円安の影響もあって、日本を訪れる外国人観光客は、増加の一途を辿っています。以前申したかもしれませんが、年間1.500万人超は当たり前、さらに増え続けると見込まれます。日本国内の貧困問題は別として、お金を落としていただけるお客様は、ありがたいことだと思います。
お客様は神様、遺漏なきようサービスしたいのはヤマヤマですが、果たしてこれが追い付いているのかと言う問題です。
また、あちらこちらで軋轢や新たな問題が起きています。なお、最初に言っておきますが、私は、排外主義者ではありません。また、移民、入国等の論点に関して、『ハイライト』ではありません。この『ひとりごと』を愛読?されている方は、おわかりと思いますが。
以前『千年の古都』京都市中心部の和式トイレについて触れました。
また、温泉大浴場はもとより、ホテル廊下やエレベーターでのマナー?にも、困惑することはあります。外国人観光客は、日本に来たら、とにかく「すみません」の一言を必ず発するように学んでいるらしく、こちらが気を遣うこともありました。
特に昨今問題となっているのは、宿泊施設です。私も少し余計なことを書きましたが、お客様のマナーのことではありません。宿泊施設が足りないと言う問題です。私がよく行くのは福岡、そして札幌ですが、よほどのことがない限り、定宿に泊まれないことはありません。
ライバルは、ジャニーズとかAKBです。これも、この『ひとりごと』に書いています。しかし、東京都内や京都市内では、いつでも予約が取れない、ホテルが足りない!と聞くことがあります。
外国人観光客の増加が原因だと言われます。今やホテル宿泊客の6人から7人にひとりは、外国人なのだそうです。これの受け入れが追いつかないと言うことです。それで、ホテルの形式ではなく、料金が低く、日本を触れるアットホームな雰囲気の民宿等が、かつて重宝されました。しかし、民宿と雖もそれが営業である以上、旅館業法の適用を受けます。
やはり数に限りはあり、床面積等の規制とあって、また、単に部屋を使うだけの目的からすると、もっと手軽に、プライバシーも確保された空間が欲しいニーズがあります。そこで出てきたのが『民泊』と言う概念です。
個人が手軽に空き家、空き部屋を使い、利用者を泊めることで収入を得るビジネスが広まっています。エアビーアンドビーと言う業者の名がよく登場します。部屋を提供する側と部屋を利用する側の仲立ちをするかたちで仲介料を得るビジネスです。
このビジネスは、自ら宿泊場所して提供して、『宿泊料』を取っているのではないので、旅館業法で言う営利の目的で、宿泊場所を提供しているとは言えないはずです。しかし、営業かどうかはともかく、旅館やホテルのように、宿泊施設側の管理がなされていない民泊では、音やゴミ、そして風紀の問題等発生し、特にマンション住民には不安が大きいと思われます。
そもそもマンションや戸建て住宅は、これを使用する人は固定されていて、お隣さんが入れ替わり立ち替わりだなんて予定されておりません。最近の新築分譲マンションでは、住居を民泊に供することを禁止する管理規約を置くと聞きます。
確かに民泊の負の部分は無視できません。とかくビジネスの観点で物事を見ると、金儲けの不良業者の介入が危惧されます。しかしこれは強い経済、規制緩和の名のもとに競争を促せば、避けることができない現象です。
実際観光立国を目指す政府は、『爆買い』で知られる中国人へのビザを緩和し、国家戦略特区を設けて、例えば羽田空港がある東京都大田区では、民泊条例が制定されるなど、自治体と一体となった規制緩和を進めていると評価されましょう。
これは、少子高齢化社会が進み、国内の生産力が不足し、福祉の重要性が言われる中、なんとかミクス等強い経済を行うには、外需に頼らざるを得ないゆえに、お金を落としてくれる、しかし日本に住み着くことをしない外国人観光客は、ありがたいお客様だからです。
この辺り、日本としての難民政策、昨今指摘される南シナ海問題に対する政府の姿勢と比較すると、見えてくるものがあります。
そして、TPPでもそうですが、民泊を進めることによる旅館、ホテル業界との軋轢はどうするのでしょうか。お得意の政治献金では対応できないところまできていると思います。
安全、衛生、防災等厳しい基準をクリアーして、多額のコストをかけて営業するホテル等からすると、単に民泊は、『モグリ営業』としか映らないかもしれません。そして、周辺住民からすると、誰が営業管理し、どこに連絡して良いかわかりにくく、しかも毎回違う人が出入りする住居が近くにあると言うことは、やはり不足は解消されないと思います。
私は、外国人を含めて、そこで暮らし、同じ空間にいる人たち全てに優しい政治が行われることを望む考えです。気になるのは、外国人観光客を、かたちの上ではお客様としながらも、それはお金を落としてくれるからだ、だからこれによる日本経済が活性化するにはどうしたら良いかの観点で、議論が進んでいるのではないかと言うことです。これでは民泊施設周辺住民やホテル旅館等との軋轢は、解消されないと思います。
この素晴らしい日本を世界に知っていただくには、みんなが気持ち良く、同じ空間に居られる政策が大切だと思います。そんなことを思いながら、また来週福岡に参ります。