清廉な生き方

2014年11月29日
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先月の話ですが、千葉県の佐倉に行ってきました。

 その8写真 3

佐倉市は、千葉県の北部、千葉市と成田市の中間に位置し、人口約17万人、就労人口の20パーセント以上が、東京都内に通勤するというベッドタウン化した中核都市です。古くから交通の要所で、ここから銚子に行くJR線は、成田、佐原廻りと、成東、八日市場廻りに分かれます。

 

歴史好きな人間からすると、佐倉は、江戸幕府との関係が濃密な感があります。

 

江戸幕府の骨格を固めた土井利勝、ペリー来航時の堀田正睦など、幕閣の中心で働いた人物を輩出しております。順天堂を開いた佐藤泰然や、後の彰義隊や会津戦争でも大きな役割を果たした医師松本良順も、佐倉の人でした。

 

その8写真 2老中堀田氏は、蘭学や西洋医学を奨励したことが、佐倉の風土となり、教育界にも逸材が出ているのかもしれません。

 女子教育の先駆者と称される佐藤志津、津田梅子もまた佐倉出身です。

 津田梅子女史が、明治政府の初の女子留学生として、大山(山川)捨松らとともに渡航し、後に津田塾大学を設立したことは有名です。

 津田梅子女史の父親、津田仙のことは、あまり知られていないのではないでしょうか?

 

私が、津田仙に興味を覚えた理由は、最後に述べますが、優れた農学者であり、青山学院大学の前身を設立し、また、東京帝国大学の中村正直、同志社の新島襄とともに、キリスト教界の三傑とうたわれたあの時代に、いち早く自由と平等を説いた偉人であります。

 

たびたび津田仙の人物を惜しんだ明治政府より、官位や役職を提供されながら辞職を繰り返し、その過程で、ウイーンのアカシアによる初めての都心に街路樹、アメリカからのトウモロコシによる日本発となる通信販売など、そのかたちにとらわれぬ斬新な行動は、田中正造の足尾鉱毒事件への応援などと合いまって、死後内村鑑三や新渡戸稲造らをして『大平民』の称号を与えられたものであります。

 

 

この方、まさしく『大平民』と称されるにふさわしい方だと思います。その8写真 1

 

その最後もまた立派でした。終点に着いた列車の座席で、微動だにせず、まっすぐピ~ンとした姿勢で、息を引き取っていたということです。

 

なぜ、福本悟が津田仙に興味を持ったか?

 

この大平民、偉人は、常日頃、

 

人間は、最後がきれいでなければならぬ、そのためには禁酒しなければならない

 

と、言い続けておられたのです。

 

まさしく、そのとおりの生き様でした。

 

そして、私には、絶対できない生き方です。

 

佐倉には、どうしてこんなに清廉な傑物が生まれるのでしょ?

 

「それは、いわゆるひとつの‥‥‥。」

 

風土と申しますか「メークドラマでしょうね。」

 

佐倉出身の昭和のスター、あの方の声が聞こえてきそうです。

 

目は口ほどに物を言う

2014年11月28日
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錦織圭さんが、今年最も輝いたアスリートのひとりであることは、おそらく異論はないでしょう。

 

全米オープンでは、アジア男子として、初の4大会シングルスでの決勝進出という快挙を成し遂げ、怪我と疲労が極に達して迎えたBNPバリバマスターズでも好成績を残し、ATPワールドツアーファイルの出場権を獲得されました。そして今まさに、これの決勝目指して、力を振り絞っているのです。

 

錦織圭さんは、アメリカフロリダを拠点として登録しているとのことですが、ご出身は、島根県松江市です。

 

全米オープンを終え、久しぶりに帰国して、「何が食べたいですか?」とインタビューを受けた際、

 

「のどぐろが食べたい」

 

と答えられました。

 

ノドグロって何?

 

と思われる方も少なくないと思われます。ノドグロ(のどぐろ)は、正式名称あかむつ(赤ムツ)のことです。

 

あかむつは、スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科に属する暖海性魚で、新潟から西、特に九州に生息する赤紅色のだいたい40センチくらいの『超高級魚』です。

 

あかむつが、のどぐろと称されるのは、文字通り喉の奥が黒いからです。

 

『超高級魚』と言ってしまったのは、福本の私見ではありますが、錦織圭さんのあの発言以来、『のどぐろを探せ!!』と、ちょっとしたブームになっている感があります。

 

実は、このあかむつ、福岡出張の際、柳橋連合市場や岩田屋さんにあれば、ほとんど持ち帰る逸品でした。福岡や長崎では、あかむつは、目がとても大きいので、『大目』と呼ばれるのです。

