『どのような立場、どのような状況でも、人は、人に対して可能な限り敬意を持って接するべきです』ーー米山隆一次期新潟県知事の言葉から。
2016年10月24日
惹かれる言葉がありました。「どのような立場でも、どのような状況でも、人は人に対して可能な限り敬意をもって接するべきです。
私の任期は始まっていませんが、私なら、自県の職員が、他県で、他県の方に敬意のない対応をした時に謝罪し、以後改めるよう強く指導することはあっても、『出張ご苦労様』ということはありません」。
これは、次期新潟県知事となられる米山隆一氏のツイートからです。
『人は人に対して可能な限り敬意を持って接する』。ハッとしました。自分は、そうしていただろうか?まさしく敬意を表しようとしないどころか、人をバカにした態度をとる人に対して、少なくとも心の中では、同じことをしていたのではないか。人は、どんな立場や状況に至っても、人に対する敬意を忘れてはならないのです。 このツイートは、維新の党代表で、大阪府知事を務める松井一郎氏が、大阪府警の警察官に対して『出張ご苦労様』と述べたことを受けてのものです。
大阪府警は、沖縄県国頭郡東村の高江地区で進められているいわゆる『高江ヘリパッド』建設再開を巡って、この工事に反対する住民らが近くに座り込んだり、道路を占拠するような事態が発生してこれを排除等するために、他のいくつかの県警とともに、現地に動員されておりました。そこで工事に反対する住民側に向かって不適切な言辞を吐いたことで、多方面から批判を受けたところ、松井知事は、発言の不適切は認めた上で、職務は遂行されており、『出張ご苦労様』と述べのです。 現地に派遣された大阪府警の警察官は、フェンスの前で抗議を繰り返す住民側に対して、最初は丁寧な言葉で退去を求めておりましたが、やがて粗野な言葉となり、『コラァ』『ボケ』に、そして『土人が』と発したのです。
『土人』とは、もとは土着のときから、その土地で暮らす先住民を指すとされました。しかし、未開の土地であったり、その暮らしが原始的なものだったことから、野蛮とか粗野とかに転じ、やがて侮蔑する言葉であるとして、放送等の表現の自由規制の面では、差別用語と固定されているものです。 しかし、『土人』と言う言葉が今時20代の警察官から出るとは。先の大戦のころ、日本の統治下にあった南の島での踊りを歌った曲がありましたが、それ以前に、アイヌ民族を北方土人と呼んだり、琉球処分以来の沖縄県にあっても、かつて朝鮮民族や台湾の先住民が、土人として『展示』され、見世物にされた事件も起きており、日本人の一部には、旧来の差別侮蔑意識があったのは否定できません。
でも、これは私が小学生のころ聞いた話です。
まずもって、20代の若者が、こんな言葉!知っていたのに驚きました。
学校では、そんなこと教えませんから、彼が所属する、あるいは取り巻く社会で、そんなこと!が話題になっていたことを物語ります。この『土人発言』に関して思うところは、別に述べます。今日は、大阪府知事の『ご苦労様です』発言と、その後の弁明にについての思うところであります。現在でも、ご苦労様発言、大阪府知事は撤回していません。
でも、反響が大きかったからか、少しずつ修正と言うか、弁明しています。それが全く可笑しい。 問題は、土人と発言した個人を槍玉に挙げているのではなく、ご苦労様って述べた知事の見識が問われているのです。土人と言ったのは悪いが、相手(沖縄県民等反対派?)も無茶苦茶言っている、鬼畜生のように個人攻撃して良いのかってことだと述べました。
確かにボケ、土人かと言われて『暴力団か』と言い返した場面は、映像にも出ていました。衆議院本会議場に出頭した内閣総理大臣から、敬意を表しようではありませんかと与党議員総立ちで拍手を受けた方々です。
そのような尊敬すべき高貴な御仁が、そのような言動をすれば、驚愕のあまり暴力団か‼️と思わず声を挙げたことが、無茶苦茶言っていることになるのだそうです。
それと、私は、『鬼畜生』って言葉知りません。
