事例 事故・損害一覧

 接種していない者に対し、差別や職場・学校等での不利益な取り扱いは、許されておりません。←これは、国会の決議です。

『新型コロナウイルスワクチンの接種の判断が適切になされるよう、ワクチンの安全性及び有効性、接種した場合のリスクとベネフィットその他の接種の判断に必要な情報を、迅速かつ的確に公表するとともに、接種するかしないかは、国民自らの意思によるものであることを周知すること。』

 『新型コロナウイルスワクチンを接種していない者に対して、差別・いじめ・職場や学校等における不利益取扱いは、決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど、必要な対応を行うこと。』

 これは、予防接種及び検疫法の一部を改正する法律案が、内閣から国会に提出されたのを受けての衆議院の附帯決議です。

 国内から、コロナワクチンの接種が遅れていると批評されていた時期に当たる令和2年10月26日より開会された第203回国会において、内閣提出のこの法案が12月2日成立した際、国会により内閣に対して、『政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。』と14項目にわたって忠告を受けていたものの中にある第1項と第2項の部分です。

 よく『努力義務』なる言葉が聞かれます。あたかも強制はしない(もちろん罰則もない)が、義務は義務であるかにひとり歩きされる可能性があるので、注意が必要です。

 予防接種法8条は、都道府県知事又は市町村長は、法所定の予防接種についてその対象者に対し、予防接種を受けることを推奨することを、同法9条は当該予防接種対象者は、その予防接種を受けるよう努めなければならないと規定しています。「努めなければならない。」とあるものの、何をもって、どのような行動や判断が努めたことになるのか、明記されておりません。

 要するに、国民それぞれに「接種しようと努めた」といえる調査・行動、そして判断がなされればよいのです。

 特に重要なことは、その判断は、上記附帯決議にあたるとおり、個人の自由な意思に基づくものであることが絶対に必要であり、その意思表明・判断について、いかなる不利益を負うこともないことが、はっきり決議されているのです。

 この法文の「努力義務」は、何もコロナワクチンのみを対象としたものではありません。予防接種法に基づいて行われる定期接種の多くのもの、例えば4種混合・麻しん・風疹の予防接種などにしても当てはまります。

 特にコロナワクチンは、急いで開発使用される必要性からか、日本の場合薬が厚生労働省より投薬可と承認される必要な3つの治験のうち、第3相治験が省略されています。厚生労働省も案内していますが、ほとんど知られていないのではないでしょうか。

 一般的に薬が認可されるまで、5~10年かかるのは、多くの患者さんに治験を要する第3相治験の効果が判明・確定するまで、時間がかかるからです。

 治験については専門性にわたるので、法律実務の立場ではこれ以上踏み込みませんので、文献等でご確認ください。

 

 そして日本国内では、使用されている海外の製薬会社が製造したコロナワクチンについて、日本国より製造会社に対し、損害賠償免責が付いていることも留意する必要があるかと思います。

 つまり、仮にワクチン接種で健康被害等が起きた場合には、日本国が責任を負うこと及び、万一にも製造物責任を追及する訴訟等が提起された場合でも、それら費用は、日本国が負担するということです。

 これは何のためかはともかく、コロナワクチンの接種を急ぐ必要性から生じたものと解されます。国が責任を負うから良しとする、安心だと考えるかは人それぞれです。

 もっともコロナワクチン接種後亡くなった方(令和3年6月18日時点で、医療機関等から上がってきた)365人は、全て国は「因果関係を証明する資料がない。」と言って、補償はしていません。365人のうち159人が、6月8日以降亡くなったと発表されています。

 ちなみに2018年の1年間で、インフルエンザワクチンを接種して亡くなった方は、5000万人中3名でした。

上記365人という数字を、5000万人を分母とすると、740人になるそうです。

 コロナワクチン接種をして死亡した場合は、4420万が国から支払われることが言われますが、実際は上記のとおりです。もっとも、お金が支払われればよいと言うものでもないとは思います。

