ギャンブルにカジノをミックスした新たな経済政策を、カジノミクスと言うのでしょうか?
2016年12月9日
統合型リゾート(IR)の整備促進法案、すなわち『カジノ解禁法』が、わずか数時間の審議で成立することになりました。
そうです。カジノ解禁法に限らず、現在の国会議員の構成からすると、行政府の長たる内閣総理大臣がやると決めたら、そこに所属する議員はNOとは言えませんから、成立してしまうのです。TPP、年金、カジノ、み〜んな結論決まってました。与党は、『強行採決』すればよいのですから。 このカジノ解禁法、アベノミクスの三本の矢、最後に放たれる成長戦略の目玉とされています。
カジノにより海外からの観光客を呼び込み、年間数千億円以上の民間投資を見込まれる、雇用も数万人規模となる等消費の活発化を言うのです。カジノとは、日本人に馴染みがない遊戯ですが、その収益は、パチンコの比ではないとされます。カジノだけが流行るのではなく、ホテルやテーマパークのごとく、まさに総合リゾート施設として一体化するのだそうです。 アベノミクスって、ギャンブルではなく、デフレから脱却して消費を起こす、雇用も増え、新たな業種業務が次々に生まれて国民生活が向上するって話だったのでは…。
成長戦略の目玉がギャンブルとは…。カジノは、様々な面から問題あり過ぎ、私は強く反対します。
そもそも日本には、カジノを業とする産業形態はありませんでした。まず外資が入ることは確実で、日本の金融資産は海外に流出することが確実視されます。アベノミクスの金融緩和、すなわち日銀が市場にジャブジャブ金を流し込一時的に円安が起きたものの、結局は海外の投資家が通り抜けて、利ざやを稼いだに過ぎませんでした。スタートラインから差がついている上、後に述べるとおり、もう海外ではカジノは下火と考えられています。
くだらない、無用の長物を造ってどうなるんでしょう。これは各国のオリンピック後のハコモノの処理でも気づきそうなものです。 お隣の国韓国では、カジノによる弊害が顕著です。先日テレビ放映されたリゾート型カジノ『江原ランド』では、夜間煌々と灯りが照らされているカジノの施設の外側では、道路は閑散、ゴミだらけ、路上で寝転ぶ人があり、そして古ぼけた建物や汚れた電話ボックスには、いわゆるヤミ金のチラシが所狭しと貼ってありました。この地区では、犯罪も増えたと報じられていました。
このところ日本では、『パチンコと生活保護』を論点に、金をなくして生活苦に陥った人たちをバッシングする傾向が見受けられます。これは『福祉のお世話』になっているのに昼間からパチンコとは何だ!の観点から指摘されたもので、私なりの意見はあります。しかし資産家もしくは普通の人が、ギャンブルをして資産を失い、生活苦になったら、単に自己責任だと言えるのでしょうか。
現在でも日本には536万人のギャンブル依存症の人がおります。これを放任しておいて、国がギャンブルを進めるのは何だと感じるのは、ギャンブルで破滅し、悩み苦しむ関係者たちだけではないと思います。日頃『税金で』と生活苦になった人たちをバッシングしている方々から、カジノ解禁に関する意見は聞かれません。 日本の刑法は、賭博を処罰します。単純賭博罪から賭博開帳図利罪等いろいろです。よく賭博に関する法律違反で被告人とされた人に対して、検察官は、健全な公営ギャンブルを乱したと非難します。
私自身は公営ギャンブルなら良いとは思えませんが、カジノを合法化するには、刑法との関係をどうするか見えてきません。カジノは民間事業者が実施するのでしょう。民間どおしですから、これまたアベノミクスの自由競争により淘汰され、結局は自治体?等の恒久的な収益増には繋がらないと思います。実際アメリカの州ではその問題が提起されています。 だいたいカジノの収益は、負けた客から入った金です。他人不幸で金儲け?と言われても仕方ないでしょう。昔の時代劇ではありませんが、賭博に犯罪組織が介入するのはつきもの。
