男女問題を担当する弁護士から見た相談者の心理について
(2013/05/03)>> 一覧に戻る
法律問題であれ何であれ、悩み,トラブルを他人に相談することは、とても勇気のいることです。
特に、抱えた悩みが男女問題,まして、性的関係が伴なう相談をされるには、いくつもの階段を上って、法律事務所,弁護士にたどりつかれるのだと思います。
私は、事務所を訪問される相談者に対し、あなたのその勇気があれば、そして、今日受けた相談内容を理解することができるならば、解決できない問題はないと申し上げます。
ところで、相談内容を理解するとは、どういうことなのでしょうか。
きさらぎ法律事務所は、事務所内での初回相談は無料であって、相談時間の制限を設けていないことから導かれます。
すなわち、きさらぎ法律事務所では、ご相談者がお尋ねになる質問に対し、「イエス」「ノー」のみをお答えするのではなく、ご相談者の本当の悩み,解決すべき事柄は何なのか、そして、相談者を含む関係者に、問題の積み残しをしない収め処を押さえた着地をするにはどうすべきかを一緒に考え、ご相談者が目指すべき終着点を、お示しすることを心がけているからです。
このような立場から申しますと、多くのご相談者は、当初、ご自分の期待する答えを得たくて、いろいろな相談機関に行かれるのだと感じます。
これは、人間の習性上、当然といえば当然です。
しかし、ご自身が期待する答えを得られたからといって、本当に問題は解決したことになるのでしょうか。
最近は、ネット社会といわれ、パソコンで検索用語を入れると、その説明をした法律事務所や概説書に行き当ることができます。
たとえば、『婚姻関係破綻後の不倫・不貞は許されるのか』と入れた場合、最高裁の基本となる判例を引用して、「許される」「違法ではない」「損害賠償義務はない」等々を説明するサイトが、いくつも出てくるでしょう。
これを読んだ方が、別に問題はないと軽信したらどうなるか。
ご相談者にとって、ご自分が希望する結論,すなわち、終結が得られないことがあります。
特に、数ある同種事例の中で、1つか2つ、ご自分の現在の状況と合っていると思われて、その説明をそのまま相手となる方にぶつけたら、あるいは、ご自身で、調停等の手続を執っていた場合どうなるか、『解決』とならないことが多いのです。
次回以降、具体例をお示しします。