オートパイロット化された航空機でも、離陸のときは、プロの人力に頼るのです。

2016年10月13日
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航空機に搭乗する機会が少なくない私ですが、先日初めて離陸に向けて滑走路を走行中の搭乗機が、離陸を中止する事態に遭遇しました。ゴーアラウンド、すなわち、着陸復航の経験は何回かあり、それもーー見たわけではありませんが、ーー車輪が地上に接地する前に、機体が上昇したので、機内で衝撃を受けることはなかったです。

 

また、全員搭乗して、航空機がボーディングブリッジを離れた後に、何らかの不備が見つかって、誘導路に停止して、機体が整備された経験は何回かあります。 しかし、滑走路を走行中に、離陸が中止になった経験はなかったです。

 

かねてより滑走中の離陸の中止には、大きな衝撃がかかること、場合によっては前のめりになって、額をぶつけることもあり得ると聞いておりました。それ故乗客の安全のために、コックピットはギリギリの判断をされるのだと思っておりました。平たく言えば、不意に急ブレーキがかかるわけで、体が自然に反応するのは避けられない状態です。ですから、経験者は、怖かったと言われます。

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これもよく言われることですが、離陸中止を決断するのは、ひとつの基準があります。『オートパイロット』、自動操縦が当たり前の現代の航空機でも、離陸は手動で行われます。つまり、人間の判断と腕によるのです。後に申しますが、私はこれこそ重要で、安心だと思っています。今回の離陸中止も、機械に頼らぬ機長の判断でした。さすがプロと唸らされます。 管制から離陸の許可が出ると、操縦室は、動力源を定められた離陸推力まで上げ、浮上できる速度まで加速します。ただし、エンジンの動作に問題がないか確認するために、ギアのブレーキをかけた状態で滑走しますので、万一推力を上げたのに異常を感じたら、停止することは可能です。

 

一般的には、異常なんてないはずですから、ギアのブレーキを解除して、オートシステムのスイッチを入れ、これが作動するとスラストレバーが動いて、エンジン出力が離陸に適した推力まで自動的に上昇、機長が操縦桿を握り、副操縦士とともにスラストレバーの上下を支えるのだそうです。 もっとも私は、その操作を実際見たわけではありません。これは、十年くらい前に、依頼者となったある航空会社の操縦士の方から、興味本位にお聞きしたものです。

 

ちなみに、操縦士の資格は、航空機の種類によってあるそうで、その方は、ボーイング747型の機長でしたが、この機種は、やがて無くなるので、そのときは、ボーイング777型機の操縦士の資格を取得中でありました。

 

しかし、それでも滑走中に、離陸中止となるケースはあると言うことです。今回の私のケースは、滑走中と言っても、すぐに「あぁ、止まったな」とわかるもので、ほとんど衝撃はありませんでした。ですから、さほど航空機が離陸に向け、速度を上げて、進んでいなかった段階で、中止措置がとられたのだとわかります。

 

速度から、残りの滑走路を使って離陸中止が許される限界があります。その位置を、速度と残りの滑走路の長さから『V1』と呼ぶらしいです。V1を超えての停止操作は危険であり、V1を超えたらいかなる場合でも、離陸操作を継続しなければならないとされています。 かつて福岡空港で、ガルーダインドネシア航空の航空機が、滑走中に離陸を中止し、滑走路を飛び出して防御フェンスも破壊し、空港敷地外の道路を超えて停止した航空機事故がありました。この事故は、死傷者が出る惨事となったのですが、V1を超えたのに離陸を中止しようとしたたことが、大きな原因だとされました。よく離陸後何らかのトラブル、例えば片方のエンジンが停止したとかで、出発空港に緊急着陸した航空機の例が報じられます。

 

そのうち離陸の操作中に異常を感じたが、既にV1を通過したので浮上したケースはあると思います。 私は、オートパイロット化された現代でも、離陸時だけはパイロットの手動を要する点で、離陸は安心しています。裏返して言うと、あまりにも機械に頼るのは危険だと思っていると言うことです。安全性には影響はなかったかもしれませんが、今年は、航空会社の発券トラブルが相次ぎ、機械のメンテナンスやバックアップの不備で、全国の空港で、搭乗手続ができなくなつたことや、ベルトコンベアの不都合で、貨物室へ乗客の預けた荷物を搭載できないまま出発したこと等、コンピュータ、機械のトラブルが少なくない感じかします。

