『ガッツポーズは肩から上に手を出してはダメだ』よりも、気になる選手の発言があります。

2016年8月18日
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リオデジャネイロオリンピックも後半戦、オリンピックの話題がない日はない日本列島です。

この大会では、日本初とか何十年ぶりの快挙等讃えられる結果が表れていて、日本人選手の頑張りには、拍手を贈りたいです。いっぼうで、オリンピック精神に悖ると指摘されるケースも出ていて、時は8月、考えさせられるものがありました。

柔道男子100㎏超で、対戦相手となったイスラエルの選手との試合後の握手を、エジプトの選手が拒否し、礼もぜず立ち去ったことが報じられています。エジプトとイスラエル、アラブ問題等で対立が深く、エジプト国内では、対戦相手が決まった段階で、そもそも試合出場を拒否すべきだとの声もあったようです。エジプトと言えば、ロサンゼルスオリンピックの決勝戦、山下泰裕選手が痛めた箇所をわざと外して、すぐに抑え込まれて銀メダルとなったラシュワン選手のスポーツマンシップが思い出されます。


この大会のエジプト選手に対しては、IOC国際オリンピック委員会の規律委員会が、このような行為は、オリンピックの価値を具体化するフェアプレー規範と友好精神に反するとして厳重注意をしました。そしてエジプトオリンピック委員会に対して、五輪価値観の適切な指導をするよう求めたとのことで、結果この選手は、本国に帰国処分になったと伝えられています。アラブ問題は、政治的に深いものがありますが、確かに選手個人があのような態度を執るのは衝撃でした。


かつて冷戦時代、アフガニスタンへの旧ソ連の侵攻を理由に、いわゆる西側諸国がモスクワオリンピックをボイコットしました。そして4年後のロサンゼルスオリンピックは、東側諸国がボイコットしました。古くはヒトラーが利用したベルリンオリンピックもありました。ただあのころは、国家対国家の感はあったのでした。

いっぼうで、リオデジャネイロオリンピックでは、『難民団』の選手たちが出場しました。かつての祖国に帰れず、難民として他国で暮らしながらスポーツに勤しみ、祖国への思いを馳せて競技する、辛く悲しいことですが、このような形での参加が可能となり、素晴らしいです。柔道女子では、国として初めてオリンピックに参加したコソボの選手が、金メダル候補の日本人選手を破って優勝しました。


コソボ地区は、旧ユーゴスラビアに属し、これが崩壊後は、セルビアとなったもののコソボ紛争が継続し、IOCからは、独立したオリンピック委員会としては承認されておらず、コソボの選手は、セルビアもしくはアルバニアのオリンピック委員会に属して出場するしかありませんでした。コソボは国連加盟国ではありませんが、『祖国』代表として出場を希望する選手たちの願いが叶い、2014年にコソボオリンピック委員会が承認され、こうしてリオデジャネイロオリンピックに初参加が認めれたのです。柔道52㎏級の世界王者ケルメンティ選手は、コソボ初の金メダルを手にしました。

国際紛争とオリンピック、日本では考えられない実情です。国内では内戦が続いている国から参加した選手も、数多くおられます。そんな現実を見ると、言っておきたいことがあります。メダル獲得に水を差すとか、一生懸命頑張った選手に失礼の批判はあると思います。この件に関しては、別の観点から、あるご老体が批判されているようです。それは、卓球個人銅メダルを獲得した日本人選手の行動についてです。

あるテレビ番組に、レギュラーとして出演している元プロ野球OBのご老体?が、この日本人選手が試合に勝利して、歴史的な銅メダルが決まった際、ガッツポーズをしたのに対して苦言を呈しました。曰く、手は肩から上に上げたらダメ、やっつけたというような態度をとったらダメ、この国は礼に始まり礼に終わる、スポーツとはそういうものと『喝!』を入れたのです。スポーツをやらない私は、肩から上か下かがそんなに大切なことなのか、礼を失したかどうかはよくわかりません。


私がとても気になったのは、この日本人選手の喜びの声でした。そして、このご老体?の『喝!』に対する理解を求めるつもりだったのか、その後の発言に、さらに違和感疑問を持ちました。

