横綱白鵬の『猫騙し』に思う。

2015年11月21日
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大相撲九州場所で、休場明けの横綱白鵬が、関脇力士との対戦で、『猫騙し』と言う奇襲戦法を使って勝利したことについて、角界のみならず、ネット社会はもちろんのこと、あちらこちらで議論されています。

 

『猫騙し』とは、立ち会いと同時に、対戦相手の目の前に両手を突き出して掌を合わせて叩くもので、驚いた相手が目をつぶるなどしてひるんだ隙に、自分の有利な体勢に持ち込むために行われる相撲の戦法とされます。猫騙しは、相撲の決まり手ではなく、対戦中の戦法のひとつです。この謂れは、猫の前で『パチン』と手を叩くと、猫は驚いて逃げる等ひるんでしまうことから来たようです。

 

私は、基本的にお相撲には関心がありません。

 

また、件のシーンを見たものではありません。以前小柄で様々な技を繰り出して、大柄な力士に挑んだ舞の海氏が用いたことは知っておりましたので、『アレって、小さな、腕力では敵わない力士が、格上の力士に対して、なんとか相撲になるように工夫してやるものでは?』の観念があったことは事実です。

 

私でも、そんな素朴な?観念がありましたから、『横綱がやるものではない』との批判が続出しています。 白鵬関が猫騙しをやったこと、しかも立ち会いのみならず、土俵際に体を残して反転してきた相手に対して、またも『パチン』とやったことについて、特に相撲関係者からは、批判的意見が述べられます。

 

この点、まず私が思ったのは、「またか」であります。

 

「またか」とは、白鵬関がまた何か物議を醸すことをやったと言う意味ではなく、「また、白鵬関を叩くのだな」です。 日本人力士の優勝は、もう10年くらいないようです。3横綱しかり、番付を見れば、モンゴル出身者が多くを占めていて、さらに世界各国から相撲取りになるため、角界に入門する若者が増えています。

 

他方、日本国籍の若者の相撲離れは確実に進んでおります。相撲はスポーツではあるが、同時に国技であるとの意識は、日本人には徐々に薄れているのでしょう。率直に言って、古き良き日本人?特に角界関係者には、妬み僻み悔しさがあるのではないでしょうか。してやられたって奴です。 かつて、ちぎっては投げで、『憎たらしいほど強い』と言われた元横綱北の湖の現北の湖理事長は、「あれは横綱がやるものではない」と苦言を呈しました。

 

この場面を解説していた親方衆等も、同様です。ただ、これは予想されたところですが、ネット社会では、それほど白鵬関に批判的ではないようです。最も多い意見は、「横綱が猫騙しをやったら反則なんて規則はない」で、次いで、「横綱は勝つことを使命としている。負けるよりマシ」だと思います。私も、基本的にそうだと思います。 相撲には関心がないと言いながら、これまで白鵬関や鶴竜関に対する批判的意見について、この『ひとりごと』で私見を述べたことがあります。

 

今、その内容は忘れましたが、基本的には、モンゴル出身の横綱に対する批判に、批判的な私見を書いたと思っています。それは、心の中では『国技』を重視し、品格とか横綱としての……を言う風潮です。もし、大横綱白鵬が来日しなかったら、日本人の入門が少なく、観客数も増えない現在の相撲界で、外国人力士の登場活躍は、日本の国技とされる相撲を支えているとは考えられないのでしょうか。先日も、元親方が暴力事件を起こしたことが報じられたばかりで、数年前は、八百長事件がありました。角界、その先輩たちこそ、どうすれば相撲に人気が出て、日本の若者が目を向けてくれるのか、真摯に考えていただきたいと言うものです。

 

しかし、今日は、私は、大横綱白鵬関にも、物申したいです。猫騙しは悪くない、勝つのは当たり前、それはそうです。しかし、勝ち名乗りを受けた後の態度、あれはいただけませんね。ニヤッとしていたでしょう。とても大横綱白鵬が、力を出し切ってやり遂げたと言う達成感ではありませんね。アレは、してやったり、悪く言えば「ざまあみろ」に見えました。それは、常日頃煩い協会や親方衆に対するものでしょうね。 白鵬関は、猫騙しを一度はやってみたかったとその動機を述べました。本心だとして、それは引退間近を言いたいのでしょうか。そこには余裕綽々を感じます。

 

それと、対戦相手に対してリスペクトが見られないですね。白鵬関が大横綱でいられるのは、横綱白鵬に挑む力士がいるからです。勝ち続けるために、猫騙しのごとく技?が通用するかどうか試したかったのだとしても、それは対戦相手あってのこと、決して格下相手をバカにしたものではないのだとの姿勢を見せて欲しかったです。あの『ニヤッ』を見たら、横綱との対戦を夢見て、稽古に励んできた負けた格下力士は、どう思うでしょうか。

 

それと、お客様あっての大相撲でもあります。聞くところによると、横綱白鵬の猫騙しを見た観客は、ほとんど呆気に取られ、拍手も少なかったと言われます。

 

