危機管理ってなんですかね

2015年3月13日
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韓国駐在のアメリカ合衆国リパート大使が、ソウル市内のイベントホールで食事中、刃物を持った男に切りつけられる事件が起きました。

 

リパート大使は、オバマ大統領の側近で、この後ホールで、朝鮮半島の統一等をテーマにした講演を行う予定だったとされます。

男は、かつて韓国駐在の日本大使に対しても、竹島問題に腹を立て、コンクリートの塊を投げつけて有罪判決を受けた前科があり、この男が、いとも容易く会場に刃物を持って入れたことに、驚きを禁じ得ないと論評されております。

自己の主義主張と異なる意見考えを持つ者に対して、暴力を持って対抗することは、民主主義社会で最も忌むべき行為であります。これは『テロとの闘い』なんて大仰なことを言うまでもなく当然です。

負傷した大使の回復を願い、再発防止策を真摯に確立していただきたいものであります。

 

しばしば『危機管理』が論じられます。

 

韓国のあの事件は、危機管理以前の問題だと批判されているようです。

そしてこの事件が起きたのとときを同じくして、日本でも『発覚した』危機管理問題があるようです。

先週末国会では、発売された週刊誌に、妻子ある年下男性衆議院議員と、仲睦まじく歩いて路上でキスをした場面をショットされた衆議院議員である女性政務官が、野党議員から、衆議院予算委員会に出席を求められたところ、体調不良のため入院したと報じられました。

 

なんでもキスをした場面を撮影された当夜は、この政務官の直属の上司となる大臣が、辞任を発表した日であり、『危機管理』がなってないと野党は批判しているのだそうです。

大臣が辞任した日、すなわちキスをしたとされる日と、この危機管理問題が発覚した日まで、かなり時間が経過しているので、この政務官は、体調が急変したのでしょう。

 

それはそれとして、これは『危機管理問題』と言えますか?

 

あえて言うとすれば、バレテしまうような不倫をするなんて、この政務官の危機管理能力は?と言う論点なのではと思ってしまうのは、男女問題をしばしば扱う福本悟の捻くれた見方なのでしょうか?

 

大臣が辞任した日に不倫したあなたは、危機管理問題がなってない!なんて質問するのでしょうか?

国会でこんなこと?を取り上げる意味ありますかと問いたいです。ある野党幹部は、数にモノを言わせた政府与党の奢りだと批評しましたが、『こんなこと』、奢りも何も道徳的にも、あるいはこの相手となった年下男性の奥さんを傷つけたとすると、法律的にも許されないことは明らかであります。

逃げる方も追いかける方もどうかと思います。

これこそ危機管理以前の問題だと考えます。 以前、国会や議院委員会でのヤジが品位を欠くとの議論がありました。

 

質問と回答も品位を欠く内容をテーマにして欲しくはないと思う私は、国権の最高機関である国会に対して、過度な期待をしていることになるのでしょうか?

 

犯罪を生まない、被害者を作らない

2015年3月12日
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 川崎市内で13歳の中学生が殺害された痛ましい事件は、加害少年とされる被疑者が供述したとされる内容が報道されるに従い、執拗性残忍性がアップされ、怒り驚き悲しみが増幅されるようであります。

今回のような凶悪な少年犯罪が報道されるたびに、少年法改正――2000年以降複数回改正されました――が叫ばれ、今回の事件でも、例によって一部報道週刊誌が、主犯格とされる少年の実名を報道してもおります。

与党の幹部からは、少年事件が非常に凶悪化しており、犯罪を予防する観点から、少年法の在り方を議論されなければならないと述べられました。

しかし、センセーショナルなマスコミ報道は別として、少年犯罪は、1990年台をピークに、一貫して減少傾向にあります。
人口10万人あたりの検挙人員数を算出した人口比でも同様で、減ったのは『少子高齢化社会』が原因ではありません。
『凶悪犯』とは殺人、強盗、放火、強姦を指すのですが、検挙された少年のうち1%です。特に殺人は、ここ15年減少の一途を辿っているものです。