この日本人選手、銅メダルが決まってガッツポーズの後、感想を聞かれてこう言われました。夢が叶えられて嬉しいの後、「今日負けたら一生後悔すると思うし、本当に死にたくなると思うので、絶対に負けないと言う気持ちで頑張りました」。これ聞いてどう思われましたか?喜びや祝福の気持ちを持ち続けられましたか?死にたくないのは当たり前、でも避けられない運命に委ねるしかない人も、最後のオリンピックを見ているかもしれません。


また、コソボ紛争を言うまでもなく、競技を続ける過程で、見たくないものを見て、人には言えない経験をした選手もいたでしょう。死なんて言葉をアスリートが使うのは、相当に違和感があります。

さらに続きます。例のご老体の発言は、「話題になっているので当然知っている」とした上で、男子団体戦も決勝進出したことを喜び、転んでガッツポーズした後、こんなことを言われました。「ガッツポーズは、遊びじゃなくて命を懸けているので喜びが自然に出る。相手も命をけけてくる。戦場ですからね。」と。


あるスポーツ新聞紙、この発言の見出しに、『戦場なので理解求める』と出しました。ここまで言われるのですから、失言とかはしゃぎ過ぎ、若気の至りではありませんね。

リオデジャネイロオリンピックに参加した選手の中に、実際戦場を経験した方がいるかどうかは知りません。『戦場ですから』って、戦場を知っているのですか。知ったような口を利くなと言いたいです。スポーツ選手、特にオリンピック選手が全員、対戦に命を懸けているかどうかは私にはわかりません。先のコソボの選手や難民選手団を気遣えば、絶対に出てこない言葉です。日本人が戦場を知ってるの?簡単に、軽々しく口に出せるのと、国際社会では不思議かられないでしょうか。


二度にわたってこんな発言が、『勝者』から出たのですから、卓球協会も日本オリンピック協会も指導にはおよばないとの考えでしょう。『老害』について国内ではネット上で語られていますが、『死にたくなる』『戦場ですから』『命を懸けてくる』に関しては、だれも、どこからも問題視されていないようです。奇しくも8月15日、これこそが日本国民の平和ボケかもしれないと、あるいはこちらも『老害』と言われれるかもしれない平和を愛し、命を対決にしたい人間のひとりごとであります。

 

定番『白い恋人』の他にも、新千歳空港には、面白いおみやげが、たくさんあるのです。

2016年8月17日
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お盆の帰省シーズンを終え、これから少しづつ暑さは和らぐのではと予想されます。

8月15日は、お盆の送り火でもあり、日本人にとっては、戦争を終えた記念となった日でもあります。リオデジャネイロオリンピックも甲子園もここから折り返し、夏の終わりと新しい季節の到来を感じるときでもあります。
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この時期帰省や旅行で、鉄道や空路を利用する人は少なくないと思います。駅ターミナルのおみやげ売り場、空港の出発ロビーは、特に混雑する時期です。東京で生まれ育った私は、『帰省』と言う経験はなく、地方には行き来する親戚はほとんどありませんので、おみやげを買って東京駅、羽田空港から出発することは滅多にないのです。

ですから、日本一旅行客が買っていくと言われる『東京バナナ』は買ったことはないですし、食べたこともありません。毎月出向く羽田空港の土産店は、まともに覗いたこともありません。

そんな私が、旅行する人、出張族に利用の仕方、特におみやげについてご案内できる空港があります。それは、繰り返しいちばん好きな空港とお話しする北海道の玄関口新千歳空港です。

今日は、少し遅れた感はありますが、新千歳空港での買い物、おみやげについてご説明し、オススメをご案内させていただきます。ここでは、必ず『何か』を買って帰ります。家内なんか、もう飽き飽きしていて、ときにまとめて宅急便で届けられる土産物に、辟易しています。そんな私の好みが入ったご案内であることを了承ください。

新千歳空港国内線ターミナルは4階建てで、出発ロビーは2階です。相応の規模の空港の出発口は2階にあり、従っておみやげ売り場も2階にあります。以前お話ししたとおり新千歳空港の2階土産物売り場は、いわば搭乗手続きを行う航空会社のカウンターに放射状様に配置されていて、無駄がありません。

