福山雅治さん吹石一恵さんの結婚のショックとお祝いで、日本中がザワザワしているさなか、こんな発言がありました。「この結婚を機に、ママさんたちが、いっしょに子どもを産みたいという形で、国家に貢献してくれるといいなと思っている。たくさん産んでください。」
なんですかこれ。実に不快と思う以上に、国家のため子どもを産めですって。産めや増やせやの戦時下の国策ではあるまいし。国家のために子どもは生まれるのですか。全く国民主権、個人の尊敬なんて露ほども心に留め置かないのですね。菅義偉内閣官房長官の発言です。発言に慎重な菅義偉氏にしてもコレですから。これが自民党、安倍内閣の本音ですね。
安倍内閣は、女性の社会進出を応援するのではなかったのでしょうか。
結婚して子どもを生むのが女性、そして国民に課せられた国家への貢献ですか。結婚は、出産だけのためにあるのでしょうか。余計なお世話である以上に、個人としての生き方を尊重する姿勢は見られませんね。まあ『個人』を『公共』のために否定するのが、自民党の憲法改正草案ですから。
仮に結婚して子どもを産みたいと願っている夫婦であっても、様々な事情から、子を授かることができない方はおられます。不妊治療に苦しむ方、また、それこそ経済的事情で、妊娠出産に踏み切れない方もおられます。あるいは、ともに子どもは生まれないことをわかりながら、結婚するカップルもおられます。子どもはいらないと決めて結婚するカップルもあるでしょう。なんで、国家のために貢献しなければならないのですか。
第一次安倍政権の厚生労働大臣が、『女性は産む機械』と例えたことがありました。
懲りてないと言うよりも、この人たちの信念なのですからどうにもなりませんね。でも、菅官房長官らしくないのは、発言の真意なるものを、あとになって釈明していることです。女性は出産が義務付けられているかに受け取られかねないとの指摘に対して、「全く当たらない。結婚について聞かれたので、ビッグカップルなので、皆さんが幸せな気分になって欲しいと思った中での発言だ」と述べたそうです。
この菅義偉氏の発言を聞いたことで、幸せな気分になった方っておられるでしょうか。
私のように怒りの感情まで持たなくても、やはり「女性は結婚して子どもを産むのが……。」と言われて、辛い気持ちになる方はいらっしゃると思います。
安全保障関連法が成立した直後に、「ママさんたちが、子どもを産むと言う形で国家に貢献して」とは。政権が、国民に何を求めているのかハッキリしたでしょう。
福山雅治さん吹石一恵さんは、国家に貢献するために結婚したのではないと思うのですが。