反社会的集団が、合法化を装ってカジノ産業に参入すれば、マネーロンダリングが懸念されます。この法案は、総合的なリゾートなんてうたっていますが、子どもたちも、カジノがある施設内に出入り可能でしょう。わずか数時間の審議で急ぐ理由ってあるのですか。まさか今回党議拘束が外れた公明党から来年の都議選への影響、そしてプーチン解散だか真珠湾解散だかを模索している内閣総理大臣の思いを部下が忖度して、選挙前にやっておこう、しかも議員立法でとなったのでしょうか。
カジノ解禁は、政権の経済政策の目玉商品であるとともに、成長戦略の最後の砦。ホントにギャンブルに出たのでしょうか。アベノミクス…ア◯ノミクス…カジノミクス…。
北海道の美味しいスイーツは、次に来た時までのお土産にせざるを得ない連日の新千歳空港滑走路閉鎖を思う。
2016年12月8日
この『ひとりごと』でもお話したとおり、ラニーニャ現象の影響で、今年の冬は、北日本では降雪が多いと予想されていました。実際今年は初冬から降雪量が多く、東京でも11月に初雪、そして積雪を記録しました。北海道では、記録的な降雪量で、道央旭川市では、12月には入るともう根雪だそうです。札幌市の降雪も早くて、冬の風物詩『ササラ電車』は何回も出動しているようです。
北海道新千歳空港は、千歳市と苫小牧市に跨った滑走路2本を持つ羽田、成田、福岡に次ぐ第4位の国内利用客を持つ北海道の空の玄関口です。ここは道内では比較的積雪量の少ない地域に位置しますが、それでも冬季は数回降雪により滑走路が閉鎖される事態が生じ、航空便の欠航遅延が発生します。今年は11月から既に数回、滑走路閉鎖が発生しているようです。
そんな気候の影響もあるのか、先週新千歳空港に着陸した航空機が、滑走路を外れたアクシデントも起きています。また、札幌市内で午前中に50cm越えの積雪量を記録した日には、ほとんどの航空便が欠航になるなど、もう一年分の冬季欠航遅延をやってしまった気配です。札幌市は日本海側、千歳市は海に面する苫小牧市と接して、太平洋側気候と区分されるようですが、ここまで冬型の気圧配置が連続すると、航空ダイヤも乱れます。
そんな12月に入った新千歳空港、雪が似合うクリスマスムードだそうです。魚は九州の私は、北海道は山の幸だと思っています。とうもろこし、じゃがいも、たまねぎ、かぼちゃ、アスパラガス等等本当に美味しいです。夕張メロンをはじめとするメロンは、どこの土地のものでも美味しいです。ただ、冬は山の幸は『冬眠中』です。それで年甲斐もなく、ついついスウィーツを買ってしまいます。
新千歳空港内に出店している『ルタオ』。小樽市に本店がある洋菓子店です。この空港内の店舗、広々としていて気持ち良いです。もちろん有名店ですから、他の総合土産物売り場にも、ルタオのコーナーはあります。でも、空港ターミナルビル2階の『スウィーツアベニュー』にあるルタオ新千歳空港店がイイですね。意外にも子どもや若い女性ばかりではなく、出張族、年配の方も見かけます。
世の中で定着した商号の中には、これが決まったときには単純?なゴロ選びから誕生したものがあります。例えば『ブリジストン』『サントリー』あるいは『シダックス』。小樽が好きで、堺町通のルタオにもよく立ち入る私ですが、『ルタオ』の意味を知ったのは、5.6年前でした。良い名前だな~と前から思っていて、たまたま着いた席で手元にあった小樽のバンフの紙に『オタル』と書いてあったのに気づいたのです。オタルを反対側から読むとルタオです。ルタオは定着しているのです。
