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相手方に弁護士が就いたら…

(2013/05/06)

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男女問題に限らず、紛争,トラブルとなっている相手方が、「裁判にする」とか、「弁護士を雇う」などと言い放つことがあります。

 

 これが本当ならば、やがて紛争は落ち着きます。

  なぜなら、離婚等の男女の問題は、法律問題であり、法律専門家のサポートなくして、解決することは困難だからです。このことは、これまで随所で述べてまいりました。

  ただし、上記のように、裁判,弁護士云々と声高に言う人が、自ら積極的に、そのような手続・段取りを執ることは、ほとんどありません。

  それは、相手方に対し、さまざまな要求・主張をされるあなたを牽制するため、いわば、こけおどしに、『裁判』『弁護士』を使っているにすぎないからです。

  男女問題で、本当に、相手方に弁護士(民事の場合、『代理人』といいます)が就いた場合、どのように理解し、どうすればよいのでしょうか。

 

 まず、相手方は、この問題を解決したいと考えていると受取ることができます。

 

 相手方としても、自分ひとりでは、解決できないと判断し、勇気を持って、お金をかけてまで、弁護士に相談し、依頼したのです。

 

 次に、相手方は、逃げない,逃げられないという効果が認められます。

 

 これまで、この問題に関し、あなたを避けていた,逃げていた相手方が、弁護士のところに行ったということは、単に弁護士を盾にしただけではなく、弁護士を介して、あなたと向い合うことを意味します。

  そして、最大のプラスは、これで直接相手方と話をし、また、顔を合わさなくて済むということでしょう。

 男女問題は、当事者間の感情的対立が激しく、これを収めて着地するには、相当な精神力を要することが多いと思います。

 特に、相手方の声を聞き、顔を合わすだけでストレスになる,それどころか、相手方を思い出すだけで、どうにかなってしまう方も、少なくないのではないでしょうか。

 相手方に代理人が就いたらどうするか。

  あなたも、直ちに弁護士に依頼してください。もっとも、相手方に代理人が就く,就かないに関わりなく、男女問題に見舞われたら、弁護士に依頼されるべきですが。

  たとえば、相手方から、慰謝料請求の民事訴訟を提起されたようなケースでは、当然相手方には代理人が就いており、裁判手続ゆえに、自らも弁護士を立てるしかないと考え、相談に来られる方も、少なからずおられます。

  しかし、裁判等に至る前の段階、いわば話し合い,交渉の過程で、相手方に代理人が就くケースは、結構増えていると感じます。

 

 このような段階こそ、あなたも弁護士に処理を依頼してください。

 

 それこそ、裁判等に至らず、代理人間で終結することもあるのです。

  そして、私が担当する男女問題では、最近は、ほとんど相手方にも、代理人が就いております。

  これは、当事者間のトラブルを収めるためには、相手方にも代理人が就く必要があり、私たちは、相手方もまた、弁護士に事件処理を依頼するよう、働きかけるからでもあります。

 私の感覚では、相手方に代理人が就いて紛糾した,反って解決が遅れたというケースは、あまりございません。結局、相手方が、弁護士に依頼したということは、今困っている,苦しんでいるあなたが、これを脱する第一歩となることを意味します。

 男女問題は法律問題、当事者いずれもが、弁護士のサポートを受ける必要性が高いといえるのです。