あけましておめでとうございます。2016年のご挨拶をいたします。
2016年1月1日
あけましておめでとうございます。 2016年は、申年です。
すなわち、干支は猿です。
申年でなくても新年恒例のように撮影される大分県高崎山の猿山、猿が温泉に入っている姿は、例年よりも多く放映されています。猿は、去るでもあり、今年も慌ただしく過ぎていく予感があります。
日光東照宮にある『見ざる聞かざる言わざる』のモチーフは、神となった東照大権現すなわち徳川家康を祀るために、江戸初期に左甚五郎が彫ったとされます。猿が両手で目、耳、口を隠している姿で、そのゴロから、日本が、特に日光東照宮が、これの発祥の地と思われがちですが、この3頭の猿、世界各地に見られます。
すなわち、古代エジプトの史跡には、三猿がはっきりと見られますし、インドでは、ラーマーヤナの主人公ラーマに仕えた猿族の転化とも言われているようです。実際日本でも、庚申塔には、よく三猿が彫られており、この『三猿伝説』は、ナゾに包まれているのです。 日本で多く伝えられている解釈は、「他人の欠点や過ちは見ない、聞かない、言わないとするのがよい方法」と言う意味でしょう。これは、インド独立の父と言われたマハトマ•ガンジーが、常に3つの猿の像を身につけ、「悪を見るな。悪を聞くな。悪を言うな。」と教えたあたりから、戦後日本でも、このように使用されているのだと理解します。
このガンジー氏、自らが死するとき、亡き者にしょうとした者に向かって、額に手を当てて、「許す」と発したことが伝えられております。 『悪』に対する徹底した態度をとったガンジー氏、第二次世界大戦のとき、かつての友人日本人に向けて、こんなメッセージを送っておりました。
「かつて日本は、アジア人のアジアと言う崇高な理想を持っていた。しかし今では帝国主義の野望にすぎなくなった。そしてその野望のため、アジアを解体する張本人になってしまうかもしれない。アジアの解放は、ドイツやイタリアと結ぶことではないはず。あなた方は、いかなる訴えにも耳を傾けない民族になってしまったと聞いています。
ただ、剣にのみ耳を貸す民族になったと。それが大きな誤解でありますように。あなた方の友人ガンジーより」。ガンジー氏、生涯でいちど、『悪』を見るに見兼ねて、遂に友情のため、発言したのです。 昨年私は、ある場所ある場面で、あまりにも理不尽な状況に出くわして、散々言い放ったことがありました。
私は、ときどききさらぎ法律事務所を訪れる方から、その理不尽をした相手方を質して欲しい、より直裁に言えば、悪であることを諭し、真人間になるよう徹底して対処して欲しいと求められることがあります。
しかし、私どもの仕事は、困っている人の話を聞き、気持ちを楽にして差し上げ、相応な着地点を齎すことにあり、真人間を作るための仕事であるかの大それたことではないのです。
それなのに、私は昨年、義憤に駆られたとは言え、あたかも真人間にならなければダメだの如く言い放ってしまったのでした。
とても恥ずかしく、反省しても仕切れしい失態でありました。
今年は申年、『見ざる聞かざる言わざる』に徹しようと考えます。これは、見て見ぬ振りすることではありません。
声を出して他人を批判することは、たとえその内容が正しいものであっても、聞き苦しいものです。悔しい思いをされた方は、どうしても言ってやりたいとお考えになります。
それはわかります。ですから、そのはけ口には、私がなります。なんでもお話ください。
吐き出して、溜まっていたガスを抜いてください。そして私は、その相手に直にぶつけることはいたしません。
そんなものは見ない、聞かない、言ってやらない、すぐに反応するのは人間が浅い、軽い証左です。
絶えずあなたのためにどうすればよいか、何が解決になるのか(反対に言えば、そんなことして何になるんですかはしない)について、悪に対する憤りは収めて、皆様と一緒に考えていきたいと念じます。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
きさらぎ法律事務所の依頼者は、報復を潔しとしない方ばかりです。
2015年12月11日
明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ第1戦サンフレッチェ広島対ガンバ大阪の試合は、ガンバ大阪のホーム万博記念競技場で行われました。チャンピオンシップ、略してCSは、今年から2シーズン制となったJ1で、年間勝ち点最高のチーム、ファーストおよびセカンドで1位となったチームなど最大5チームが参加して基本的にトーナメントを戦い、勝ち抜いたチームを年間王者とするものです。
