権を行使するチャンスですね。しかし、タテマエとは言え、解散する大義名分が必要です。国会と内閣が対立していると言えますか。国民に対して、何を聞くのでしょう。

 

2年前の衆議院議員総選挙、かつての3党合意により、消費増税を行う時期になり、『増税しなくて良いか』国民の信を問うとして解散権が行使されました。でもなぜ安倍政権は、増税できなくなったかの理由はともかく、あのとき消費増税に反対しない政党はありましたかね。国民みんな、増税されなくてよかったと思ったのではないでしょうか?信を問う理由見当たりません。念頭の自民党の挨拶で安倍晋三総裁、『今年中の解散は考えたことない』と言ったそうです。

 

それが後になって『今年と言うべきところを今月と言い間違えた』とお付きの方々が『訂正』したようです。わざわざ訂正する性質のものなんでしょうかね。

 

石破茂前地方創生相は、私の1学年上の先輩で、初めて法律を教えてくださった方です。最近放映されたテレビ番組で石破茂氏、こう言いました。『問うことが明確ではない選挙はやるべきではない』。

このところ絶対的安定多数の力で『強行採決』もどきをやっている国会、そんな国会と内閣は厳しい対立あるなんて誰も思いませよ。これ以上数増やして何するの?と半ば諦めにも似た声が聞こえてきそうです。

 

きさらぎ法律事務所の初回無料相談を、『セカンドオピニオン』としても利用したいとお考えの方へ。

2016年11月10日

以前この『ひとりごと』でも書きましたが、きさらき法律事務所には、このところ既に他の弁護士に具体的事件の対応処理を依頼している状態で、福本悟に対して相談申し込みをされるケースが増えてきていると感じます。

統計を取っているわけではありませんが、きさらき法律事務所のホームページが現在の体裁になる3年くらい前から、ボチボチあるなと感じました。そして年々と言うか、日を追うごとに増えている、このところ毎週その種の相談申し込みが存在している現実があります。

今日はまた、このことに関する『ひとりごと』と、私のお願いです。

 

きさらぎ法律事務所は、事務所内での初回の相談は無料で、相談時間の制限は設けておりません。

 

この仕組みに関するご説明は、ありとあらゆるところで申しておりますので、ここでは省略します。このシステムをご利用になって、何をすべきか、自分にとって何が解決なのか掴んで欲しい、そしてそのためのお手伝いをさせていただきたいと願っています。

 

つまり、福本悟に対して、具体的事件を依頼される方は、もう到達点、落とし処を理解していて、そこに向けてブレることなく、そこまでのプロセスを一緒に進めていると言うことです。ですから、たとえ途中で依頼者の方が不安や疑問を感じたのだとすると、それはどうすればよいかの悩みではなく、『本当に、このまま福本に依頼していて、目指している到達点、落とし処に行けるのか、自分が福本と一緒に求めた解決が得られるのだろうか?』と言うものであるはずです。

勇気を持ってきさらぎ法律事務所をお尋ねになり、弁護士福本悟にご依頼された方にとって、解決しない問題はない!と日頃から強く申し上げています。来てみれば、『こんな法律事務所』ですが、やはり相談申し込みをして、ここをお訪ねになる第一歩が大きな階段だと皆さん言われます。そうだと思います。ここを突破して、そして初回無料相談をじっくり落ち着いて受けられて解決策が定まり、ご依頼をされた方には、この時点では、迷いはないはずです。 依頼している弁護士がおられるのに、相談申し込みされる方がよく言われるのは、『セカンドオピニオン』と言う言葉です。

 

深い意味はないのでしょうが、弁護士には、セカンドオピニオンはごさいません。

つまり、検査や治療を受けている最中、『セカンドオピニオン』をして、医師医院を変えることはあるでしょう。それは、治療行為と言う委任契約の内容によるからです。例えば費用についても毎回毎度であったり、この手術ならば、他の病院へ紹介状を書くなんてことも普通だと思います。ところがたいていの場合、法律事務の処理を依頼した折に締結する委任契約書にも明記されているとおり、委任内容と範囲は、例えば損害賠償請求訴訟の終了までであったり、離婚調停の終了まで等とされています。つまり、正当な理由がない限り、途中解約はできません。

