鏡開きと乾杯

2015年1月19日
テーマ 
 大正月が1月7日まで、小正月の行事を行う日が1月15日だとすると、もう一つ、正月に因んだ行事として『鏡開き』があります。

鏡開きは、正月に神や仏に供えた鏡餅を下げて食べる日であり、神仏の感謝し、その供えられた物をいただくことで、無病息災を願って粉汁や雑煮にして食する行事であります。もともと小正月が過ぎた後の1月20日あたりに行われていたらしいのですが、江戸時代になって、徳川家光が亡くなったのが旧暦の20日だったことから20日は忌日として嫌われ、大正月と小正月の終期の間となる1月11日が鏡開きの日とされたと言うことです。

それと、もう一つの鏡開きとして、結婚披露宴などの目出度い席で、菰を巻きつけた酒樽の蓋を木槌で割って開ける行事があります。こちらは、酒樽の上蓋が鏡と呼ばれていたことからこの名がついたようです。ですから、日本酒が合う和食の祝宴が多いですね。

どちらの鏡開きも、お祝いと感謝の儀式と言えます。お祝いと感謝と言えば、忘年会などでも行われる『乾杯』がそれですね。「お疲れ様。ご苦労様」なんて掛け声が出ます。

乾杯は、ビールが一般的ですが、結婚披露宴ではシャンパンが振舞われることが多いです。東京の福岡県人会の総会では、太宰府天満宮の梅酒で乾杯いたします。県花ともなっている梅を愛した菅公菅原道真公に対する感謝の念からでしょう。

正月も終わり、神仏に感謝し、無病息災五穀豊穣を願って食する餅も、これまでの感謝と前途を祝って嗜む酒も、その有り難さを実感していただきたいものであります。