 

機械を作るのも人間、結局は公共交通機関に携わる人々の使命感、プロ意識によって、安心安全が確保されているのだと思います。 私が搭乗した10月8日ANA631便A320型機は、離陸を中止して整備をしなおしましたが、結局運航不能となりました。

 

早朝の羽田空港だったこともあり、2時間少々遅れて、代わりのA320型機が用意され、目的地に飛び立つことができました。離陸を中止して、整備に入りますとの機長のアナウンスでは、浮力に関わるエンジンの不備があるとのことでした。そのまま離陸を強行しなくて良かったです。命あっての物種、私が見回した限りでは、搭乗客誰一人、遅れたことに文句を言うことはありません。まさにプロとはこうあるべきと身をもって経験した三連休初日の出来事でありました。

『お客様は神様です』と持ち上げる必要はないけど、お客様を差別し、バカにしてはなりませんね。

2016年10月12日
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少し前の話ですが、大阪市内の寿司店が、特定の国のお客様に、大量のわさびをつけて握り寿司を出していたことが、ネット上で批判を受け、このグループ会社が、弁明に追われたことがありました。


会社による聞き取り調査などによると、確かに特定の店舗のある従業員が握った寿司には、かなり多くのわさびがつけられていたことが、確認されたようです。

ただし、これは差別や嫌がらせではなく、わさびを大量に求める外国人の方があったことが契機に、そのようにしたとのことで、いわばサービスのつもりだったと聞こえました。

もっとも、ネット上のコメントでは、実際笑いながら、あるいは特定の国籍の人を嘲笑うかの言辞を吐いていたとも伝えられていて、少なくとも写メされた画像を見る限り、『わさびテロ』と称されたことがわからないでもないくらい、とても美味しく寿司を食べられるものとは思われないのです。

ところで、これはネット上に出ていたのですが、わさびテロを行なった店舗従業員に対する同情あるいは共感する意見が寄せられていました。

その理由は、特定の国に対する嫌悪感からなされた一見して分かる内容で、理由にもなりえないものです。文句があるなら来るな!件の国でも排日教育をしているとか、ここで論じる意義はありませんのでコメントはいたしません。

私は、差別云々以前に、この職人さんは、寿司職人としてのプライドや、お客様へのおもてなしの気持ちはないのかと思いました。寿司職人には頑固な人、こだわりを持つ人が少なからずいて、自分の信念、寿司へのこだわりこそ最高の寿司を出せる前提だとして、客の好みや希望を聴かないのだと聞いたことがあります。おもてなしの形はさまざまで、ニヤケながら寿司を握るのもひとつのあり方かもしれません。

しかし、お客様は、わさびを食べたくて来店したのではないと思うのですが。

この記事が誌上に現れてしばらくしたころ、ひとつの話題が先の『わさびテロ』の被害に遭った国民から、提供されました。今度は、大阪市内のバス会社が、その国籍の乗客に、差別的とも取れる対応をしていたと言うのです。『被害者』は、大阪市内の営業所で乗車券を購入するとき、英語で自分の名を名乗ったそうです。


その際、日本語で言えば苗字の部分のみを伝えたところ、乗車券に表示された名前が、カタカナで表記されたいわゆるファーストネームに続けて、かつて日本人が、その国民を蔑視する意図で使用した『◯ョ◯』を印字したと言うのです。実際写メされたその乗車券には、そのように書かれていていたことが確認されています。このバス会社もその事実は認めました。ただし、差別的意図はなかったとしています。

このバス会社によると、実際発券に携わったのは、20代の女性で、そんな『差別用語』はそもそも知らないと言いたいようです。確かに差別する意思はなかったのかもしれません。英語での発音が、そんなふうに聞こえたからだと言っています。しかし、このバス会社の乗車券には、氏名を全て表記されることはないことが確認されています。