 

これは形式的には、着手金・報酬の費用立てで依頼を受けた案件を、ほとんど終結できそうな段階に至って、梯子を外されたらたまらないと言う弁護士側の事情があるのですが、法律事務は、今日明日にすぐに解決するものではなく、強固な信頼関係を構築して進めなければならない実質的理由があるのです。病院を変えれば良いとは、質的に違うと思います。もちろん弁護士が行方不明になったり、違法行為をしたなど、契約継続は不合理とされる場合は別ですが。 弁護士倫理上、他人の事件をとってはならないがあります。もし、他の弁護士が受任中の事件の進行等について相談を受け、こうしたほうがよいなんて言うと、相談者は、依頼した弁護士への信頼感を失うでしょう。

 

まして、このやり方は正しくないから、相談を受けている自分にやらしてくれなんて言ったものなら、完全に依頼者と受任弁護士の信頼関係は喪失されます。 ですから、現に他の弁護士が受任中の案件については、一般的なお話しかできません。それは福本悟が心掛けている解決までの法律相談ではないのです。 セカンドオピニオンだとしていらっしゃる方は、依頼した弁護士に不満があるとか、既に進行に関して不安を抱いていると言う例は少ないです。多くは、『よくわからない』『これでよいのか確認したい』であります。ですが、そんなことであれば、依頼した弁護士とゆっくりじっくり話し合えばよいのです。なぜそれをしない、でいないのか?それは、何をもって解決とし、この件の終結はどんなかたちか決めずに依頼したことに大きな原因があります。例えば、相手方からこれこれ言われた、なんとかしなければならない、自分は、これこれを請求したい、それが実現できるかで決めてしまったケースが少なからずあると思っています。

 

それは目に見えた、ご自身が感じ取ったままのところをこれが結論で、これをしたい!の思いで、ネット等の情報を頼るからです。その場合、仮に依頼のきっかけとなった事項に関して、一応希望とおりになったとして、それでは自分は何をしたいのが定まっていなければ、『その次』に進めません。

 

依頼した弁護士さんは話をしてくれないとか、どうなるのか説明してくれない等のご相談を受けることがあります。それは、ご相談者が何をしたいか、何をもって解決としたいのかが判然としないままスタートしたからです。30分無料相談あたりでは、聞かれたことだけに答えざるを得ません。聞く方も、期待する答えが欲しくてそんな弁護士を探します。それで当面進んだ、なんとか繋げたとしても、本当の問題点は、解決していないのです。本当に解決しておくべきこと、この案件での終着点は何かを考えない依頼では、実は担当弁護士としてもやりようがない、次に依頼者が何をしたいか言ってくれないと動けないのだと思うのです。

 

セカンドオピニオン云々で、私に対して質問したり、見解を求める方に申し上げるのは『それは依頼されている先生に言ってください』であります。希望・疑問を言ってくれないと、本当にわからないのだと思います。私の場合、どうしますか?はほとんどありません。初めから決めているからです。そこに到達するために依頼を受けるからです。途中でセカンドオピニオンを言われる方、それは、依頼の仕方を間違えたと言うよりも、自分は何をしたいのか、何が解決なのかをしっかり考え、そのために弁護士に依頼すると言う視点が欠けていたのだと言うことです。まして、何々に強い!のキャッチフレーズにつられたと言うか、そのような条件、検索用語で弁護士に当たったことが間違いだと言うことです。じっくりしっかり最初から話を聞いてくれ、そして今現れていることだけへの対処ではなく、自分にとつてはの解決は何なのか、そのためのプロセスはどうなのかを示し、一緒に考えサポートする弁護士に当たれば、迷いはありません。

 

セカンドオピニオンを言われる方、まずその疑問を依頼した弁護士さんにお話してください。その対応で、その後を決めればよいのです。改めて自分がしたいこと、求めるところをお話しすれば、そこからのスタートです。話を聞いてくれない、話が合わない、そんなときは、委任契約をどうするか考えなければならないかもしれません。ただし、正当な理由がない委任契約の解除、つまり解任は、ペナルティー条項が設けられている可能性があります。

 

セカンドオピニオンは、あなたにとってのリスタート、弁護士との委任契約が解消されたら、改めてきさらぎ法律事務所にいらしてください。ここにようやくあなたにとって何が解決なのかを認識していただいて、そのに到達するための受任をいたします。委任契約が存続する間は、あなたの弁護士は、依頼しているその先生ただひとりなのです。

 

話をしたくない、しても無駄、そもそも何を話してよいかわからない……は、実質的に委任契約ている意味はありません。そんなことにならぬよう、じっくり話を聞いてくれる弁護士をお探しください。いつも思うのです。なんで最初にきさらぎ法律事務所に来られなかったのか。勿体無い!