特にスイーツアヴェニュー、道産子市場と言うお菓子類と山海の特産物を販売するコーナーが区分されていて、ANAFESTA、BLUESKYや丸井今井、東急等の大型店のほかにも、小樽や美瑛を専門にする店舗も出ていて、選べるのです。北海道の方は、おみやげ、特にスゥイーツならば、新千歳空港に来ればなんでも揃うと言われます。また、新千歳空港限定販売をウリにしている品物もあります。

値段を別にすれば、うに、かに等の海産物、アスパラ、じゃがいも等の農産物も、それぞれの現地とあまり変わらない味が手に入ると思います。ただ、私は空港では買ったことはありません。

この点菓子や乳製品は、空港が良いと言えます。値段はどこで買っても同じです。特にチーズ、バターは、各店舗で品揃えが異なりますので、彼方此方歩いてみるのも面白いです。

そんな中で、私が買うものを申します。まず、『じゃがボックル』です。これはカルビーが北海道限定で出しているじゃがいもを皮ごとチップにしたもので、もう10年くらいになりますが、しつこく買っていきます。

スゥイーツならば、『もりもと』です。千歳市内にある洋菓子店で、きっかけは20年前、初めて私の依頼者となった方からいただいた『雪鶴』に魅せられたことにあります。以来『もりもと』の商品は、いろいろ経験しました。それと、迷ったらお勧めするのが『ルタオ』の『ドゥーブルフロマージュ』です。これは病みつきになるでしょう。チーズならば、親しい友人になった西村公太氏のご縁で、『クレイル』です。

こちらは、我が家のわんこのおみやげとなる天然の『エゾ鹿ジャーキー』を購入する『スカイショップ小笠原』さんに置いてあります。クレイルのチーズは、生きているチーズで、わかる人はわかると言う評価だと思われます。なお、オーソドックスなチーズとしては、『小林牧場物語』や『はやきた』をお勧めします。

新千歳空港を出るのがいつも遅い時間で、帰宅してもご飯はありません。そのために買うのが『かま栄』のかまぼこてんぷらです。買ったときはアツアツなので、持ち帰りには注意です。

ちょっとしたおみやげには、やはり定番が良いです。昔は、石屋製菓の『白い恋人』でしたね。近時は、北菓楼やロイズの商品が数や種類で並びますが、小物?として、『柳月』の『小割三方六』がお勧めです。『雪鶴』は、持ち運びに難儀するので、『もりもと』の店舗の隣にある柳月の会員になり、このところ私は、これにしています。石屋製菓、六花亭、ルタオは割引が効かないことも理由となります。
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あと、塩辛や松前漬等の海産物も好まれます。これは数大きくあって、好みとなりますが、道産子市場の『佐藤水産』なら外れはないと思います。我が家は以前『黄金の松前漬』と言うANAやJALの店舗にもあるオーソドックスな品物を買っていましたが、まあまあでした。ソーセージ類なら、『とんでんファーム』ですが、個人的には『興部フランク』が好きです。

さて、いかがですか?写真もなくてイメージがつかめないでしょうか。要は好みの問題で、あまり予断を持たないで持ち帰ると、それはそれで満足されると思います。新千歳空港が素晴らしいのは、このように迷う、目移りすることかもしれません。

そしてこの空港の楽しみは、用を足したら3階にある飲食店で、『サッポロクラッシック』タイムであります。こちらも行きつけの店があります。東京に帰る前の名残の一杯、嬉しいですね。これが楽しみで北海道へ、新千歳空港に来ることは止められない現実があるのです。みなさんどうぞお越しください、

 

他の弁護士に具体的事件を依頼しているのに、きさらぎ法律事務所にいらっしゃるのはなぜかーー福本悟のひとりごとです。

2016年8月16日

弁護士に登録して31年が経過し、今年8月には、50代最後の誕生日を迎えました。

 

私たちが司法試験を受験していたころは、司法研修所の規模がその理由とされるのですが、毎年合格者は500名以内、私が合格した昭和57年は、確か457名でした。

 

現在は、法科大学院を履修するのが司法試験の受験資格となり、裕福な人か、社会人になった後に、受験時代の借金の返済をする人が、法曹資格を得た人の大半となりりました。それでこれが嫌なために、一部では抜け道なんて言われている予備試験を受験して合格、司法試験受験資格を取得する道も、奨めれれている現状です。