 

もし、観客の相撲離れが進むことにでもなったら、それこそ横綱がやってはならないことだと思います。そうは言っても私の夢は、大関琴奨菊が、大横綱白鵬に勝って優勝することです。横綱白鵬が居なくなることは、それが不可能となることです。白鵬関には、まだまだ強い横綱であって欲しいのです。

『奇跡は起こるものか、起こすもの』なのか。

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明示安田生命Jリーグ第2ディビジョンは、11月14日第41節が行われました。

 

 

写真 1 写真 2

全22チームで2試合ずつ総当りで年間42試合行い、勝ち点数から1位と2位が翌年J1へ昇格、3位から6位までの4チームは、いわゆるプレーオフを行い、勝ち抜いた1チームがJ1昇格の最後の切符を手にする仕組みです。

 

さて、きさらぎ法律事務所が、法人後援会に登録されている福岡市をホームタウンとする『アビスパ福岡』は、40試合を終えた段階で2位とは勝ち点差2の3位につけています。

開幕3連敗でスタートしつつも、徐々に成績をあげ、現在は7連勝中で、ここ11試合、つまり9月以降負けていないのです。でも、2位のジュビロ磐田もここ十何試合負けがなく、アビスパ福岡は、追い抜くことはできません。この両チーム、本当に強い気持ちで闘っています。

 

ホーム最終戦となった11月14日、アビスパ福岡の本拠地福岡市博多区にあるレベルファイブスタジアムに観戦に参りました。

アビスパ福岡後援会からは、史上最多の観客数になるとの予想が伝えられましたが、折からの悪天候などあって、満員札止めとなる2万人以上には達しなかったものの、ホーム自由席は、立ち見が出るほどの盛況でした。レベルファイブスタジアムは、福岡空港から徒歩20分くらい、試合当日には、福岡空港から臨時バスがでます。

 

この日は、福岡空港には、アビスパ福岡の法被やサポーターユニフォーム、タオルや旗を纏った人が、福岡空港に発着していました。全国のアビスパ福岡サポーターが、集まった感じです。私もその端くれでした。 時折雨が降る中、試合のほうは、こちらも現在5位、連勝中で初の昇格プレーオフに出場が決まっている愛媛FCが相手で厳しい試合でしたが、アビスパ福岡が、1対0で勝利しました。ホーム最終戦なので試合終了後は、社長、監督、主将の挨拶がありました。

 

キャプテンの城後寿選手は、アビスパ一筋10年以上、これまでいくものJ1チームからのオファーがありながらも、低迷するこのチームから離れることがありません。アビスパ福岡は、この日も勝利しましたが、まだ3位のままです。城後主将は、自分を信じ、仲間を信じ、これまでやってきた、関わった全てを信じ、最終戦を闘う、そしてサポーターとともに奇跡を起こそうと挨拶しました。 そうなのです。これだけやっても、2位の磐田を最終戦を前に追い抜くことができないのです。

そしてこの日、首位の大宮アルディージャは勝利し、J2優勝とJ1昇格を決めました。アビスパ福岡は、残り1枠の自動昇格を手にするには、奇跡が起こることしかありません。私がよくその言葉を引用するコブクロの小渕健太郎氏は、作曲した『奇跡』を披露する際に、『奇跡は起こるものではない。起こすものだ』と言いました。

 

私も、奇跡は起こすもの、城後選手ではありませんが、信じれば奇跡は起こせる、それは、彼らがこれまでやっていたことが間違いではなかったと思えることだと思っています。

 

レベルファイブスタジアムでの最終戦セレモニーを見て、また一つ真摯に努力するプロの姿に感動しました。 J2第42週、すなわち最後の試合は、11月23日に開催されます。アビスパ福岡は、アウエイゲームのFC岐阜との試合が、長良川競技場で行われます。怪我人続出で、とても苦しい状況ですが、奇跡を起こすことを信じるしかありません。

これまで昇格プレーオフに臨んだチームのうち、年間3位のチームは、結局勝ち抜いくことができず、J1昇格を果たしておりません。でも、アビスパ福岡に関しては、良いジンクス?があります。アビスパ福岡には、『5年周期』と言われる現象があって、2005年、2010年にそれぞれJ1昇格を決めています。そして、昇格を決めた日は、いずれも11月23日でした。前回J1へ昇格したのは、長良川競技場での試合でした。

 

そんな訳で、11月23日FC岐阜との今季最終戦を観戦に、長良川競技場に参戦します。

 

奇跡は起こすものか起こるものか、この目でしっかり見ておきたいからです。井原正巳監督率いる新生アビスパ福岡は、たとえ昇格プレーオフに回っても、負けないと信じています。11月23日は、『勤労感謝の日』です。この日を過ぎてもまだ男たちは、勝負を続けている気配です。これが勤労なのかどうかはわかりませんが、『働く意欲』と奇跡は作られることを教えてくれるアビスパ福岡に、感謝したいと思います。