とにかくきさらぎ法律事務所に来てください。そして解決までお付き合いさせてください。ーー福本悟の願いです。

2016年10月14日
きさらぎ法律事務所での初回の相談は無料、相談時間の制限は設けておりません。このように申しますと、「本当?」と感じられる方が少なからずおられると思います。ホームページを見て申し込みされた方でも、この質問を受けることがあります。

実際このシステムを利用なさった方は、やはり本当だとわかります。

弁護士費用に関する日本弁護士連合会の規程が撤廃され、弁護士費用は、依頼者と弁護士が、自由に取り決めして良いことになりました。それで『初回無料相談』はできるのですが、巷聞くところ、相談料無料の法律事務所は、結構あるらしいです。ですから、『本当ですか?』のお尋ねは、相談時間に制限がないことについてであります。

むしろ、「何時間かかるのですか?」のご質問を受けることもあります。つまり、反対に、ずっと拘束されるのではないか、何かいろいろ聞かれるのではないかと思われるのでしょう。

予め30分と決めれていると、相談者は、これこれを聞こうと決めていて、質問してその答えを欲します。いつも言うことですが、相談者が聞きたいと思っていることが、事案の解決に有効かと言えば、全く無駄ではないにしても、解決には直結しないことがほとんどです。そもそも自分が期待する答えが欲しい、そうなるような前提で質問されるからです。

弁護士の答えが『YES』であったとしても、紛争の相手方にその通り言ってやっても、「はい、わかりました」とはならないですね。もし『NO』の回答を貰ったら、諦めますか?法律専門家の答えですから、食い下がっても仕方ないとは思っても、30分程度のやりとりでは、『それではどうすれば良いか』には進めません。

これは経験としか申せませんが、何時間もかかることなく、私の相談は終了しています。相談を受けて、質問に対する答えを出し、それではどうするか、相談者にとって何が良いのか、つまりこの事案の終着点はどこか、どこで収め、何を確保するのか、初回相談の機会に申し上げます。つまり解決を齎す回答です。そこに行くためのプロセスをその次に説明します。相談時間の前半は、ただ黙って聞いている、その質問に対する回答を差し上げる、そして後半は、それでは何をすべきか、どうするかを私からお話します。

後半戦は、ほとんど私が喋っています。そして『時間』終了です。過不足なく時間を使っています。ほとんどの方が、やり残し感なく帰られると思っています。時間制限なんかなく、ごく自然に終了しているものです。

ですから、時間制限はない、必ず面談して相談をと申し上げるところを面倒だ!とは思って欲しくないのです。電話、メールのみでの相談は受付していないのは、そんなやり方だけで解決できる法律問題はないからです。端的に言えば、しっかり時間を作って、弁護士に相談しようとの姿勢がなければ、抱えている問題は、解決しないのです。

最近は、きさらぎ法律事務所のホームページをよくご覧になっているのに、あえて電話で、とか、内容証明を出してとか、申し込みされるケースが出ています。アクセスしていただいたことは誠にありがたいのですが、お断りしています。その申し込み者にとって、何ら解決にならないからです。

さらに厚かましく付け加えますと、それでもいい、解決したかどうかは、自分で決めるのだとお思いでしたら、さらに危ない。相談を受ける前に『これを聞こう!』と考えていたところが、まず間違いと言えるからです。