 

こうして法曹を希望する人そのものは減っているのに、弁護士の数だけ増えることから、様々な弊害が、指摘されているようです。 数が増えれば競争が活発化して質が上がると言われていました。未だそんな見解が、幅をきかせていないことはありませんが、政府与党ですら、返って質が低下したと言う立場に寄っていて、人口に限りませんが、法曹教育に対して、ここ数年見直しが言われてるいる実情です。

 

競争と質の問題は、ここでは論じません。私が言っていたことは唯一つ、人の生命や権利を預かる仕事には、競争原理を入れてはならないと言うことです。 質の低下を言われることは、仮にそうであったとしても、そうしたのは弁護士会や個々の弁護士だけの責任なのかと反撥したい思いはあります。

 

法曹人口法曹教育もまた、法律で決められました。それよりも、国会議員のほうが、質が低下したと思うのですが、それも今日は言いません。今日お話しするのは、きさらぎ法律事務所を訪れるご相談者から感じるベテラン?弁護士のひとりごとであります。 平成16年に、終戦直後から存在していた日本弁護士連合会の弁護士報酬規定が撤廃されました。

 

 

つまり、弁護士と相談者依頼者を拘束されていた規約はなくなり、弁護士と依頼者で、弁護士費用は自由に決めて良いとなったのです。この報酬や原則的な広告宣伝の自由化が、いくらか質の低下に影響していると思いますが、これを決めた弁護士会が言えるものではありません。きさらぎ法律事務所は、初回の事務所での相談料は無料で、相談時間の制限は設けておりません。

 

これは私福本悟が弁護士十数年を経て、そうすべきだと確信して行っていることではありますが、弁護士業務、法的サービスが有償であることからすると、『無料』は、この報酬自由化により可能となったことは否定できません。この『初回無料相談』で感じることは、これまできさらぎ法律事務所のホームページその他で述べてはおりますが、有り難いことに、この『ひとりごと』をご覧くださる固定のお客様もおられますので、ちょっと書いてみます。

 

ホームページをご覧になって、きさらぎ法律事務所を訪れる方は、そのほとんどが、他の弁護士による相談を経ておられます。それは、きさらぎ法律事務所が、個人事務所であり、宣伝費用などかけられないため、インターネット上で、いろいろ検索用語を入れても、上位に出てることは少ないからではあります。要するに、なかなか知ってもらえないからです。でも、相談に伺った事務所、弁護士さんの回答に満足し、これで解決になると思われたなら、またあの面倒なインターネットをいじって弁護士を検索する必要はないですね。

 

つまり、ご相談者の満足を与えていない、解決になっていないからなのです。私は、解決までの法律相談を心がけております。つまり、単に数時間話しただけで解決することはない、相談は解決までの筋道を立てたものでなければならない、要は、相談後ご依頼を受けることを前提にした相談対応をしているのです。

 

ですから最初は、ご自分が期待した答えが得られないことがほとんどで、諦めかけていたときに、それではどうする、次善の策、ベターなやり方は何かを押さえて、ご依頼を受けるかたちになるのです。 そんな日常で、このところ年々増えているのは、既に事件処理を弁護士に依頼されておりながら、例えば訴訟や調停が係属中に、ご相談に見えられる方が実に多くなっていることです。

 

あからさまに委任した弁護士に対する不満を言う方もおられます。でもそのほとんどが、弁護士を頼んだけれども、このままで解決するのか、あるいは何をやりたいか、この先どうすべきかわからないとの不安を言われて相談に来られるケースです。中には、『セカンドオピニオン』で来ましたと仰る方も。

 

ます申し上げたいのは、既に弁護士に依頼されている方は、『セカンドオピニオン』はありません。その弁護士先生に依頼して解決されるのか、その弁護士先生との委任契約を解除するかのどちらかです。私たち弁護士は、他の弁護士、これを同僚と表現しますが、これがいらっしゃるケースでは、具体的な相談にお答えすることは、倫理規定上他人の受任事件を奪う、あるいは、自己への依頼を勧誘するものとして、禁止されています。相談者にお答えすることで、受任弁護士への信頼は損なわれる恐れが生じるでしょう。

