先週福岡に行きました。福本悟からいたしますと、福岡と言えば、鮮魚をメインとする食べ物、焼酎をメインとする酒のイメージが、どうしても強いです。
昨年は、ソフトバンクホークス日本一の日にあたりましたし、今回も、ソフトバンクホークスが、日本シリーズ出場を決めた日にあたり、『西鉄ライオンズ』黄金期以来、福岡は、スポーツと言えば野球のイメージがあります。福岡市内の夜も、この日号外が出るなど賑やかで、アビスパ福岡を応援する私は、ちょっと肩身が狭い感じがするのです。
その福岡市で、今ちょっとフィーバーになっている現象があります。
先日終了したラグビーワールドカップ日本代表の五郎丸歩氏の出身地として、脚光?を浴びているのです。
五郎丸歩さんは、福岡市出身で、小学生時代は、サッカーチームの市内選抜にも選ばれた実力者ですが、その後ラグビーに転じ、佐賀工業高校時代には、3年連続花園の舞台を踏み、進学した早稲田大学1年のときからレギュラーを掴み、各代表を経験し、今回のワールドカップで3勝を挙げた日本代表の中心選手であることは、もうみなさんご存知のとおりです。
五郎丸と言う苗字は、全国に1.000人くらいあり、『五郎丸』と言う地名から来たとされます。五郎丸発祥の地は、元筑紫の国那珂川郡で、現在は、福岡市のとなり那珂川町とされています。『丸』とは、開拓を意味するとされ、五郎丸とは、石のゴロゴロから来たとか、五郎さんが土地を開拓したからだとか、諸説あるようです。いずれにしても、五郎丸は、北部九州に多い名称です。
実は福岡市内には、『丸』がつく地名は多いのです。私が32年前住んでいた市内早良区には、『次郎丸』『三郎丸』があります。そのころは、周りは田畑に囲まれていました。北部九州には、幾つか地名に特徴があって、『原』を『ばる』と呼ぶことや、『牟田』が多く、中牟田、大牟田などあります。五郎丸さんがお生まれになったお近くにも、五郎丸世帯があるそうです。
その五郎丸歩さん、日本リーグでは、ヤマハ発動機ジュビロに所属していますから、福岡市を離れ、静岡県磐田市にお住まいなのだと思います。 さて、先日西鉄福岡天神駅におりましたら、観光客らしき方が、係員に、こんなことを尋ねておりました。「五郎丸駅に行くのはどうしたら良いですか?」。そうです。西鉄電車の駅に、『五郎丸駅』があるのです。
ただし、この五郎丸駅、五郎丸歩さんのご実家近くとは関係ありません。また、福岡天神から大牟田を結ぶ西鉄天神大牟田線(本線)ではなく、途中西鉄久留米駅手前の宮の陣駅から、支線である甘木方面に向かう小さな無人駅なのです。場所は、福岡県久留米市となります。 五郎丸駅、1日の乗降客は約550人で、ほとんどが久留米市に向かう通勤通学客だそうで、朝の数時間だけしか駅員はおりません。
福岡天神からは直行はなく、全車両西鉄久留米方面からの2両編成のワンマンカーなのです。地元の方ならご存知でしょうが、この『五郎丸駅』見つけた方は、このところの『五郎丸フィーバー』で、五郎丸、福岡と調べて発見したのでは?と思われます。西日本鉄道関係者は、時ならぬ観光スポットとなり、「五郎丸選手のことて、この小さな駅を知ってもらえて嬉しい」と喜びを語っています。
五郎丸歩さんに感謝ですね。以前この『ひとりごと』でも触れたように、今年のアビスパ福岡の監督は、サッカー日本代表が、始めてワールドカップに出場したときの主将井原正巳氏です。この井原正巳氏、ジュビロ磐田の選手として現役引退しました。アビスパ福岡、今年は井原監督のもと 、過去3年が嘘だったような成績で、この時期でも、まだJ1昇格の期待が持てる位置に付けています。
J1自動昇格順位である2位にはジュビロ磐田、アビスパ福岡は、勝ち点差2の3位でこれに付けているのです。 元ジュビロ磐田の井原正巳氏が福岡にいらして、アビスパ福岡は、元気になりました。福岡市出身の五郎丸歩氏は、磐田に行きました。そしてこのご活躍で、福岡を全国区にしていただきました。井原正巳氏と五郎丸歩氏、アビスパ福岡とジュビロ磐田、不思議な縁を感じながら、アビスパ福岡の昇格に期待する自分がおります。