夫(又は妻)がある人と不倫した責任を追及された場合、 やってはいけないことは何でしょうか。
(2013/08/25)>> 一覧に戻る
妻Aがいる男性Bと不倫,法的に言えば、不貞行為をした女性Cが、ある日Aから、慰謝料等の請求を受けた場合、あなたがCの立場なら何をしますか。
最初に、絶対にやってはいけないことを申します。
それは、『その事実』を、Bに言ってはならないということです。
正確に言えば、問題を解決に導く弁護士等法律専門家や、ご家族等信頼のできる方(要するに、最後まで、Cの立場のあなたを支え、守ってくれる人)より先に、件の不倫相手,本件Bに、事実を打ち明けてはならないということです。
なぜCは、Aから請求を受け、そして訴えられたのでしょうか。
それは、Bが悪いからです。
Bが、責任を取っていないからです。
しばしばBの立場の人間は、Aとはうまくいっていないとか、いずれ離婚するとか言ってCに近づき、交際,つまり、不倫が続きます。
Bが言うことが真実なら、離婚していなければおかしい。
これができていない,無責任状態で、Cに甘言を弄したのです。
そんなBが、事が発覚して、Cを本当に最後まで守ると思えますか?
事が発覚したと知らされたBは、当然自己保身をはかります。
「心配ない」「迷惑かけない」「自分が解決する」云々を言うでしょう。
なかには、B自らが、Aから請求された金額を支払うというかもしれません。
しかし、それは、Bは、Bのためにやっているのであって、決して、心底Cのためにやっているのではないのです。
その結果、どうなるか。
ひとつは、またBC間の男女関係,不倫が継続する可能性があります。
ひとつは、Cが、真実を見抜く機会を逸することを意味します。
それと、Bが、Cに代わって慰謝料を負担するなどした結果、たとえCが、当面Aからの請求にさらされなかったとしても、Aが、『真実』を知ったらどうなるでしょうか。
以前申しましたが、Bが、Cをかばうことが、最もAの癇に障ることなのです。
すなわち、本当の問題は、解決していないのです。
Bは、Cを紛争に巻き込んだ張本人です。
妻との婚姻関係をうまく収めることができずして、どうしてCを助けることなどできましょうか。
より直截に言えば、Bが最も嫌うことは、Cが、自らの意思で、自分の問題ととらえ、弁護士等に打ち明け、相談することなのです。
Cから相談を受けた法律専門家は、BとCは、利害が対立する関係にあること,一番悪いのはBであり、本当の敵を見誤まらないよう助言・指導します。
Bは、不倫が続けられなくなるうえに、Bから求償を受ける立場に身を置きます。
もともとBは、妻Aを裏切っていたのです。
そんなBが、Cを裏切ること,つまり、最後まで責任を取れないことは自明です。
責任を取れない人間の言葉は、信じてはなりません。
かつて取扱ったケースでは、Bが、CとAの間を動きまわり、最終的にAについたというものがありました。
すなわち、Bは、「Cに誘われた,Cとは別れたかった,Aとやり直したい」云々を平気で述べたのです。
ただし、Cが弁護士に相談し、事件処理を依頼した弁護士から、Bにアプローチすることはあります。
それは、Cの利益を守るための行動だからです。
たとえば、AとBの婚姻関係は、長期間の別居等で明らかに破綻していて、離婚協議中であるようなケースでは、Bは、もはやAに対する愛情も未練もないかもしれません。
さらに、Bに対する単なる嫌がらせのために、Aが、Cを訴えたとして、心底Bは、Aを憎んでいるかもしれません。
その場合、Bの敵はAでしょう。
巷間、『敵の敵は味方』という言葉があります。
思いもよらず、Aから請求を受けたCは、形式的には、Aは敵になります。その敵に対して、敵対関係にあるのがBだとしたら、あるいはCにとって、Bは、味方になる可能性があります。
しばしば婚姻関係破綻後に、配偶者以外と肉体関係をもっても、配偶者に対する不法行為にはならないといわれます。
しかしながら、こんなことをAと法律上無関係のCから言われれば、Aは、単純に、「Cに言われたくない」と思うでしょう。
そんなとき、Bが、訴訟告知(夫(又は妻)がある人と不倫した責任について) を受けるなどして、Cのため主張すれば、Cは助かります。
ただし、これは、Cが弁護士に相談し、弁護士の判断で対応する場合に限っていえることです。
決してCが、直接Bとやりとりしてはなりません。
要するに、男女問題の解決には、必ず弁護士が必要ということです。