ルタオのドゥーブルフロマージュ、簡単に言えばチーズと生クリームが混ざったケーキです。チーズと言えば北海道のイメージがあると思います。ドゥーブルフロマージュ、小麦粉と生クリームは北海道産ですが、チーズはイタリアとオーストラリアから取り付けているそうです。北海道の洗練されたい生クリームと合う爽やかな風味のイタリア産、重厚な風味のオーストラリア産が合うのだそうです。ただ、新鮮で美味しいがゆえにに、日持ちしないのが難です。
私が必ず新千歳空港で買って帰るのは、千歳市に本店がある『もりもと』の『雪鶴』です。
この『ひとりごと』でも何回かお話しました。今から20年前、私が初めて北海道の依頼者となった方のために新千歳空港に降り立ったその日、北海道千歳市土産としていただいたのが、この雪鶴でした。スポンジの中に、バタークリームが入った白、地元千歳苫小牧産のハスカップが入った赤、と呼ばれる紅白の洋菓子です。今では時期に応じて、いくつか種類が増えていることがあります。
もりもとには、他に『ゆきむしスフレ』と言う好きな菓子があり、ハスカップジュエリーは、日経新聞で新千歳空港お土産第1位、金賞を受けたこともあり、トマトやハスカップのゼリーも美味しいです。でも、私の思い出が詰まっている『雪鶴』は、『人情味』も詰まっていて、忘れられない味なのです。箱が嵩張るので、バラで買って帰ります。それでもチョット運びにくいのが難点です。
12月11日と12日に、道内にいくつかあるもりもと店舗では、パンのフェアーが行われました。洋菓子だけではなく、10円まんじゅうやバンも販売されています。そして現在新宿京王百貨店の中地階に、もりもとが来ています。雪鶴も、ハスカップジュエリーもありました。
今首都圏では、雪国に行かなくても、北海道を味合うことができます。
今日の札幌市は、積雪量が60㎝を超えて、29年ぶりの大雪だそうです。太平洋気候に分類される新千歳空港も積雪量が30㎝となり、滑走路の除雪が追い付かず、航空ダイヤはほぼ麻痺状態と報道されていました。空港を利用される方は、気が気でないと思われます。洋菓子どころではないのはわかります。そんなとき、チョット空港内を覗いて気分を変えることができたら良いですね。それともこれらお土産は、次の北海道に来た時までの『お土産』になるのでしょうか。
また新千歳空港に行きたくなった晴れた日曜日の東京でのひとりごとでした。
日本人として、8月15日に匹敵する忘れてはならない日は、12月8日だと考えます。
2016年12月7日
終戦から71年経過した現在、8月15日の意味を、後世まで引き続ぐ重要性が言われます。もちろんそのとおりです。ポツダム宣言を詳らかに読んでいない、学生時代を含めて日本国憲法を学んだことがないと仰る方が、『戦後レジームからの脱却』を訴え、その人気は留まることを知りません。
日本人は『戦後の出発点』を忘れたのでしょうか? 『終戦』と言いましたが、その意味は深いものがあります。日本は明治維新を成し遂げ、最後の内戦と言われる西南戦争が終結して70年、日本国、当時の大日本帝国は、戦争ばかりしていました。『戦争ばかり』と言うのは、私は、戦争そのものが悪であり、現に引き起こされた戦争を、自衛・侵略の議論をすることは無意味と考えるからです。戦争で苦しみ、被害を受けるのは、戦争をしたい、しようと決意した人ではないのです。
