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離婚したけど、問題は解決していない?

(2013/04/11)

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離婚が成立してひと安心,新たなスタートが切れると思いきや、悩ましい事態に見舞われるケースがあると思います。

 協議離婚,調停離婚,裁判離婚、いずれの形態でも、ありうると思います。

 協議離婚は、当事者が離婚を合意して、役所に届出することで、効力が生じます。

 この場合、よく話し合って、離婚が合意されたのであり、その前提として、当事者間の葛藤の程度が、苛烈ではなかったと考えられます。

 従って、協議離婚が成立後に問題が生じる,あるいは、積み残しに気づくことは、比較的少ないと思われます。

 たとえば、健康保険証の切替,住居の退去に伴なう私物の搬出等の事実上の作業のみならず、子の養育費や面接交流等、法的権利義務に関しても、予め話し合いがなされることが期待されるからです。

 『協議離婚』であるにも関わらず、問題が生じるのはどのような場合でしょうか。

 それは、上記設問の反対が回答でしょう。すなわち、当事者間で、よく話し合いがなされず、離婚届だけが届出されたケースが典型です。

 予めパートナーに離婚届を書いてもらって、自分が保管していた,いつでも出してよいといわれた

 と、お聞きするケースがあります。

 離婚届を預った側は、パートナーが、今度違反(?)をしたら、離婚されても仕方ないと認めて、サインしたものだといわれます。

 しかし、「今度違反したら云々」の条件付合意は、離婚の合意そのものではありません。

 このようなケースで、しばしば起こるのは、現に予めサインした離婚届がいつ提出されたか、パートナーは知らなかった,自分は、離婚を認めていないという主張です。

 このパートナーの主張は、そのとおりなのでしょう。

 すなわち、かつて離婚届にサインしたことは事実だが、現実にこれが提出されたことは知らず、従って、そのときは、離婚に合意したおぼえはないということです。

 この場合、離婚無効が争われることになります。

離婚とは、これを届出するときに、その意思が、相互に明確であることが必要です。

 上の例は極論としても、たとえば、夫のDVから早く逃れたい,養育費はいらないから、早く籍を抜けたい,あるいは、他に好きな異性が出現したから、後は野となれ山となれ…の思いで、離婚届にサインだけして(してもらって)提出することはあるでしょう。

 このような場合であっても、先に例とした健康保険や、いわゆる年金分割,子の学校,児童手当の変更手続等役所関係の手続で、元配偶者の協力を得る必要が生じうるのです。

 酷い場合は、元パートナーが、ストーカーに変身することさえあるのではないでしょうか。

 これらは、離婚を急ぎすぎた,とにかく離婚さえすれば…という、厳しい言い方をすれば、後先を考えず、当時の心境としては、もう自分のキャパを超える現実に直面し、考えて行動するゆとりはなかったということから生じるものです。

 そんなときどうするか、パニックなったら、ご自身で対応できない状態に見舞われたら、…

 離婚等の男女の問題は法律問題、法律専門家のサポートにより、着地しうるものです。そのときこそ、弁護士に依頼するのです。

 このことは、これまで本ホームページで随所に申しましたので、ここでは取り上げません。

 しかし、こうして離婚後に、現にトラブルに見舞われた,また、問題の積み残しに気づいた場合、どうすればよいのか、それは、

 家庭裁判所に対し、『離婚後の紛争調整』の調停を申立てすることです。もちろん、弁護士に依頼して。

 この手続,内容等は、次回以降にご説明します。