土人と言われた沖縄県民らが、その大阪府警の警察官個人を、鬼畜生?かどうか知りませんが、執拗に個人攻撃しているんですかね。国民を守るために権力を与えられた警察等の組織を批判しているのだと思いますが。土人なんて言葉は、件の警察官の個人的趣向、思想や向学心の結果知りえて発せられたとは、到底思えません。
それにしても、『鬼畜生』ってなんですかね。 維新の党沖縄支部では、松井一郎代表に抗議書を送ると報じられています。この報道が出されたころ、松井一郎大阪府知事は、あれは全国から派遣された全警察官に対して述べたと言いました。
この人、潔さだけはお持ちと思っておりましたが、事態が沈静化せず、知事の資質を問われかねなくなって、ちょっと足掻いていますね。大阪府知事が、全国の警察官に対して『ご苦労様』とは、随分丁重と言うか、はたまた上から目線でと言うべきか。沖縄県警他全国から馳せ参じた警察官は、松井氏や大阪府に命じられて、また、大阪府のためにやって来たのではないでしょう。
そもそもなんで警察官だけ労いを受けるのでしょう。そこには、それこそ沖縄県で、政府が進めていることを反対する者を排除あるいは摘発することを職務の1つとする立場の者は、『ご苦労様 』となるように取れます。 政府も警察官も、この豊かな国土とそこで暮らす国民の安寧を守るために、権限そして権力を付与されています。時として国民間の調整のために、それを行使しなければならないことも起きます。しかし、それは当然ながら自分に刃向かう者を懲らしめると言うことではありません。
あの警察官、普段街を歩いている時に、国民や自分の権利が侵害される危険性を察知したとして、『おいコラ、ボケ、土人』って言うんでしょうか。
それはそれでちょっと怖いですが、おそらく『あの時』警察官だから言えた言葉でしょう。
立場、状況により、出た言葉でしょう。 私は、個人的にこの警察官を責めても仕方ないと思っています。先にも申しましたが、個人的に『土人』を調べて知っていたとは思えません。警察官の中で、刃向かう者はなんとやらと、『覚悟』に関して、教育されていたら恐ろしいです。
まさに米山隆一氏の言葉が思い出されます。『どのような立場でも、どのような状況でも、人は人に対して可能な限り敬意をもって接するべき』です。大阪府知事の心底には、人に対する敬意を感じられません。
『土人』はともかく、沖縄県民は、なぜ反対するのか、高江ヘリパッド問題の根幹は何か、洞察していないと言われても仕方ないです。わずが160人の部落に、オスプレイの飛行場が出来る、それに反対すること、そしてわずかな人数で闘う村人のために、全国から支援の輪が広がっている、たとえ大阪府知事が、あそこにヘリパッドが建設されるのは当然と政治的に考えていたとしても、そうではないと考えている人たちへの敬意が少しでもあれば、『ご苦労様』は、出てこない言葉です。
まさに立場と状況に関わりなく、人に対する敬意を持つこと、当たり前のことですが、とても大切なことに気づかせてくれた大阪府知事と次期新潟県知事のツイートでした。
東京駅と新宿駅、東京の顔はどちらでしょうか?
2016年10月21日
『新宿・東京間、乗るなら中央線か丸ノ内線か』を検証した経済誌が出たと聞きました。
未だよくわからないのですが、県庁所在地はどこ?と問われた場合、現在東京都はどうなるのでしょう。
例えば神奈川県は横浜市、京都府は京都市、北海道は札幌市でしょう。現在では、都庁は新宿区にありますが、特別区のため、『都庁は東京』となるのでしょうね。 でも、東京で暮らす私は、都民ではない方から、都庁ってどこにあるのですか?と問われたら、迷わず『新宿』と答えます。都民に対して同じ質問をした場合、ほとんどの人が『新宿』と答えると思います。
都庁があるから新宿が中心だなんて言いませんが、様々な場面で新宿が、ひとつの東京の顔となっていることは間違いありません。乗降客日本一、高層ビル街や歓楽街、サラリーマンに路上で生活せざるを得ない方々、各国からいらっしゃる外国のお客様、新宿は、多種多様な人と文化、そして匂いがするのです。 一方で東京、ここでは東京駅とその周辺を言いますが、まず東京駅は、日本屈指の鉄道のターミナルです。
