太陽と海は、運気とパワーを齎します。ーー初日の出に寄せて。
2016年1月2日
初日の出を見よう!のツアーは多くあります。
毎年元旦には、羽田空港から富士山方面に航路をとって、初日の出を見る特別便が出ます。都内からいちばん近い山と言われる高尾山に向かう京王線では、『迎光号』と言う深夜未明に新宿駅を出発する臨時特急が運行されます。そして近時は、JR各社も、初日の出や初詣に合わせた臨時に特別列車を運行しているようです。
JR東日本では、千葉県犬吠埼で初日の出をみるための臨時特急を、八王子、新宿方面から出しました。企画物で、総武本線銚子駅まで行き、そこからは、銚子電鉄に乗り換えて、犬吠埼に向かいます。
銚子電鉄は、今、ブームですね。夏には『お化け屋敷電車』が企画運行されましたし、地元の高校生が、車内でお弁当や土産物を販売しています。地元に根付いた鉄道を残そう、知ってもらおうの動きですね。観光客、鉄道ファンからも好評のようです。
日本全国初日の出スポットは数多くあります。御来光と言われる富士山や、北海道最東端納沙布岬等は、毎年テレビで放映されますし、芸能人レポーターが行きますね。日本の地形から、私は当然北海道、その最東端である納沙布岬が、列島では、最初に初日の出が拝める場所だと思っていました。
しかし、これ違うのですね。地理に詳しい人間が陥りやすい間違いでした。やはり理科系が大事!。
初日の出は、元旦に見る日の出ですが、日の出とは、太陽のいちばん上側の縁が、地平線に接して見える状況を言います。すなわち、太陽がのそっと、チラッと顔を出す瞬間ですから、太陽の中心線は、もちろん地平線より下にあります。
太陽の物理的な高度はマイナス値となっています。ここから日の出時刻が算出されるそうです。まず、太陽の見掛け上の大きさの半分が、太陽高度のマイナスとなる位置を、地球と太陽の距離から計算するのだそうです。私には、そんな計算式わかりません。
次に、光の屈折現象を見るそうです。大気の影響で、太陽は、地平線上では浮き上がって見えることから、注意を要するらしいです。言われてみれば、そんなふうに見えますが、これも難し過ぎてわかりません。
気温や大気圧により、変わると言うことなのです。それと、標高が高くなると、太陽の物理高度が0度以下でも太陽を眺めることができます。こんな理屈や計算により、日本列島では、富士山が最も早い初日の出となるのでしょう。そして、日本列島の平地では、犬吠埼が、もっとも元旦の日の出の時刻が早いのです。今年は、6時46分でした。
皆様、初日の出は見えましたか?
数年前私は、丘陵地帯を宅地とした家の近くの公園から、初日の出を迎えました。多くの人が出ていました。
東の山の方が明るくなり、少しずつ太陽が、木々の間から姿を見せました。太陽が、地平線にチョコっと顔を出した瞬間は、遠くてまた、木々等の障害物があってわかりませんでした。でも、徐々に太陽が大きく見えると、周囲から「おぉ」と歓声が上がりました。
太陽は、運気を齎します。海もまた、パワーが漲っています。
遅まきながら、初日の出のスポット、その計算式等を知ることができましたので、新年は、海岸で、初日の出を拝んだのでした。
あけましておめでとうございます。2016年のご挨拶をいたします。
2016年1月1日
あけましておめでとうございます。 2016年は、申年です。
すなわち、干支は猿です。
申年でなくても新年恒例のように撮影される大分県高崎山の猿山、猿が温泉に入っている姿は、例年よりも多く放映されています。猿は、去るでもあり、今年も慌ただしく過ぎていく予感があります。
日光東照宮にある『見ざる聞かざる言わざる』のモチーフは、神となった東照大権現すなわち徳川家康を祀るために、江戸初期に左甚五郎が彫ったとされます。猿が両手で目、耳、口を隠している姿で、そのゴロから、日本が、特に日光東照宮が、これの発祥の地と思われがちですが、この3頭の猿、世界各地に見られます。
すなわち、古代エジプトの史跡には、三猿がはっきりと見られますし、インドでは、ラーマーヤナの主人公ラーマに仕えた猿族の転化とも言われているようです。実際日本でも、庚申塔には、よく三猿が彫られており、この『三猿伝説』は、ナゾに包まれているのです。 日本で多く伝えられている解釈は、「他人の欠点や過ちは見ない、聞かない、言わないとするのがよい方法」と言う意味でしょう。これは、インド独立の父と言われたマハトマ•ガンジーが、常に3つの猿の像を身につけ、「悪を見るな。悪を聞くな。悪を言うな。」と教えたあたりから、戦後日本でも、このように使用されているのだと理解します。
