4月,九州では、花の便りが聞かれます

2010年3月29日
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春の花と言えば、何でしょう。菜の花,桜,チューリップ,つつじ等々、温暖でありながら、火山あり、四方を海で囲まれた九州の花事情は、本州とはまた違った特色があります。

年が明けると、『薩摩富士』と言われる開聞岳近くの野山には、もう菜の花が咲きます。鹿児島中央駅から、山川駅に向かう指宿枕崎線には、『快速なのはな号』が運行されます。特に、『イッシー』で有名な池田湖から眺める開聞岳は、絶景です。何だかとても暖かい気持ちにさせてくれるのではないでしょうか。

やがて北上する『菜の花』は、4月になると、博多湾に浮かぶ能古島,『アイランドパーク』に、約50万本が綺麗に並びます。ついでに申せば、この時期、能古島周辺の『あさり』が、とても美味しくなっているのです。

チューリップと言えば、ハウステンボスです。こちらも、テーマパークですが、知名度は、全国区でしょう。最近、再建計画が発表されました。

(長崎ハウステンボス: 2008年3月下旬 事務所の旅行の写真より)

『つつじ』は、鹿児島市の吉野公園,久留米市の久留米百年公園他、九州各地で、4月も後半には見られますが、佐賀県三養基郡基山町の『大興善寺』のつつじが、忘れられません。

福岡市に住んでいた26年前、友人と一緒に、JR基山駅から真っ直ぐ歩いて登った別名『つつじ寺』のこじんまりとまとまった、鮮やかなピンク,薄紫色の花は、見事でした。

そして、つつじで忘れてはならないのが、『ミヤマキリシマ(深山霧島)』です。九州で、これを知らない人は、おられないのではないでしょうか。

文字とおり、霧島で発見されて名付けられたつつじの一種で、高山に自生する花です。5月から6月、九州全域で見られます。霧島市,九重町等では、市(町)の花に指定されており、霧島山,えびの高原,九重山,さらには、阿蘇山,雲仙岳にも分布するのは、この花が、火山と関係があるからではないかと聞いたことがあります。

ピンク,薄紅色の1メートルくらいの低木ですが、遠くから見るほど、美しさを感じることでしょう。

暖かさを増す九州に、花をご覧に、ぜひお越しください。

○○前線北上中

2010年3月15日
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先週福岡市では、観測史上2番目の速さで、桜の開花宣言が出されました。

鹿児島県阿久根市といえば、何を想像されますか。私は、『うに』です。

うに(ウニ,雲丹)は、北海道,東北等『北』の産物と思われる向きもありますが、九州のうにこそ、最高と思っています。

もちろん、夏季の積丹,利尻,礼文等のバフンウニも美味しいです。

ただ、なぜか東京では、九州産のうにを見ることがありません。もっと知っていただきたいです。

うにの旬は、夏,6月以降が特に美味しいとされますが、それは、海水の温度等、うにの成長と関係があるようです。

まず、3月,4月は、阿久根産が出、ついで、大分県佐伯産も出回ります。

ちなみに、大分空港到着ロビーの荷物預りベルトコンベアーでは、佐伯産のうにを形どった大きな置物が、荷物預りの最初に出てきました(最近は、姫島産の『海老』になったようです)。

さて、最も美味しいと信じる玄界灘に面する佐賀県唐津の『赤うに』を、多く目にするのは、4月に入ってからでしょうか。

そのこじんまりと崩れず、しまったうには、絶品です。九州では、板ごと出されます。

誰でも知る『稚加栄』や、『河太郎』に行かずとも、『磯貝』はもとより、博多湾を望む糸島半島の『福岡一安い』をうたうとある活魚店で、唐津産や、平成の大合併で、唐津市に含まれることになった、活いかと朝市の町『呼子』のものが、1枚1500円位で食べることができます。

福岡市内では、この時期、地物が出始めます。志賀島の金印公園前でも、4月になると、地元のおばちゃんが、獲れたてを売っていました。
だいたい1000円代です。市内のスーパーでも、7月ころには、福岡産ではなく、『志賀島』とシール貼りした板を、よく見ることがあります。

流氷が去った北海道では、海明けの『かに』が美味しいと聞きます。九州では、桜の時期とともに北上を続けて、やがて旬を迎える『うに』が、待ち遠しいです。

九州,特に唐津の『うに』を食べたら、うに感?が変わるはずです。

3月,九州のおまつりは、色鮮やかです

2010年3月8日
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3月3日は桃の節句、このところ、東京では雨が続き、寒さを感じます。

『ひなの国九州』をご存知ですか。

冬でも暖かい九州では、数年前から、3月3日を中心に、九州全土でお祭りを楽しんでもらおうとする観光促進事業の名称です。

もともと北部九州の各地が、それぞれ独自に、ひなまつりのお祝い行事を行なっていたところ、人も気候も暖かい九州に、観光客を取り込もうという動きに進み、九州7県全てが協力し合って、一大イベントとなったと聞いております。