その意味で、あえて『敗戦』と言う必要もないと思っています。1945年昭和20年8月15日は、日本が戦争を止めた日です。そしてその反省から、人間の尊厳を根本規範とする日本国憲法が生まれ、すべて人は個人として尊重され、持って生まれた権利が存在することが確認されました。それを実現するための国の運営は、国民が行う国民主権のもと、選挙により政府に託され、人間の尊厳を破壊する最たるものである戦争は、日本国民は永久に放棄したのです。
8月15日は、単に戦争を止めた日以上に、日本人にとって重要な日であります。 今年の8月15日に解散した安保法制反対を訴えて活動していた学生中心の若者の団体SEALDsのメンバーのひとりは、毎年12月8日に、祖父から電話をもらったと言っていました。さて、今年ほど12月8日が、日本人に知れ渡った年はないでしょう。
1941年昭和16年12月8日未明、アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島の真珠湾にあったアメリカ海軍の太平洋艦隊とその基地に対して、大日本帝国海軍が、戦闘機・潜航艇により奇襲攻撃を行いました。当時のアメリカは、モンロー主義が浸透していて、当時ヨーロッパで行われていたナチスドイツを中心とする戦争にも、日中間で戦火拡大していた中国大陸での戦争にも、せいぜい武器輸出くらいの『支援』で、戦闘には関与しない姿勢をとっていたところ、いわゆる日米交渉の決裂の通告前に、日本側が、アメリカに対して攻撃を仕掛けたことで、戦火はアジア太平洋地域に広がりました。アメリカ合衆国ルーズベルト大統領は、日本からの宣戦布告と表明、アメリカ国内では、卑劣な騙し討ちと世論が盛り上がり、時を同じくしてナチスドイツによるアメリカへの宣戦布告がなされ、ここに第二次世界大戦、太平洋戦争が始まったのです。
この大戦の結果、惨状は、言うまでもありません。アメリカに戦争を仕掛けた、そしてその緒戦が真珠湾攻撃であったことは、日本人は忘れてはならないと思います。戦中を生きた方が、後世の人間に対して12月8日を肝に命じて生きろ!と教えることは凄い重みを感じます。戦争を終えると言うことは、戦争を始めた日があったからです。
人間の尊厳を損なう忌むべきもの、破滅破壊を齎す最低最悪なもの、それを先人らは経験してきたのです。二度と繰り返してはならないとの叫びです。 さて、そのハワイオアフ島の真珠湾、日本国内閣総理大臣安倍晋三氏が今月訪問されるそうです。歴代総理大臣として初のことです。これは先月ペルーのリマで開催されたアジア太平洋経済協力機構で顔を合わした先、オバマ大統領との立ち話で決まったかに伝わっています。なぜ安倍晋三内閣総理大臣が真珠湾に?はいろいろ憶測を読んでいます。
安倍首相の思惑はともかく、日本国民がそれぞれに受け取ればよいのではと思います。 リオデジャネイロオリンピックの閉会式、土管からスーパーマリオに扮したお方が登場したその日、真珠湾にある記念館で、献花した方がおられます。このお方、懐が深いことで知られています。『アベ政治を許さない!』とカードを掲げた若者と一緒に写真に収まり、いわゆる安全保障法が成立した直後に、ご主人と一緒に鑑賞したコンサート、主役のアーティストから、これを批判するメッセージが発せられたときも、音楽を楽しまれたと伺っています。
一説によると、このお方が説得した、あるいは安倍晋三内閣総理大臣の心を動かした、見習ったとの声があります。来年1月任期を終えるオバマ大統領への餞けとの説もあります。広島へ訪問された返礼だとも。また、先月オバマ大統領の所属する政党から立候補した元国務長官を選挙で破って次期アメリカ合衆国大統領に就任するトランプ氏の私邸を訪問してまったフライング?に対するお詫びだとも。さらにまたしても『ポチ』との辛辣な意見も上がっています。
