親と子の国籍が異なるケース、それを希望するケースって、わかりますか?

2015年10月30日
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台湾の台北国際空港から、アメリカ合衆国ロサンゼルスに向けて太平洋上を飛行中の中華航空機内で、妊娠中の乗客が急に産気づき、偶然搭乗していた医師らの手により、無事出産したことがYouTube等で発信されました。無事出産を知った機内では、祝福の歓声があがり、この航空機は、母子の安全を確保するため急遽アラスカの空港に緊急着陸して、この母子を降ろし、約3時間遅れでロサンゼルスに到着したそうです。

航空各社では、妊娠中の搭乗可能期間を規定しています。報道によると、この中華航空機に搭乗した台湾の女性、中華航空の規定では、もはや搭乗できない期間に入っているのを認しながら、虚偽の申告をして搭乗したことが発覚しました。そして、このような経緯で、アメリカ合衆国アラスカ州に降ろされた後、アメリカへの入国を拒否されていると報道されています。

台湾の報道機関によると、この母親となった台湾の女性、子どもにアメリカ国籍を取得させたくて、妊娠中出産間近であるにも関わらず、アメリカに無理に入国しようとしたらしいと言うことです。つまり、アメリカ国籍取得の目的にのみ、今回の『事件』を引き起こしたとされた気配です。

国籍は、どのように決められるか、島国日本では、難民問題と同様、あまり関心をもたれないようです。隣国韓国や今回当事者を出した台湾等では、アメリカやヨーロッパ諸国への留学希望が多いことで知られています。台湾の高校生あたりは、母国語のほか英語は、普通に喋りますね。留学するとき、例えば『アメリカ国籍』を保持していると、入学や学費等の面で、かなり有利な扱いを受けるのだそうです。

このように申しても、まだピンと来ないと思われます。

それは、アメリカで生まれた子どもは、その両親の国籍に関わりなく、アメリカ国籍を取得するからです。

これを属地主義と言い、親の国籍で子の国籍を決める制度は、属人主義と言われるのです。日本は、属人主義です。よく、海外赴任中の日本人夫婦に、属地主義の国で子が生まれた場合、領事館に日本国籍を留保するとの届け出をするのは、世界では、二重国籍を防ぐ狙いがあるからです。また、日本国籍と別の国の国籍を持っているが、何歳になったらどちらか選択する等の話題が出るのもこのような背景があるからです。

今回の台湾国籍の女性、単に子どもにアメリカ国籍を取得させるための目的のみに、航空会社に嘘を言って、乗客ら多くの人間を巻き込み、迷惑を与えて国籍の不正取得を目論んだ疑いがあるとして、アメリカ合衆国から、捜査の対象とされているとも言われています。

この女性の本国での生活等はわかりませんが、子がアメリカ国籍であれば、アメリカに移住しやすいでしょうし、先に例示したように、この子は、将来留学や、アメリカンスクールへの入国には、便宜が図られることでしょう。これは、母親の愛情、子育てのビジョン、教育方針だったのでしょうか?

私の父は、徴兵され、海軍の通信士として戦地に赴いた後、戦後は、民間船舶会社に勤務して、通信士として、船で世界各国に行き来しました。父は、常々「日本がいちばん良い」と申しておりました。私自身は、外国は知りませんので、比較のしようがなく、子どもを留学させようなんて考えたこともありません。

この台湾女性の今回の動機はわかりませんし、ルールに反し、多くの関係者に迷惑を及ぼす行動は、容認できません。しかし、もしかして、子どもの将来、そしてめまぐるしく変わる世界の情勢を認識して、長いスパンを見据えて、こんな行動に至ったのかもしれません。

今、機内で出産した赤ちゃんは、アメリカ国内にいるこの女性の知人が面倒を見ているとのことです。

「親思う こころにまさる親心」はそのとそおりだと思いますが、こんなことで生まれてすぐに母親と離れた赤ちゃんが、気の毒でなりません。事情は知らなかったとは言え、多くの善意によって、この世に生を受けた赤ちゃんのしあわせ福祉の観点に立って、今後この『事件』の収まりが齎されることを希望します。

 

 

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裁判官の仕事は、判決言い渡しまでではないのですか?