例えば、『スズキ』の類です。それに『◯ョ◯』と聞こえたってのは本当なのかはともかく、あえて書く必要はないですね。私は、日本語が得意ではないと見たお客様に、面白おかしくふざけてやったのだと感じます。実際、帰国して日本語がわかる人から指摘を受けて怒りが湧いたと報じられていました。

さらにこんな例も報道されていました。やはり大阪市内の鉄道会社のケースです。10月の三連休で混雑する関西国際空港へ向かう車内で、担当車掌が、「本日は、多数の外国人のお客様が乗車されており、大変混雑しておりますので、日本人のお客様には、ご不便をおかけしています」とのアナウンスをしたことで、社内で口頭注意をされたことが明らかにされました。なんでも始発駅で、日本人の乗客が、外国人が多くて邪魔と叫んでいるところに遭遇したので、トラブルを防止するために、アナウンスしたとのことでした。


差別する意図はなかったが、あたかもお客様を区別するかのアナウンスをしたのは不適切だと言う会社の判断が述べられていました。これまでも、外国人の乗客の大きなバッグ等で、苦情が出ていたけれども、この車掌さんがアナウンスしたのは初めてと付け加えられております。

この最後の例、私も、差別的意図はなかったのだろうと思います。ただ、やはり『区別』と捉えられる発言はチョットまずいかなと感じます。混雑する車内で、バッグ等が邪魔なのはよくあることですが、それで迷惑?するのは、その場に居合わせた乗客であって、必ずしも日本人だけが迷惑を受けたのではないですから。でも、この事実を電鉄会社に通報したのは、アナウンスを聞いた日本人の女性だそうです。いつもこんなふうにマニュアル化されているのかと尋ねたと伝えられています。この通報者には、差別的と映ったのでしょう。


これまでの例が、『被害者』側からあらわにされていたのと異なり、興味を持ちました。会社が不適切と判断したのですから、『通報』は正しかったとなりましょう。でも、不適切かもしれないが、悪意を感じないのはなぜでしょう。

大阪の鉄道会社で思い出したのは、これも少し前に、先行列車の人身事故により、途中駅に停車中の電車の車掌が、乗客からのクレームに耐えかねて、自殺すると喚いて制服制帽を脱ぎ捨てて線路内に侵入、高架線から飛び降りて(落下して)、大怪我を負った事件?です。これには、この車掌さんへの同情が多く聞かれました。会社が、彼を懲戒処分しないようにとの署名も行われています。ここで問われたのは、人身事故による遅延と言うこの車掌さんにはどうにもできないことに関して非難し詰め寄り、罵倒することの適否でした。

公共交通機関でのマナーは必要ですし、我慢も必要でしょう。外国からのお客様には、日本でのマナーを理解していただくのは難しい面があると思います。

しかし、日本人は、マナーをわかっているはずです。


また、接客業に携わる方は、今は、外国からのお客様相手無くして、商売は成り立たない現実があると思います。そんな中で、差別、不適切、マナー違反、あるいはクレーマー等等、サービスを提供される側も、意識を高める必要があると思っています。ここが徹底されていない接客業は接客業の資質はなく、また、公共の場での自己中クレーマーもまた、サービスを提供される資格なしと考えます。


接客業ってなんだろう、利用する側もされる側も、真面目に考えるべきだと思うこのごろの大阪での『事件』でした。

『雷鳥』の英訳は、『サンダーバード』ではありません。

2016年10月11日
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今年は、10月になっても雨が多い東京です。



一般的には関東は、10月、11月は晴れた日が多い印象で、『特異日』と言われる11月3日は、まず雨は降りません。この時期北海道では雪虫が飛来して、市街地でも初雪が観測されます。そして雪に変わることころは、霙混じりの雨が降ります。日本海側の北陸地方でも、この時期雨が降ります。特に雷を伴って激しく降ることがありますね。地元では、これを『鰤起こし』と呼ばわれると聞いたことがあります。