このガンジー氏、自らが死するとき、亡き者にしょうとした者に向かって、額に手を当てて、「許す」と発したことが伝えられております。 『悪』に対する徹底した態度をとったガンジー氏、第二次世界大戦のとき、かつての友人日本人に向けて、こんなメッセージを送っておりました。
「かつて日本は、アジア人のアジアと言う崇高な理想を持っていた。しかし今では帝国主義の野望にすぎなくなった。そしてその野望のため、アジアを解体する張本人になってしまうかもしれない。アジアの解放は、ドイツやイタリアと結ぶことではないはず。あなた方は、いかなる訴えにも耳を傾けない民族になってしまったと聞いています。
ただ、剣にのみ耳を貸す民族になったと。それが大きな誤解でありますように。あなた方の友人ガンジーより」。ガンジー氏、生涯でいちど、『悪』を見るに見兼ねて、遂に友情のため、発言したのです。 昨年私は、ある場所ある場面で、あまりにも理不尽な状況に出くわして、散々言い放ったことがありました。
私は、ときどききさらぎ法律事務所を訪れる方から、その理不尽をした相手方を質して欲しい、より直裁に言えば、悪であることを諭し、真人間になるよう徹底して対処して欲しいと求められることがあります。
しかし、私どもの仕事は、困っている人の話を聞き、気持ちを楽にして差し上げ、相応な着地点を齎すことにあり、真人間を作るための仕事であるかの大それたことではないのです。
それなのに、私は昨年、義憤に駆られたとは言え、あたかも真人間にならなければダメだの如く言い放ってしまったのでした。
とても恥ずかしく、反省しても仕切れしい失態でありました。
今年は申年、『見ざる聞かざる言わざる』に徹しようと考えます。これは、見て見ぬ振りすることではありません。
声を出して他人を批判することは、たとえその内容が正しいものであっても、聞き苦しいものです。悔しい思いをされた方は、どうしても言ってやりたいとお考えになります。
それはわかります。ですから、そのはけ口には、私がなります。なんでもお話ください。
吐き出して、溜まっていたガスを抜いてください。そして私は、その相手に直にぶつけることはいたしません。
そんなものは見ない、聞かない、言ってやらない、すぐに反応するのは人間が浅い、軽い証左です。
絶えずあなたのためにどうすればよいか、何が解決になるのか(反対に言えば、そんなことして何になるんですかはしない)について、悪に対する憤りは収めて、皆様と一緒に考えていきたいと念じます。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
「強い国より優しい国」——2015年の総括として。
2015年12月31日
2015年も残るところあと少し。今年もたいへんお世話になりました。
きさらぎ法律事務所をご愛顧くださり、また、この『福本悟のひとりご と』を愛読されましたこと、厚く御礼申し上げます。
きさらぎ法律事務所のホームページがリニューアルしたのは昨年10月でした。事務所の存在を知ってもららう、弁護士福本悟の基本的な視点、理 念を感じ取っていただく機会として、この『ひとりごと』のコーナーを設けました。
私どもの業務は、人との関係、つながりが中心です、それは生の世界であり、法律や判例を当てはめれば『解決』となるものではありません。人そ れぞれの人生、あなただけの人生であり、そんな方々のためにお仕事をさせていただくには、私も現実の社会を知り、学び、体得しなければなりま せん。日々感じたこと、経験したこと、これを仕事に溶け込ませることはできないか、ご依頼者のために活かすことはできないかと思い、その都度 感じたところを書き留め残す場所として、この『ひとりごと』を書き始めました。やり始めると、いささか癖になりますね。
通勤の時間、出張先等 で書き出しているのです。
今年2015年を振り返りますと、『ひとりごと』で書いた、喋った内容は、まさに今年の福本悟の経験、感じたところを現わしているように感じ ました。年明けから春ころまでは、NHK朝ドラ『マッサン』の話題、そこから感じ、学んだ事柄がいくつかあったと思います。初夏から夏を挟ん で秋までは、安全保障関連法案に関する事柄が多かったと思います。そして秋からこの師走にかけては、アビスパ福岡でしたね。
