日本は、周囲を海に囲まれ、火山もあるなど山岳地帯が多く、人口の多くは、平野部に集中しています。これは統計上人口密度の多少によって明らかになります。鉄道やバスは、人口が少ないところ、つまり人家のない場所には通りません。これら公共性ある事業も、私企業である以上、営業収支を無視することはできないでしょう。 反対に、人口が密集していない場所に設けられるものと言えば空港でしょう。東京や大阪、そして福岡等で暮らしていて、各地の空港を利用した方は、ずいぶん市街地から離れているなと感じられたと思います。それは、その地域で生活する人がおり、安全性や環境面から、近くに空港は開設できないのは当然だと考えます。歴史的事情等あるにしても、福岡空港や大阪伊丹空港は、例外中の例外だと思われます。 だいたい空港は、人里離れたもと山の中や、海岸線に沿って、また、海の中に人工島を造って開業されているものです。広島空港や鹿児島空港は、着陸寸前まで周りは山ですね。この両空港も、昔は、より街の中にありました。大分空港や松山空港等、海に接している空港も多いです。東京国際空港羽田もそうですね。 それから、海の中に人工島を造って空港を開業した例があります。長崎空港が有名でしたが、北九州空港も出来ました。新しく開業される人工島の空港は、24時間離発着可能を売りにしています。数年前に開業した羽田空港の4番目の滑走路は、早朝深夜便の離発着を可能とし、羽田空港の国際線誘致に、効果を発揮していると言えるでしょう。 国際線の重要性からすると、離発着時間が限られている空港は、各国は、乗り入れしにくいかもしれません。成田空港が、しばしば例にされています。 そんなことがあったのか、関西国際空港は、大阪湾泉州沖に開業しました。この空港は、大阪市内から離れていることや、伊丹空港神戸空港とのすみ分けの問題等あって、赤字だとされながらも、やはり国際空港の役割があり、LLCを呼び込むなどして滑走路を増やし、利用客の増大に奮闘しているようであります。 先日初めて中部国際空港を利用しました。東京にいる人間が、名古屋に行くときには、わざわざ航空機は利用しないと思います。そもそも、羽田空港と中部国際空港との間に空路が設定されていたとは、ほとんど知られていないのではと思います。現在羽田と名古屋中部との間には、ANA1便、JAL2便があります。 JAL便は、両空港を朝と夜遅くに出発する便が設けられていて、あまり存在を知られていないからか、空席がある限り、前日までに航空券を購入すれば、8.000円台の料金です。中部国際空港から名古屋までの名鉄電車の料金をプラスしても、新幹線より安上がりですみます。私は、今回中部国際空港駅が始発で、終点の名鉄岐阜駅まで乗車したので、三連休の最終日で、混雑が予想された名古屋駅乗り換えを、行きはすることなく、便利でした。 この中部国際空港もまた、人工島に開設された空港です。ですから、台風の影響等風が強い日は、欠航となることがままあります。内部、特に国際線出発口は、成田空港、関西国際空港とほとんど同じです。そして国際空港だから当然と言えば当然ですが、あちらこちらに海外からのお客様がおられます。特にアジアのある国の団体さん、ご家族は、すぐに『それ』とわかります。大きな荷物をカートで引っ張って、エレベーター出入口に固まり、他の利用者の出入りに協力?されないのでチョット困りました。私は、海外に行くことはありませんが、日本の観光客も、現地の文化習慣に慣れず、迷惑をかけているのかとも思ってしまいました。 それと、今回朝の羽田空港から中部国際空港へのJAL便を利用して気づいたことがあります。この空路は、ボーイング738型小型機が使われているのですが、この航空機は、国際線仕様だったことです。 つまり機内座席の前には、ビデオがあり、機内誌は英語版があって、ショッピングの案内本も複数用意され、オーディオも国内線とは異なりたくさん視聴可能となっていました。また、これは一般的によく見られる光景ではありますが、自社のキャビンアテンダントが、複数制服を隠して搭乗していました。 要するに、早朝羽田空港から中部国際空港に向かったこの国内線は、中部国際空港からは、海外おそらくさほど遠くない空港への国際線として使用されるのだろう言うことです。 例えは、中部国際空港から片道3.4時間の海外の空港に往復するのに、午前10時ころに出れば夕刻また戻って来れます。ただ、それで終わりにしないで、早朝羽田空港から機体を出し、夕刻から夜に中部国際空港に帰って来て、これを夜遅く羽田空港に戻すことができれば、このボーイング738型小型機を休ませる、つまり遊ばせておくことなく、効果的に利用できると言うものです。 もちろんこの私見を、日本航空に確認したものではありません(尋ねても、教えてくれるかどうかわかりません)。でも、たとえそうであったとしても、嫌な感じはいたしません。そのお陰で、安い料金で、利用することができました。もしかしたら、日本航空や全日空は、羽田と名古屋中部間の航空料金にはさほど意識はなく、こうして航空機のやりくりができること、空の機体を飛ばす必要がなくなることで採算は合っているのかもしれません。昔羽田空港を早朝6時30分に出る関西国際空港行きと言う便があって、1回利用したことがありました。この便も、ボーイング767型機の国際線仕様だったことを思い出しました。 そう言えば、幹線の早朝便は、JALもANAも、小型機が多い印象です。あまり利用客が少ないなら、無理して飛ばさなくてもと思えるものの、このような使い方があるのかもしれません。羽田空港から中部国際空港へ滅多に経験することがないであろう搭乗をして、新しいことに気づきました。これはひとつの企業努力かもしれません。 さて、この経験は、J1への自動昇格を目指す『アビスパ福岡』の2015年リーグ戦最終戦を観戦するため、正午ころまでに、岐阜市長良川競技場に行く必要性から生まれたものでした。今年は、アビスパ福岡に、いろいろ楽しませてもらいました。 試合に勝利しながらこの日J1への昇格がならなかったアビスパ福岡の試合を観戦後は、前日までに、中部国際空港から羽田空港への夜便が取れなかったゆえに、三連休で超混雑の名古屋駅から、ぎゅうぎゅう詰めの新幹線のぞみの自由席で帰京しました。航空機は、上手い利用をすると、得した感じになりますよ。