私にとってはどーでもよいです。 肝心なことは、アメリカ国民に対しても、戦争を仕掛けて多くの人命を落とすところとなった事実を厳粛に受け止めて反省の意を表すこと、また日本国民に対しても、日本を破滅に至らしめるきっかけとなり、シンボルともなりうる真珠湾、これを忘れてはならないと警鐘を促すことであります。真珠湾を訪問したことを持って一区切りがついたなどと言って、決して『戦後レジーム』からの脱却を求めたり、『戦前』を肯定することは許されません。あの場に立っていただいて、明治維新以来日本は『大日本』なんて名を冠し、優れた民族であるかに勘違いして、特にアジア諸国に対して、甚大な被害を齎した負の歴史を思い至って、恒久平和を祈念する原点と感じていただきたい。まして日米同盟の揺るぎなき強化……なんて的外れであります。
昔『大日本帝国』なんて言っていましたが、近ごろ『世界一』を、そのご発言の随所に散らべる方がおられます。世界一とは、なんか世界征服とか侵略を思い出します。今回真珠湾を訪問する安倍晋三内閣総理大臣、この次は、ぜひ南京あたりをお訪ねになって、アジア諸国に対しても、日本の過去の過ちを率直に認めてもう安心、日本は『戦前』には戻らない、あの時代やそれを率いた人たちを賞賛することは絶対にない、『戦後』を日本国憲法とともに忠実に歩んでいくことを見せていただきたい。
そうでないと、巷では『プーチン解散』が得策ではないと見た安倍晋三内閣総理大臣が、『真珠湾解散』を狙っているのではとの憶測を否定することは難しいでしょう。 沖縄の返還を受けた後の解散総選挙でもしかり、時の政府が、アメリカ合衆国との間をうまくやっていると国民に映った時、政権与党は議席を伸ばしているからです。安倍晋三内閣総理大臣、Pearl Harborで、長州人からもたらされた明治維新、そしてその後70年続いた負の部分に思い至って、戦前に戻らぬ不戦の決意を確認してきてください。
オーストリア大統領選とイタリア憲法改正国民投票がもたらしたものと学ぶべき事柄。
2016年12月6日
アメリカ合衆国次期大統領にトランプ氏が就任することが決まり、ポピュリズムの台頭を懸念するとの論調が目立ちます。確かに選挙期間中のトランプ氏の言動から、民族や宗教、そして性別に関しても独自の言動が見られました。
また、トランプ氏が勝利したのは、1%の富裕層が政治を支配すると言われるアメリカ合衆国の現状で、職を失い、収入が途絶えた労働者らの共感を得られたことがあったと思います。
そういう意味では大衆迎合かどうかはともかく、選挙戦をうまくやり遂げと言えるかもしれません。ただ、『強いアメリカを取り戻す!』の叫びに、民主主義国家から、懸念が保たれているのことは事実です。
でも、なんで次期大統領とは言え、まだ経済人、私人であるトランプ氏の私邸を、日本国内閣総理大臣は、お金を使って訪ねたのでしょうね。これこそ『トランプ外交』に降ったのもしれません。
さて、12月に入って、ヨーロッパで、注目される選挙・投票がありました。ひとつは、オーストリアの大統領選、ひとつは、
イタリアの憲法改正国民投票です。その結果次第では、EU離脱、金融不安、難民受け入れ等ヨーロッパ諸国に大きな影響が起こるであろうと言われておりました。
オーストリアでは、難民排除等民族主義を全面に出す極右政党自由党の党首ホーファー氏は、年齢も若く、見てくれも良く、その語り口はとても極右とは見えない?ところで、特に若い層から人気を得ていたと言われます。国の南側に壁を!と、最近どこかで聞いたような政策を打ち出し、今年4月に行われた大統領選では、勝利するのではないと言われていました。