今年の文字は 『安』が選ばれたましたが、『ひとりごと』でも、『安○』『○安』は確かに多く出た単語だったかもしれません。今年個人的にいちばん嬉しかっ たのは、アビスパ福岡J1昇格でした。このチーム、井原正巳監督、アビスパ福岡株式会社、これを応援する多くの方々からたくさんの事柄を学 び、多くの感動をいただきました。
最後12月になり、本当は、いちばん言いたかったこと、この『ひとりごと』に挙げたかったことを書きました。それは、82歳になられた天皇陛 下のお言葉と願いです。
憲法上天皇は日本国民統合の象徴であって、天皇陛下は、国政に携わることはありません。とは言え歴史を振り返れば、天 皇に関する話題はタブーではないかの意見もあり得ます。最近の、特に今年現にこの国で行われたことを考えると、今上陛下の国民に向けられた メッセージを、畏れ多くも有難く拝聴し、実践しなければならないと思います。この『ひとりごと』を書いた日のある新聞社のコラムにも、同じ論 評が出ております、
天皇陛下は、2015年のはじまりにあたり、『今年は、満州事変に始まった先の大戦が終結して70年、国民ひとりひとりが歴史に学び、今後の 日本を考えることが必要』と述べられ、8月15日の全国戦没者追悼式では、天皇として初めて、『先の大戦に対する深い反省』なるお言葉があり ました。そして12月23日、お誕生日を迎えられた陛下は、『今年は、先の大戦が終結して70年』を言われ、戦争を知らない世代が多くなる現 状で大切なことは、国民が、この歴史を学び承継していくことだとの想いを述べられています。
ある新聞紙上では、8月15日安倍晋三内閣 総理大臣は、『反省』『侵略』について主語がない談話を発表したこと、巣鴨プリズンに収容されたA級戦犯が、「大東亜戦争は侵略戦争ではな い。正しかった」と述べていたことを書いておりました。
国民は、歴史に学ぶことが大切との件は、政府与党や一部大手新聞社は、ノーコメント のようです。
最近何か勘違いした風潮があります。
強くならなければやられる!本当でしょうか?今高視聴率で推移しているNHK朝ドラ『あさがきた』でこん なシーンがありました。明治維新を成し遂げ、日本の近代化に務めた『嫌われ者』大久保利通が、親友五代友厚が引き合わせた主人公あさを前にし て、
「この国は強くならなければならない。強いと言うことは戦争をしないことだ」と述べたのです。コレって、先に成立した安全保障関連法案の 審議?の際の政府与党の答弁と同じように感じられたでしょうか。私は違うと受け取りました。
私は、大久保利通は、戦争をしない、準備しない者こそが強いのだと言いたかったのだと思います。この場面、大久保利通は、親友西郷隆盛を、最 後の内戦で故郷薩摩の城山で亡くして1年も経過していないときでした。あさがきたは、「女だから……。」と言われ続けて社会で活躍する場がな かったそれまでの女性の生き方、そんな社会に疑問を持った主人公あさが、女性が、社会に進出する過程が描かれるドラマです。女性こそが戦争を させない、子どもを守るとの反戦運動は、歴史が証明しています。
この朝ドラでは、五代友厚も、大久保利通も、福沢諭吉も、主人公あさの生き方 を支持しています。男は度胸女は愛嬌なんて言われますが、優しさを本質に持つ、これを母性と言うのかもしれませんが、女性の進出を通して、 『強い国より優しい国』を歴史は求めていることを言いたいのだと、私は理解いたします。
今年は、例の安保法案での怒りもありました。でも私は、多くの優しさを見て、体得してきました。日本国の象徴であられる天皇陛下がお優しい。 陛下が述べられるように、災害が起きたときには、多くの人たちが助け合う姿は、心の豊かさを感じます。また、私が今年感謝してもしきれないア ビスパ福岡井原正巳監督は、絶対に怒らない。
決してニコニコしているわけではありません。その存在に、優しいが漲っているのです。
今年は、空前の好景気だそうです。円安株高に加え、法人税は上げられず、余程嬉しかったのか、銀行は、自民党に献金したとのことです。大手企 業、お金持ちには良い時代になりましたね。そんな方々にひとつお願いがあります。
『金持ち喧嘩せず』を貫いていただきたい。余裕のある人たち は、争いを起こさない、争い事に関わらないはずですね。何処かの国に協力するなんて言い出す政治家が出てきたら、「そんなことをするなら献金 しない!」と声を出してください。
喧嘩しないことは、優しいの象徴ですから。
そんなことを思いながら、まとまりはないけれども、『今年のまと め』といたします。
2016年が、皆様にとりまして幸多き1年となりますよう祈念いたします。ありがとうございました。