2015年10月29日
昔裁判官を志した法曹界の先輩が、『裁判官は弁明せず』を言われました。
民事事件で、原告被告双方の主張を聞く限り、全く正反対の事実を述べておりますし、刑事事件では、ときに有罪か無罪か判断を示さなければならない立場に裁判官は身を置きます。私は、責任の重みを言いたいのだと受け取っています。

また、裁判官は、寡黙で喋らないイメージがあるのではと思われます。裁判官の身分は、憲法で保障されています。
これは、裁判官は、あらゆる圧力を受けることがないよう、法律と良心に従い、独立して職務を行う必要があるからです。よく法廷で、裁判官が入廷すると『起立!』となりますが、あれは裁判官が偉いのではなくて、法廷の厳粛、法廷ではなんぴともここで行われてようとするところを邪魔しないことの約束みたいなものとお考えください。


私は学生時代、特に刑事法に関心があり、そのころは検察官を志していたこともあって、よく刑事裁判を傍聴しました。
ですから、司法修習生になったときには、何と無く法廷の雰囲気は分かっていたつもりです。当時は実務修習の前に、司法研修所での前期修習と言う講義が中心の修習がありました。そのとき、刑事裁判教官が、テレビでも放映されたある日の東京地裁でのある場面について、我々修習生の意見を求めたことがあります。

それは、ある刑事事件で、被告人に対して無罪を言い渡した後、担当した裁判長が、被告人とされた方に対して、『疑わしいが証拠の関係からこのような判決になった…。これから気をつけて生活するように…。』と述べたことについてです。

私は、あれはないよと思いました。確かに疑わしきは罰せずであり、この法廷にいる被告人が犯人かどうかではなく、検察官が主張した事実、すなわち起訴状に記載された犯罪とされる事実が、証拠上合理的な疑いを払拭する程度認めれるかどうかを判断するのが刑事裁判ではあります。

でも、日本の社会では、やっぱり疑わしい、あの人は危ないなんて受け取られるのが現実です。余計なことを言うものだと思いました。裁判官、この元被告人が社会に受け入れられなかったら、責任取れますか。

それに、この話を聞いたときは、有罪にできなかった悔しさ?が裁判官にはあるのかと感じたと、刑事裁判教官には申し上げました。

その後『裁判官の言い訳』はあまり気にならなくなりました。ちょっと気になったのは10年くらい前だったでしょうか、九州のある裁判所で言い渡された死刑判決を担当した裁判官の言葉です。有罪すなわち、検察官の主張した事実が全てそのとおり認めれるのであれば、死刑判決はやむを得ないと言われた事案だったとされますが、判決言い渡しの後、裁判長は涙を流し、『控訴してください』と述べたのです。

これはちょっと先の東京地裁の例とは違うように思いました。法律と良心に従い職務遂行した結果は、こうなるのは当然であり、判断に誤りも悔しさもない、しかし裁判官だって人間なのです。人ひとりの命の重みを思えば、可能な限りチャンスを活かして欲しいとの願いだったのではないでしょうか。でも、やはり、私は、言って欲しくなかったです。

さて、これはつい最近の事例です。妻に逃げられた男性が、当時4歳くらいの子どもを家に放置して死亡させたとして殺人罪で起訴された裁判員裁判がありました。

食事を与えず、別の女性の家に出入りし、たまに家に帰ってもゴミ屋敷さながらで、そんな中に子どもを放置し続けて、この子が亡くなっても手当を受けて7年経過して、遺体が発見されたというものです。裁判員裁判の結果は、ほぼ検察官の主張事実を認め、懲役20年の求刑のところ、懲役19年を言い渡したのでした。