これは、司法や警察関係に携わる者の間では常識です。

もちろん、『だからよい』わけではありません。


ただ、政府与党には、弁護士出身者が多くおりますから、『わかった上での発言』だと言いたいのです。
私は、決して今回の被疑者とされる少年たちを、政府やマスコミに反駁したいがため擁護するものではありません。
被害者はどんなに辛かっただろう、痛かっただろう、怖かっただろうと思うと皆さんと同じく胸が張り裂ける思いです。

私がかねてより気になっていたのは、被害者少年のSOSに、周りの大人が気づいていない、あるいは気になっていたのかもしれないが、手を差し伸べることができていなかったことです。

これも誤解されると嫌ですから先に言っておきますが、私は、民主党の応援者でもありません。
この事件が報じられてやれ厳罰にせよとか、与党からは少年法改正が言い出された折、

いち早く『態勢面を含め、SOSへの気づきとその対応を再考しなければならない。少年法改正は、直結しない』
と言い切ったのは、地元川崎市選出の民主党元文部科学省副大臣でした。

事件発覚後しばらくして出された被害者少年の母親のコメントが反響を読んでいると報じたのは、日頃政府与党から目の敵にされてい新聞社でした。

ここ数日、これに続く報道がみられるようになりました。

被害者の家庭は、父母が離婚し、母親が5人の子を育てるため朝から夜遅くまで働いており、親子で向き合う時間が取れなかったことを母親は悔やんでいるのでした。『今思えば、私や家族に心配や迷惑を、かけまいと、必死に平静を装っていたのだと思います』

家庭、学校、地域が一体となって子どもを守り育てる必要性はつとに言われるところです。

しかし、もはや母親の愛情だけでは子どもを守ることは出来ないと言わざるを得ません。周りの大人たちも、自分たちの生活でいっぱいいっぱいとなっています。

厚生労働省の調査でさえ、経済的に普通の暮らしが出来ない人の割合は約16%で、そのうちひとり親の家庭は過半数が、『相対的貧困』なのだそうです。もっと子どもの側にいてあげられたらと思う親は、多いはずです。

私は、犯罪を生まないことと、被害者を作らないことは表裏一体の関係だと考えます。


裁判員裁判になって、死刑判決が増えたことが、あるいは刑法犯が減少したと言う一般予防の効果があったと主張する方がおられるのならば、ひとり親、あるいは『貧困』(あえてこの言葉を使わせていただきます)の家庭に対して経済的援助を含む少なくない支援をされる制度が構築されるべきであります。

いつか述べたかもしれませんが、安倍内閣は、トリクルダウン政策は取らないと宣言されましたから、是非とも『所得の再分配』を行っていただきたい。

すべての国民が安心安全な社会で、人として尊重されて生き抜くには、犯罪を起こさせない、被害を発生させない政府の役割があると思うのであります。

理想郷とは?

2015年3月11日
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ニッカウヰスキー余市蒸留所のパンフレットには、『ここが、竹鶴が夢見た理想郷。余市蒸留所へようこそ。』と冒頭案内されています。

本物のウイスキーづくりを夢見たマッサンこと竹鶴政孝氏には、豊かな水、澄んだ空気、冷涼で湿潤な気候がもたらすこの地こそ、約束された場所であり、ここから夢と情熱を後世まで残すことができると感じたとされています。
写真 2
正式名『ニッカウヰスキー株式会社北海道工場』となるこの蒸留所では、ウイスキーの製造工程とウイスキーの歴史知るガイド付ツアーがあるのです。

乾燥棟、粉砕糖化棟、発酵棟、蒸留棟、混和棟、そして貯蔵庫まで全製造工程がわかるよう配置されていて、NHK朝ドラ『マッサン』で、しばしば出てくる熟成、すなわち香り高い琥珀色の液体になって行く仕組みがわかるのです。