J1を2シーズン制にすること、ましてそれぞれの1位もしくは年間1位を日本一とするのではなく、最大5チームをレギュラーシーズン終了後にトーナメントで競わせてチャンピオンを決めるやり方には、サッカーファンやスポーツコメンテーター等からは、かなり批判的意見が出されていました。
新制度初の今年は、結果として参加したのは3チームでしたが、私も、なんでこんなことする必要あるの?と否定派です。それは、たとえ2シーズン制であるにしても、年間1位がなんで1位ではないの?の疑問は消えませんし、各トーナメントにより一発勝負であったり、アウェイゴールとか複雑な上に、過密日程で選手の健康体調を無視して、興業主義に走り過ぎている感が否めないからなのです。
こうして始まったCSですが、初戦を年間3位のガンバ大阪が、ファーストステージ1位の浦和レッズを延長戦の末下して決勝に進んで、年間1位で、セカンドステージ1位でもあるサンフレッチェ広島と対戦したのが、冒頭挙げた万博記念競技場でのホーム&アウェイ方式の一戦でありました。
この試合、久しぶりに民間地上波で放送され、平日であったのに、多くのファンが見たようです。そして、素晴らしい試合、こんな試合が見たかった、日本代表戦より見応えがあった、これでJリーグ人気が出る、両チームの選手たちに拍手等等、好評だったようです。
前半0対0の試合が後半途中から動き出し、後半アディショナルタイムに2点取った広島が、3対2で勝利しました。
この結果に至ったのは、勝っていたガンバ大阪の選手が、いわゆるレッドカードを受けて退場となり、1人少なくなった大阪は、広島の波状攻撃を受け続け、流れが変わったからだと言われるのです。サッカーで、一発レッドは、ゴールキーパーとの1対1のような決定的得点チャンスを潰したケース以外では、故意の乱暴行為や審判等に対する暴言がなされた極めて悪質なケースとされます。
この試合でのレッドカードは、いわゆる報復行為とされるもので、プレー中に倒された相手を、プレーとは関係ないところで突き飛ばしたことだったのです。
確かに報復行為は、一発レッドが当然だと思います。ただ、聞いたところではこのケースもそうだったようですが、報復行為と言われるごとく、結果レッドカードを受けた選手を挑発するような伏線が、いくらかあることが通常です。
これに乗ってしまってはダメですが、挑発する側もどうかと思います。非紳士的行為と言うやつです。フェアプレーは当然です。胸(背中?)を押されたのに、倒れて顔を覆う行為って何?と思います。
よく、審判を騙す行為、これをシミュレーションと言いますが、例えば、わざとペナルティエリア内で相手に倒されたかにアピールするプレーなどは汚いプレーだとして、カードが出されます。
これに似たようなプレーとして、『マリーシア』と言われる選手が選手を騙す例の是非が論じられることがあります。もともとの意味はずる賢いであり、別な言い方をすれば、賢くうまく振る舞うことであって、マイナスイメージではなかったようです。
しかし、フェアプレーが信条の日本では、先の挑発行為なども含めて使われることがあるようです。
ずる賢いとアンフェアとは違うと思います。この万博記念競技場での『レッドカード事件』は、もし、必死の攻防の過程で、結果的にラフと思われるプレーをして、それを報復するのは許されません。もちろん、わざと挑発されても、報復するのはアウトです。
しかし、本当にフェアプレーに徹していたのに、勘違いあるいはカツとなって『報復行為』をされたのであれば、なんで当たってもいない場所、痛くもない場所を抱えて倒れこむ必要があるでしょうか?
私は、きさらぎ法律事務所を訪れる方に、嫌いな言葉は、『競争』『勝ち負け』であることを言うのですが、権利侵害を受けた、相手に酷い目に合わされたとしてその法的対処を求められるとき、必ず申し上げることがあります。
それは絶対に相手に報復する気持ちを持ってはならないと言うことです。また、相手からの仕返し、報復を恐れてこれの対処を求められる方に対しては、ーー逆恨みは別としてーーなんでそのような行為に至らせたのか、心するよう申し上げます。報復とは応報でもあります。自分がやってしまった行為を真摯に振り返ることなくして、『報復』からの危険を背負う可能性があるからです。
私は、報復した側も、挑発した側も、スポーツマンシップ、フェアプレーの観点からは、『どっちもどっち』と考えます。残された1試合、サンフレッチェ広島のホームグランドエディオンスタジアム広島で行われる対戦では、フェアプレーに徹して、雌雄を決していただきたいと思います。
『大阪』には、これまで、そしてアビスパ福岡の『12月6日』を思うといろいろあるのですが、今回のガンバ大阪については、なんとしてもガンバって欲しいと願うものです。