おそらくこの事実認定と量刑は、裁判員裁判であることも考えれば想定されたものです。私は、しばしば裁判員制度になり、死刑判決が増えたことと、量刑が重くなったことを指摘しています。これが市民感覚と言われるものなので、制度が正しいとされる以上当然のことです。

しかし、私は、職業裁判官は、『市民感覚』なるものを裁判外で出してはいけないと考えます。この事案、被告人には汲むべき事情に乏しいでしょうし、唯一救える立場にある父親に放置されて絶命したお子さんを思うと、私だって涙はでます。でも、判決言い渡しの後、裁判官は、それをやってはダメなのです。だって、被告人からすると、判決が終わっても、そこに居て喋った人は裁判官なのですから。

この刑事裁判の裁判長、判決を言い渡した後、被告人に対して、お子さんを思うと涙を禁じ得ないに続けて、『これは事故のようなものと言われたときには耳を疑いました』と述べたのです。それはそうだと思います。

だからこそ、このような判決になったのでしょう。

『事故のようなもの』との被告人の主張は、裁判員との合議を重ねて充分審理されているはずです。判決後、あんたの言っていることなんか、人間性の欠片もなく、全く信じていないとダメ押ししたわけです。もし、こんなことを言いたいのであれば、判決理由中で述べるべきです。裁判長が、裁判が終わったら、『一般市民の感覚』で、壇上で自己の思いの丈を吐き出した感があります。

裁判官は弁明もせず、一般市民としての感想も、述べて欲しくありません。被告人からすると、やはり裁判官なのですから。

 

 

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プロ野球に進む選手とこれを選ぶ球団の覚悟について

2015年10月28日
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今年のドラフト会議、プロ野球新人選択会議は終わりました。

今年も数々のドラマがありました。選択された選手、プロ野球を希望したけれども今回は選択されなかった選手、意中の球団に選択された選手、意外な球団から選択された選手、それぞれですが、この日がひとつの節目、運命の日となった若者に、エールを贈りたいと思います。

選手にドラマがあるの同じように、プロ野球球団にも、ドラマそして覚悟がありました。私が今思い出すことを2つ挙げます。

ひとつは、今でも語り継がれる1968年のドラフト会議です。この年は、山本浩二さん、田淵幸一さん、星野仙一さん、山田久志さん、東尾修さん等等、錚々たるメンバーが、ドラフト1位に並んだ年でした。その中で、ドラフト7位で当時の阪急ブレーブスに指名されたのが世界の盗塁王、殿堂入りした福本豊外野手でした。福本豊さんが、後に語ったお話です。

当時社会人野球の松下電気にお勤めで、まさか自分がドラフト会議にひっかかるなんて全く考えていなかったそうです。

事実阪急ブレーブスを含めて、ドラフト前も、まさにその当日も、どこからも、何の声もかからなかったので、指名されたことは知らなかったそうです。これを知ったのは、翌日勤務先で、スポーツ新聞を眺めている先輩に、「なんかオモロイことありまっか?」と聞いたら、「お前、昨日のドラフトで、阪急から指名されとるやんけ。オモロイわ」と返されて、初めてドラフト会議で指名されていた事実を知ったと言うものです。福本豊さんの実力努力は相当なものでしょうが、これを世界に引き上げたのは、阪急ブレーブスです。よくぞドラフト7位で指名していただきました。どうやって、予想も心算もしてきなかった彼を口説いたのでしょうか。これは覚悟ですね。

ふたつめは、最近のことです。私は、日本ハムファイターズのドラフトに臨む姿勢が立派だと思います。数年前、今年常勝球団の監督をお辞めになった方の親族にあたる当時大学最高の投手が、どうしてもその監督が指揮を執る球団に入りたいとして、他球団からの指名があっても入団しないと公言しておりました。