雷は嫌ですね。

数年前の11月、小松空港を離陸して上昇中、突然大きな音がして、搭乗機が急降下したことがありました。しばらくしてキャビンアテンダントさんから、落雷を受けたと説明がありました。例によって、航空機の安全には全く支障がないことを、機長より確認いたしましたので、飛行を続けますとの付加されました。


もっとも、機内に聞こえた女性の叫び声の方が大きかったですが。


今日は、数年ぶりに小松空港を利用しました。小松空港は、正式には『小松飛行場』と言われ、航空自衛隊小松基地と民間航空が滑走路を共有する防衛省が管理する飛行場で、管制は、自衛隊が担当しています。



石川県小松市にあるので、小松空港と呼ばれていますが、航空会社時刻表等では、『小松(金沢・福井)と記載されることがあります。小松飛行場は、太平洋戦争下に、旧海軍が攻撃隊を要する滑走路を開設するために建設し、終戦後の昭和20年11月、大蔵省を経て米軍に接収されました。



その後サンフランシスコ講和条約の発効により、小松飛行場が開港されたのです。北陸への玄関口として重宝されていたこの空港も、北陸新幹線の開通により利用客が減り、東京便は減便になっているようです。


でも、羽田から小松まではかなり低空で飛行するので、好天の日は富士山や北アルプス、そして日本海等が眼下に見えて、航空ファンには人気の空路だと聞きます。


今回は、鰤起こし、すなわち、雷には、当たりませんでした。ただ、数日前の台風18号が近くを通過したときはかなりの風雨が降って、一部の便が欠航になったようです。北陸地方と雷と言うと、航空機だけではありません。


富山、長野、岐阜の山岳地帯を住処とする天然記念物に指定されているのが、ニホンライチョウです。漢字で書くと『雷鳥』です。かみなりの鳥!と聞こえます。雷は、サンダー、鳥は、バードです。『雷鳥』を、サンダーバードと同じと考えて当然かと思います。

昔JRの特急に、『雷鳥』がありました。大阪から富山まで、湖西線を通って運行されていました。それが京都を出ると、福井、金沢、高岡、富山のみ停車する『スーパー雷鳥』が登場しました。単に早いと言う意味だと思いますが、その後『雷鳥』は無くなり、JR西日本の『サンダーバード』になっています。北陸新幹線の開通により、現在は、大阪と金沢の間で運行されているのです。


ニホンライチョウは、富山県に生息しているので、確かに『雷鳥』は、似合わなくなったのかもしれません。

ところで、『サンダーバード』は、『雷鳥』の格上げ、要するに雷と鳥の英語版かと思われる向きも多いかと。実は違うのです。昔何かの本で知ったのですが、『サンダーバード』の名付け親は、当時のJR西日本の社長ですが、『サンダーバード』とは、アメリカ先住民族に伝えらる神話が、ルーツなのだそうです。


雷光と雨を起こす巨大なワシに似た鳥が居て、これが颯爽と走るように飛び立つ様子から『サンダーバード』は生まれました。先にも申しましたが、『雷鳥』の雷はサンダー、鳥はバードなので、しばしば特急『雷鳥』の語呂合わせと思われると聞いています。昔鉄道ファンを自称する私ですが、最初は、『スーパー雷鳥』イコール『サンダーバード』だと思っていたのです。ちなみに、雷鳥の英訳は、Grouseだそうです。

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今日は、金沢駅で、『サンダーバード』を見ました。


今、日本海を横目に小松空港に向かうところですが、とても天気が良いです。今日は飛行中、雷には当たらないはずです。



神話の世界のサンダーバード、やはり雷と関係すると知っても、なんかロマンチックな感じがします。でも、なんでニホンライチョウは、雷の鳥と書くのでしょう。以前立山で見ましたが、おとなしい鳥でした。この時期小松空港を利用すると、なぜか雷と結びつけてしまうのでした。

 

『きもちのいいくらいの変節』って、大臣になれば誰にでも起きるのでしょうか。

2016年10月7日
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臨時国会は、衆議院そして参議院の予算委員会に質疑の場を移しました。