それが人口850万人のオーストリアで、ヨーロッパ初の極右政党が政権を獲得かとの騒ぎに繋がりました。しかし最後の最後、不在者投票の開票の結果、僅か3万票の差で逆転され、移民・難民政策等に寛容なヘレン氏が当選と発表されました。ちなみにオーストリアは、北欧諸国と並んで、福祉教育が充実していて、日本と違って貧困率が低い国です。なんで極右政党が?の思いがありました。
ところが先の大統領選、開票作業に不正があるとか、マスコミが途中でホーファー氏の当選確実を報じたのは不公正とか、ホーファー氏陣営が、選挙無効を提訴したところ、オーストリアの憲法裁判所はこれを認め、選挙の無効とやり直しを命じたのでした。裁判所、しっかり仕事していますね。そして当初10月に予定された選挙が準備不足で延期となり、ようやく12月4日に投票が行われたのでした。
いっぽうのイタリア、この国は伝統的に少数党が多くあり、日本の国会に当たる上院と下院に優越はなく、しばしば両院では別々の決議がなされ、それが政権の安定に繋がらないと言われてきました。イタリアにはムッソリーの悪夢があり、独裁の温床となる政府の権限強化に繋がる恐れのない政局運営をなすべしとされてきました。しかし、それが少数政党の連立政権になったり、選挙ごとに政権が替って金融不安を齎す等問題があったとされます。レンツィ首相は、上院の権限を縮小すること、地方に委託していた決定権を、中央に移譲するように憲法を改正したいとし、これの国民投票を決意したとされます。
結果は、オーストリアは、現大統領が当選し、イタリアは、憲法改正は否決されました。形式的には、現状維持となりましたが、この結果と効果、そしてヨーロッパ諸国への影響に関しては、いろいろ言われています。オーストリアは、移民難民排斥の極右政党の政権奪取はなりませんでした。いっぽうイタリアは、政権が安定せず、金融不安が募るであろう、しかしそれが孤立化と他国からの干渉を嫌う国民世論が現れたとの評価があります。
ただ、議会の権限を弱くする政府の思惑による憲法改正は、それ自体として疑問はあるのです。イタリアのレンツィ首相は、辞意を表明しました。さらに政局は不安定になり、それこそここぞとばかりポピュリズムや排斥思想が跋扈する懸念があります。
6月のイギリスのEU離脱、先月のアメリカ合衆国トランプ大統領誕生等、国の独自性を重んじる空気がありました。他国との関わり、他民族の受け入れは、国家を危うくするかの流れがありました。国の運営が上手くいかず、人々の生活が良くならないとき、決まって敵を作る、大衆を煽るやり方は、残念ながら国民受けする歴史があります。
次元が異なると言われるかもしれませんが、日本でもア◯ノミクスって何年も言っていますが、これと並行して中国、北朝鮮の脅威や領土問題等を煽り立てて人気を博しようとするやり方があるのではと危惧します。
オーストリアのホーファー氏、直ぐに負けを認めました。また、レンティ首相は、ご自身の信任投票と位置付けておられたので辞任するようです。その意味では民意を尊重して、潔いです。イギリスのEU離脱の国民投票から始まって、『トランプ現象』そして極右政党とか国民投票とか、国のあり方を二分する流れが一気に押し寄せた感がある2016年です。
ただしイギリスにせよアメリカにせよ、今回の時を同じくしたヨーロッパ2カ国にせよ、国民がそれなりに考えて結論を出した、つまり民主主義は機能していたことは忘れてはなりません。それにしても内閣支持率60%超えの日本、独裁国家は別にして、凄いことになっています。このこと自体がポピュリズムに陥った結果ではないことを信じるしかありません。ヨーロッパと日本は違うようです。
新千歳空港保安検査場の『魔の時間帯』をご存知ですか?