新幹線の始発駅であることが大きいです。例の『上野東京ライン』が開通して始発駅でなくなったために、今度は埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県もまた、東京駅がスタートとなった気配です。伝統のある駅舎と日本経済の骨格ともなる企業が揃う丸ノ内と八重洲、そして周辺の豪華なホテル群と洒落た飲食店、また高層ビルや夜景なども、新しい東京の魅力とされています。当然海外からのお客様も多く見られます。 その新宿と東京を結ぶ鉄道路線として、JR中央快速線と東京メトロ丸ノ内線があります。丸ノ内線自体は、JR荻窪駅から新宿を通って四ツ谷、東京、御茶ノ水等を経てJR池袋駅までを結ぶ随分遠回りをする路線ではあります。
ところが迂回?しているがゆえに、途中駅から途中駅間は、結構利用価値があるのです。冒頭に挙げた新宿東京間の利用もまた、そのひとつです。 都民であっても、山手線の内側で生活し、あるいは仕事に関わっている人はともかく、新宿東京間の鉄道と言われたら、迷わず中央快速線と答えると思います。新宿を出る四ツ谷、御茶ノ水、神田、東京となります。この間14分とされます。いっぽうで丸ノ内線は、四ツ谷までに3駅ある上に、赤坂見附駅や霞ヶ関駅を通り、駅の数は多いですが、19分とされています。意外に少しの差となっているのは、それはJR線は、新宿を出ると線路が大きく迂回するからです。
新宿から、あるいはその前の駅から乗車している人が、途中降りずに東京駅まで乗車していることがあります。きさらぎ法律事務所の最寄駅は『新宿御苑前駅』ですが、東京駅に用があるときは、ほとんど丸ノ内線で行きます。途中四ツ谷駅で乗り換えた方が、新幹線等の長距離電車を利用するときには、東京駅までの料金が不要になりますが、中央快速線のホームが高い場所にあることも理由で、私はJRはあまり利用しないのです。 丸ノ内線と中央快速線、新宿東京間の運転間隔は、丸ノ内線の方が概して短いです。特に早朝の時間帯や夜遅くなると、中央快速線といえども、途中『各駅停車』になることがあります。
ちなみに、東京池袋間に関して言えば、山手線を利用すると迂回になりますので、丸ノ内線の方が早いです。もちろん新宿池袋間を、丸ノ内線を通して乗車する人はおられないと思います。感心するのは、古くからある丸ノ内線そして銀座線は、6両編成だと言うことです。でも、ラッシュ時の中央快速線の混雑よりは、楽チンだと思います。 JR山手線埼京線の渋谷池袋間は、並行して走行する東京メトロ副都心線の勝ちでしょう。もともとこの区間のJR線の混雑を緩和する目的もあり、現在の渋谷駅埼京線ホームの位置からすると、副都心線に軍配があがるでしょう。
副都心線は、その先にも、東急東横線、西武池袋線、東武東上線に繋がることも魅力です。 ただ、相互乗り入れをする路線はどこかで運転見合わせや遅延が起きると、かなり離れた区間にも影響が出ます。副都心線で川越や川崎に行くのに、いつも気になる部分です。この点丸ノ内線は乗り入れがなく、銀座線ともども遅れが発生しにくい路線と言われます。
かつて中央快速線は、あまり歓迎できない評価を受けていたことがあり、安全で、時間通り運行されることが、鉄道会社として大切に心掛けていただきたいところです。
東京と新宿、どちらも都民にとって、全国そして世界の方々からも大切にされなければならないでターミナルです。さて、新宿から東京、あなたならどちらを利用しますか?
新潟県知事選挙の野党連合に乗り遅れた民進党に喝を!
2016年10月20日
東日本大地震の折、ヘリコプターで被災地を飛行した当時の内閣総理大臣を、その内閣が対応した福島第1原発の事故処理を巡って、当時の内閣総理大臣菅直人氏、当時の政権与党民主党を徹底的に批判したのは誰あろう、安倍晋三自民党総裁です。
当時から可笑しいと思っていました。だって原発を造ったのは?原発推進団体組織から多くの支援を受けているのは?そして豈図らんや、政権が交代したら、『福島第1原発事故収束宣言』をし、その後全国に存在する原発を再稼働するよう舵を切ったのは誰?