内閣総理大臣の指名や予算の先議、また、いわゆる3分の2の再議決等、憲法上衆議院の優越が定められています。


例外は、憲法改正の発議で、両議院の総数の3分の2とされていて、いかに日本国憲法が世界に稀に見る硬性憲法だと知りうるのです。ゆえにこれの改正発議が可能になる議員の総数が、そこまで達したと言うことは、まさしく一強多弱、悪く言えば、『一党独裁』となるわけです。

今日は、憲法改正についてお話するのではありません。数の横暴に屈することなく国民の声を届ける『良識の府』の機能が、参議院には期待されています。


ただ、もう3分の2になり、先の安保法制の審議を見ても『?』ですが、ここにきて、少し注目を浴びつつあるようです。それは、野党第一党民進党の代表となった蓮舫氏は、参議院議員だからです。

内閣総理大臣は、憲法上は、参議院議員でもなり得ますが、衆参で異なる議決がなされた場合には、衆議院の議決が優先されます。


この例は、かつて参議院が、当時の社会党委員長の土井たか子氏を首班指名したケースがありました。そんなことからか、『政権奪還』を目指すと言う蓮舫氏、衆議院への転身が囁かれてもいますね。

また話が脱線しました。今日は、日頃あまり注目されなかった(失礼!)参議院が、蓮舫氏の登場により、報道機関に取り上げられるようになりましたので、ここで知られたところについてひとりごとを始めます。


対象となるのは、稲田朋美防衛大臣とのやりとりです。稲田朋美氏、言わずと知れた自民党の中でも極めつけのタカ派であり、安倍自民党総裁にたいそう気に入られていることは、衆目の一致するところです。


女性議員の中では、最も首相の座に近い人とも持て囃されています。

蓮舫議員、安倍内閣の一員となった稲田大臣に対し、過去の発言を確認させ、これを安倍内閣の閣僚として維持するのかの点で、多方面から質問を発しました。閣内不統一を露わにして、安倍内閣総理大臣の任命責任を問う狙いがあるわけです。


私も不思議でした。

この人稲田朋美氏の本音、理屈からすると、これまで日本政府、歴代の内閣がとっていた諸々の政策や理念は、真っ向から否定されるので、きっと野党から追及されるだろうなと思えたからです。



まあ、お得意なヤジで誤魔化し、『ヒラメさん』に大挙協力してもらう算段でしょうかね。

稲田朋美氏が、『自民党は、国防軍を創設することにしました!』とあちらこちで発言していることはかなり知られています。


これはまだ発足したものではありません。自民党の立場でも、憲法改正が必要になるからです。なんとなれば、日本には軍隊は存在しないことになっているからです。自衛権を行使するための最低限度の実力部隊が、通常防災活動等に従事する自衛隊だからです。


ですから、自衛隊に要する費用は、防衛費と言います。以前ある政党の若い幹部が、『人殺し予算』と発言して更迭されたのは、日本国憲法上、殺し殺されることが避けられない『軍隊』は、存在しないからです。


ところが稲田朋美氏、防衛費と言わず、『軍事費』と言っています。もっとも安倍晋三内閣総理大臣ご自身、自衛隊を『我が軍』と言いましたが。でも、防衛大臣となったら、防衛費になるんですかね。

稲田朋美氏、ハッキリと日本には核武装の必要性を言っていましたね。単なる精神論や議論ではなく、日本の国家戦略として検討すべきだと。


そんなお考えの稲田朋美氏、蓮舫氏から指摘された過去のご自身の発言を掲載された雑誌の該当部分を読み上げました。


『子ども手当部分をそっくり防衛費に回せば、軍事費の国際水準に近づきます。自分の国を自分で守ることを選ぶのか、子ども手当を選ぶのか、国民にわかりやすい議論をすべきでしょうね』と。子ども手当は、財源がないからと、その理由付けもしていました。

財源の話は良いでしょう。財源がないのに、やれ公共事業だ、やれ法人税減税だ、そして何故か参議院議員選挙前に、低所得者とされる高齢者に、30.000円を渡してもいますから。


だって、国債発行残高はいっこうに減らず、日銀はゼロ金利政策なんてやっているのですから、財源がないことは、何も子ども手当だけのお話ではありません。財源がないのに、軍事費なら良いって発想はわかりませんが。

