東京で食べる夏の九州の魚
月の最終週、きさらぎ法律事務所一同で、『夏の九州の魚』を食してまいりました。
『よかとこ九州』に度々登場する『磯貝』が、東京丸の内に出店し、『東京に居ながらにして、九州の味を堪能できる』という魅力に勝てず、きさらぎ法律事務所一同、『磯貝 丸の内店』へ出掛けてみました。
この時期の九州には、東京では滅多にお目にかかることのできない種類のお魚が、たくさんいます。
せっかくなので、『東京で食べる夏の九州の魚』の味をお伝えすべく、今回の『よかとこ九州』では、磯貝丸の内店で戴いた旬のお魚とお料理について、写真付きで解説していきたいと思います。
ちなみに、私たちが来店した日の『磯貝』のお薦めメニューです。
本日のお刺身メニュー
本日のお食事メニュー
以下、弁護士福本(以下『福本』)と、九州について、まだまだ勉強中の、きさらぎ法律事務所職員の片野と吉澤(以下『片野』『吉澤』)が、『東京で食べる夏の九州の魚』について、解説と、個人的な感想をコメントしていきます。
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―福本― 今が旬の唐津のうに、絶品です。それだけに、値段と量が『丸の内』で…。 ただし、自信を持って言えるのは、「北海道より、はるかに美味しい」です。
―片野・吉澤― うにの身が、一つ一つしっかりして、甘く、濃厚な味でした。量が少なかったのが、残念でした…。でも、『うに』と言えば、やはり唐津です。
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―福本― この時期しか目にすることのできない有明海の珍味。唐揚げですが、殻ごと食べられます。 干潟に筆を差し込んで獲る独特の漁と聞きます。
―片野・吉澤― 見た目は、エビのような、シャコのような姿で、一見、グロテスクな感もあるのですが、一口、また一口と、食べるごとに(食べる場所によって)味が変わり、なんとも表現し難い、とても深い味わいでした。今までに体験したことのない味でしたが、とても美味しかったです。 欲を言えば、料理前の『まじゃく』を、一目見てみたかったです。
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お刺身6点盛
(天然真鯛,いさき松皮造り,車海老,かんぱち,鯖,ホタテ)
―福本―
全て天然物にこだわる磯貝名物の『縦長のお皿』が懐かしい。
壱岐対馬の中トロ,くじらがないのは、やはり丸の内だから?
それにしても、ホタテはないでしょう。せめてヤリイカか、アジが欲しかった。
―片野・吉澤―
天然真鯛は甘く、いさきは皮目部分を炙ってあり、身がしっかりしていて、美味しかったです。
車海老は、頭だけ別に焼いてあり、パリパリと食べられ、かんぱちは、程良く脂がのっていました。
サバを生で戴く機会はめったにありませんが、生臭さもなく、美味しくいただきました。
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―福本― これが東京で食べられるとは…涙。 まじゃく同様、食べるのは、福岡・熊本の人間くらい? 初夏が旬で、そろそろ終了の時期。今年も食べることができて良かった。 バリバリ かもう!
―片野・吉澤― 一匹の大きさは手の平くらいで、見た目は恐そうですが、塩味が効いおり、まじゃく同様、こちらも初めて体験する味でした。 白身のお魚で、骨が多く、頭の部分は堅く、身はしっかりしているので、歯ごたえがありました。 ちなみに、スズメダイとのことです。
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―福本― 『磯貝』の名を轟かせた逸品。スーパーのつぼ鯛とは違います。絶対に食べるべし。
―片野・吉澤― お酒にもご飯にも、とてもよく合う一品です。脂がのっていて、身離れもよく、とても美味しく戴きました。ちなみに、皮まで食べられます。
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―福本― 魚それぞれの特徴を、最大限に引き出す大将(失礼、社長)の腕によるもの。 マグロは刺身だけではありませんよ。
―片野・吉澤― 見た目は普通のハンバーグ。箸で割ってみると、しっかりとした身の中には、いろいろな野菜が入っていました。 触感は、「お肉と似ているような、でも、やはりお魚のような…」という不思議な触感で、味は、しつこくなく、とてもあっさりとして、魚の臭みもないので、「ほんとにマグロの頭…?」と、問いかけたくなってしまうくらい、さっぱりとした一品。 『大人の味のハンバーグ』という印象を受けました。
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―福本― 福岡で『煮付け』と言えばこれ。関東人にも合うと思う。 ただし、『赤ムツ』を知ると、食べられなくなる?