これに似た発言が、最近国会でありました。安倍内閣の防衛大臣が、かつて自民党が野党時代、子ども手当を止めて軍事費を増やせ!核武装を精神論に留まらずに検討すべき!等発言したところ、『自民党政権になって、日米安保体制が強固になったから、その必要は無くなった』と答弁したことです。
野党のときはダメでも、自分たちが与党に戻ったら、なんでも上手くいったことになるようです。民進党代表蓮舫氏は、『気持ちの良いくらいの変節』って評しました。もっともこの大臣もかつて受験した司法試験、『内閣は、集団的自衛権行使は憲法上認めれない』が正解でしたが、この内閣になって『正解』も変わってしまうのでしょうか。これは『見事なまでの変節?』。
蓮舫代表、あなたに言われたくないって思っている人いると思いますよ。先に投票が行われた新潟県知事選挙、民進党どのように対応しましたか?争点は明確でした。柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な泉田知事を承継するかどうか、民進党を離党した脱原発派の候補が、自民党公明党が推薦する候補に勝ちました。この候補、民進党から推薦は受けられず、共産党、生活の党(自由党)、社民党の推薦を受けました。
先の参議院議員選挙の折、各地で起きた『野党統一候補』です。しかし民進党は、この選挙、『自主投票』にしたのです。
その理由は、民進党の支持母体である連合新潟が、原発推進候補を事実上支持して、自主投票を決めたので、民進党として推薦できないと言うことでした。だから民進党って、信頼されないのでしょうね。全国の世論調査でも、50%以上の国民が、原発再稼働に反対しており、原発賛成は25%程度です。この新潟県知事選挙、投票の際何を重視したかに関して、報道機関の出口調査の結果、いずれも『原発』であるとの結果が出ています。
実際民進党支持層の75%ほどが、野党統一候補に投票していました。民進党幹部は、風を見る能力がないですね。
この選挙の終盤になって、蓮舫代表が、現地入りして野党統一候補を応援しました。これは、もしかしたら勝つのではないかと思えて、勝ち馬に乗ったとしか思えません。今後の野党連合、また、政局を睨んで、民進党の影響力の低下を恐れたと受け取られて仕方ないと思います。何が、『元仲間』ですか。
たとえ支持母体の意向とは相反しても、政権を目指す政党であれば、国民の声に耳を傾けるべきです。公務員批判を大上段に振りかざすある政党から、バカにされるどころか、与党も一緒になって、これら組織に頼るところを批判されるのです。
実際件の組織に属した人でも、あの得票率からすると、脱原発候補にほとんど投票したと思われます。民進党は乗り遅れです。にも関わらず、野党統一候補の勝利を我が事のように言うのは、強い違和感があります。
小選挙区制のもと、巨大与党に立ち向かうのは、野党連合しかありません。また、選挙では、わかりやすい争点に選挙民が惹かれることもまた、郵政選挙以来はっきりしています。さらに川内原発を抱える鹿児島県の知事選、先の参議院議員選挙での新潟県もそうですが、青森県、岩手県、宮城県、福島県の結果を見れば、東日本大震災の復興が待たれる地域や、原発がある地域の住民の意思を汲み取ることはできないのかと考えます。
それを昔ながらの組織の意向によるとは情けない。党内の原発賛成派は、小選挙区制のもと、自民党に居ても公認されないから、民進党に居るとも言われかねないでしょう。
原発YESNoは、わかりやすい構図です。都市部の住民は、地方の原発を含む電力により、都会の生活が確保されているのに、なんとも思いやりがないです。数年前の都知事選で、原発反対の元首相経験者らが、自民党が応援する候補者に敗れました。争点をわかりやすく、劇場型の選挙を行うことで知られる人をもってしても、都会では、原発は争点化しなかったのです。
都会では、アベノミクスってものが延々と『争点』だとされ、選挙民も、民進党もそんな風に捉えているのでしょうか。アベノミクスって、わかりやすいですかね。民進党、与党を打倒するなんて言うならば、自党がまず脱皮しなければならないでしょう。蓮舫代表、しっかりやれ!