『紅白を見ないと年が越せない』と『箱根駅伝が来ると年が明けた』の時期が到来して思うこと。
2015年12月30日
昔の人は、「紅白を見ないと年を越せない」と言ったそうです。
確かに私が子どものころ、NHK大河ドラマの総集編後編が終わると、午後9時になり、そのころは飲酒しませんのですることもなく、もちろん勉強などするわけもなく、なんとはなしに、そのままつけていたNHKテレビを見ることもなく眺めていた感はありました。
それがいつころからか、午後7時半ころからか始まり(今はもっと早いのですか?)、前半後半なんてあり、最後は赤白どっちが勝つかなんてやって、日本野鳥の会の皆さんが出て来られ、並べられた団扇と投げられた玉の数が数えられ、昔藤山一郎氏、その後平尾昌晃氏(今は誰でしたか?)による蛍の光の合唱により、午後11時45分となって、突然画面は古い寺社に変わり、『ご~ん』の鐘が鳴る、すなわち『ゆく年来る年』で新年おめでとうとなったものです。
私、そして我が家で紅白を見なくなった理由はそれぞれですが、視聴率が下がる傾向にあるから、放映時間を長くするのは間違いですね。昔は、どうしても紅白に勝てない民放各局をして『裏番組』に躍起でしたが、これだけ放送時間が長くなると、ずっーと見ている人は少なくなるのではと思います。
我が家でも、子どもは格闘技やお笑いを、私たちは特別番組あたりをコロコロ変えながら、それでも午後11時を過ぎるころ、チャンネルはNHKになっているのです。これが我が家の紅白の実態です。あるいはこれでも紅白を見ていることになるのかもしれません。
紅白を見る見ないは、人々の生活様式、家族のあり方や社会文化の変化など様々な事情があると思います。そして年が明けると、これも新春恒例と言うか、もう、国民的年中行事になっていると言えるかもしれないのが『箱根駅伝』です。これは、関東陸連に所属する大学20チームにより、東京大手町と神奈川県の箱根町芦ノ湖湖畔までを10人の選手が襷を繋いで往復するレースです。伝統ある大会で年々視聴率は上がり、多くのファンがおります。
全国各地の中長距離ランナーは、箱根駅伝に出たくて、関東の大学に進学する傾向があるとも言われています。 新年1月2日と3日に行われる箱根駅伝、私もファンのひとりです。まだ日本テレビが完生中継をする前から、NHKラジオの時代からとても関心があり、ずっと見ていました。古くは大久保初男さん、私と同世代の瀬古利彦さんや、山の神と崇められた今井正人さん、柏原竜二さん等等多くのアスリートに感動してきたのは事実です。襷を繋ぐ、これは人生に意義あることだと思います。 しかし、箱根駅伝人気が膨れ上がる近時は、少し考えさせられるようになりました。
よく言われることですが、そうまでして襷を繋がなければならないのか、その選手の健康、その後のいわゆる選手生命に関わるのではないかと思ってしまう現実を、目にする機会があるからです。特に箱根駅伝のハイライトとされるのが最長区間でもある5区山登りです。
高低差850mを一気に駆け上がるのは、計り知れない身体への負担があるのではないでしょうか。疲労骨折や低体温症で、見てはいられない状況になった選手は数多くありました。それでもほとんどの選手が棄権しません。 選手の体調健康はいちばん大切なことだと思います。それで5区を短くしろとか、出場回数を限れとかの意見が出ています。ただ、このところ5区を制する学校が優勝することから、5区で勝負できない学校と、その関係者あたりからの声が中心だとの疑心もあって、なかなか名案は出ないようです。
それに、倒れても襷を繋ぐ姿に感動する視聴者が多いことが問題を複雑にしています。新年早々の全国民注視のスポーツであり、受験シーズンを間近に控える私立大学にとっては、箱根駅伝は、志願者を増やすチャンスでもあるからです。 近時は、別のところから箱根駅伝を批判し、不要論を言う人たちが出ているようです。それは、箱根駅伝のせいで、素質ある有能な選手が潰れて行く、特に男子マラソンが低迷しているのは、箱根駅伝の影響があると言う意見がそれです。
確かに私が福岡に居たころ、圧倒的強さで福岡国際マラソンを制覇した瀬古利彦さんが、ロサンゼルスオリンピックで失速したことは衝撃でした。また、このところ『山の神』を巡って、公然と?言われるようになっております。私の記憶では、箱根駅伝で結果を出していたオリンピックマラソン選手は、日本体育大学出身の谷口浩美さんくらいかもしれません。だから駅伝とマラソンは違うのだと言われます。 それはそうでしょう。でも、私は、この意見には同意できません。なんでマラソンが強くなければならないのでしょう。