稲田朋美氏、蓮舫氏から、現在もその見解か、内閣の一員として、過去の発言見解を撤回する気はないのかと質されました。


いずれも撤回する気はないし、閣内不統一不統一でもないと答弁しました。安倍内閣の一員として、子育て政策、福祉政策は、財源を見つけて充実させるべきであり、防衛大臣として非核三原則を守り、唯一の被爆国として、核のない世界を全力を挙げて実現するために尽くしていく所存と述べたのです。これを受けた蓮舫議員、『気持ちいいくらいまでの変節ですね。』と。



果たして稲田朋美氏、変節したんですかね。それとも大臣である限りの『時限答弁』なのでしょうか。大臣にしがみつくための変節するなら、こんな変節、良いですね!

さて、今日は、日本弁護士連合会の人権擁護大会シンポジウムが福井市で開催されています。


テーマのひとつは、『立憲主義と民主主義を回復するためにーー安保法制と秘密保護法の適用・運用に反対し、その廃止を求めてーー』と題して議論がなされています。私も応援する毎日新聞社特別編集委員をされる岸井成格氏もいらっしゃて、基調講演をなさいました。きもちよく変節されたなら、こちらにいらっしゃればよいのにと思いました。


いろいろ勉強できますよ。

確かにスタンディングオーベーションは、誰かに指示されて起きるものではないのですが。

2016年10月5日
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開催中の臨時国会は、委員会に審議が移されました。

 

ここでも最初に、安倍晋三内閣総理大臣が野党から指摘されたのは、例の衆議院本会議場での『拍手と起立』の件です。あのとき確かに安倍晋三内閣総理大臣は、今このときも、国民のために任務に服している諸君、具体的には海上保安庁、自衛隊、警察の職員に敬意を表して拍手を送ろうではありませんかと議員に促しました。

 

ところが、安倍晋三内閣総理大臣、これは自然発生的に起きたことであり、何が問題なのかわからないと言っています。冗談ではありませよ。 この問題性に関しては、この『ひとりごと』でお話ししました。

 

本当に問題点がわかっていないなら、三権分立、議院内閣制や、国会の議事進行等に関して、学校で教えてもらったほうがよいでしょう。かつて安倍晋三内閣総理大臣は、自らを行政府の長と言い、国会議員に対して、もっと勉強されたほうが良いとも言われましたし、ポツダム宣言は詳らかに読んでいないゆえに、アメリカが、原爆を2つと落としてこれでもか!って威嚇して、やむなく受諾したものとも仰っていましたから。

 

まあこの際、まとめてしっかり勉強された方がよいでしょうね。 今日は、問題ないと言われる安倍晋三内閣総理大臣の理由つけがまともなものではないので、これについて申します。

 

その1つは、アメリカの議会では、しょっちゅう議員らの演説のとき、起立して拍手が起こるとの点、あれは誰かが拍手しようではありませんかと言って起きるものではない点で、例えとして不適切ですが、そもそも何のため、誰に対して拍手しているのでしょう。

 

アメリカの警察や軍隊に向けてのものではありません。国民を代表して、政府等に向かう質問者に対して、敬意を表するものと聞いたことがあります。それと連邦議会、大統領の演説のときは、ヤジを飛ばしたり、歓声をあげることなんかないですね。感動のあまり?拍手する人はいるでしょうが、それをするのは、基本的に、演説が終わったときだと思います。

 

2つめ、すなわち、自分が予めそうしなさいと議員に依頼したものではないとの点、いくつかの報道では、内閣官房副長官が、自民党の国会族に話して、議場前列に席がある当選1.2回の議員に、この部分で起立して、拍手するよう働きかけたと出ています。

 

それはそれとして、仮に自党の議員が、『拍手しようではありませんかと』に感動して?自発的に立ち上がって拍手したのだとしたら、この組織の長って、本当に部下を指導監督していないと言わざるを得ません。繰り返し言いますが、国会での内閣総理大臣の所信表明演説は、議員内閣制のもと、国政を国会より託された内閣が、国民の代表が集まった国権の最高機関に赴いて、誓いと約束をする場です。