いっぽうで、ウイスキーの歴史を知るガイドは、世界のウイスキーの歴史と特徴を案内し、ニッカウヰスキーの各年代もの、商品化されたものの説明があります。



こうしてウイスキーの説明に酔いしれた後、メイン?のウイスキーの試飲がなされます。また、有料で、様々なウイスキーを嗜むことができることは言うまでもありません。

敷地内に並ぶ建物は、北海道遺産や文化財に指定される歴史を感じさせる物が多いです。

それだけに倒壊の危険等が認められ、例えば『リタハウス』は館内には入れません。マッサンとリタさん一家が住んでいたとされる横長の建物は、一部だけ入れました。
写真 3
余市蒸留所は、マッサンの夢、熟成したウイスキーの息遣いを感じることができる理想郷です。

とても気持ちが良かったです。人間には、各自理想郷とするところがあるはずです。

ただ、マッサンこと竹鶴政孝氏のように、みずから目指し、自覚していたケースばかりではないのだと思います。 
 もともとの理想郷、すなわち『ユートピア』の意味は、トマスモアの著作に出てくるように、現実には存しない社会で、想像の上に描かれた理想の社会だとされます。でも、竹鶴政孝は、この理想の社会を現実のものにしました。今風に言えば、「夢は叶う」と言うことかもしれません。そしてこの夢は、余市蒸留所において、連綿と受け継がれております。 

 理想と現実が一致するとき、人は最大の喜びを得るのだと思います。

そして竹鶴氏のように、理想郷が本物になった後も、今度はそれを残し、承継するための努力を惜しまない姿勢は素晴らしいですし、なかなかできるものではありません。
写真 1

私はここで何を学んだだろう、マッサンはどんなメッセージを伝えたかったのかと考えつつ、シングルモルトウヰスキー『余市』をグラスに注いで席に着きました。

 

隠されたコアラの間引きから学ぶこと

2015年3月10日
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オーストラリアビクトリア州で、2013年から2014年にかけて、コアラ686頭を間引きしたことが明らかにされました。

今後も間引きは続けられるそうです。 コアラは、自然領域としてはオーストラリアのみ生育している動物ですが、20世紀までに入植者が毛皮などにするため捕獲を続けたことから激減し、現在は10万頭を切ると言われ、絶滅危惧種とされております。

 

だだし、今回政府の説明としては言われたのは、コアラは一部の州では増えていて、コアラが食べられるユーカリの樹木が枯渇しており、コアラの餓死や衰弱が起こっているのだそうです。コアラの『安楽死』は、これからも続けられる見通しなのだそうです。

これに対してオーストラリア国民からは、

①ユーカリを増やせば良い

②コアラが不足している州に移動させれば良い

③そもそもなぜ国民に秘密にしていたのだと言った意見が寄せられているようです。

 

①については、時間、場所、費用やこれによる生態系への影響を考えなければなりませんし、②については、とても衰弱したコアラを移動させるに忍びないと関係者はコメントしたそうです。

③については コメントは聞かれません。所変わって日本では、熊におそわれた、猪と衝突したなど被害が報告されます。

つい先日も、北海道新千歳空港の立入制限区域内にシカ7頭が侵入し、これを追い払うのに7時間かかって、この間新千歳空港の滑走路は閉鎖される『事件』が報じられたばかりです。

北海道では、このところシカによる農作物への被害が深刻なのだそうです。現在捕獲したシカを食肉処理して北海道のグルメとして活用する動きがあるとのことでした。

私は千歳空港を利用する際、いつも出入りする土産物店に出張してくる『おじさん』から、我が家で暮らすわんこのため、『エゾしかジャーキー』を買って帰ります。

これは、天然のエゾしかをペットフードに改良して販売したものです。

わんこの様子から、とても美味しいようです。

 

増え過ぎて衰弱したコアラは安楽死させるしかなかったのかもしれません。同じ哺乳類でも牛豚馬などは明治以降普通に食卓に並びます。

北海道産の鹿が高級食材となる日が来るかもしれません。淘汰を余儀なくされる自然界では、結局人間が生きていく手段として、牛馬も鹿も処理されるのです。

ですが、人間社会は対等、国政府が批判されることを回避するため情報を発表しないで隠す!ことは認められるものではありません。

 

