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和解はしない,判決を求めたい方へ

(2013/04/10)

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司法委員は、簡易裁判所の民事事件に関与します。

 

簡易裁判所は、訴訟物の価額が、金1,400,000円以下の民事訴訟を扱います。

 

ですから、クレジット会社や、昔のサラ金等からの支払いを求める案件,反対に、消費者から、これら業者に対する過払金の支払いを求める案件が、大半であることは事実です。

 

これら案件は、事実関係に争いはなく、「どうやって支払いますか」という司法和解になじむことが多いです。

 

ところで、ときに、業者ではなく、代理人(弁護士又は認定司法書士)が就いていないいわゆる本人訴訟で、強く判決を求めるケースが見受けられます。

 

裁判所は、紛争を最終的に解決する場であり、法律と良心に従い、公正に判断をされるのが職責です。当事者が、判決を希望するのは、当然といえば当然です。

 

しかし、手続を執る当事者は、裁判所を利用することで、問題は解決すると考えておられるのです。

 

勝訴判決を得ても、その内容が、請求したとおりであったとしても、『問題は解決しない』ケースがあるのではないでしょうか。

 

判決を得ることイコール問題解決となるケースは、履行,執行を要しない事案です。

 

たとえば、「被告は、原告に対し、平成○○年△月×日、売買を原因とする所有権移転登記手続をせよ」「原告の被告に対する不法行為に基づく金1,000,000円の損害賠償債務が存在しないことを確認する」なる判決主文であれば、これで解決するはずです。

 

前者は、判決正本と確定証明書を、登記所(具体的には司法書士)に提出すれば、そのような登記が完了しますし、後者は、もともと払いたくない,払う必要がない金員について、裁判所が、「そのとおり」とお墨付きを与えたのであり、これで、被告(債権を主張した者)の請求は、認められなくなったからです。

 

つまり、被告すなわち相手方の行為(協力?)を得ることなく、権利を実現でき、紛争が解決するのでなければ、折角の判決が、絵に画いた餅となってしまうのです。

 

典型的な例は、建物明渡しの事案です。

 

すなわち、賃借人だった人が、債務不履行に陥って、契約が解除となり、出ていかなければならないとしても、行くあてがない,引っ越し費用がないときは、どうすればよいのでしょうか。

 

もちろん、判決に従って、強制執行の申立てはできます。しかし、何十万円の費用(弁護士費用ではありません)を要することは、よく聞くところです。

 

また、お金を払えという判決が出ても、今手元にお金がなければ、支払いをしたくても、判決とおりの支払いをすることができません。

 

それでは、どんなケースが、判決を得ても、それだけでは解決しないのか、はたまた、和解手続を執ったとしたら、解決するでしょうか。

 

それは、弁護士としての経験,司法委員や民事調停委員を経験した者としてのお答えにならざるをえません。

 

要は、ケースバイケースです。具体的なご相談内容をお聞きした上で、申し上げます。

 

ですから、法律問題に遭遇した場合,紛争を抱えた場合は、必ず弁護士に相談していただきたいのです。

 

これは、民事調停や現実の司法和解手続が遂行中であっても、同様です。

 

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