『北空港』それは、私にとって別れではなく、また来るための挨拶の場所です。
2016年10月19日
いつかこの『ひとりごと』で、指定席のお話をしました。落ち着く場所として、福岡空港のある飲食店から眺める風景をあげました。東京帰る前の、名残りのひと時でもあります。ビールの中では、あまり好きではない銘柄なのですが、気分次第で美味しく感じます。
でも、このところ数ヶ月経験していません。
私が福岡空港に次いでよく行き来するのは、いつもいちばん好きな空港と紹介する新千歳空港です。ここの魅力は、これまで何回もお話しましたので、今日は繰り返しません。ただ、ここにもどうしても、訪れる場所があります。
それは、以前ご説明した『北空港の歌詞碑』です。その設置の経緯やその後の出来事も、今日は触れません。ただ、あの歌詞碑の前に来て、ボタンを押したい自分があるのです。北空港、夜の札幌を舞台に、北の空港から飛び立つ男女の恋を歌うものです。1987年に発売されたデュエットの名曲、今でもカラオケランキングで、常に上位を占めているのです。
音痴で、今ではカラオケなんかやらない私が、なんで惹かれるのだろうと考えてしまいます。ひとつには、そのときの自分の歴史に重ねるからだと思われます。この曲が発売されたのは、私がちょうど30歳になるころ、子が生まれ、弁護士登録3年が経過し、ボチボチ私的に仕事を受けるようになった時期でした。また、浜圭介氏の秘蔵っ子とされたこの韓国人女性歌手、私が初めて親元を離れて福岡市に一人暮らししたころ、デビューしました。
そのとき、一人暮らしで、何気なくつけていたラジオから、浜圭介氏が熱心に紹介し、片言のハスキーな日本語で挨拶する女性歌手、顔は見えないのに、なぜか気になったのでした。初めての一人暮らしを終え、東京に帰ることが決まっていた福岡2年目の夏、冷房がなく、西陽が入る1Kのアパートに住んでいた私には、『西陽で焼けた畳の上』で始まる歌詞に、引き込まれたことを覚えています。
この歌手は、デビュー以来ヒットを飛ばし、北空港の前後にもヒット曲があったからか、北空港は、発売当時は、そんなに印象に残る曲とは思えませんでした。折からバブルの時期でもあって、バーやクラブ、スナック等、あちらこちらで歌われたのでしょう。まだ北海道には行っていない私の耳にも、何か北の演歌って哀しくて、でも、旅立ちが似合うんだろうなと思えたのでした。
北海道の空の玄関口が、当時の千歳空港だとは、頭ではわかっていたものの、この歌により、北の空港に、北海道に行って見たいと考えるようになったのかもしれません。その直後に、青函連絡船が廃止されました。いよいよ北海道と言えば航空機、この空港には、様々な別れや出会いがあるのだろうなと想像してみたりしました。
そして、初めて北海道に行ったのはその2年後、私と北海道、特に札幌市との縁を結びつけてくださった南昇先生と知り合いになったのも、その1年後でした。こうしてきさらぎ法律事務所が開設されてから毎年北海道へ、新千歳空港に行き来することになったのでした。クレイルチーズの西村公太さんとお会いしたのも、今から10年以上前の新千歳空港でした。初めて私の北海道の依頼者となった方からいただいたのは、千歳市内にある洋菓子店『もりもと』の『雪鶴』でした。今でも、新千歳空港で買って帰ります。新千歳空港のある土産物店、また飲食店では、『いつもありがとうございます』と声かけされ、嬉しいですね。おそらく雰囲気で、『あの人』とわかるのでしょう。
そう振り返りますと、むしろ何気なく聞いていた『北空港』こそ、私を北海道へ誘い、新千歳空港へ呼び、そのファンにしたのではないでしょうか。そのことには、なかなか気づきませんでした。私が、新千歳空港に、北空港の歌詞碑があると知ったのは、なんと今年になってからなのです。それから必ずこの歌詞碑の前に行き、ボタンを押しています。周りには、滑走路を眺める多くの人々がおります。
しかし、毎回この歌詞碑に気づく人は見かけません、たまに子どもが興味があるのかボタンだけ押して、どこかに行く姿はありましたが。それでも歌が流れる間、順次照明が変わるこの歌詞碑の前で、飛び立つ航空機を眺めるこの場所もまた、私にとって『指定席』であります。新千歳空港の北空港の歌詞碑、私にとっては別れではなく、また来る日までのしばしの挨拶をする場所のようです。
広島カーブ球団が、札幌ドームへの往復に、チャーター機を手配したとの報道に寄せて。