 これは従前の薬害事案で、国の責任が、訴訟で確定するまで損害賠償義務を認めない国としては、予想されたとおりです。

 それはそれとして、もし、コロナワクチンの接種を巡って強制力を加えられそうになったり、不利益な扱いを受けそうな場面に遭遇した方は、どうぞご相談ください。

 

健康第―、命あっての物種です。

 

自家用車を走らせていたら、車の左横を通過していった自転車に、車体のドア部分を傷つけられました。 自転車に乗っていた人は、自転車が車体をこすり、傷つけたことに気が付いたようで、私は車を停め、自転車に乗っていた相手の男性に怪我などがないか確認したうえで、私の車の車体の傷を見せました。すると相手の男性は、車体を傷つけたことは認識し、「いまは修理代など持っていない、お金がない」と言い、立ち去ろうとするので、「連絡先だけでも教えて欲しい」と私が言うと、「今は携帯の充電が切れていて電話番号が分からない」と言います。仕方がないので、私の携帯番号を教え、「あとでそちらから連絡をください」と念押しし、その場を離れました。 するとその日の夜に、相手の男性の父親と名乗る人物から連絡があり、「あの後、息子が足が痛いと言いだし、病院に連れて行ったら接触事故による怪我だと言われた、おたくの保険で治療費を支払ってくれるんだろう」と言われました。私は突然のことで驚きましたが、保険会社に確認してみる旨を伝え、こちらも車を傷つけられたこと、相手の男性の名前・連絡先すら教えてもらっていないことを言い、本人から連絡が欲しいと伝えるなどしばらくやりとりをしましたが、最終的に「治療費や自転車の修理代などは全て支払え」と言われ、私の車の修理代に関しては、「どうして払わなきゃいけないんだ」と言われました。 この場合、私の車の修理代を相手に請求することはできないのでしょうか。

(2011/5/12)

「車の修理代を請求できるか」のご質問については、「請求できる」が結論です。
「車体のドア部分を傷つけられた」とのことですから、相手方(自転車運転手)の過失によって引き起こされた物損、つまり、修理代の発生という損害の賠償責任が認められます。

 ただ、ご質問者の心配事は、加害者と思っていた自転車運転手の『父親』から、反対に、損害賠償を求められたことにあるのでしょう。車の修理代を踏み倒すための言掛かりの可能性もありますので、次の点を確認しましょう。

 まず、本当に本件事故によって、自転車運転手が怪我をして治療を受けたのだとすると、その治療費の支払いをどうしたのでしょう。

 交通事故による治療の場合、保険証は使えず、原則は自費となります。交通事故による受傷が明白なケースでは、病院側も、これを前提に事務処理をし、事実上、保険会社が支払います。

 本件では、事故当時、人身事故の認識が双方になかったのですから、後になって「痛い」と感じたのであれば、少なくとも治療にあたり、自転車運転手は、交通事故であることを申告するはずです。

 要するに、『父親』が、真実本件交通事故による傷害と考えているのか、このことによって判断されます。

 また、ご質問者の事故直後の対応には問題があります。

 人身事故との認識がなかったとしても、道路上の交通事故は、たとえ物損であっても、これを警察署に届出する義務があります(道路交通法72条1項)。

 事故で負傷した人を、そのまま放置して立ち去る行為は、いわゆる「ひき逃げ」として、懲役5年以下の重罰となる(法117条)ことはよく知られていますが、実は、事故自体を報告しなければ、1年以下の懲役もしくは、10万円以下の罰金に処せられるのです。

 物損事故の場合、「その場で示談を」という話が出ますが、これは絶対にやってはいけません。

 事故である以上、警察署に報告し、事故証明が発行される前提を作っておくべきです。むしろ、どんな小さな事故であっても、ひとたび警察の目が入っていれば、後日相手方からおかしなことは言われないだろうとの担保となるでしょう。

 そして本件については、遅くなったとはいえ、相手方の父親からどのように言われたという点を含め、警察署に届出をしてください。