 

超高級魚と言いましたが、単に値段が高いからそう表現するのではありません。もちろん、そこそこの値段はつきます。新宿伊勢丹では、ときどき6000円くらいで出ていることがあります。

 

超高級魚と言ってしまったのは、食べたときの満足度と、これをゲットできる可能性との相関関係です。

 

焼いてよし煮てよしですが、私は、断然あかむつの煮付けを勧めます。白身のトロと言われるようですが、まさしく『ほろっ』ととろけます。

 

『目は口ほどに、物を言う』

 

 

大目であっても、のどぐろであっても、あかむつの大きい綺麗な目をみれは、口の中を開けて、喉などみなくても、錦織圭さんの頑張りと、甘いマスクと優しい人柄を彷彿させるだけの魅力(魔力?)が、この魚には漲っているように思えます。

 

魔法の水は時代錯誤

2014年11月27日
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秋も深まりいよいよ冬の到来でしょうか?

 

ストーブリーグと言われるごとく、野球やサッカーなど、秋に大詰めを迎え、冬季は開催されないスポーツはあります。これからの時期、マラソン駅伝や、ラグビーなどが、楽しみです。

 

ラグビーは、紳士のスポーツと言われますね。からだとからだがぶつかり合う、見ていて怪我しないのか心配になるのですが、試合が終れば『ノーサイド』です。

 

互いの健闘を称え合い、ともに風呂に入る、どっちの側もないと言う意味だそうです。

 

ラグビーの試合中、よく倒れてしばらく動けなくなった選手に、ベンチから、やかんを持った人間が出てきて、頭から選手に水をかけるシーンが見られました。脳震盪となった選手が、起き上がるので、『魔法の水』と言われたものでした。

 

これによく似たシーンは、正月恒例、多くの視聴者に感動を与えると言われて久しい『箱根駅伝』でも見ららますね。体調不良、脱水症状その他フラフラとなって今にも倒れそうな選手が、監督から声を掛けられ、ペットボトルを渡されると、また走り出すことがあります。

 

でも、魔法に水と言って感嘆し、また、感動秘話で終わりにして良いのか、このごろ疑問を持つようになりました。

 

日本スポーツ臨床医学会の学術集会が、今月都内で開かれておりますが、ここでもスポーツによって脳震盪が疑われるときは、たとえ医師の管理下にある場合であつても、最低24時間は安静にしておくとの原則が確認されたようです。

 

魔法の水でもてはやされたラグビー界は、いち早く脳震盪による選手生命の危険性に着目し、このような指針を決めたと言うことです。交通事故は、一回限りかもしれないが、スポーツのよる脳震盪は、繰り返されて、ダメージが蓄積されるからだと言われます。

 

選手が無理をして、競技を続行したいのは、これまでの頑張り、これに賭ける思いから当然と思います。もちろん、勝至上主義もあるかもしれません。

 

でも、最近つとに感じるのは、私たち、真にスポーツの厳しさを知らない人間が、お涙頂戴主義に走って、選手に無理強いをされていると言うことです。これは、感動の勘違いだと思います。

 

実際、無理が祟って、豊かな能力を持ちながらも、人知れず舞台から去ってしまった選手はいるでしょう。

 

 

そんな思いでおりましたら、例の羽生結弦選手事故であります。

 

羽生選手や関係者を、一介の素人が批判などできるものではありません。いちばん辛かったのは、羽生選手です。いろいろな事情もあったはずです。

 

でも、羽生選手が、あの状態でリンクに上がったとき、感動した自分がいた!本当は、羽生選手の演技を見たかった自分がいた!これこそが恐ろしい。

 

スポーツを愛し、スポーツ選手の活躍を心から応援したい私たちは、何を学べば良いのでしょう。

 

早くでなくてよい、じっくりと静養し、準備してリセットした羽生結弦選手を、みたいです。

 

魔法の水てわはなく、単に、水をぶっかけるような話をしてしまいした。

タヌキの宝くじ

2014年11月26日
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私は、宝クジは買いません。

 

ギャンブルを好まない弱虫‥‥と言う理由もありますが、滅多に当たらないものには、当たらないに越したことはないと言う私なりの中庸の精神です。『弾は当たらない』に例が出ています。

 

でも、世の中には、目立ちたがり屋、常に1番トップでなければ気がすまない気質の方ばおられるようです。こんな気質の方の演説を聞くと、『世界の』『最大の』『いちばんの』なんて勇ましい言葉が並ぶことがわかります。また、この種のご性格の方は、ご自分のことが大好きのようです。

 

