大相撲初場所で、史上初となる単独33回の優勝を飾った横綱白鵬が、場所中の取り組みを巡る審判部の判断を痛切に批判したと、『批判』されています。 白鵬が問題にしたシーンは、優勝を決めた13日目の取り組みで、勝負の瞬間対戦相手と同体ではないかと審判から物言いがつき、取り直しとなった末勝ちを決めた場面です。 白鵬によれば、5人の審判のほかビデオ判定もあるのに、取り直しとされた一番は、「子どもでもわかる」明確な誤審だと言いたいようであります。 まずは白鵬関に対し、「優勝そして偉大な記録を構築されたこと、おめでとうございます。」と申し上げます。 その努力忍耐は、簡単に真似できることではありません。 かねてより双葉山そして大鵬と言う相撲界先人尊敬し、この方々から学ぼうとする姿勢には、共感しておりました。ミスター相撲道ですね。 さて、白鵬の問題発言が報じられた後、そのほとんどが、白鵬に対する批判的意見が寄せられております。 慢心だとか、横綱なんだから「もう一丁」の気概が必要、未熟さが出ている等々です。 私も、あの白鵬関の発言は、よろしくないと考えます。と申しますか、『大人気ない』と思います。 確かにあの発言が、偉大な記録に水を指す、あるいは横綱らしさと言う点において『待った』をかけた感は否定できません。 ですが私が気になるのは、リスペクトの精神についてであります。リスペクトとは、日本語としては敬意を表すると言う意味でありますが、スポーツ界で用いられるときは、スポーツアスリートとして自分があるのは、取り巻く関係する全てに感謝の気持ちを持たなければならないと言うこととされます。 その競技が成り立ち、そして自らが優勝等の結果を残せるのも審判があってのことです。たとえは、ボール、シューズ、相撲で言えばまわし、塩一粒にも、常に感謝の気持ちを持ち続けなければならないと思います。 大横綱白鵬に、このような気持ちがないはずはありません。これがわからないようでは、未熟以前のアスリートたる資格なしと評されるでしょう。でも言ってしまったのは、大人気ないと思うのであります。 ですが、横綱から、子ども以下と酷評された審判部が憤り、師匠を通じての厳重注意に留まらず、白鵬を呼び出して指導すると言うのは、『?』と言わざる得ません。何を注意するのでしょうか?だって白鵬関は、そんな発言の是非、『やっては(言っては)いけない』ことだと分かりきつております。 私は、問題のシーンは見ておりませんが、事実としては、限りなく間違った判定に近いかったのでしょう。もちろん、審判の判定が、スポーツ界では『事実』であり、誤審と言い立てでは競技は成り立ちません。 ですが、間違い?を指摘されて指導すると言うのは……。こちらも大人気ないと考えます。 ソチオリンピックで、日本中を感動させた浅田真央さんは、「あの子、大事なところでいつも転ぶ」と発言した東京オリンピックパラリンピック組織委員会会長に対して、「きっと(発言を)後悔されているのでは」とかわしました。これこそ大人の対応ですね。今は『国技』なんて用語はあまり聞かれなくなった相撲界ですが、これに携わる方々は、もっと大人になっていただきたいものです。人気とは何か、考えさせられました。