きさらぎ法律事務所のある新宿1丁目にも、年1回お神輿が出ます。
2015年5月26日
子どものころ、縁日がありました。縁日とは、神仏との有縁の日ことで、神仏の降誕、示現、請願などのゆかりのある日を選んで、祭祀や供養を行うので、この日に参拝すると、普段以上にご利益があると言われます。
これが日本古来の意味ですが、いつのころからか、神社仏閣で、お祭りが行われて露店が出る日を、『縁日』と言うようになりました。まさしく私の記憶する縁日とは、ヨーヨー、ベーゴマ、あんずすもも、おでん、かき氷などの店が出るお祭りでありました。子どものころ住んでいた大田区のある神社では、毎月8の日が縁日で、これが楽しみで、何をするでもなく、よく遊びに行きました。
私の場合、東京に居ながら、縁日があったので、神社仏閣のお祭りには、疎かったと思います。だんだん都市化して、伝統文化を残すことが難しくなったのだと思いますが、やがて縁日はなくなり、都会では、お祭りそのものが少なくなった感があります。お神輿担いで町内を回るなんて、常日頃できなくなったと思われます。
きさらぎ法律事務所のある新宿1丁目は、旧花園町と言い、新宿の花園神社が氏神様です。毎年5月下旬の土日に、日頃花園神社に納められている新宿1丁目の祭神となるお神輿を受け取って担ぎ、町内を回るお祭りがあります。この辺り、会社が多くあり、昼間この地で働く人たちも、お祭りのときは、参加されているのです。ご本体の花園神社では、縁日さながら露店がたくさん出ております。
もっとも、事務所ができた当時は、土日月がお祭りの日で、金曜日ともなると、町内には、法被を着込んだ男女が現れ、祭り気分で盛り上がっていたものです。月曜日夕刻に、お神輿を花園神社に納めてフィナーレを迎えたと思います。
歳と体型の問題から、神輿を担ぐことはない悪いですが、新宿1丁目町内を回り、そして事務所前を神輿が通過するとき、ありったけのパワーをいただいております。来年もまた、平穏に、この地で神輿の姿を見たいと願います。
この新宿花園神社のお祭りころから、急に暑くなっていきます。
そして、花園神社のお祭りが終わりますと、私にとってふるさとである福岡博多の『博多祇園山笠』に思いを馳せるのです。
山笠期間中の7月1日から15日の間には、必ず福岡博多に参ります。単に空気を吸うだけなのですが。
新宿花園神社のお祭り、そして博多祇園山笠に逆上せる素地は、あるいは子どものころ、なんとも思わず関わっていた地元神社の縁日が、体に染み付いたのかもしれません。今の子どもたちにも、こんな時間を差し上げたいと思いました。
今日も、童心に帰った気分です。
きさらぎ法律事務所が、電話メールのみでの相談をしないわけ。
2015年5月4日
きさらぎ法律事務所では、事務所内での初回相談は、無料です。
相談時間の制限はありません。その理由は、ホームページにご案内しております。それと、電話メールのみでのこ相談は、受付しておりません。
ホームページをご覧いただいて、きさらぎ法律事務所のシステムに賛同していただき、有難く存じます。
ですが、ごくたまに、特に遠方の方より、どうしても電話で対応して欲しい、費用を負担しても良いとお申し出を受けることがございます。
しかしながら、これはお受けいたしておりません。もちろん、出張相談はお受けします。
事務所にお越しいただいて、お話をお聞きするときにも、しばしば思うのは、ご相談者は、ご自分が、そのときいちばん知りたい、期待する答えが欲しいのです。
それがご相談者にとって本当に意味のあることなのか、それで解決になるかは、私からいたしますと、Noのケースがほとんどです。
また、よく電話で言われるのは、急いでいる!です。これまた、ご相談者の受け取り方であって、私からいたしますと、そうではない、むしろ急いで何かをするものではないケースがほとんどです。
例えば、いついつまでに回答しなければならないとか、これこれをしなければならないのか?と言うケースは実に多いです。
この回答期限なるものは、相手方の都合で設定されているもので、そんなもの守らなくても何てことはありません。
そもそも、相手方が期待する回答をするおつもりなら、わざわざ相談する必要はないのであり、どちらにしても、相手方の希望通りにならないわけです。わざわざ『期限』を守ってNo回答をしたところで、相手は喜ぶはずはなく、問題の解決にはなり得ないでしょう。
また、仮に電話等で、ご質問に関する回答を得て、そのとおり対したからと言って、問題は解決するのでしょうか?例えば、話し合いに応じる義務があるのか、調停に出席しなければならないのか?