このとき日本ハムファイターズは、なんのためらいもなく、この選手をドラフト1位で指名したのです。理由は、「プロ野球としてあるべき指名をします」。

当たり前と言えば当たり前ですが、日本ハムのこの姿勢、カッコイイですね。余談ですが、この球団の態度に対して、この選手の親族や大学関係者が異論を出したのは、私はなんだ!と思いました。でも、さすがに親族にあたる監督さんや、選手本人は潔かったです。結果として日本ハムには入団されませんでしたが、この選手、翌年希望希望に入団でき、実力を発揮しています。そして日本ハムファイターズのこの言葉は、綿々と球界に受け継がれていると思います。


その後、『どこそこの球団じゃないから入団拒否』は聞かれません。いちばんの選手をわざわざ逃すのはプロではないと言うわけです。こんなプロ野球球団の姿勢は、プロ野球を目指す若者にも、頼もしく映るのではないでしょうか。いちばんになるぞ!の思いが湧くはずです。

その後日本ハムファイターズには、大谷翔平選手が入団しました。アメリカメジャーを目指す意思を表明していた大谷選手を口説きました。いちばんの選手が欲しいのは当たり前と言われました。そして、今年も日本ハムファイターズは、いちばんを狙いました。結果、今年はクジ引きで『連敗』しましたが、そのブレない姿勢は、高く評価されるはずです。きっと日本ハムファイターズには、この先良いことがありますよ。

今日は、かつての阪急ブレーブス、最近の日本ハムファイターズで起きた例を参考に、プロ野球球団の使命と覚悟について述べました。選手にも球団にも運命そして責任はあるのです。今年選択され、今後プロ野球に携わる選手たちが精一杯力を発揮でき、日本のスポーツ界が、より良い方向に進むことを願っています。

 

 

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『入れ墨タトゥーの方、入浴お断り』についてどう思いますか?

2015年10月27日
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昨年家内と京都に行ったとき、ちょっと驚いたことがあります。これは、JR京都駅に繋がる施設の女性用トイレを利用したとき、全部和式だったと言うことでした。

当然京都を訪れる観光客のこのトイレの利用は多く、女性グループを引率していた地元の方が、このことについて、海外のお客様が、日本の、そして京都の伝統文化を経験したいからとの要望に応えるためそうしたのだと思うと答えられた場面に、出くわしたと申したのです。

観光立国日本を目指す観光庁によれば、円安の影響もあって、昨年日本を訪れた外国人旅行者は、過去最高の1341万人でした。今年は、既にこれを上回っているそうです。和式トイレから、海外の影響を受けて洋式トイレになった日本ですが、外国人観光客からは、こんな要望が出ていたとは。

最近の子どもたちは、和式トイレを知らないと聞きおよびます。自治体の予算の面から、公立小学校のトイレの問題は深刻ですね。子どもたちが、和式トイレはイヤだから、特に男の子が大を我慢して、便秘傾向が見られると言う問題です。トイレは人間の尊重に直結します。海外からのお客様へのおもてなしも大切ですが、京都駅近くの誰でも使うと思われるトイレが全部和式とは…。『国内のお客様』は、ビックリするのではないでしょうか。

観光庁によれば、日本を観光した外国人旅行者のうち3人に1人は、温泉を経験したこと、次に来たとき何をしたいかの質問に対しては、4割以上の外国人旅行者が、やはり温泉を挙げているのです。ところで、温泉温浴施設では、『入れ墨、タトゥーの方お断り』がほとんどですね。

宿泊施設に対する利用者の声でも、しばしば「入れ墨の人を見かけた」が掲載され、その都度宿泊施設側から、目が行き届かないことのお詫びが返されるようです。

この問題が表明化したのは、数年前北海道の温浴施設が、海外の女性が、顔面に入れ墨をしていると言う理由で入浴拒否をしたことが契機でした。同行者より、この方は、その国の先住民であり、入れ墨は、反社会的なものではないと説明したものの、受け入れられなかったのでした。
日本の温浴施設は、暴力団関係者を想定して、入れ墨お断りとしているのであって、民族の風習、宗教、あるいはファッション等で入れ墨やタトゥーをしている利用者を排除して良いのか、問題になってきました。