 

ですから、既に弁護士がついていながら、初回無料相談を希望される方には、具体的な回答は出来ない、一般論しか申せないとハッキリご説明いたします。それでも相談に見えられるのです。私ども弁護士の立場からいたしますと、以前は、弁護士と信頼関係が損なわれたケースは、ほとんどが相談者依頼者側に問題があるとの認識でした。これは、上から目線と言われるでしょうが、最近は、そんなケースは少ないと感じます。それなら受任弁護士が悪いのかと言えば、そうだとも言い切れない面はあるのです。 つまり、弁護士の数が増え、広告宣伝も自由になり、相談者から選ばれる時代になったのは良いけれど、その選び方は、あくまで与えられ、ゲットした情報をもとに、ご相談者において決めなければならないからだと思っています。

 

例えば、『離婚に強い弁護士』なんて検索用語を入れると、それは宣伝費用をかけた事務所がたくさん出てきます。私は、古い弁護士ですから、「何が得意ですか?」と問われても、「特にありません」とお答えします。ただし、これこれの事案は扱ったことがある事実はお伝えします。実際きさらぎ法律事務所にお越しなった方に対しては、ひととおり黙ってお話しを聞いた後は、自分の経験しかお話ししません。なぜなら、ほとんどの方が既に法律的な回答を得ていた、あるいはご自分で調べているからです。

 

ご相談者に詳しくお話をお聞きしますと、どうすればよいか、よくわからないままスタートした、依頼してしまった、それは、〇〇に強いと書いてあったから、任せておけばよいだろうの思いがあったと言われます。確かに相談者、すなわち依頼者となる方の着地点収め処を押さえて、そこに行き着くように進めて行くのが弁護士であり、私が心がけていることです。

 

でも実際、〇〇が得意、強いにつられて頼んだときには、相談者がそのとき質問した、希望したことが可能かどうかで受任したのであり、当面はそれで良かったとしても、本当の解決になったのか、返ってそんなことをしたために、別のところで問題がおきてしまったことも、ありうるのです。

 

大切なことは、今目の前にあることだけを、ご自分の視点でなんとかしたいの思いで弁護士を選択する、依頼を決めてしまうのではなく、むしろ自分が期待する答えと反対の回答が出される可能性を考えて、弁護士を選択されたいことです。 どうしてこんなことになるのか、中には、強い、得意と言ったではないかと私の前で、依頼中の弁護士に対する批判ばかりする方もおられました。でも、選んだのはご自身です。できるかどうかではなく、すべきかどうかです。

 

そんなところまで掘り下げて、真に依頼者のためを考えて対応する弁護士は、得意強いなんて空手形を切るのではなく、じっくり話を聞いてくれます。きさらぎ法律事務所にお越しになって、弁護士福本悟に依頼された方ほとんどが、最初は、期待する答えがもらえなかった、怖かった、怒られた?と言われます。

 

それは、私が、弁護士は、相談者におべんちゃらを使ったり、依頼者のいいなりになってはならないと考えているからです。じっくりお話を伺い、それは無理、すべきではない、ではどうするか、一緒に考えていくからです。私からすると、相談者依頼者のいいなりになる弁護士が増え続けることが、まさしく質の低下なのですが、近時は、相談者依頼者側でもそれに気づかれたのか、先のとおり、本当にこの先生大丈夫?の感覚から、セカンドオピニオンを求めるケースが増えていると感じます。

 

でも、具体的事件を弁護士に依頼されている間は、セカンドオピニオンはありません。もちろん、ご自分の判断で、委任契約を締結している弁護士を解任して、白紙の状態から新たな弁護士を選ぶことは可能ですし、実際そんなケースで、ご依頼を受けた経験はあります。

 

挽回するのに、とても苦労しました。

 

ですから、決して〇〇に強い、〇〇が得意につられずに、自分の目で、実際複数の弁護士と会い、依頼を決めて欲しいと願っています。

 

