夫(又は妻)がある人と不倫して、訴えられた方へ
(2013/06/03)>> 一覧に戻る
不倫とは、法的に言えば、配偶者以外の異性と性的関係を持つこと,配偶者がある人と、そのような関係に至ることを意味します。
夫(又は妻)がある人と不倫して、その人の配偶者から、損害賠償請求を受けた,訴訟を起こされたと聞くことがあります。
夫婦は、婚姻中、互いに貞操を守る義務があります。
不倫とは、この貞操義務に違反すること,つまり、不貞行為といわれます。
貞操保持義務は、不倫のパートナーとなった人ではなく、婚姻中の夫(又は妻)が負うものです。
つまり、不倫相手は、この貞操義務違反に加担したとして、不倫した夫(又は妻)と共同して、夫(又は妻)に、裏切られた(?)一方の配偶者に対して、損害賠償責任があるということです。
一口に不倫と言っても、両名が肉体関係に至った事情,態様等で、負うべき責任の度合,賠償すべき損害額は異なります。
ただし、1つだけはっきりしていることがあります。
それは、不倫・不貞は、ひとりではできないということです。
すなわち、貞操義務に違反した夫(又は妻)と、これと肉体関係を持つことによって加担したパートナーとは、『損害を受けたと主張する妻(又は夫)に対し、共同不法行為責任を負う地位にある』のです。
共同不法行為を原因として、損害を受けた被害者は、共同不法行為者それぞれに対し、損害額全額を請求することができます。
そして、損害賠償債務は、いわゆる不真正連帯債務といって、共同不法行為者のひとりが、損害を賠償した場合には、その限度で、他の共同不法行為者の賠償義務を、消滅させる効果があるのです。
たとえば、妻Aのいる夫Bが、C女と不貞をし、Aが、BCに対し、金3,000,000円の請求をしたところ、Bが全額支払ったとしたら、Cは、Aに対する損害賠償責任を免れるということです。
そして、共同不法行為者間の内部関係が、問題となります。
これについては、機会を改めてご説明します。
不倫・不貞は、ひとりではできない,つまり、夫(又は妻)は、自分を裏切った,貞操義務に違反した妻(又は夫)に対しては、損害賠償請求をせず、不倫のパートナーに対してのみ、その請求をすることは、何を意味するのか,それをして、どのような効果があるのか、また、現にひとり請求を受け、訴えられた場合、どうすればよいのか、冷静,真摯に考えなければなりません。
しばらく、このテーマにお付き合いください。