法的には、入れ墨をしているとの1点を理由に、入浴を断ることは認められないでしょう。もちろん、利用者と施設の私的な契約ですから、裁判ともなれば、他の利用者への影響や、施設の収益、代替措置等を勘案して判断されるでしょう。利用者のマナー、他の利用者への影響と言った観点からは、例えば、騒ぐとか衣類を纏うとか、温泉の利用者として相応しいかどうか問題となるケースの中で、規約を設ければと思います。

最近一部のホテル等では、入れ墨等した方が利用したい場合、シールを貼って入れ墨を隠すことで、入浴を認める対応を始めたと報道されています。具体的には、利用時に、8cm×10cmとかのシールを使うそうです。海外のお客様に、幅広く温泉文化を楽しんでもらいたいとこれを始めたホテルでは、その動機が説明されています。

観光庁は、最近全国の温泉施設を対象に、入れ墨タトゥーを理由に、利用を断っているかどうかの実態調査を始めたと報道されています。これを受けてYahooNNewsでは、アンケートが行われました。その結果は、60%が日本人外国人問わず入浴拒否すべきと回答し、外国人には許可して良いと言う回答は17%程度だったようです。ちなみに、国籍を問わず入れ墨タトゥーの方の入浴を拒否すべきではないとの回答は、18.6%です。日本人は、入れ墨タトゥーに対する拒否反応は強いようです。

このような国民意識の中で、先のホテル等の取り組みが、どれくらい効果を挙げるか未知数です。暴力団関係者は、入れ墨をしているから悪いのではなく、組織的常習的に暴力的不法行為を行うから悪いのです。私だって暴力団関係者とは付き合いたくはありませんが、暴力団関係者が、どうしても温泉に入りたいときに、その入れ墨が隠れるようなシールを貼ることに、協力するでしょうか。
また、そのシールでは隠せない、あるいは、シールを貼るのに適しない場所にタトゥー等される方もおられるでしょう。そもそもそんな申し出をし、実際入浴された日本人は、全部暴力団関係者と誤解されたらお気の毒です。

温浴施設の努力は讃えたいものの、やはり日本人の拒否反応は、どうしようもないように思うのです。何も日本人も、他国並みに皆入れ墨をすべきなんて言いませんが、和式トイレから洋式トイレには移行できたのに、海外のお客様の入れ墨なる文化は受け入れにくいのは、やはり暴力団を連想させるからなのでしょうか?私は、入れ墨問題よりも、特に団体でいらっしゃる海外、特にある国の方々の温浴施設でのマナーが気になります。文化って難しいですね。

 

自然界と人間の共存は、難しい問題です。

2015年10月26日
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札幌市内にある丸山動物園で、今年5月から、絶滅危惧種であるコツメカワウソ、マレーグマ、グラントシマウマ、マサイキリンが相次いで死亡したとテレビ番組等で報じられています。

 

カワウソは、水槽の蛇口に足を吸い込まれた窒息死、メスのマレーグマは、『結婚』を予定して同居を始めたオスのマレーグマに噛み付かれ押し潰された様子が、動画にもアップされて衝撃を受けた方が多いと思います。シマウマは、新規オープンのゾーンに移送中にストレスで、キリンは、食事が喉に詰まったらしく、関係者は大きな衝撃を受けた由です。

 

丸山動物園は、飼育に問題はなかったかの問いに対し、「入園者を増やすのは二の次で、動物の安全と本当にお客様に楽しんでもらえるような動物園にしなければならない」と答えたようです。

このやりとりを見たテレビコメンテーターは、閉鎖性の強い場所で生活させていることがストレスを与えるのではないか。飼育の方法だけを問題にするのではなく、見に行く人間の問題と捉えなければならないと感想を述べていました。要するに、お客様に見せよう、客もあれこれ期待する姿勢が強くなかったかの警鐘です。

 