それを気づいていただく、そして、ご相談者にとって何が解決なのか、そのために何をするのか理解していただいて、一緒にやっていきましょう、こうなるのです。

ここからのお話です。

それでも依頼されないのはなぜでしょう。

もちろん、同じような回答道筋を示されて、そちらの弁護士に依頼されるのは良いことです。私は、初回相談を終えた後、他の弁護士にも、相談されることをお勧めしています。もちろんそれは、安心して弁護士福本に依頼していただきたいからです。でも、その結果、私と同じような対応回答をし、その方向でやろうとなって、その弁護士に依頼されるのでしたら、解決します。解決までのきっかけを与えたことで、私も自己満足ですが、嬉しいです。しかし、持ち帰っても、『そのまま』の方がおられます。

せっかく相談を受けても、動かなければ解決しません。なぜ弁護士に依頼されないのでしょう。別に困ってなければ、人間は動きません。それはそれで良いのです。しかし、納得していないというのではなく、割り切れない、諦めきれない、やはり気持ちの整理がつかないのでしょう。

ここまでくれば、法律問題ではないですね。決断です。やらない限り変わらない、それでも良いのだと言うことです。それはひとつの選択です。ただ、問題の先送りは、いかがなものかとは思います。究極を言えば、もし相続が起きたらどうしますかです。

相談者にとっては、法律事務所にいらっしゃるのは、大きな階段を上がったことになると思うのです。今度は決断です。まだ自分の期待する答えが欲しくて、あちらこちら法律事務所を回っている間には、余裕があるのでしょう。

それでも期待する答えが得られなかったときは、決断が求められます。でも、最初にどこかの法律事務所を訪ねたときの決断より、ハードルは、下がったのではないでしょうか。弁護士に相談しようと思ったとき、そしてきさらぎ法律事務所に相談申し込みしたときの勇気があれば、解決できない問題はありません。

相談後のあなたの勇気を信じています。

 

『自分は悪くない、被害者だ、なんで弁護士費用を負担しなければならないんだ』と思われる方へ。

2016年10月6日

きさらぎ法律事務所は、事務所内での初回の相談は無料で、相談時間の制限を設けておりません。

 

ホームページをご覧になるなどして、毎週初回相談の方が見えられます。私が相談を受ける前、その申し込みの電話を受けたときにいくつか感じることについては、この『ひとりごと』でお話しました。ここでは繰り返しませんが、とにかく事務所に来ていただきたい、全てはそこからであり、いらっしゃってお話をされることは、絶対に無駄にはなりません。

 

そして、相談前に描いていた方向結論や、期待していた答えが得られることはほとんどないことが実感されます。それでもご相談者にとって、問題が解決することに気づかれるはずです。『急いでいる』『費用を教えて欲しい』『得意で強いのか』の質問に、その場で期待する答えがなかったことを理由に、きさらぎ法律事務所での初回無料相談をパスされるのは、私が言うのはおかしいですが、『本当にもったいない』です。

 

さて、今日は、きさらぎ法律事務所にいらっしゃって、相当時間ご相談され、目指すところ、着地点が認識でき、そのまでの諸手続きとプロセスがわかって費用(着手金)もご説明したのに、ご依頼をされないケースに関して、私が思うところを書きます。

 

以前申しましたとおり、きさらぎ法律事務所での初回相談を受けられた方には、その場で委任契約は締結いたしません。いわゆる即ご依頼を受けることはしないのです。それは、あたかも相談をしたら、必ず頼まなければならないかの雰囲気があっては、半ば強制であり、そんな関係で、この先信頼関係が築かれるか疑問だと言う当たり前のことはあります。

 

それよりも大切なのは、ほとんどの方が、期待した答えが得られなかった、しかし解決のためにこうしよう!と案内されて、『そうかなぁ』と感じたはずであり、今一度本当にそれで良いのか、落ち着いて考えて欲しいからです。

 

ここにいらっしゃる方は、これまたほとんどの方が、初めての法律相談ではないようです。

 

あちらこちら訪ねて弁護士から『回答』をもらった上での相談です。つまり、以前得た回答では、『解決』にはなっていないと言うことです。 『解決』ってなんでしょう。法律問題に遭遇する方は、すでにその段階で、なんらかの権利侵害を受けていたり、失ったものがある、少なくとも何か放っておけない事態が発生しているわけです。

 

ゆえに、何もしなかったら、何も解決しないのは当然のこととして、仮に行動を起こす、弁護士に依頼して法的な対応をするとしても、元々の状況にプラスはもたらされません。例えば、時価1.000.000円もする貴重な骨董品を預けていたとこら、その家に泥棒が入って盗まれた、預けた人に対して損害賠償請求をしたところ、裁判等によって、1.000.000円の賠償金を確保することができたとします。