所詮オーストラリアのコアラの話ではありますが、この報道で私がいちばん感心をもった関心したのは、オーストラリアの世論③でした。

 

シカやタヌキとの共存

2015年3月9日
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3月1日夜は、航空会社にとっては散々な日となったようです。
もっとも、本当に迷惑を受けたのは、この日起きたトラブルに巻き込まれた人たちでしょう。

この日は日曜日でした。いつかお話したと思いますが、日曜日の上り便は混雑します。
特に午後から夜にかけては、週末を旅した観光客、しばし自宅に戻っていた単身赴任族が、羽田空港はもちろん、大阪、福岡、札幌等に戻ってくるからです。

写真
実は私もこの日、新千歳空港から、マッサン帰りをしておりました。機内も混雑して落ち着かないので、あまり日曜日には航空機は利用したくないわけですが、今回は、マッサンに会いに行くと言う全くの遊びでしたから、文句は言えるものではありません。

さて、この日最初の『事件』は福岡空港で起きました。午後6時前、福岡空港から羽田空港に向かう全日空機が、滑走路に向う誘導路を走行途中、ブレーキ故障を起こし動けなくなったことから約1時間半滑走路が閉鎖され、航空機の離発着ができなくなったことです。

離発着間隔世界一の福岡空港は、滑走路は1本しかなく、これまた世界一市街地に位置する空港であるため、夜間の使用が制限されており、欠航や目的地変更などが起きたと言うことです。
ちなみに、トラブルを起こしたのはボーイング787型機ですが、これは良く問題になっているやつですね。
私も2回、機体に問題ありと言うことで、整備のために、出発遅延と機内に閉じ込められた経験がありました。

ついで午後8時ころ、羽田空港周辺で、局地的な強風が発生したため、羽田空港への着陸が見合わされた時間帯が生じた『事件』が起きました。
こちらは、羽田空港に向かっていた航空機をいったん関西、中部国際空港に着陸させて燃料を補給した後、風が収まった羽田空港に向け、出発させる措置をとったことから、羽田空港に到着した時間には、もう公共交通機関は全て終了していて、多くの乗客が、空港内で一夜を過ごしたのだそうです。

航空機は早くて便利ではありますが、ひとたびトラブルが発生すると、多くの影響が出てしまいます。
永久に空中に浮いていることはできませんから、出発できない航空機、また飛行中の航空機は、何処か別の空港に到着させなければならない事態が生じます。

でも諦めもつきやすいです。

空中に浮いていることが出来ない以上、出発できず欠航となるか、何処か別の空港に『連れて行かれる』からです。これが、駅と駅の間に立ち往生した新幹線なら悲劇でしょう。
以前お話したように、私は、航空機を利用するとき、『弾は当たらない』と思っているので、遅延欠航などに『当たる』こともあまりございません。

先日の暴風雪の女満別空港もしかりです。

そしてその2日後、今度は新千歳空港が、シカの侵入により閉鎖されたと報じられました。
天候と同様これも『自然』が相手ですから、ある意味仕方ありません。
ちなみに十年以上前になるでしょうか、私が長崎空港を利用した翌日、大村湾に人工島として開設された長崎空港に、

なぜかタヌキの群れが現れて、滑走路が閉鎖されたと報道されたことがありました。

空港は、市街地から離れた場所に開設されますから、常に『自然』と隣り合わせと言うことなのでしょう。
むしろ人間の進出が、これら生態系に異変を起こさせたと言えるのかもしれません。

私の家の近くでも、まだ早朝道路脇にタヌキの死骸が 横たわっていることがあります。可哀想に、夜間車に跳ねられたのです。

風やシカがあんなにデカイ航空機を止めると言うのも、自然界の生業なのでしょう。


ネズミの嫁入りではありませんが、強さと脆さは背中合わせ、あまり気づかないところに、危うさは潜んでいるのかもしれません。