まして箱根駅伝に出た選手は、なぜ当然にマラソンをやるのだと決めるのでしょう。それこそ襷を繋ぐ大切さを学ぶために、箱根に賭ける若者もいるはずです。いつの間にかマラソンが陸上界の花形になったと言うことでしょうか?身体能力でほとんど決まると言われる短距離走では日本人は太刀打ちできないからマラソンなんですかと言いたくなります。
コレって、メダル至上主義ですね。箱根駅伝で潰れて欲しくない、能力ある選手は、箱根で完結して欲しくないから箱根駅伝不要論を言うのは、マラソンを中心とする日本陸連の青田買いではありませんか。 『紅白を見ないと年が越せない』と、『箱根駅伝が来ると年が明けた』は同じことかもしれません。
どちらも国民的人気に裏付けられた行事の感はあります。でも私は、箱根駅伝のテレビ観戦は続けるでしょう。それは、スポーツは、純粋に素晴らしいと思うからです。私は、スポーツ選手、まして箱根駅伝を目標にする大学生は、純粋だと思っています。彼ら、また、そこを目指す若い人たちを惑わすような先人の声は、聞きたくありません。
異常気象と民主主義ーーどちらも『極端』を受け入れます。
2015年12月29日
この冬は、世界各地は記録的な暖冬になると予想されているそうです。12月下旬のある日、ドイツでは桜の花が咲き、ロシアでは73年ぶりの暖 冬になり、名物赤の広場前の氷の滑り台が溶け、屋外アイスリンクは使用不能となったとのことです。日本でも、沖縄県は最低気温が連日20℃を 超え、日中は、26℃にもなったそうです。
日本列島は、北から南西に細長い地形をしておりますから、端と端はそれでも気温差はあります。沖縄県那覇市の最低気温は21℃、北海道富良野 市は氷点下21℃でした。かたや半袖、かたや防寒具、同じ国とは思えない自然の力ですね。そして冬至を過ぎれば、日毎に日照時間が延びます。
異常気象がニュースになる今年の冬ですが、これもちょっと異常では?と私には思えてしまう現象があります。またそれは、先の那覇市と富良野市 の気温差42℃のような正反対の評価でもあるのです。
アメリカ合衆国共和党次期大統領候補者ドナルド・トランプ氏の言いたい放題の発言と言うか、主義主張です。イスラム教徒のアメリカ入国禁止に 続いて、クリスマスの少し前には、民主党次期大統領候補者のヒラリー・クリントン氏に対して、性的に露骨な表現を使って罵倒したとのことで す。
少し前には、同じ共和党の女性候補者の『顔』を嘲る発言をしたばかりでした。
アメリカの世論調査では、トランプ氏を「恥ずかしい」と感じる人が50%に達しているそうです。ところが、当のトランプ氏、批判なんてどこ吹 く風、さらにボルテージを上げる気配です。
それもそのはず、共和党支持者に限っては、40%以上の人がトランプ氏を支持しており、共和党次期 大統領候補者の中では、さらに他の候補者を引き離しているのだそうです。
この『両極端』、悪いことだとは思いません。
まさに多種多様な思想、主義主張があるのは当然であり、これを言論で闘わせることは、民主主義が 健全である証左です。ただ、気になるのは現状の不満不安を利用して、政策ではない感情に訴えるやり方ではないかと言う危惧です。ナチスのユダ ヤ人しかり、何処かに敵もしくは悪を作り、徹底的にこれを批判することにより、民衆が狂喜乱舞することであります。
もちろん私は、トランプ氏 は支持いたしません。
異常気象は、天の差配なのかもしれませんが、このトランプ氏をめぐる両極端の評価、これも民主主義と言えばそれまでですが、現象面ではなく、 その経緯や理由を考える必要があるのではないでしょうか。アメリカ合衆国は、2大政党制で極端な小選挙区制です。
YesNoの二者択一の論点 しかなく、政党が、それぞれ別の主張をしていればそれもわかりやすいです。
しかし、同一人に対する評価がこれほど分かれるのは、単に主義主張 の是非ではないですね。
でも、日本より『マシ』かもしれません。日本では、政策や主義主張が対立して選挙が行われ、議席が決まる現実にはありませんから。
あれだけ安 全保障関連法案に対する反対!の声が上がっているのに、これを無視して採決されたのも驚きですが、あのとき政府与党の要人が言っていたとお り、そのとき底突いた政府与党に対する支持率は、その後どんどん上がっていて、これこそ驚きです。
こちらは、『天の差配』なのでしょうか?