2016年12月5日
私が一番好きな空港と言えば、北海道の新千歳空港です。これまでこの『ひとりごと』で何回か取り上げてきました。だだ、ひとつ特徴的と言うか、ちょっと困ることがあるのです。それは、搭乗口がしばしば混雑することです。特に、搭乗口BとCはそうですね。現在工事中であることも、いくらかは関係しているのかもしれません。
札幌市に住む方々にとって、11月中旬の金土日は、新千歳空港を利用するな!なのだそうです。それは毎年この時期、アイドルグループ『嵐』のコンサートが、札幌ドームで行われるからです。私はこのことを知らず、数年前の札幌出張のとき、札幌市内のホテルが全て満室になっていたことに驚いたことがあります。Yahoo!で『20◯◯年11月◯◯日札幌ホテル』と検索用語を入れましたら、嵐、嵐、嵐が出てきました。
何とか札幌市に辿り着いたこのときの夜のすすきの、もう嵐バックを持った人人人でありました。
嵐のコンサートに行かれた方はよく心得ておられるようで、帰りの新千歳空港、搭乗口で1時間並んでいるなんて、よくtweetされています。覚悟は出来ているみたいです。でも、嵐さんや、他のアイドルグループのせいだとは言えません。何でもないときでも、新千歳空港の搭乗口、ホント混んでます。私の印象では、平日でも午後6時以降は混みます。新千歳空港に限らず、私は日曜日の空港は極力避けたいのですが、日曜日の新千歳空港、もう正午ころから混んでいます。いつものことなので時計を見ているわけではありませんが、保安検査場通過に30分くらいはかかっている感じがしています。
それで航空機の出発が遅れます。新千歳空港の保安検査場、何かと話題になっていますが、確かに8月のすり抜け事件以来、チケットの確認を徹底するなど警備を強化したことも、時間がかかる原因ともなったことは、空港関係者も認めるそうです。関係者の間では、特に『魔の時間帯』として、午前8時、正午、午後6時を挙げるそうです。
特に保安検査場に長蛇の列ができる時間帯がこれです。この時間帯に大型機の出発が相次ぎ、午後5時からの1時間で5.000人が搭乗する日もあるのです。嵐のコンサートの最終日、今年の11月13日とその翌日の14日、保安検査場で1時間待ちとあり、この2日間で94便が、30分以上出発が遅れたそうです。
よく出張族から、『羽田でもこんなことはない』と言う声が聞かれます。実はひとつの空港、ひとつの建物で、1日400.便の離発着をまかなっていることがもう飽和状態なのです。新千歳空港の旅客数は、昨年初めて2.000万人を突破しましたが、うち1.800人が、国内線利用です。新千歳空港国際線ターミナルは、別にあります。なにしろ羽田新千歳線は、世界一の利用数で、このターミナルビルが現在の形にできた14年前より離発着便は2倍に、利用者は400万人増えたのに、搭乗口の数等ターミナルビルの基本的機能は拡げていないのです。
いつかこの『ひとりごと』でもお話したように、エンターテイメント、土産物等は拡充して、何となく道内のテーマパークの感はあるものの、これが反面本来の空港の機能をどうかしたのではないかの危惧があるのでした。
羽田空港は、国内線ターミナルビルがら2つあります。これは大きいと思います。現在新千歳空港の混雑緩和策として、昨年度から約200億円かけて、出発口の拡充工事が行われています。
保安検査場を1つ増やして6箇所にすることや、航空会社の出発カウンターを増設するなど、計画されているそうです。ただ、工事期間中は、これまた出入り口やトイレの位置が変わるなど、不便が生じてこれも、混雑や遅れの原因となっていることは否定できないと思われます。
政府は、外国人観光客の取り込みばかり熱心な感があります。カジノなんて、その象徴でしょう。
新千歳空港の国際化も、大きく取り上げられています。でも航空会社関係者は、外国人観光客の急増で国際線が注目されているものの、本当は、国内線の混雑こそ対策が必要だと声をあげているのです。このまま航空機の発着枠を増やすだけでは混雑がさらに酷くなるばかりで、利用者も空港職員もストレスが溜まる一方、何とかして!の思いをマスコミに伝えたそうです。
いつも新千歳空港の楽しさ、そして想い出等表面のみお話しますが、こうして裏、そして空港を支える人々の努力と思いを知る必要があると思い、少し辛口のコメントをしました。