『過払金事件』を依頼する場合の注意点―解決編―
(2011/03/11)>> 一覧に戻る
前回に引き続き、『過払金問題』についてお話しします。
前回では、司法委員としての経験についてお話ししましたが、裁判所から選任された破産管財人,個人再生委員として、同様の経験をしたことがあります。
と、いうよりも、『問題意識を持つ機会が増えている』と言っても、過言ではありません。
破産手続開始決定申立てをするにも、破産予納金が必要です。
そこで、まず、過払金を回収して、手続費用を維持してから、申立てをすることはよいのです。
なぜなら、破産という公正な手続を進めるにあたって、必要不可欠な費用(共益的費用)の確保に当たるからです。
しかし、その限度を超えて、債務整理の依頼を受けた代理人弁護士,または司法書士が、過払金を回収に傾注することは、公正さを疑われる事情にもなり得ます。
もし、過払金の回収を、裁判所が選任した破産管財人が遂行するならば、裁判所の監督もあり、回収した過払金は、公平に破産管財人より、債権者に配当されます。
過払金も、破産者の『資産』であり、破産債権者の大切な引当て財産だからです。
ところが、破産前に回収した過払金(たとえば、債務整理の依頼を受けた代理人が回収した過払金等)が、どのように,いくら使われたのか、一部の債権者の支払いに廻ったのかなど、破産裁判所,破産管財人の関与がありませんので、基本的に『不明』というほかはありません。
それでも、過払金を回収後も、支払不能であるゆえに、破産手続開始決定の申立てができれば、上記のとおり、破産管財人が、過払金回収が適正になされていたかどうかについて、可能な限り調査いたしますので、まだ、公正さは保っておりますし、なによりも、依頼者(債務者)にとって、解決に進むことにはなっています。
しかし、過払金を食いつぶして破産もできない、だからといって、もはや過払金返還請求事件を依頼した弁護士・司法書士などとの委任関係は終了してしまって、対応してもらえないのは、悲劇というべきでしょう。
要するに、『過払金』に飛びつかないことが肝要です。
当職の依頼人となられて、結果的に、過払金を充当するなどにより、全ての債務を消滅させ、『おつり』が出た方はおられます。
しかし、そのような場合であっても、お金を借りたことは事実で、今後の生活設計の戒めを述べさせていただいているものです。
過払金がある,あるいは、それが気になる方は、裏を返せば、
① 現在、債務を負担した形になっている
② 請求を受けている
③ 少なくとも、債務を負担した事実がある
ことになります。
かかる場合、自らが負担したことになる『債務』の処理をどうするかの観点から、専門家のもとに赴かれるべきです。
そして、辿り着き、応対したその専門家が、
① 過払金の話しかしないような場合
② 「とにかくやってみましょう」程度の依頼内容を曖昧のまま進める場合
③ 破産,個人再生,任意整理が必要となった場合に、「別途、委任契約を結ぶ必要がある」
(裏返せば、依頼を受けない可能性がある)との口吻であった場合
債務整理事件の依頼は、慎重になさるべきです。
特に、広告等で、『過払金』が最も目立つ『専門家』には、注意すべきです。
決して、広告の案内のみで判断しないことです。
きさらぎ法律事務所は、事務所内での初回相談は、――債務の問題だけではなく、全ての法律問題について――無料で、特に、時間制限は設けておりません。
弁護士以外の者が、応対することもありません。
その理由は、『無料相談の理由』をご覧ください。
『債務』と『過払金』は、裏表の関係にあります。
過払金で後悔しないため、抱えた問題について解決できるよう、ぜひとも、きさらぎ法律事務所弁護士福本悟にご相談ください。