業務 離婚・男女問題

何年別居したら離婚できますか?

(2021/12/27)

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配偶者とはいずれ離婚をしたいので別居した方、別居を考えている方から、何年くらい別居したら離婚できますか?と尋ねられることがあります。

 以前にも同じようなことを書きました。

 

だいたいネット情報などで、それなりの情報を得ての質問です。これについては、まず「決まりはありません。」とお答えします。法律に規定されていないので、当たり前といえば当たり前です。

 ただし、こういう質問をされる方は、ネット等から仕入れた裁判例などを持ち出します。

 

だいたい「5年はダメですよね。」とか、「7~8年ですか。」とか具体的な数字を言われます。そしてほとんどの方が、既に他の弁護士の見解も受けています。

 

ご質問に対する単純な回答等としては、いわゆる有責配偶者とされるか、そうでないかで実際の裁判等では違いますとお答えします。

 次に、私の方から、「なぜ別居するのか、したいのですか」とお尋ねします。するとだいたい「離婚したいから」と返ります。

 

私は、「ならば離婚しましょう。離婚するにはどのようにすればよいか考えましょう。」とご案内します。つまり離婚したい人と、離婚を拒絶する人がいる。

 この場合、離婚したい人が――最終的には裁判で――離婚が認められる要素として「別居」をどの程度重要視されるかです、とご説明するのです。

 

有責配偶者とされる側は別として、婚姻関係が破綻して、修復が困難なケース、法文上「婚姻を継続し難い重大な事由がある場合は、あくまで別居期間は、離婚が認容される要素の1つに過ぎません。全く論じられない――判決文に出てこない――ケースもあります。

 

あくまで別居期間も、例えば――暴力・暴言などの――他の事情の1つとして、どの程度勘案されるのかです。

 100%DVが原因で家を出て、「別居」となった場合、裁判所は、「別居期間」を問題にして離婚の可否を判断すると思いますか。

 

別居するということは、別居をせざるを得ない事情が――その人なりに、それまでの同居生活中に生じていたということです。程度の差こそあれ、既に婚姻関係の正常化が損なわれ、破綻に進んでいたということです。

 

この点家庭裁判所の調停委員にも誤解があります。実は、裁判官は調停委員を立てるので、当事者に対して、調停委員の間違いや不適切を言いません。

 

ここにも調停は、必ず弁護士に委任して行わなければならない現実があります。

 

「未だ別居して〇年だから(調停不成立となって、裁判になっても)離婚は認められません。」なんて平気で言う調停委員も、また弁護士もいます。これは完全な誤りです。

 「絶対離婚したい」と考えれば、今あなたが別居しているか、していないかに関わりなく、まずは弁護士に相談することです。

 離婚するためにどうするか、道を示せる弁護士のサポートが、何よりも離婚を実現できる最大の要素ですから。