 

その場合、件の品物は返ってこないことは理解されるとして、このような手続きを取る羽目になったことに関して、賠償して欲しいと思う方はおられると思います。相談の場で、かかった弁護士費用は、相手に請求できますか?と質問を受けることがあります。

 

もしこれが支払われないとなると、弁護士に金を支払った分だけマイナスとなったと感じられるからです。 今、民事訴訟法の改正論議の中で、弁護士費用の敗訴者負担が検討されています。

私は、これには強く反対します。国や行政を相手に声を上げる人が無くなって、強いものの横暴が続く世の中になると言うのは、あらゆる場面で私が申し上げているところですが、それよりも現実的な問題があります。

 

以前ここに取り上げた『強いですか』『勝ちますか』の論議が横行し、これに応えるべく弁護士の側も、ほぼ例外なく『強いです』『勝ちます』と言うでしょうーー私は言いませんが。

 

そうでもしなければ、権利侵害を受けた人、権利を主張したい人は、何を頼り、どうすればよいのですか?反面、『勝ちます屋』が増えるでしょうね。何の根拠も理念もなく、単に困っている人を食い物にする輩が出る危惧もあります。金を使って、弁護士を使えるごく一部の『強い者』は別として。

 

何を言いたいかと思われます。おそらくご批判を受けるであろうことを承知で申します。それは、弁護士費用を支払うのはもったいない、損だ、意味がない、そんなもの、相手が支払うべきだのお考えが招く危険性であります。

当たり前ですが、いったん失われたモノは、元どおりになりません。さきほどの骨董品の例でもお分かりのように、壊れたモノは元には戻りません。でも、その価額に相当する価値は、弁護士に依頼することで確保回収できました。何もしなければそれで終わりです。

 

このとき、弁護士に金を支払って損をしたと考えるかどうかです。そして、この判断が、依頼するかどうかの段階で、影響していると思うのです。 日本弁護士連合会は、平成16年に、報酬会期を撤廃しました。

 

費用は、依頼者と弁護士との間で、自由に取り決めしてよいことになりました。これで、きさらぎ法律事務所の初回相談が無料であることの理屈がつきます。それまでは、業務の有償性から、無料相談は、基本的に弁護士会そのもののが主催するような公的なものに限られていたからです。

 

ただし、会規が無くなったからと言って、以前あった会規に沿って費用を決めても構いません。私は、異本的に元存在した会期に準拠して依頼を受けます。例えば、ある事件で、着手金300.00円としましょう。

 

『30万円』と聞けば大金です。一般の人は、即座に右から左となる金額ではないと思います。この着手金は、何が含まれるかと言えば、依頼事件が終結するまでの弁護士の仕事料です。何年かかろうと、その間何回時間打ち合わせその他に要するとしても、また、何回裁判所に行こうとも、そのとき何時間拘束されようとも、全て含まれています。

 

もちろんこの間弁護士は、弁護士であるだけで、事務所経費は負担しております。 『着手金と報酬で、〇〇円取られるんですか?』と言われる方がおります。やはり弁護士に金を支払うのは無駄だと思われるのでしょう。それは、もう『説得』できるものではないです。

 

それと、弁護士費用ではないにしても、『金を支払って解決する』との考え方に馴染まれない方も多いと感じます。現在相手方から、あーだこーだと権利主張されている、すなわち金を支払えと言われているケースで、とことん拒絶しているがゆえに、解決していないケースです。

 

確かに事案の内容としては、この相談者に分があるとします。それでももう一切相手をしない、何も言われないために何をするかの観点で考えていただきたいものです。このようなケースでは、たいていご相談者には、既に幾ばくかの『利益』が入っていて、これを吐き出したくない、つまり、心情的に相手方は、ずるい、ケチだと思っていて、諦めきれないことがあるように思います。

 

もとより全く理不尽な要求には、断固として対決してケジメをつけるべきです。今、ここで決断することで、もう悩まなくても良いのに……と思うことはあるのです。 『金は天下の回りもの』とも言われます。弁護士にお金を使うこと、弁護士と打ち合わせし、その方針に沿って出したお金は、無駄金ではありません。