今日もまた、そんなご相談者がいらっしゃった福本悟の願いを込めたひとりごとであります。

銀は金より良く、銅は金と同じ、そして手ぶらで帰すわけにはいかないの言葉から。

2016年8月15日
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リオデジャネイロオリンピックは、競技期間の折り返し時期となりました。世界中のアスリートたちの力と技、最高の舞台で、最高パフォーマンスを出す、そして、彼ら彼女らを支えて来た多くの人々との物語が、連日列島を駆け巡っています。


ここまで日本選手は好調で、メダル数も前回大会を上回り、この先も期待されるところです。

昔、私が子どものころ、日本のお家芸と言われた体操と柔道、今大会は、凄いことになっています。体操では、団体で金メダル、個人総合で内村航平選手が金メダルを獲得しました。


柔道は、男女で合計3個の金メダル、男子は全ての階級で、メダルを獲得する結果を残しました。初めてメダル数を獲得した競技、もう何十年ぶりという復活した種目もあり、時差12時間の地球の裏側で行われている競技に、日本国内寝不足は何処へやら、酷暑の中熱狂が続いています。

選手、監督スタッフ、そして家族にも物語、そして心から発せられた言葉があります。体操団体金メダルは、予選やその前の練習段階ではなかなか調子がでなかった中、本番では全員の力で素晴らしい結果を出しました。


前回ロンドル大会で、個人総合金メダルを獲得した内村航平選手は、何としても団体金メダルをと自身を極め、仲間を鼓舞して引っ張って来られました。その内村航平選手、連覇がかかる個人総合では、トップを走る選手に絶望的と言われる得点差をつけられながら、最後の種目で大逆転し、金メダルを獲得しました。

内村航平選手のお母さま、優勝、金メダルは無理と思って、試合後の内村選手にかける言葉を考えていたそうです。銀メダルだろう、でも、銅メダルかもしれない。頭に浮かんだのは、「銀は、金より良い」「銅は、金と同じ」と言う言葉だったと言われました。

なるほどそうですね。漢字には、それぞれに成り立った意味があります。金銀銅、まさしくオリンピックの精神に合う言葉ですね。でも、金メダルを獲得した内村選手に対して、お母さま、何と言葉をかけたのでしょうか。

その内村航平選手、最後の種目で大逆転したので、海外のマスコミが、審判に好かれているのではないかと、内村航平に対して、判定に対する意見を求めたところ、2位銀メダルを獲得した選手は、こう言いました。「審判も、個人のフィーリングは持っているだろうが、スコアに対してはフェアで神聖なもの、航平さんは、キャリアの中でいつも高い得点を取っている。


それは無駄な質問だ」と。そしてこの伝説の選手と競い会えることがたいへん幸せだとも述べていました。内村航平選手、この場では、恥ずかしそうにしていましたが、その後、もう、自分はいっぱいいっぱい、次に闘うときは勝てないと思うと応えておりました。スポーツマンシップって、素晴らしい!

素人外野は、しばしば審判、判定に対して疑義を言います。でも、選手たちは、決して不満を言いません。それは限界まで競い、悔いなき闘いをしたからこそ、また、自分がこの場所にいるのは、ライバルあってのことの思いもあるのでしょう。

今回日本男子柔道は、4年前の金メダル0から、全員がメダルの快挙を成し遂げました。日本代表を率いる井上康生監督は、選手たちの健闘を讃え涙しました。

これを知った今はタレント?となった篠原信一前監督は、井上康生監督そして選手たちを讃えています。篠原信一選手こそ、オリンピック決勝で、世紀の大誤審により金メダルがすり抜けた偉大な選手でありました。そのとき篠原選手は、負けたのは自分の力が足りなかったことだとして、柔道界、日本国民議論が沸騰する中、ただひとり冷静に、そして次を見据えた大人の対応をされました。


そんな篠原氏の蒔いた種が、井上監督らにより身となり、新しい歴史を刻んだのだと思います。これこそ伝統、お家芸たる所以です。

伝統そして続けれものがあります。前回ロンドンオリンピックで、三連覇を逸して個人でメダルを獲得できなかった偉大なスイマー北島康介氏が、あるいはオリンピック最後の種目となるかもしれない400メートルリレーを前にして、同僚でこのとき2大会連続でバタフライで銀メダルを獲得していた松田丈志選手は、仲間たちにこう言いました。

