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別居前にやっておくこと(1)

(2021/10/18)

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別居は、離婚を前提に行われるものです。離婚まで考えていなくて、とにかく現状から逃れたいとして、どこかに非難するケースもあるかもしれません。

 

命にかかわる場合は、避難を要します。例えば、自分や子に対する暴力・虐待など頻発しているケース。これはその段階で、必ず法律専門家に相談しなければなりません。

 とりあえず、警察に駆け込むことでも良いです。ただし、余程切迫・緊急した場面ではない限り、――そもそもこのような場面になる前に動くべきですが、――必ず未成年のお子様は、同伴して「逃げて」ください。

 さて、避難であれ別居であれ、次に何を行うかです。とにかく相手方(配偶者)とは、直接やり取りできない。つまり連絡・交渉、そして離婚等に進むために、代理人を立てる必要があります。単に「逃げた」「行方をくらました」状態だと、必ず「勝手に出て行った」とのくだらない主張を受けます。

 すぐに、代理人に委任することです。避難所のような場所にかくまわれた場合には、施設やケースワーカーが、然るべき相談機関を案内してくれます。

 代理人、つまり弁護士を委任した場合、まずあなたの生存は確認されましたので、行方不明となって心配して探していた、連絡を取ろうとしていたとの抗弁を、封じることができます。まずは、当面の生活をどうするかです。

 法的には、別居後の婚姻費用の分担請求がありますが、貴重品等の引渡しを求めたり、ここ数日中に、「その住居」宛に起きることへの対応が必要でしょう。

例えば、家に何々の書類が届くとか、締切が迫る何々を出しておかなければならないなど。

 次に、当面が落ち着いたら、離婚に向けた話し合いが進められます。ただし相手方は、あなたが別居したことに怒っておりますので、「はい、わかりました。」とはならない。「別居の同意」を得ることなどができる夫婦関係なら、逃げるように別居するはずもないのですが・・・。

 協議離婚ができない場合は、次に調停の申立てをします。弁護士に委任した場合は、あなたの住所を明示する必要はありません。

 一般的に「離婚だけ」合意して全てが清算され、解決となるケースは稀有です。未成年者がいれば、法的に親権者の指定を要します。また、養育費の請求・財産分与、あるいは面接交渉等を決めなければならない場合もあります。

そこまでの法的な要求や、整理すべき事項がなくても、例えば家に残した荷物をどうするか、口座引落しが分けられている人、健康保険証はどうするかなど、事務処理を要することは必ずあります。これらを決めるのも弁護士です。

 

私どもからいたしますと、別居して離婚が成立するとき、上記のような処理対応をしなければならないことがわかっておりますから、できれば別居を敢行する前に、段取りしておきたい事項があります。

 

つまり、別居する前にやっておきたいことです。

 

別居前に、つまり離婚を考えたとき、一緒に居ることについて不安・危険を感じた時には、即弁護士に相談しましょう。

 次の機会に、これを前提に相談に来られた方に対して、申し上げる事項をお話しいたします。