 

何にお金を使うか、生かしたと願うものです。

 

今、あなたが『急いで』法律相談をしなければならない事情、経緯はなんでしょう。弁護士福本悟にはわかるのです。

2016年9月1日
きさらぎ法律事務所のホームページをご覧になって、電話やメールで相談申し込みをされる方からのご質問について、何回かお話しました。

第1回めは、きさらぎ法律事務所のシステム、弁護士福本悟の考え方をご理解されているのに、なお電話だけで済まそうとされる方のこと、それに続いて、相談内容もわからず、現に相談にいらしてないのに、費用はいくらか聞く方のこと、そして『強い』『得意』かお尋ねになる方のことでした。

今日は、お尋ねと言うか、日程を調整する段階でしばしば言れることについて申します。よく、「今から」「今日」の希望が出されます。そしてその理由は、「急いでいる」と言われます。今回は、最も多く耳にする『急いでいる』発言に関して福本悟の見解、そして、その折の取りあえずの助言を申します。

ほぼ毎日初回無料相談の申し込みの電話、メールを受けている現実があります。きさらぎ法律事務所は個人事務所で、私以外に弁護士はおりません。ホームページをご覧になって相談を申し込みされる方は、当然それをご存知です。つまり、福本悟を選ばれたと理解しております。他に代用は効かないのです。

誠に有り難いことですが、諸々の用件があり、申し込み当日に、相談をお受けできることはほぼ可能性はない現実です。きさらぎ法律事務所では、相談時間の制限を設けていないので、相当時間空いていなければ、対応は不可能です。

この現実がありますから、『今から』『今日』を求めれて、私から、それは不可能と申し上げたところで、「それでは結構です」で電話を終えた場合は、それでおしまいです。もしかしたら、本当に、たまたま自由時間が取れたから、どこかに娯楽に行くではなく、後学のために法律知識でも身につけておこう!と思い立たれたのかもしれません。それならそれで良いです。

きさらぎ法律事務所は、解決までの法律相談を行うからです。ところで、今日の相談は無理と知ったとき、あるいはもともと申し込みの段階で、「急いでいる」と仰って、なんとか早期に弁護士福本悟と会って、相談したいとお考えの方は相当数おられます。

確かに決めたら早いほうがよいはそれ自体は間違いではありません。問題は、弁護士に相談しなければならないと決断する『早さ』を齎した原因、経緯は何かであります。

「急いでいる」ので、どうしても早期に、できれば今日明日にもお会いしたいと言われたときに、私から、『急ぐ理由』をお尋ねすることがあります。と言うよりも、私には経験上、相談者が『急いでいる理由』がわかっているので、ストレートにこちらから『回答』を言ってしまうこともあります。

相談者が急いでいる理由、それは相手となった側から、特に代理人となった弁護士から文書が届いた、その中にいついつまでに回答しなさい、しなければ云々……と書いてあると言うものであります。

相手となった側の主張要求が全く訳がわからない、心当たりがない場合、例えば知らない人、人違いとか、主張要求とおりのことを昨日やったのに、その『結果』に相手方が気づいていないようなケースは別でしょう。そんなケースでは、急いで弁護士を探す必要はないです。しかし、認める認めないは別として、また、こちらの言い分はあるにしても、やはり相談者には、相手方からそのような主張要求がなされることには、心当たりがあったわけです。だから慌てて『急いでいる』に繋がったと思います。

そのこと自体は、まず『反省』していていただく必要はあります。つまり、問題の先送りをしていた、『解決』していなかったのですから。もっとも、こうして弁護士福本悟の相談を受ける機会を得た点で、つまり解決するきっかけが与えられた点で、相手方からこのような主張要求を受けたことは「良かった」のです。さあ、これからゆっくりじっくりやりましょう。

さて、そんな基本的な考えではありますが、電話等で「急いでいる」と言われたときには、上に挙げたようなことは申しません。これは事務所にいらしてお話を伺い、どこを収め処として、何をやるかが決まったときに申すことです。「急いでいる」と言われる方に対して私が電話で言うのは、「いついつまでに回答をって言われましたか?

