業務 離婚・男女問題

何もしないと変わらないのが離婚事件です

(2021/12/27)

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ホームページをご覧になって、私のところに相談に来られる方のほとんどは、既に他の弁護士による相談を経ています。

ですから、一応の法律的知識を得ておられます。なぜ、複数の弁護士に相談するのでしょう。

 

一番多いのは、相談者ご自身が受けた法律相談に納得していないことです。

 はっきり申せば、ご自身の期待する答えが得られなかった。つまり、期待する答えを受けられる弁護士を探しているということです。

 

この点に関しては、今回は論じません。経験上、期待する答えを得ることは難しいし、そもそもご相談者のその時点の立場・状況で、そのような答えを期待することが間違いであり、悩み・紛争を解決できない原因となっていることが多いからです。

 

次に経験するケースは、相談を受けたところはわかったが、自分でそれをしようと思っても、できなかったという例です。この場合は、ご相談者は、その(かつて相談した)弁護士のアドバイスを理解し、それを実践しようとしたことを意味します。

 

ここで「失敗」なのは、ご自身で行うとしたことです。つまり、弁護士に依頼しなかった(あるいは、その弁護士が依頼を受けなかった)ことが問題でした。

 

私ならそれはありません。いつも申しますとおり、離婚・男女問題は、弁護士に依頼しない限り――少なくとも弁護士事務所に来て、相談を受ける状況に至っているような事案は、――解決することはあり得ないからです。必ず事件受任が必要になるからです。

 

弁護士から「助言」を得て、それを実行しようとしても、「あなた」と対立する反対の考えを持っている人が、「はい、わかりました。」と応じるわけがありません。

 

結局解決できなかったので、次の弁護士としてご相談に来られるのだと思います。しかし、このとき既に、より事態は悪化していることが少なくないです。

 

直接話し合いをしたくない、しても解決できない人を相手にされたわけですから、それは辛かったと思います。

 

さて、本日のお話はここからです。意外とよくあるなと思うケースは、法律相談を受けて一応知識を得たけれども、「何もしなかった」というケース。

 それで何も変わらないか、返って酷い状態になったので、どうしたらよいかの相談です。このようなケースは、以前相談に伺った弁護士には、相談しにくい事情があると思います。

 

私もよく思うのです。ご相談者がお帰りになってしばらくしても、「そのまま」になっていると、「どうして依頼しないのか」と。もちろんこの場合は、他の弁護士に依頼したのであれば、それはそれで結構です。

 

当り前のことですが、何もしないと何も変わりません。相手方は、あなたが動かなければ、自らあなたの希望するような結果を、作ってくれることはありません。往々にして、離婚事件がこう着すると評価されるのは、決めたのに動かないからです。それには、様々な理由・要因があると思います。それを除去するのも、私たち弁護士の役割です。

 

ときどきあるのは、相談にお越しになって、「そのまま」になっていたところ、しばらくして、ときには数年して、またご相談されるケースです。この場合でも改めてお話を伺い、この時点で私から申し上げた到達点、落としどころを目指す覚悟を持たれた方からは、ご依頼を受けます。

 ただし、「あのとき」申し上げたとおりに対応されなかったこと、端的に言えば、「あのとき」すぐに私に事件依頼されたなら、少なくとも今このような状態には、至っていないと感じることがほとんどです。

 この場合は何もしないのではなく、余計なことをして、返って事態を悪化させてしまったことを意味します。

 

離婚・男女問題でご相談に見えられた方は、相談後よく考えて、是非とも弁護士に対し事件依頼すべきと申し上げておきます。