確かに、動物は、一部の家庭内ペットとなって行きて行く種は別として、もともと自然の中で生きていたのです。それが捕獲され、知らない国に来て、狭い檻の中で芸をさせられて、見せ物になって生きて行くのは、それ自体大変な生活の変化でしょう。

 

動物が、ストレスを感じないわけがありません。まして、絶滅危惧種指定されるような動物は、自然界でも、様々な事情で生きて行くことは厳しいです。 日本にも、絶滅危惧種は生息しています。また、もう、あの地域には、あの品種は絶滅したと宣言された動物も数多くあります。身近なところでは、もう都会では、自然の中でホタルを見ることは、ほとんどないですね。ところで、意外な方向?から、クマらしき動物の目撃情報が寄せられています。

 

今年の9月以降、福岡県と佐賀県との境に位置する背振山で、体調1mくらいのクマとおぼしき動物を見たとの情報が、相次いで地元警察に寄せられています。くまモンは熊本県のシンボルキャラクターで、実在はしませんが、九州にクマが居ても不思議ではないと、東京の人間なら思ってしまいそうです。

 

ですが九州では1960年以降、クマの目撃情報はなく、福岡市動物園によると、九州のクマは、30年前に絶滅したとされていたのだそうです。九州は、本土と離れておりますから、一旦絶滅したのに『復活』したとすると、他から意図的に運んでこない限り、「なぜだ?」となるわけです。 10月に入って立て続けに目撃されたクマ?は、立っていた、走って逃げた等報告されています。

 

都会の人間ならともかく、地元で生活する人や、登山のベテランから齎された情報ですから、全く無視することはできないでしょう。

専門家は、イノシシと見間違えた可能性もあると言っておりますが、周辺自治体、警察署では、登山道に看板を設置するなど、注意を呼び掛けているとのことであります。 以前、この『ひとりごと』で、人口島である長崎空港に、タヌキの大群が現れた不思議を述べましたが、クマを山中まで運んで放すことは極めて考えにくいでしょう。また、放たれた?クマは、生きて行くことができるのでしょうか?

 

ちょっと気になるのは、福岡県の隣山口県下関市では、数年前から度々クマが出没していることです。また、今年の5月には、福岡市内で、相次いでサルが現れ、大騒ぎになりました。 この福岡市内のサル、市内中心部の天神や、鉄道の玄関口博多駅近くまで出没したのも驚きですが、市内中央区にある福岡地方検察庁の敷地内に『侵入』したが、その場では、『逮捕』されなかったと言う報道には、笑ってしまいました。私も32年前、数ヶ月通った庁舎です。そして、福岡市早良区内では、現にサルに噛まれた、ひっかかれたとの被害が出てもいたのです。

 

背振山は、福岡県と佐賀県の県境で、福岡市内から上る場合、みつせ鶏で有名な三瀬峠を目指します。三瀬峠の下、つまり福岡県側は、福岡市早良区です。主として早良区内で被害を及ぼしているサルは、背振山から三瀬峠を下って福岡市内に入って来たのではなかったかと、今回の『クマ騒動』を知り、考えてしまいました。 実際のところわかりません。

 

そもそもクマが居るのでしょうか。北海道は、クマの宝庫!と言われ、毎年被害が起きていて、決して他人事だとしてはならないと思います。ただ、丸山動物園内で飼われていた絶滅危惧種のクマが亡くなり、時を同じくして、絶滅したと信じられていた『九州のクマ』の存在が取り沙汰され、不思議な思いがいたします。動物は、自然界で生活するのがいちばんでしょう。

 

もちろん、人間に見てもらう、特に子どもたちの教育のため、珍しい動物を捕獲して飼育することが絶対にダメだとは言いにくいでしょう。捕獲までいかなくても、乱開発等により、自然界の営みが崩れると、イノシシやサルそしてクマが、街中まで現れることが避けられません。北海道の檻の中のクマ、九州の絶滅したはずのクマ情報、自然界と人間の在り方について、いろいろ考えさせられるニュースです。

 

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