 

国会の意向に合致するゆえに拍手するのは、まあ良いでしょう。しかし内閣の長、行政府の長に促されて思わず起立したならば、いつかあるお方が仰っていたように、『立法府の長』って誰?ってことになります。大島理森衆議院議長が、議事進行を司る立場から注意したのは当然です。

これすらも、『何で注意されるのかわからない』と言われるのでしょうか。 議会は、国民の代表が集まった真剣神聖な場のはず、アレは、誰に対して敬意を表したのでしょうか。固いことを申せば、公務員として、日夜国民のために奉仕しているのは、自衛隊員らだけではありません。かつて安倍晋三内閣総理大臣は、国会の委員会で、自衛隊を『我が軍』と言いました。

 

こんなことを言うから、またするから、しばしば総統閣下とか、ヒトラーとか、揶揄されるのではと思います。医療、介護看護、教育、司法、行刑等等、どの分野の公務員も、公務は、国民のためなくてはならない重要な職責であります。私は、あのときの自民党議員、自衛隊員らに敬意を表したのだとは思いませんが、もしそうだとしたら、他の職種の方々は、なんて思われるでしょうか。

 

議員もまた公務員です。 安倍晋三内閣総理大臣は、自分が起立を求めたわけではない、スタンディングオーベーションは、自発的に起こるのだと言われました。この自分が直接やっていないとの弁明は、安倍晋三自民党総裁から、しばしばなされます。かつて国会の委員会で、選挙前には『TPP絶対反対!嘘つかない!ブレない自民党!』のポスターを掲げてTPP反対を公約にしていた点を指摘されるや、そのポスターは、自分が作ったものではないと述べました。

 

またこの国会でも、自民党の憲法改正草案について、数々の指摘を受け、その撤回等を求めれると、あれは前総裁時代に出来上がったもので、自分が作ったものではないと述べました。安倍晋三様、あなたは現在自民党の総裁でしょう。部下がやったことだから知らない、関係ないなんて、どこの社会で通用しますか? 昨日の衆議院の委員会で、こんな一幕がありました。巷では、今年12月の『下関会談』で、ロシアのプーチン大統領と会った安倍首相、北方領土のうち、歯舞諸島と色丹島の2島の返還を受けて、それを成果に、衆議院を解散するのではと言われています。私もそう思います。

 

それは元自民党衆議院議員鈴木宗男氏の動き、数年来のプーチン大統領の『引き分け』等の言辞から伺われます。北方領土の返還を受けて、ロシアとの平和条約の締結は、鳩山一郎氏時代から歴代の内閣が踏襲してきた国是でもあります。ところが昨日衆議院予算委員会において、民進党の元代表で、外務大臣も務めた前原誠司議員から、2島先行論を指摘された過程で、岸田文雄外務大臣は、『4島の日本等に帰属…』と当初は発言しました。

 

言うまでもなく、北方4島は、日本の固有の領土であり、日本の立場からすると、帰属に関しては、議論の余地はないのです。ただ、平和条約が締結されると言うことは、少なくともその段階では、帰属に関して、日露両国とも解決済みなわけです。それを『日本等』と言われたら、誰だって???であります。

 

あるいは2島づつ日露で分けることが今度の下関会談で決まり、これを前提に平和条約が締結されるのではと疑われても仕方ない答弁です。要するに、安倍政権は、2島返還を受けて、衆議院解散、総選挙のシナリオが決まっていると映るのです。 その後岸田外相は、『4島の帰属、日本への帰属。これを明らかにして、平和条約を締結する』と述べました。前原議員から、それでは2島先行論があるのではないかとの疑念をぶつけられた安倍晋三内閣総理大臣、答弁を引き取って、『北方領土は日本固有の領土。

 

これは不変の立場だ』として、明確に2島先行論を否定したものです。さて、もし、下関会談の結果、歯舞諸島と色丹島のみ返還されたとしたら、きっとこう言うでしょうね。『新しい判断』。

 

野党そして国民から嘘をついたと指弾されたら、きっとこう言うでしょうね。『私は、4島の日本等への帰属』は、言っていない‼︎と。