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私の住んでいるマンションの上階の住人から発せられる騒音について悩んでいます。 上階の住人の方にとっては、通常の生活範囲内で発せられる音なのかもしれませんが、私としては、とても気になりますし、毎日繰り返し発せられる音によって、精神的にも辛く、毎日が苦痛です。 どのように対応すれば、住人の方とトラブルなく、このような行為を止めてもらうことができるのでしょうか。

(2011/02/12)

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上階の住人は、あなたが困っていることを知らないのです。
もしかすると、初めのころは、「下の階の人にはうるさいかな」「迷惑を掛けているかな」と思っていたかもしれません。しかし、何も言われないので、問題ないと思っているのでしょう。ですから、上階の住人に、音で苦しんでいることをお話ししなければ、何も変わりません。

 ただし、このとき大事なことは、説明の仕方です。怒鳴ったり、怒りを顕にする対応では、反発されてしまいます。それは時として、逆恨みにもつながります。つまり、言い方,対応を間違えると、嫌がらせを受ける危険があるのです。

 上階の方にご家族がいらっしゃるなら、家族全員が揃った時間帯を見計らって、直接上階のお宅に伺いしましょう。お話しする内容は、音で困っていること,可能であれば、音が階下に気にならないような工夫をしていただきたいことを伝えることです。

 人間は、自分が悪い,人に迷惑を掛けていると自覚しても、他人から批判されると、素直になれないものです。つまり、批判をされると、反発するということです。ですから、上階の住人の方には、やんわりと、困っていることをお話ししましょう。

 「騒音」と一口に言っても、その音を受取る人,発せられる場所や、物によって、様々です。

 環境基本法は、騒音にかかる環境上の条件について、生活環境を保全し、人の健康の保護に質する上で維持されることが望ましい基準を定めております。専ら住居に供される地域では、昼間は55デジベル以下,夜間は45デジベル以下です。日常生活で静かだと感じるのは、45デジベル以下と言われます。

 マンションであれば、管理組合に測定を依頼し、組合として対応してもらうことも考えられるべきでしょう。

 さて、上階の住人が、申し入れにも関わらず、態度を改めない場合はどうするべきなのでしょう。その場合は、民事調停の申立てをすべきでしょう。

 調停とは、話し合い、互譲の精神と言われますが、おそらく上階の住人は、調停に出席して、あれこれ言われると思います。その席で、あなたが「騒音」と感じる音を録音していたら、調停委員会に、その録音を聞いていただくことも有用です。

 上階の住人が、調停の席で、「そんな音は出していない」あるいは、「気を付けている」等と言えば、その言葉を守るため、調停後は、慎重に行動し、生活するはずです。
調停を申立てしたこと自体で、抑止的効果が生じる可能性があります。

 大切なことは、我慢に我慢を重ねた末、上階の住人に、キレてしまわないことです。それによって、反って騒音が酷くなることもあり得るのです。