一億総中流意識、年功序列、団塊の世代なんて言葉にすっぽりハマった時代に慣れた者からすると、『普通』にやっていれば、平凡な人生をおくることができたと思っています。

 

宝クジなんて買わなくても、まして、株のような高価なモノにまで手を出さなくても‥‥‥と思います。

 

宝クジはお宝探し、こずかいで夢を買うと言う庶民のささやかな願望があることは理解できます。

 

これが株の運用になると、少々違うらしい。円安と株価の安定は、政府の経済政策が上手く行っている証左なのだそうです。数字こそ『いちばん』わかりやすい、『世界に』発信できる『最大の』物差しだからでしょう。

 

宝クジではなく、株を売り買いしたほうが、経済成長に貢献したことになると言うことでしょうか?

 

秋も深まるこのころ、きさらぎ法律事務所の近くにあるお蕎麦屋さんが、『月夜のばかしそば』と言う商品を出していました。

 

これは、キツネすなわち油揚げと、タヌキすなわち天かすがいっぱい入ったお蕎麦です。狐も狸も化かす生き物と伝承されてきたことは、とてもお気の毒だと思いますが、まあ、ずる賢いモノに騙された気分で蕎麦を啜るのもご一興かと思います。

 

ところで、タヌキの宝クジをご存知ですか?

 

私は、日本経済に貢献するような株を買う資金などありません。また、宝クジには、当たりたくもありません。『弾は当たらない』ことを願う平凡な人間であれば、むしろ空クジばかりのほうが安心ですから。

 

さて、いよいよ衆議院議員総選挙です。

 

自分が投じた一票が空振りにならないよう願いたいものです。「当たって欲しい」思いは、宝クジを買うときの気持ちに、通じるものがあるのでは?

 

タヌキの世界にもし『宝クジ』があったとしたら、‥‥、宝クジの『た』を抜いたら、‥‥『た』抜きの『たからくじ』は、『空クジ』‥‥!

 

人間は、騙しません。人間界の選挙の結果、『空クジ』を引くことはないと今回選挙を決めた方角から聞こえてきました。

 

自分を愛し、国を愛する考えであれば、自分を含むこの国で暮らす国民を騙すはずがございませんから。

 

安心して投票し、美味しいお蕎麦でも食べましょう。

 

軍師官兵衛は見たい!

2014年11月25日
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衆議院議員選挙が12月14日に行われるようです。

 

12月14日は、赤穂浪士の討ち入りの日です。地元赤穂市では、市あげて行事が行われるでしょうし、本所松坂町あたりや泉岳寺など義士ゆかりの場でも、人が集まることが予想されます。

 

投票が終わるのは午後8時です。

 

その瞬間に、テレビ局は、出口調査を元に、議席予想を発表し、そのまま報道特番を続ける例です。

 

投票が行われる日曜日、この日NHKでは、午後8時から、本年度最終回となる大河ドラマ『軍師官兵衛』を、放送時間を通常よりも拡大して放映する予定だそうです。

 

さて、予想しなかった選挙が12月14日に行われるため、「困ったものだ」と言うのが、関係者の本音です。

 

これまでも、日曜日午後8時から、NHK大河ドラマを見ていたら、○○選挙の結果、△△氏が当選確実になったとのテロップが何回も出ました。録画している方は、どんな思いでしょう。

 

予定が立てにくいものは、世の中結構あると思います。

 

時節柄選挙で思い出すのは、いわゆる『ハプニング解散』があります。これは、野党提出の内閣不信任案が、与党の派閥抗争と絡んで可決されてしまい、内閣総理大臣が衆議院を、解散したこと、そしてその選挙戦の最中、当の内閣総理大臣が急死して、与党の大勝利となったものでした。

 

確かに人の生死まで、予め予想できるはずはありません。最近では、実現確実であって、早い時期に、予定を入れておいた結婚式までキャンセルされたなんて聞きますから。

 

予定外の事態が起きたときどうするか、人間の度量が試されるのではないでしょうか?

 

小泉純一郎元総理大臣は、郵政法案が参議院で否決されるとは思っておられなかったでしょう。しかし、直ぐに衆議院を解散して、『郵政民営化』を争点にして、選挙戦に臨みました。

 

その後郵政民営化はどうなった?あのときの『造反議員』はどうなった?

 

今はそんなことを論じているのではありません。また、私は、小泉純一郎氏のシンパではありませんので悪しからず。

 

さて、今回の解散総選挙、予想外の出来事といつまでも言い、どなたかを批判するだけでは人間の度量を示ませんよと、私は声を大にして申し上げたいのです。

 

でも、軍師の兵衛の最終回が見られなくなるのは困ったものです。