そうであれば、そんな『期限』守らなくても、どーってことないですよ。」であります。まずは冷静に考えましょう。相談の申し込みをされた方が、もし、その主張要求に沿う回答をし、また、相手方の言うとおり対応するなら、慌てて法律相談をする必要はないですね。つまり、相談者は、相手方の要求を現段階で受け入れられない立場です。そんなとき、『期限』までに、相手方に、『No』の回答をして、相手は喜びますか?この問題は解決しますか?

何が心配なのかと言えば、『期限』を守らなければ法的措置を執ると書かれてあることを言われることが多いですね。ところで『法的措置』って何ですか?回答しないことで、何らかの法的措置?を執られたことで、即座に、相談者に深刻な事態が発生するのでしょうか?例えば、警察に捕まる、刑務所に行く、行動の自由が奪われる、そこまでいかなくても会社に行けなくなる、預金を下ろせなくなる、裁判所?の人が家に来て、何が貼り付ける云々…何もないですよ。これもいつも申すことですが、本当に、最初から訴訟提起するしかないと決めている側は、わざわざ訴訟しますなんていきなり予告してきません。こけ脅しですね。

私はやりませんが。だってまさしくここでご案内するとおり、こけ脅しが効かず無視されたら、返って『なーんだ。どーってことないじゃん』となるから。つまり、反対にバカにされかねないからです。でも、実際ここまでこのこけ脅しが効いて、相談者はアタフアしていますよね。しかし、それは弁護士福本悟に会うまでの僅かな期間です。

『急いでいる』と言われる方は、先にこけ脅しが効いたと申しましたが、要するに、相手方の土俵に乗っているのです。相手方とは、確かに解決しなければならない問題はあるのでしょう。しかし、相手にこう言われた、これこれしろと言われたからどうすれば良いかではありません。

相談者ご自身が、自分の立場で、自分のため、どうすれば良いかを考えるべきです。その意味においても、相手方から、いついつまでに回答をと求めれたら、無視しておく、少なくとも内容について回答しない、私はよく『水をぶっかけておく』と言いますが、相手の土俵に乗ってはならないのです。そんな『期限』、相手方が勝手に決めたのであって、なんの効力もありません。

これもしばしば言うことですが、相手方の代理人になった弁護士が、期待することは何だと思いますか?それは、その文書なりに書いてあることが即座に実行されることでしょう。でも、そんなことはないですね。私は、依頼者の相手方に文書なりで主張要求するときは、やるべきことを決めていて、その過程で一応連絡しておくくらいの感覚です。文書を送ったくらいで、金が返ってくることはないでしょう。それは、相手方に、弁護士に依頼する機会を与えたいからでもあります。

そうです。相手方代理人弁護士が希望するのは、依頼者の反対側の立場の側にも、弁護士が付いてくれることなのです。弁護士が入ると言うことは、少なくとも依頼者の相手となった側も無視はされない、何らかの形で解決しようとしているのだなとわかるからです。それは、自分の依頼者に対する取りあえずの言い訳にもなるからでもあります。

それでもどーしても気になる人に対しては、相手方の弁護士に対して、電話かファックスで、文書を受け取ったこと、こちらも弁護士に相談しているので、後日依頼した弁護士から連絡を差し上げますとだけ通知しておくことをお勧めします。相手方代理人は、ホッとしますよ。私からいたしますと、今日明日中相談を!と言われるような『急いでいる』ケースはないと断言できます。本当に急いでいるなら、つまり先に例示した刑務所に入れられるとか、全財産が明日消滅するようなケースなら、それまで何もしない、何も気づかない、どこにも相談しないなんてあり得ないと思います。むしろ相談申し込みされた方を落ち着かせる、とても良い機会をもらったから、あなたのためにじっくりしっかり考えていきましょうと申し上げるのです。

こうしてきさらぎ法律事務所にお越しになって、福本悟の依頼者となられた方は、

『急いでいる』⇨『相手方の土俵に乗っている』⇨『解決しない』⇨『自分にとって何が良いか』⇨『弁護士福本悟に依頼する』⇨『解決した』と言われます。

ただし、『急いでいる』がゆえに急いで回答?を出してはいけないのであって、相手方の主張要求はそれとして、相手方との間の問題は、必ず解決しておかなければなりません。
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