―片野・吉澤― 赤ムツの煮付けは、その身を口に入れた瞬間、『ほろり』と溶けるのに対し、あらかぶの煮付けは、一つ一つの身がしっかりしていて、食べごたえがありました。
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―福本― 激戦区福岡に、新たに登場した名人による作品。
―片野・吉澤― 口に入れた瞬間は少し辛く、『身が詰まっている』という感じで、辛いだけではなく、旨みが凝縮されていました。
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―福本― 『磯貝』の初期(カウンターのみ8坪,予約不可のころ)、藤崎本店で、特別に出してもらってから、ファンになりました。
―片野・吉澤― 本来のメニューには、『アジの野菜あんかけ』とありましたが、お店の人にお願いし、特別(?)に、イサキで作ってもらいました。 今が旬のイサキと、野菜のうまみ、そして、あんかけが程良くからみ合い、箸が止まりませんでした。 ちなみに、イサキはカラリと揚げてあるので、頭から尻尾まで、余すことなく、全て食べられます。香ばしくて、とても美味しかったです。
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―福本― やはり旬のアジは、新鮮で、大きくて、柔らかい。 でも、できればキスフライを食べたかった。
―片野・吉澤― 想像していたよりも大きなアジで、まずはその大きさに驚きました。 身は、ちょうど良い大きさに分けられて、揚げてあり、ホクホクでした。 こちらも、フライにされた身だけでなく、頭から尻尾まで、バリバリと食べられます。フライの身も美味しいのですが、頭と骨も香ばしくて、とても美味しかったです。
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―福本― 一つ息抜きを。これは、隠れた磯貝の名作。ファンも多い。
―片野・吉澤― レギュラーメニューのやまいもステーキ。やまいもの触感を残しつつ、大きな一枚のステーキになっていて、やみつきになる味です。
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―福本― あげだしにサバを使うところが磯貝らしい。 秋よ、こいこい、サバが美味くなる。
―片野・吉澤― サバ独特の臭みがなく、あっさりとしていて、「こんなにサバは美味しかったんだ…」と、サバについて考えさせられる一品でした。
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最後に、『イカの塩辛(ゆず風味)』を戴きました。
(写真を撮るのを忘れてしまいました…)
―福本―
かの『てら岡』のゆず風味の塩辛と比べ、歯ごたえがある。
この時期、ヤリイカを使っているのだろうか。
―片野・吉澤―
『塩辛』と聞くと、『イカワタ』のイメージでしたが、磯貝の塩辛は、上品なゆず風味で、さっぱりとしており、『てら岡』の塩辛とは、また違った美味しさでした。
以上が、きらさぎ法律事務所一同が堪能した『東京で食べる夏の九州の魚』です。
心残りは、『鱧の梅肉ゼリー和え』(丸の内店メニューに、『鱧の南蛮漬け』はありましたが…)、そして、「今の時期は、室見川の天然うなぎが食べれるんだけど…」と、福本から聞いていたので、今が旬の『室見川のうなぎ』を期待していたのですが、残念ながら、丸の内店のメニューにはありませんでした。
「やはり旬の物を食すならば、その本場である九州へ行かなければ!」と実感した7月でした。
日本列島は、今年も暑い夏を迎え、やがてお盆の時期の『民族大移動』が始まります。
関門トンネルがいち早く開通し、鉄道,道路がつながったとはいえ、東京から九州は、千キロ以上離れた遠い場所に違いはありません。
昭和50年の東海道山陽新幹線の博多開業や、最近の新規航空会社3社を加えた航空網が発達する前、東京~九州を結ぶ重要な足は、寝台特急『ブルートレイン』でした。
あさかぜ,さくら,はやぶさ,みずほ,富士,懐かしい名前ですね。
それに、霧島,高千穂,あるいは桜島といったイス席急行が、EF58という機関車に、茶色の客車をつなげて、昼間東京駅を発車し、1日以上かけて、西鹿児島まで走っていました。
車内には、家族連れ,苦学生,単身赴任のお父さん,さまざまな人生模様がありました。
東京羽田,札幌新千歳の航空路は、需要世界一だそうです。青函トンネルができたとはいえ、ここを通過する車両数は、関門とは比較の対象にならず、北海道といえば、飛行機が常識の感があります。
九州を結ぶ懸け橋として活躍したブルートレインは、今でもJR九州等のイベント列車として、活躍の場が与えられているとお聞きします。
あの青い車体には、九州の匂いがいっぱい詰まっています。
8月,お盆と聞けば、夜行寝台特急を思い出す方は多いのではないでしょうか。
帰省のシーズンを前にして、一昔前の『8月の九州』に、思いをはせてみました。