「康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」。そして獲得した銀メダル、北島康介選手は、自身が過去獲得した金メダルに勝るとも劣らない喜びを爆発されたのでした。そして北島康介選氏、あれが最後のオリンピックになりました。

その松田丈志選手、おそらく今大会が最後のオリンピックになるであろうと言われ、たった1種目に絞って出場したのが、メドレーリレーでした。仲間たちは、密かに語ったそうです。「丈志さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」と。


レース後これを知った松田丈志選手には涙……。歴史と伝統は、確かに引き継がれています。

この「手ぶらで帰すわけにはいかない」は、現に競技中の選手からも発せられています。団体準決勝に進んだ女子卓球では、15歳の伊藤美誠選手が、「先輩方を……」と発言して、先輩から「ありがとう」が発せられてチームの士気が高まりました。


オリンピックが人々の心に響くものを残す、次に引き継ぐものがあるのは、競技だけではないようです。「手ぶらで帰すわけにはいかない」は、今年の、またオリンピックの流行語大賞になるでしょうか。頑張れアスリートたち、頑張れニッポン!そして世界が平和でありますように。

31年後の8月12日に起きた『羽田空港『ベルトコンベヤー不良事件』に寄せて。

2016年8月12日
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8月12日は、31年前の昭和60年のこの日、いわゆる日航ジャンボ機墜落事故が起きた日であります。この日、東京羽田空港を午後6時12分に離陸し、大阪伊丹空港に午後6時56分に到着する予定の日本航空123便、ボーイング747SR100型機が、操縦不能となって群馬県多可郡上野村通称御巣鷹の尾根に墜落、乗員乗客524人のうち520人が亡くなった現在でも、単独機の墜落事故としては、世界最悪の死者数となった航空機事故がこれです。


先の大戦を経た昭和史の中でも、忘れることができない悲劇であり、公共交通機関の事故としても、後の世に様様な影響と教訓を残した事故でした。

あれから31年経過した8月12日の早朝、東京羽田空港国内線第2ターミナルビルを使用するANA全日空の手荷物を扱うベルトコンベヤーに、不都合が生じました。

この影響で、一部の出発便に、数分から1時間超の遅れが出たほか、国内線12便が、機内荷物室に詰め込むために搭乗客から預かった荷物を、全く積み込ない状態で目的地に出発、その他十数便も、一部荷物を機内荷物室に納めることができないまま、積み残して出発したアクシデントとなったのです。この『故障』のため、5.500人が影響を受け、到着地にて、後続便に乗せた荷物を受け取るような事態となったということです。


羽田空港第2ターミナルには、全日空のほか、ソラシドエア、エアドゥ、スターフライヤーの各社も使用していています。これら各社は、全日空と共同運航している関係で、全日空からの搭乗客の座席が確保されておりますから、全日空の機械不都合による影響は、避けることができません。

共同運航のマイナス部分も現れたアクシデントです。31年前のこの日、夏休みとお盆の帰省シーズンで満席の日航ジャンボ機と言われたことが思い出されます。さて金曜日の朝、羽田空港からの下り便は、多くの搭乗客があったでしょう。


ベルトコンベヤーのアクシデントそのものは、相手が機械である点で、回避することは困難と言えましょう。ただ今年の3月、全日空では、コンピューターの発券システム等の故障により、数時間搭乗手続きができなくなったアクシデントがありました。そのときもバックアップ体制の重要性を指摘したと思います。何か気になる一連の『機会の故障』であります。

このアクシデントについて、議論が出ているのは、全日空は、ベルトコンベヤーの故障により、機内荷物室に搭乗客から預かっている荷物を搬入していないのに、この事実を出発前に搭乗客に告げずに目的地に出発したことです。つまりこのアクシデントに遭遇した乗客は、機内もしくは到着地空港で、初めて自分が預けた荷物が一緒に届いていないことを知らされたのです。


海外ではよくあることなのだそうですが、全日空のこの判断については、賛否両論ありそうです。ネット上の意見は、例に漏れず全日空に批判的なものが多いです。いっぽうで、最近の報道機関の現実から、現に『被害』に遭われた搭乗客からは、ほとんど怒りや抗議は出ていないように報道されていると感じます。

