日本弁護士連合会の人権擁護大会シンポジウムに参加するため、海浜幕張に来ました。
海浜幕張には、幕張メッセがあり、わんこに関する大きなセレモニーがあるので、関心がある場所ではあります。
でも、私が真面目なころ?、今から20年以上も前になりますが、当時日本弁護士連合会の法律相談事業に関する委員会に所属しており、ここ幕張の地で、1泊2日に渡って、シンポジウムが開催されたのですが、私は、地元千葉県弁護士会の先輩と一緒に、その司会進行役を仰せつかった懐かしい場所なのです。
そのときは、弁護士がいないいわゆる『ゼロワン地域』の問題とか、地方都市に公設相談所を設けるとかの議論がなされていたと記憶しています。まさしく司法改革の一躍を担う地道な役割を果たすべく、本当にこの分野では、日弁連も、『駆け出し』の時期だったと思います。
それが、司法改革がやり過ぎだったのかわかりませんが、公設事務所は全国に設けられ、法科大学院を絡めた司法試験制度も変わって、弁護士が溢れるようになり、『質の低下』が問題にされる昨今です。 あのころは、中坊公平元日弁連会長(その後、不祥事により、弁護士を廃業)の説明を単純にうけとり、『市民のため』を信じて、結果、『市民』ではなく、『市民のため』あるいは国民のためを標榜する勢力の思いのままの現在の司法制度を作ることに、加担してしまったと思っています。
そんな若かりしころの取り返しのつかない反省の思いから、20数年前のあの日、1日めの司会を終えて、その反省と、明日への準備のため宿泊したホテルに再び宿泊して、ビールを飲んでおります。 あのとき宿泊したホテルは、所有者が変わったようですが、東京湾を臨む国内のホテルとしては最も高層の建物のまま、変わっておりませんでした。
今、部屋から東京湾を見ていましたら、羽田空港に着陸する航空機が、次々に高度を下げて飛行しているところが見えました。これは、羽田空港B滑走路に侵入する航空機です。 航空機は、基本的に、向かい風のときに着陸しやすいと言われます。ただ、羽田空港は、4本の滑走路はありますが、そのうち都心部への騒音等で、離陸に使用できない滑走路がありますので、自ずから着陸使用の滑走路も限られてきます。
同じ方向に、離着陸はしないからです。 羽田空港の着陸使用滑走路として、年間過半数を占めるのはA滑走路です。
ただし、木更津方面から、右にアクアラインを見ながらファイナルアプローチをするのです。反対方向は、都心部を掠めるくらいの旋回になるので、着陸はありません。
A滑走路と並行するC滑走路も、お台場の観覧車の少し前で、急に左に曲がって着陸するのですが、最近は、ほとんどこちらからの侵入着陸はありません。B滑走路が、着陸の20%くらいになっているようです。
あと、深夜早朝に離発着する国際線は、東京湾に埋めたて建設されたD滑走路を使用することになります。このB滑走路使用時には、東京ディズニーランドを右に見て、着陸態勢に入るのです。
同じホテルの部屋から、20数年前は、その日の反省と翌日の準備にあたふたしていたのに、今日は、羽田空港に着陸する航空機を追いながら、ビールを飲んでいます。若いころは、ただ与えられたことに必死だったのです。でも、言い訳になりますが、今の自分は、他から与えられなくても、否、他からあれこれ言われることなく、我が道を歩んでいます。それは、真面目とは言えませんし、純真さもありません。ただ、得たのは経験です。くだらないことですが、羽田空港の着陸滑走路も、経験によりわかったことです。
経験は、自信に繋がります。
今、外を眺めながら、今日の人権擁護大会シンポジウムの復習ではなく、航空機を眺めているのは、果たして不真面目なのか、経験者の落ち着きなのか、自分勝手に考える達観?すなわち。
言い訳をする歳になったようです。今度は、いつ、どのような機会に、海浜幕張に来て、今日と同じように、東京湾を眺めることになるのでしょうか。