京浜急行電鉄で、駅に車掌が置き去りにされたまま、電車が発車したトラブルがあったと発表されました。 車掌の置き去りは、たまに聞くことがりますが、今回の『事件』では、置き去りにされた車掌が、約700m離れた次の駅まで走って電車を追いかけ、この電車は、追いついた車掌が乗車して、次の駅を約5分遅れて発車したと言うものです。 『置き去り事故』の原因は、北品川駅でドアを閉め、出発の合図ブザーを押した車掌が、その直後、手にしていたワイヤアレスマイクをホームに落としてしまい、これを拾おうとしてホームに降りたところ、運転士は気づかず、発車してしまったと言うものです。 次の新馬場駅でドアが開かないことに気づいた運転士が、車掌がいない異変を把握しドアを開け、運転司令室に連絡し、車掌を『待っていた』のです。ワイヤレスマイクが落ちた原因は不明ですが、これが報道されたのは『えー』と思えることがあったからでしょう。 まず、京浜急行電鉄の発表では、「後続に遅れはなかった」とされます。都会の私鉄、しかも品川駅近くでなんで?と思いきや、種明かしすれば、この事故?を起こした電車が終電であり、この日、『後続』は無かったのでした。 そして驚いたのは、車掌が先に進んだ電車を、走って追いかけたことです。約700m線路と並行する国道を走ったのですが、なんでも司令室から、『追いかけろ!』と命じられたからなのだそうです。 激走した車掌さん、お疲れ様、お怪我がなくて?良かったです。京浜急行電鉄の車両は、ワンマンカーではありませんが、実際新馬場駅では、運転士がドアを開けたように、必ずしも車掌が居なくても、なんとかなる仕組みだと思います。 実際、後続は無かったのですから、慌てて車掌を走らせる必要があったのか、素人は考えてしまいます。確かにふたり乗務が安全であることは間違いないでしょう。運転士は、本来運転が仕事ですから。品川駅には、非番の車掌さんは、居なかったでしょうか。 もし、この車掌さん、途中で事故にあったり、生き倒れたらどうしましょう。新馬場駅で5分?停車しているとき、その原因を、どのようにお客様に説明したのかわかりませんが、まさか車掌が走って電車を追いかけているから停車するなんて、言ったのでしょうか? 何か結果オーライになったから、発表したのではないか、或いは誰か『真相』をバラしたから明らかにせざるを得なかったのかもしれません。終電ですから、運休にはできないでしょう。 よく、アクシデントが発生したときのプロの対応が問題にされます。危機管理と言う問題かもしれません。なかなか判断は難しいかもしれません。でも私は、例えば電車のダイヤが乱れて、裁判所への出頭が遅れるときでも、走ることはいたしません。あれは、走ることが仕事の鉄道ゆえにあったことなのでしょうか。