ご相談者は、嫌なのでしょう。嫌なことをする義務はありません。
30分無料相談でしたら、「調停に出る義務はない。嫌なら調停は不成立になるだけで、何も決まらない、義務付られない」と回答されるでしょう。
もちろん、それ自体は、誤りではありません。
しかし、それで問題は解決したのでしょうか?相手方は、諦めたのでしょうか。また、ご相談者の希望は叶えられ、もはや一切の不安は解消されたのでしょうか?私は、相手方からこう言われた、どう対応すれば良いかではないはずですと、しばしば申し上げます。
ご相談者自身、何をしたいのか、どうすべきだと思っているのか考えましょうと申し上げます。
相手の手の平に乗って、物事を考えてはならないと言うことであります。
これは、実社会でまさしく当てはまる事柄であります。
例えば、「他に代替するエネルギーが見当たらないから原発は必要だ」と言われます。この場合、「他に代替するエネルギーがないから」と言っているのは、相手方の主張に過ぎません。
論点は、原発がYesかNoのどちらかなのです。「危険な普天間基地の移転先は、辺野古沖しかない」は、もう繰り返し言われていることです。
普天間基地が危険で、基地返還を要することは誰も異論ありません。
問題は、誰が、なぜ、辺野古沖だと言っているのかの原点に立って、それなら何処かに移転しなければならないのか、その場所は、日本国民沖縄県民にとって何処が相応しいのかの観点から、論じられなければならないと言うことなのです。
要するに、相手が言ったことの範囲で、検討対応するのではなく、自主的に、自分は、本当はどうしたいのか、政治の世界で言えば、国富とは何かを考えていただきたいに尽きるのです。
きさらぎ法律事務所は、決して問題の先送りはいたしません。
2015年3月19日
きさらぎ法律事務所は、事務所内での初回相談は無料です。
相談時間の制限を設けておりません。
なぜそうしているのかは、このホームページの該当箇所に詳しくご説明しておりますので、このひとりごとでは述べません。
ただ結論部分だけ申しますと、相談だけで解決できる問題はない、相談者の方にとってどうすれば不安不満を解消して、問題の解決に進めるのか、到達点を見据えてお話しなければならないからです。
要するに、きさらぎ法律事務所で話をし、質問事項の答えをもらったとしても、事務所を出たらもう満足、解決したとはならないのが実情だからです。
相談の後依頼者となって、解決すなわち到達点までのプロセスを、共にいたしましょうと言う仕組みです。
世の中、本当の問題の解決になり得ないのに、当面をしのぐための問題の先送りが少なからずあると思います。
3.11の記憶が冷めやらぬこの時期、原発最終処理施設がそれです。
仮に今後原発を止めても、絶対に解決しておかなければならないのがそれです。
この放射性物質の処分としては、極めて安定した地層深くに格納するしかないと言われております。
この結論が動かせないことから、原発全廃を決めた国があることは、周知のとおりです。東日本大震災から4年後の夜、ある報道番組で、フィンランドのオルキルオト島に存在する『オンカロ』と言われる格納施設が放映されました。
2020年から100年に渡って埋設処分に利用して閉鎖する、しかし、生物にとって安全が確保されるまでには10万年の年月を要する、従って、それまでオンカロは閉鎖され続けるのだそうです。
日本の福島第一原発の事故に学んで原発ゼロを決めたドイツ、そしてフィンランドの国民は、そのインタビューで、日本が、原発の再稼働に舵を切ったことの驚きとともに、この最終処理施設がないまま原発を稼働し続けていることに、驚きの声が寄せられておりました。
私も、全くそのとおりだと思います。
これは原発の是非以前の問題です。現政権になって、青森県むつ市に、『リサイクル燃料貯蔵』施設が完成し、同じ青森県六ヶ所村の『使用済核燃料』再利用工場を補完するなんて言われおりますが、要は、放射性物質をどうすることも出来ず、『再利用』とか『中間処理』の言葉を使って問題の先送りをしているだけなのです。
それで困ったのか、最近政府与党は、地質学者の意見として、地質学的には、阿武隈山地、北上山地そして根釧台地あたりは、放射性物質の最終処理場として地震等による影響がなく『安全』だと言う見解を出したようです。
しかし、名指しされた自治体は、たまったものではありません。
『風評被害』等を仰てすぐに反対の意見を出しました。そんな状態でありながら、最近では、この福島第一原発の事故による『廃棄物』を移動させる議論が出ているのです。 原発が一旦存在した以上、最終処理施設の問題は避けて通れません。
これを決める、確保しないまま、中間だとか再利用なんて言葉で誤魔化して解決になるのでしょうか?
原発そのものが安全であっても、これは避けて通れません。 福島第一原発は、福島県民のために存在したのではありません。
東京電力が、首都圏の電力供給のために半ば国策として行なったものです。誰だって原発が近くにあること、まして放射性物質の貯蔵施設が近くにあることは嫌です。
こんなとき、法律実務家の間では、『利益のあるところに危険と損失あり』と言う言葉があります。
私たちが託した政府与党が、問題の解決に進まないのでしたら、利益を得ている東京都民が負担すべきと言う結論になるのでは?
東京都内に放射性物質の最終処理施設を造る。そうなったとしても、私は、問題の先送りをしなかった東京都民を讃えたいと思います。
それでこの問題は解決ですから。