場所・期間・行事の内容はまちまちですが、概ね2月中旬から3月下旬まで、各地域ごとに、おひなさまが飾られ、これに附随した諸々の行事が行われます。

きさらぎ法律事務所では、一昨年、柳川の『さげもんめぐり』に行ってきました。

ひなまつりは、女の子の誕生・成長を祝う行事です。

ですから、ひな人形は、どれもきれいで、その色彩の美しさは、目を見張るものがあります。また、ひな人形ひとつとっても、地域の歴史を感じさせる特徴があります。

たとえば、大分県日田市の『天領日田おひなまつり』は、江戸時代に天領として繁栄した日田市には、当時の街並が残され、旧商家では、ぜいを尽くした ひな人形が見られます。

『薩摩のひなまつり』は、江戸時代徳川将軍家との親戚関係にあった島津家に輿入れする際、婚礼道具として、将軍のお姫様が持参したひな人形などが展示されます。

全11地域におよぶお祭り『ひなの国九州』に、ぜひお越しください。

あら,大目にあぶってかも

2010年2月27日
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これ、何のことだかわかりますか。九州を代表する美味しい魚です。

『アラ』は、『クエ』とも言われるハタの仲間で、体長1メートルにも達する、冬の九州を代表する白身の魚です。

その大きさや、荒々しい形相から、その名が付いたらしいのですが、九州が主な『生産地』と言っていいでしょう。

九州場所が始まるころ、福岡市内の料理店に出始めます。

刺身は白にピンク、甘く、歯ごたえ十分で、『あらちり』は、鍋の王様であると言われるそうです。

『大目(おおめ)』は、文字とおり目が大きいからそう呼ばれる『赤ムツ』のことです。

赤ムツは、新潟より南の地域で獲れ、北陸・山陰地方では、『ノドグロ』と称されています。姿は赤いが、喉が黒いから、『ノドグロ』と言われるようです。

体長40センチくらいのものが多いですが、時に新宿伊勢丹で、5ケタの値段で、その姿を見ることがあります。

岩田屋天神店では、年中見掛けますが、旬は、冬から春と聞きました。

九州の美味を語る人は、同じ冬の代表『ふぐ』より、『あら』,北の代表『キンキ』より、南の『赤ムツ』です。

なお、九州,特に福岡では、『ふぐ』は、幸福を招く『ふく』と呼ばれます。

鐘崎漁港に入る天然物,長崎鷹島から入る養殖物,いずれのとらふぐも、天下一品です。

『アラ』は、幻の魚と言われ、入荷が難しく、しかも10キロ以上には達している一体をさばくとなると、それなりの価額がつくことは避けられません。

数年前、『アラ』の名店が、実は、『アラ』を出していなかった事実が報道され、とても残念な思いがいたしました。

赤ムツは、刺身、焼き、何でもOKですが、ぜひ、煮付けを食べてください。

その『ホロッ』と柔らかい白身を口にしたとき、至福を感じるはずです。

赤ムツは、対馬・五島周辺のものが最高です。

『アラ』は、スズキ目ハタ科、『赤ムツ』は、スズキ目スズキ科に属し、共に、高級魚です。

我が家のお客様へのおもてなしは、この時期、赤ムツの煮付けがメインディッシュです。柳橋連合市場の仲西商店さんから直送されます。

以上が、冬の九州の高級魚のお話です。さて、『あぶってかも』って、何でしょう。

アラや赤ムツをあぶって噛むのではありません。

『あぶってかも』も、九州で獲れる魚です。こちらは、冬が終わらなければ、その姿を見ることができません。

その名の由来も含め、旬の時期に、再びお話しさせてください。

2月,福岡は、もう春がやってきます

2010年2月8日
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春の訪れを感じるのはどんなときでしょうか。

ひな祭り,雪解け,卒業式,桜等々…

九州福岡では、大宰府の梅が有名です。でも、それ以上に、『春が来た』と感じる風物詩があります。それは、シロウオ漁です。

博多湾に注ぐ室見川の河口では、毎年2月中旬ころ、シロウオ漁が始まります。
シロウオ(白魚)は、『ハゼ科』に属し、いわゆるシラウオ(白魚)とは異なります。その小さく透き通った姿は、とてもきれいです。

室見川河畔の『とり市』や、『三四郎』は、しろうお料理で有名ですが、地下鉄室見駅の1つ手前,藤崎駅上にある『磯貝』でも、お通しとしてこの時期、『シロウオのおどり』が出されることがあります。

磯貝は、つぼ鯛のみそ焼きの発祥の店と言われ、今では岩田屋(天神本店,福岡空港売店等)に商品を出され、昨年東京にも、店舗が開店しました。

それでも、未だカウンター席のみで、予約不可の時代から通い続ける藤崎店が『原点』です。
藤崎店では、夏は、同じ室見川から上る天然うなぎを食したことがあります。

さて、このシロウオ漁は、2月から4月上旬ころまで行われます。春が本格化するとき、シロウオは、姿を消すからです。

シロウオと地元のつくしを合わせた卵とじも美味しいです。福岡に春を告げる魚シロウオの案内でした。

「シロウオば食いたか」

「いっちょう博多に来てみんしゃい」

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