2016年10月18日
プロ野球セパクライマックスシリーズが終わりました。
勝ち残ったのは、両リーグのチャンピオン広島カーブと北海道日本ハムです。両チームの強さに敬意を表するとともに、ここまで頑張ったDeNAベイスターズ他4チーム、最後まで良い試合ありがとうごさいました。少し休んで身体をケアし、また来季に向けて、準備されるようお願いします。さて、残すところは、日本シリーズです。
それにしても大谷恭平選手、凄いですね。この『ひとりごと』でも、何回か書きましたが、大谷選手、栗山監督のもと、このチームに入団して、もともとあった才能に、さらに磨きがかかったようです。日本シリーズ出場を決めた試合、DHで先発出場していたところ、9回を迎える前に、栗山監督を何回も見て、投げたい!とアピールしたようです。それに応えた監督も流石です。以心伝心チーム一体を感じます。『圧巻のピッチング』、この言葉、今年何回か使われたでしょう。主砲中田翔選手は、アレを見て、もう、練習するのが馬鹿らしくなったなんて笑いを誘いつつ、チームメイトを讃えておりました。
一方の広島カープ、こちらは32年ぶりの日本一を目指します。同学年の1.2.3番トリオはもとより、チーム生え抜きの選手と、帰ってきたベテラン選手が一体となって、抜群のチーム力で、ぶっちぎりでセリーグ優勝を遂げました。もともと市民球団から発足した歴史があり、さほど潤沢な資金力があるわけではないと言われるのに、数年前に『カープ女子』と言う言葉が生まれたごとく、多くの熱心なファンに支えられて、久々の日本シリーズです。好試合が期待できそうです。 結果的には、杞憂に過ぎなかったわけですが、一部クライマックスシリーズの是非に関しては、議論がありました。ルールである以上、それに合わせて準備することと、これに参加する各チームの首脳陣は、言われました。
でも、シーズン1位のチームが、日本シリーズに出場できないことになっては、なんとなく違和感が残ります。特に今年のセリーグ、19.5ゲーム差です。ブロらしく、最後まで全力を尽くす、シーズン終盤で消化試合を作らない、そして、何よりも常に観客を楽しませるとの視点は、理解できなくはありません。確かにアドバンテージの1勝とか、本拠地開催等工夫はされておりますが、これだけ過密日程で試合を行うのでは、選手の怪我や体調不良が気がかりです。実際、骨折しながら出場した選手もいたと言われます。
最高の試合を見せてもらうためには、選手が最高の体調で、プレーできることが重要です。今回は、広島市と札幌市で試合が行われます。パリーグには、札幌市と福岡市を本拠地とするチームがあります。移動は慣れているとも言えましょうか。ところがセリーグは、広島カーブにしては、シーズン中は、全て東に向かうことになっていて、それは、陸路すなわち新幹線での移動だそうです。広島カーブが過去日本シリーズを戦った相手チームは、阪急、近鉄、西武で、いずれも陸路移動だったので、今回は、直線距離だけでも1200キロ離れている北海道札幌市までの移動では、航空機を利用せざるを得ないわけです。
ここで球団は、チャーター機を使用することを決めたと報道されました。 北海道札幌市の玄関口新千歳空港と、広島空港との間には、JAL便と、エアドゥANAの共同運行便各1往復があります。ただ、座席数は少なく、また、広島への帰りが遅い時間となるので、長時間のフライトでかなり不自由でしょう。そんな状況なので、カーブ球団は、日本航空と交渉して、日本シリーズ用のチャーター機を手配したとのことです。
諸経費を含めれば、往復で金10.000.000円かかるそうです。それでも選手の体調管理、ベストの状態でプレーできるように配慮するのは素晴らしいことだと思います。セリーグならではのハンデ?かもしれませんが、カーブ球団の英断に、マスコミ各社も賛辞を送っています。 広島市内から広島空港へは、山の中、かなり時間をかけて行き来します。
また、新千歳空港から札幌市内には、札幌ドームを通って、やはり1時間くらいかかります。移動時間を両チームの選手たちは、普段見れない風景を、のんびり眺める余裕はないかもしれません。
でも、リラックスして試合に臨める下地はできたかと思います。今、北海道は、紅葉が終わる時期です。さて、広島カーブの皆さん、帰りの新千歳空港を、どのような思いで出発されるでしょうか。両チームの健闘に期待します。