この問題、もし自分が被害に遭ったらどうだろうかと考えました。航空機を利用する目的がかなり影響すると想像します。私の場合、ほとんどが仕事、しかも裁判所他への出頭のための日帰り出張です。私は、こんなこともあろうかと思って、仕事関係の荷物は、少なくとも往路は必ず機内に持ち込みますので現実には、このような事態に遭うことはないです。でも、もし荷物が届かなかったら、たぶんこの日、この到着地に来た意味はないでしょう。すなわち、事前に手荷物が届かない、少なくともいつ到着するかわからないのであれば、この日の出張は意味はなく、この便に身体だけ搭乗する選択はないと想像します。


これと同様の意見は、ほとんど仕事関係の影響、意味付けの観点から、出されているようです。例えば、大阪伊丹空港や、岡山空港への航空機利用は、予めこんな事態が分かっていたならしないと言われます。この『ひとりごと』でも書いたように、新幹線は、『4時間の壁』があり、東京からならば、新幹線と航空機は、広島でほぼ拮抗、岩国もしくは山口宇部空港で逆転と言われています。大阪伊丹空港で荷物が来るまで待ち惚けならば、新幹線を利用したほうが良いとなるでしょう。


今回は、お盆の時期で、仕事より帰省の人が圧倒的に多いとすれば、衣類等には困らず、「別に急がないだろう」と判断したのではとの意見があります。

逆に、ベルトコンベヤーの故障が直るまで、荷物室に搬入できないがゆえに、航空機が出発を見合わせ続けたならば、おそらく手荷物を預けない私なんかは、文句を言いたくなるでしょうね。人間は勝手ですから。まして、事実を明らかにして、搭乗客に判断を求めたりしたならば、出発空港での混雑混乱は、想像を超えるところでしょう。必ず文句を言う人が出ます。


その対応で、出発は遅れるでしょう。荷物は後でーー何時になるかわからないけれどもーー到着するので、予定の便に搭乗しますか?と搭乗客に選択させるのは果たして解決になるでしょうか。ただし、ペットはどうなんでしょうか?長く飼い主と引き離されて不安でしょうし、先に待っている飼い主こそ、気がどうかなってしまいかねません。

これは『混乱回避』、『危機管理時のお客様サービス』を論点とすれば、あながち今回の全日空の対応判断は、受け入れ可能なところとなりましょうか。でも、私は、全日空の本音は、果たしてそこにあったのか、甚だ不謹慎な捉え方をすれば、ここで論じているような捉え方があることを『渡りに船』とした、本当の問題点を見えにくくしたのでは?と疑いたくなります。


それは、今日が、8月12日と言う航空会社にとって特別な日であり、トラブル発生による騒ぎの拡大を防ぎたいと、頭によぎらないはずがありません。それよりも、航空機は飛ばしてナンボなのだと思われるからです。

ベルトコンベヤーが復旧して、荷物室への収納が可能になるまで航空機の出発を見合わせたら、遅延が続くのみならず、到着地での折り返しも遅れますから、機材のやりくりができなくなり、欠航が続出します。事は羽田空港だけに留まりません。例えば、私も時々利用するANA51便羽田空港7時発新千歳空港行きは、新千歳空港到着後、折り返しANA54便9時30分羽田空港に向けて出発します。


もし、羽田空港をANA51便が1時間遅れたら、新千歳空港の折り返しは1時間後になります。そして羽田空港到着後、これが福岡空港に向かうとすれば、こちらも影響します。航空会社にとって、定時運航が生命線であることは明白です。そして機材のやりくりです。航空会社は欠航になること、ついでカラで飛ばすこと、すなわち座席を埋めずに飛ばすことは、営利企業である以上、回避したいのです。

もし、この事実を出発時に露わにしたら、出発が遅れたり、荷物はいつ来るかわからないと知れば、搭乗を止める人はいるでしょう。それでカラではないにしても、このお盆の時期に予約がキャンセルされては堪らないのが本音ではないでしょうか?

今回の全日空の判断、現場での咄嗟の逃げや先送りではないと思います。企業としての判断かあったはずです。公共交通機関の使命、それは安全運航が全ての前提のはずです。


31年後の8月12日に起きたベルトコンベヤー不良事件、空の安全への警鐘にならなければと思いました。