道路や通路の歩行マナーに思う。

2015年11月10日
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京王帝都電鉄が、これまで実施してきた沿線の自然、公園や施設を巡るウォーキングイベント『京王沿線ウォーキング』を、10月17日実施分から中止したことがわかりました。

京王電鉄によると、このイベントは、沿線の街並み、自然、歴史等を巡りながらウォーキングを楽しむ無料の催しで、毎回2.000人くらいの参加人数がある人気イベントです。今年度は、『水辺に親しむお散歩コース』と銘打って、飛田給駅から出発し、野川を散策するコースを4月に行ったのを皮切りに、既に4回行われていたところ、突如以後の中止が伝えられたと言うことです。

中止の理由について京王電鉄広報課は、「参加人数が増え、ウォーキングに参加されていない沿道の皆様から、歩行マナーや運営に関する厳しいご意見、ご要望が多数寄せられてきた」としたうえで、誘導員の配置による運営経費の増大やスタッフの増加などもあり、自社単独では、継続が困難になったとその理由を挙げています。

最後となった9月に実施されたウォーキングは、京王線桜上水駅から神田川に沿って笹塚駅まで歩くものでしたが、「参加者が道いっぱいに広がって、通行できない」「うるさい!」等の苦情が寄せられたそうです。

今後警備員の配置や運営社員の増大等図ることは、経費の増大、人繰りが限界に達したので、年度中に以後の中止を決めざるを得なかったとのことでした。京王電鉄では、9月実施分まで参加した人に対しては、中止となった以後の4回も『完走』したとして、完歩賞を贈呈しました。

文部科学省が2013年に発表した『体力、スポーツに関する世論調査』では、1年間に行ったスポーツとしては、50.8%の人がウォーキングと答えたそうです。特に60代以上の人でも気軽に、安全に参加できるスポーツとしてウォーキングは人気があり、様々なイベントが開催されることでも、近時参加者が増えた一因でしょう。新緑、紅葉の時期は、特に多いですね。健康的にと言うことと、マナー違反は噛み合わないと思います。参加者のマナーが問われるとは、もともと予想されなかった残念な現象です。

通行マナーとしていつも感じていることがあります。

きさらぎ法律事務所の最寄駅は、東京メトロ『新宿御苑前駅』ですが、ここは対面式ホームであり、ホームはとても狭いのです。この狭いホームに横並びで歩かれると、本当に通行に支障があるのです。数年前に、ホームには扉が設置されたので、転落の危険はなくなりましたが、ホームに立って電車を待っている人もおりますから、2列で歩かれるともうぶつかってしまいます。この駅を利用するサラリーマン等は不便を感じてわかっているはずですが、特に夜の帰宅時間帯は、ワーワー言いながら横並びが見られます。

これはウォーキングしているのではありません。


ウォーキング参加者のマナーが悪いと苦情が来たとの点は、ウォーキングする人のマナーがなっていないのではなく、そもそも道路や通路の歩き方についてマナーを知らない人が、ウォーキングに参加していたと言うことだと思います。折角のイベントが、中止に追い込まれた京王電鉄には同情いたします。

ウォーキングは、健康で文化的なスポーツであるはずです。


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